ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

最終的な本数を予想

2013年09月12日 | スポーツ関連

先日タイガース・ファンの後輩から質問を受けた。「ウラディミール・バレンティン選手が、プロ野球シーズン最多本塁打記録『55本』を更新しそうですが、どう思われますか?“ノムさん”が此の件に関し『の記録が破られそうじゃん。俺は面白く無い。アメリカメジャー御払い箱が・・・。日本の恥だよ。破られるなら、日本人に破って欲しかった。』と言っていた様ですが、『そんなにして、王さんの記録を守る必要が在るのかなあ。』と思うのですが。」といった趣旨の質問。

 

野球に興味の無い方も居られるだろうから、簡潔に説明する。「日本プロ野球に於けるシーズン最多本塁打記録は『55本』で、此れ迄に3人が記録していた。1964年の王貞治氏、2001年のタフィ・ローズ氏、そしてアレックス・カブレラ氏。、少なくともプロ野球関係者の間には、『55本=王氏の記録』という思いを持ち、『他の選手に55本打たせては駄目。55本を更新させるなんて、以ての外。』という意識が根強く在り、1985年に2試合を残した段階で54本を記録していたランディ・バース選手に対し、露骨敬遠攻めがされた。ローズ氏やカブレラ氏の場合も同様の事が在り、其のに野球ファンの間からは『正々堂々と勝負すべき!』との批判が巻き上がった。」という背景が在る。

 

ブログで何度も触れて来た事だが、自分がジャイアンツ・ファンになったのは、王貞治選手がジャイアンツにたからだ。幼き頃、ジャイアンツ戦のTV中継を父と一緒に見ていて、此処ぞという場面でホームランを打つ王選手が、堪らなく格好良かった。人としての魅力も在り、王選手の大ファンになったのが、ジャイアンツ・ファンになった切っ掛けと言って良い。そんな王さんが打ち立てた記録で在り、尚且つ矢張り大好きな松井秀喜選手が背負っていた背番号の数字が「55」という事も在り、「55本」という数字に特別な思いを持っているのは事実だ。

 

ノムさんの発言は「メジャーなんかに(日本プロ野球が)負けて堪るか!」という“元選手の意識”が強く反映されているのだろうし、そういう反骨精神は一流選手になるには必要だとも思う。だがしかし、そういう思いを胸に秘めるのは在りだが、公言するのはどんなものか。メジャーではイチロー選手を始めとして、日本人選手の活躍を、彼の地の野球ファンも認めてくれている。中には「日本人選手が活躍するなんて、面白く無い。」と思っているファンも居るだろうが、少なくとも表向きは多くが認めてくれていると言うのに、村社会の様な考え方”では、日本プロ野球は更なる発展を望めないだろう。

 

で、後輩にも答えたのだが、自分の思いを記すと、「『55本』という数字を、後生大事に守り抜かなければいけない。」という考え方には、全く共感出来ない。「出来れば、日本人選手に破って欲しい。」という思いは正直無い訳では無いが、「記録を更新する事で、“新しい世界”を作り上げて貰いたい。」と思っている。

 

とは言え、「王さんが記録した通算本塁打『868本』は、破られないで欲しいなあ・・・。」と思ったりもしているのだから、自分も村社会の様な考え方から完全に離れられてはいないのだが。

 

昨日、其のバレンティン選手が本塁打を放ち、シーズン最多本塁打「55本」に並んだ。109試合目(スワローズとしては122試合目。)で55本という事は、0.51本/試合となり、2試合に1本打っている事になる。欠場無し&此の割合で全144試合に出場したならば、「73本」を記録するペースなのだから凄い。

 

「残り22試合でバレンティン選手が、何本の本塁打を打つか?」を予想してみる。上記した「0.51本/試合」で試算すると、後11本を打ち、トータルで「66本」という事になるが、「0.51本/試合」には「対戦数が少なく、シーズンは対戦が無いパ・リーグのチームの数字が加味されている。」し、「対戦チームによって、ホームラン率のばらつきが在る。」事から、「チーム別の被本塁打率」と「チーム別の残り試合数」を考慮しないといけない。

 

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「バレンティン選手に対するチーム別被本塁打記録」(9月11日現在

 

ジャイアンツ:8本/17試合(被本塁打率/試合→47.1%)

タイガース4本/14試合(被本塁打率/試合→28.6%)

カープ14本/17試合(被本塁打率/試合→82.4%)

ドラゴンズ:10本/21試合(被本塁打率/試合→47.6%)

ベイスターズ:9本/16試合(被本塁打率/試合→56.3%)

 

ゴールデンイーグルス:1本/4試合(被本塁打率/試合→25.0%)

マリーンズ:3本/4試合(被本塁打率/試合→75.0%)

ホークス:1本/4試合(被本塁打率/試合→25.0%)

ライオンズ:1本/4試合(被本塁打率/試合→25.0%)

ファイターズ:3本/4試合(被本塁打率/試合→75.0%)

バファローズ:1本/4試合(被本塁打率/試合→25.0%)

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試合数の少ないパ・リーグのチームを外すと、タイガース以外は完璧に打ち込まれている。(「タイガースの投手陣は良い!」と何度も書いて来たが、其の証左の1つと言えよう。)「タイガース以外は、被本塁打率/試合が50%。」というのは余りに打たれ過ぎで、特にカープの「82.4%」は尋常じゃ無い。

 

スワローズの残り22試合を対戦チーム別に分けると、「ジャイアンツ:7試合、タイガース:7試合、カープ:3試合、ベイスターズ:5試合」となる。(ドラゴンズとは、全ての対戦を終えている。)此の「対戦チーム別残り試合数」に、上記の「各チームの被本塁打率/試合」を掛け合わせると、バレンティン選手は「ジャイアンツ:3.3本、タイガース:2.0本、カープ:2.5本、ベイスターズ:2.8本」、其れ其れ本塁打を打つ計算に。詰り「9~10本」積み増す事になる。そうなるとトータルで64~65本

 

1977年、当時の通算本塁打数の世界記録「755本」に並んだ王選手と対峙する相手投手は概して、「新記録の756本目を打たれたら、自分の名前が『756本目を浴びた投手』として歴史に名前を刻まれてしまう。そんな恥は受けたくない。」という思いで一杯だったと聞く。

 

バレンティン選手に対しても、「56本目を打たれた投手として、歴史に名前を刻まれたくない。」という思いの投手は少なく無いだろう。だから今後、相手投手は可成り際疾い所を突いて来て、65本目を打つのは苦労するかもしれない。そうなった場合でも56本目は間違い無くクリアするだろうが、トータルでは「61本」位で終わると予想。56本目をあっさりクリアしたならば、「65本」は確実に行くだろう。


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8 コメント

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野村さんに賛成 (雫石鉄也)
2013-09-12 09:28:23
野村さんに賛成です。ホームラン記録を外国人に破られるうんぬんよりも、日本人選手の奮起をうながしているのでしょう。
イチローや黒田の日本人アメリカ野球選手と(私、メジャーという言葉は使いたくありません。なぜアメリカがメジャーなんですか?だったら他の国の野球はマイナーですか?)、いまの日本のプロ野球の外国人選手とはわけが違います。
イチローたちは、日本で充分に実績を積んで、惜しまれてアメリカに渡ったのです。一方、日本プロ野球の外国人は、アメリカ球界でなんの実績もない選手か、旬をすぎた選手です。バリバリの現役で、タイトルを狙おうかという選手が、ポスティングで日本に来たことはありませんね。
日本人選手はあこがれてアメリカに行きます。アメリカの選手が日本にあこがれて来るようになるようにしなければダメです。そのため、野球の実力、選手への待遇、球団経営、すべての面で、日本がアメリカを凌駕しなくてはならないでしょう。それの実現をねがおうではありませんか。いつまでのアメリカの下請けにあまんじたくありませんね。
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>雫石鉄也様 (giants-55)
2013-09-12 11:59:03
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

ノムさんの今回の発言、自分もバレンティン選手を貶めるというよりも、「しっかりせえ!」と日本の選手達(投手&野手)を叱咤している面が強いと思います。「色んな意味でメジャー(確かに此の言葉、「自分達こそが一番。」といった感じが在りますね。)より断然格下。」と見做されていた時代に、日本プロ野球界を牽引していた1人のノムさんとしては、「メジャー、何する物ぞ!」という反骨心は強かったろうし、WBCで日本代表チームが連覇する時代となったのに、「其れでも何故、メジャーが未だ格上の様な捉え方をするのか?」という思いが在るのでしょう。

個人的には、結果を残しているバレンティン選手は立派だと思う。練習態度が好い加減だったとか、精神面で色々言われて来た彼だけれど、「体力や技術」といった個人差の在る面以外では、他の選手達と同じ土俵で闘い、其れでこんな凄い結果を残しているのだから。

バレンティン選手が更新した最多記録を、今度は別の選手達が「打倒目標」として挑む。真摯な挑戦の中から、結果的にはより魅力的な環境が生み出される様な気がしています。
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記録は破られるもの (村長)
2013-09-12 13:21:38
 バレ選手は60本で終わるのでは?と予想します。(30数年間破られなかったB.ルースの記録)
 すごい記録ですけど55本の3人の偉業が色あせることはないでしょう。球場の広さ、ボールやバットの質、チームの順位などの要素は比べられないから。
 バレ選手が通産869本打ったら「王選手を超えた」と言ってもよいでしょうけど。
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>村長様 (giants-55)
2013-09-12 13:41:45
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

「最終本数は、56本を放つタイミングに掛かっている。」という気がします。プロの意地に掛けても、「56本は打たせない!」と投手達は思っているだろうし、逆に其のハードルが早い段階でクリアされてしまえば、投手達の気持ちは萎え、バレンティン選手は高揚すると思うからです。

記録は破られる為に在る。其れは摂理と言っても良い。新たな記録が生まれるからこそ、人は更なる高みを目指す。妙な小細工だけは、弄さないで欲しいもの。
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出身プロ野球機構や属性と、現所属場所における記録 (ぷりな)
2013-09-12 22:19:43
野村氏の発言は、バレンティン選手や他の外国人選手を貶めるというよりも日本人選手の奮起を促す発言だとは思います。MLBよりもすべてにおいて格下とされていたNPBの発展に尽力してきた1人として、アメリカに対する反骨精神は強いでしょう。しかし、真意はそうであっても外国人選手を貶めるような言い方はないんじゃないかと。

こういう「出身プロ野球機構や属性と、現所属場所における記録」については、イチロー選手のMLBでの記録に対して「所詮彼はNPB上がりの日本人」的な言い方をする人もアメリカにはいると思います。「MLBはNPBよりもすべてにおいて格上であり、MLBオンリーで達成した先人の方が貴い」という自負から言っている人もいれば、そう見せかけて実のところ「属性によって業績を過小評価しないとアメリカ人としての自尊心が保てない人」もいるのではないかと。野村氏の発言に類する発言への反論として「王氏だって台湾人」という発言をする人たちも「同じ穴の貉」なのではないかと、私としては推察しています。

「王氏が己の力で成し遂げた偉大な記録」を、「破られていない記録」ではなく「守られている記録」にしてしまうのは、この記録に対して失礼だと思います。外国人だろうが日本人だろうが、NPBに属する選手が成し遂げたからにはNPBの記録。

とは言っても、自分がセントラルの他の5チームの投手だったら、新記録を達成した時の相手投手として名が残るのは嫌ですね。しかし、この記録がらみでローズ氏やカブレラ氏が取り上げられる時に、彼らが敬遠される映像が使われており、相手投手も映っています。ペナントレースで上位に行くために、勝利のために仕方ない場合であったとしても、「圧力に負けて敬遠を行った姑息な投手」的なイメージも持たれかねないのも嫌です。見栄坊なんです。

ケータイのニュースサイトでバレンティン選手を獲得したスカウトの談話を読みました。強肩であること、メジャーへのアピールの場である3A において、「自分のアピールばかりにとらわれずチーム打撃もできる」「ミスをしたチームメイトに助言する」姿勢がスワローズにマッチすると考えて獲得したとか。彼に限らずスワローズは優良助っ人を多く獲得していますね。上物の魚もほしいですが、腕の良い漁師と飼育員がいるというのは羨ましいです。
56本の壁が破られれば、60本前後になるのではないかと。58か59くらいと予想します。
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>ぷりな様 (giants-55)
2013-09-12 23:50:55
書き込み有難う御座いました。

ノムさんの発言、言わんとしている事は判るけれど、「御払い箱」等、表現が良く無い。此れじゃあ、「相手に対する、最低限のリスペクトすら無い。」と言われても仕方無いし。

「人種」だけを俎上に上げて、其れで非難するというのは、とても卑しい事だと思っています。まあ、そういう人達って理屈で論じる事が出来ないからこそ、そういう方向に持っていかざるを得ないという事なのでしょうが。

王選手が当時の本塁打世界記録を更新する「756本」を打ったのは、スワローズの鈴木康二朗投手(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E5%BA%B7%E4%BA%8C%E6%9C%97)からでした。756号を打たれた投手には「サイパン島ペア旅行券」がプレゼントされる事になっていましたが、彼は“プロとしての意地”から、受け取りを断固拒否した事でも有名。其の気持ち、凄く判ります。

以後、野球漫画で「756号を打たれた投手」として彼は何度か登場させられていますし、今でもこうやって名前が使われる。歴史に名前を刻んだのは確かですが、痛し痒しという面も在りましょう。

日本球界で成功、其れも長期間に亘ってという外国人選手は、概して「順応性」が高く、「日本プロ野球」を馬鹿にしていないという面が在ると言います。「『メジャーの野球』と『日本プロ野球』は、全くの別物。」と割り切っているのかもしれませんが、こういう外国人選手は心から応援したくなる。バレンティン選手もナインに溶け込んでいると聞きますし、頑張って貰いたいです。
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昨日のコメントについて (ぷりな)
2013-09-13 12:39:43
昨日書かせていただいたコメントの第2段落の
>「MLBはNPBよりもすべてにおいて格上であり、MLBオンリーで達成した先人の方が貴い」という自負から言っている人もいれば、そう見せかけて実のところ「属性によって業績を過小評価しないとアメリカ人としての自尊心が保てない人」もいるのではないかと。野村氏の発言に類する発言への反論として「王氏だって台湾人」という発言をする人たちも「同じ穴の貉」なのではないかと、私としては推察しています。
という表現は、読む人によっては野村氏をレイシストと「同じ穴の貉」呼ばわりしているように読めてしまいかねないと、投稿した後で気づきました。ご本人とファンの方々、読まれた方々に申し訳ないので、当該箇所を次のように訂正させていただきます。

「MLBはNPBよりもすべてにおいて格上であり、MLBオンリーで達成した先人の方が貴い」という自負から言っている人もいると思います。NPBとMLBという立ち位置は違えども、野村氏はそういう「自国のプロ野球機構への強い自負」を持つ人々と同じタイプでしょう。一方で、「属性によって業績を過小評価しないとアメリカ人としての自尊心が保てない人」もいるのではないかと。野村氏の発言に類する発言への反論として「王氏だって台湾人」という発言をする人たちも、そういう「属性によって他人を過小評価しないと自尊心が保てない人」なのではないかと、私としては推察しています。

くどくて申し訳ありませんが、意味を取り違えられる可能性は小さくしておきたいので。
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>ぷりな様 (giants-55)
2013-09-13 14:01:32
書き込み有難う御座いました。

ノムさんの灰汁の強さは良く判っていますし、其の灰汁の強さ故に、発言が誤解して捉えられ勝ちなのも理解しており、故にぷりな様の昨日の書き込みで「ノムさん=レイシスト」という意味合いは、“個人的に”全く感じていませんでした。でも、確かにそう言われてみれば、ぷりな様の本意と違った受け取られ方をする可能性は無くは無いかもしれませんね。

ぷりな様に対する自分のレスも、読み返してみると「『人種』だけを俎上に上げて、其れで非難するというのは、とても卑しい事だと思っています。」の部分が、ノムさんに対して言っている様にも取られ兼ねないかも。」という感じがしました。飽く迄も「『王氏だって台湾人。』という発言をする人達」に対しての事で在り、続く「まあ、そういう人達って理屈で論じる事が出来ないからこそ、そういう方向に持っていかざるを得ないという事なのでしょうが。」の部分で、理屈っぽいノムさんを指していないのは御理解戴けると思うのですが、文章って難しいですね。

追記の件、了解致しました。
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