上野動物園の雌のジャイアントパンダ「シンシン」(11歳)が、赤ちゃん1頭を出産した。同園でのパンダ誕生は5年振り、5例目だと言う。
1972年、同園に初めて「カンカン」と「ランラン」というパンダが中国から贈られ、日本中がパンダ・ブームに沸いた時代【動画】をリアル・タイムで知っているので、パンダの話題になると、どうしても気になってしまう。特に出産に関しては、「生まれて直ぐに死亡。」という事が過去に何度か在ったので、余計に気になる。何とか無事に、大きく育って欲しい。
で、今回のパンダ出産を受け、ニュースで「其の経済効果は、267億円余りになるだろう。」と報じられていた。「パンダが生まれた事で、上野動物園を訪れる人が増加し、入園料や飲食費、土産物の購入等が増えるという“直接効果”が、東京都内で年間凡そ147億円。」、「来園者が食事やグッズの購入等に御金を使う事で、原材料を販売したり製造したりしている企業の売り上げが増加するという“一時波及効果”が、凡そ75億円。」、そして「上野動物園等で働く従業員やアルバイト等の収入が増え、消費が活発化する“二次波及効果”が、凡そ45億円。」というのが、「経済効果267億円余り。」という根拠らしい。
大きなイヴェントが在ったり、何等かのブームが起きると、「其の経済効果は〇〇億円。」と、良く報じられる。「あまちゃんブームによる経済効果は〇〇億円。」なんていうのは、記憶に新しい所だろう。
経済効果を喧伝した所で、其の実際の経済効果が検証された事は無いし、又、検証する事も現実的に無理だと思うので、「大きく言った者勝ち。」みたいな所は在る。「一定の地域には大きな経済効果を生み出したものの、他の地域の経済効果を同等乃至は其れ以上に食ってしまい、日本全体としての経済効果は高くない。」という事も在るだろうし、「『イヴェント開催やらブームを起こす為に投じた総額と、実際の経済効果額のバランスがどうなのか?」という費用対効果。」も考慮する必要が在りそう。
飽く迄も“個人的な肌感覚”で在り、実際にどうだったかは判らないけれど、自分がリアル・タイムで耳にした“経済効果”の中で、「実際は、もっと大きいんじゃないかなあ。」と感じたのは、「1985年のタイガース優勝による経済効果」だ。21年振りの優勝&初の日本一という事で、住友信託銀行が「其の経済効果は約400億円。」と発表したが、日本中が沸き返り、自分の様なジャイアンツ・ファンでも「良かったなあ。」と感動し、タイガース・ファンの人間と飲んだりしたもの。日本中で“緩んだ財布の紐”は、結構在ったと思うから。