ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「少女は夜を綴らない」

2018年10月12日 | 書籍関連

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「人を傷付けてしまうかも知れない。」という強迫観念囚われている、中学年生の山根理子(やまね りこ)。彼女は小学6年生の時に、同級生の瀬戸加奈子(せと かなこ)を目の前で“死なせてしまった”事を、トラウマとして抱えていた。

 

“身近な人間の殺害計画”を“夜の日記”と名付けたノートに綴る事で心を落ち着け、どうにか学校生活を送っていた理子の前に、或る日、加奈子の弟・悠人(ゆうと)が現れる。“加奈子の死”に纏わる理子の秘密を暴露すると脅され、理子は悠人の父親・龍馬(りょうま)を殺す計画を手伝う事に。

 

止むを得ず殺害計画を考える内、誰にも言えなかった“夜の日記”を共有出来る悠人に心惹かれていく理子。軈て2人は、殺害計画を実行に移すが・・・。

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逸木裕氏の小説少女は夜を綴らない」。逸木作品は現在に3作品上梓されており、今回の作品で全て読了

 

不合理な行為や思考を、自分のに反して反復してしまう精神障害。」の一種に“強迫性障害”が在るが、其の1つにとして挙げられるのが“加害恐怖”。「自分の不注意等により、他人に危害を加える事態を異常に恐れる症状。」を意味し、「車の運転をしている際、気が付かない内に轢いてしまったのではないかと不安に苛まれ、確認に戻る。」とか、「赤ん坊を抱いている女性を見て、突如として其の子供を掴んで投げてしまったり、落としたりするという様な、常軌を逸した行為をするのではないかという恐怖を感じる。」といった事が、具体的な症状。主人公の理子は同級生を目の前で死なせてしまった事により、加害恐怖を発してしまう。

 

加害恐怖の他に、DVホームレス殺害等、不快さを感じさせる記述溢れている。読後感も良く無く、典型的な“イヤミスと言えるだろう。

 

加害恐怖をテーマに挙げたのは、決して悪く無かったと思う。「どんな展開になるのだろうか?」と、興味を惹かれたし。でも、結末はがっかりの一言理子の兄・智己(ともき)の“正体”も“取って付けた感”しか無かったし、本当にがっかりな内容。

 

総合評価は、星2つとする。


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