好きな漫画の一つに、西岸良平氏の「三丁目の夕日」という作品が在る。昭和30年代~40年代にかけての、”生活面では決して豊かではないものの、精神面では今よりも格段と豊かだった時代”を、庶民の生活を通して描いている。未来というものに、限りない夢を抱けた時代と言っても良いだろう。この作品がこの程、実写映画化される事になった。
新横浜ラーメン博物館内に再現されている町並みもそうだが、各地で昭和30年代~40年代の雰囲気を漂わせる店や町作りが数年前からブームの様だ。物は満ち溢れるも心が荒廃し、殺伐とした事件が多発する現世から、一時でも逃避したいという思いを持つ人が少なくないのだろう。この時代を生きて来た人間だけではなく、そうでない人間にとっても、何とも言えない懐かしさを感じさせる風景なのかもしれない。言わば、日本人のDNAに刻み込まれた”原風景”が其処に在るのかもしれない。
この漫画には、そういった風景や当時の風俗が、思う存分描き込まれている。煙草屋の店先では、店番の婆ちゃんがうつらうつらと居眠り。夕闇迫る町角には、リヤカーを牽き、ラッパを吹き鳴らしながら歩く豆腐売りの姿。黒電話や”脚付き”テレビが置かれた茶の間では、一家の団欒が・・・。懐旧の情に駆られてしまう内容なのだ。
今から30年近く前の話だが、自分は東京の中心部に住んでいた。都会にも拘らず、冬になると学校では石炭ストーブが使われていて、ストーブ当番が石炭を火の中に焼べるのだ。直ぐに教室の中は、濛々とした煙で充満し、咳き込んだものだった。又、近所の小高い丘の上には、人気が全く感じられない古びた洋館、あたかも怪人二十面相」がアジトにしていそうな洋館が、つい20年近く前迄確かに存在していたのである。そんな風景が妙に懐かしい。
好きな漫画の映画化だけに楽しみではあるが、実写化というのが気になる所。原作の持つ”ホンワカ”とした雰囲気を大事にして欲しいが、妙に漫画を意識し過ぎて、「ルパン三世」や「北斗の拳」の実写版の様な”トンデモ”作品にならない事を祈りたい。
新横浜ラーメン博物館内に再現されている町並みもそうだが、各地で昭和30年代~40年代の雰囲気を漂わせる店や町作りが数年前からブームの様だ。物は満ち溢れるも心が荒廃し、殺伐とした事件が多発する現世から、一時でも逃避したいという思いを持つ人が少なくないのだろう。この時代を生きて来た人間だけではなく、そうでない人間にとっても、何とも言えない懐かしさを感じさせる風景なのかもしれない。言わば、日本人のDNAに刻み込まれた”原風景”が其処に在るのかもしれない。
この漫画には、そういった風景や当時の風俗が、思う存分描き込まれている。煙草屋の店先では、店番の婆ちゃんがうつらうつらと居眠り。夕闇迫る町角には、リヤカーを牽き、ラッパを吹き鳴らしながら歩く豆腐売りの姿。黒電話や”脚付き”テレビが置かれた茶の間では、一家の団欒が・・・。懐旧の情に駆られてしまう内容なのだ。
今から30年近く前の話だが、自分は東京の中心部に住んでいた。都会にも拘らず、冬になると学校では石炭ストーブが使われていて、ストーブ当番が石炭を火の中に焼べるのだ。直ぐに教室の中は、濛々とした煙で充満し、咳き込んだものだった。又、近所の小高い丘の上には、人気が全く感じられない古びた洋館、あたかも怪人二十面相」がアジトにしていそうな洋館が、つい20年近く前迄確かに存在していたのである。そんな風景が妙に懐かしい。
好きな漫画の映画化だけに楽しみではあるが、実写化というのが気になる所。原作の持つ”ホンワカ”とした雰囲気を大事にして欲しいが、妙に漫画を意識し過ぎて、「ルパン三世」や「北斗の拳」の実写版の様な”トンデモ”作品にならない事を祈りたい。
ところで、今年は過去の名作マンガ・アニメなどがハリウッドのアメコミ映画化の影響か実写で公開されていますが、ファンのブーイングにさらされております。3丁目の夕日実写化はなかなか難しいとは思いますががんばってほしいものです。
http://homepage3.nifty.com/hirorin/devilmaneiga.htm
ストーリーはどうって事ないんだが、でも帰り道は、今の風景の中に、懐かしさを捜し求める俺がいたよ。