ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

“虐待”では無く、最早“犯罪”

2022年12月04日 | 時事ネタ関連

ミステリー関連の年間ブック・ランキングで、自分が注目しているのは「本格ミステリ・ベスト10」(発行元:原書房)、「週刊文春ミステリーベスト10」(発行元:文藝春秋)、そして「このミステリーがすごい!」(発行元:宝島社)の3つ。2日前、「2022週刊文春ミステリーベスト10【国内編】」を紹介したが、今日は「このミステリーがすごい!2023年版」を紹介させて貰う。

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「このミステリーがすごい!2023年版【内編】」

1位:爆弾著者呉勝浩氏)[総合評価:星3つ]
2位:名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件」(著者:白井智之氏)
3位:捜査線上の夕映え」(著者:有栖川有栖氏)[総合評価:星3.5個]
4位:方舟著者夕木春央氏)[総合評価:星3.5個]
5位:「プリンシパル」(著者:長浦京氏)
6位:「爆発物処理班の遭遇したスピン」(著者:佐藤究氏)
7位:同志少女よ、敵を撃て」(著者:逢坂冬馬氏)[総合評価:星4つ]
8位:「大鞠家殺人事件」(著者:芦辺拓氏)
9位:「地図と拳」(著者:小川哲氏) / リバー」(著者:奥田英朗氏)
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総合評価を記したのは、自分が読んだ作品。2日前の記事でも書いた様に、「自分が高く評価した『同志少女よ、敵を撃て」が「このミステリーがすごい!2023年版【国内編】」でも7位と決して評価が高く無いのは、「作品の上梓時期が悪過ぎた。」のが大きいだろう

閑話休題

18年前の記事「教師の恐喝事件、闇に葬られる」で詳しく書いたが、知人が教員務めていた学校では、「新卒教員が女生徒複数人に対し、恐喝猥褻行為を繰り返していた事が明らかとなったが、警察沙汰にする事無く闇から闇に葬り其の教員は“他校”に移される事になっただけ。」という事が、実際に在った

もう“大昔”の話になってしまったけれど、彼から其の話を聞いた時は「本当なの!?」と信じられなかった。でも、事実だと知り、ぞっとしたっけ。悪質な犯罪行為を繰り返し乍ら、警察沙汰にされる事無く、何事も無かったかの様に他校に移されただけの其の教員は、恐らく“味を占めて”、再び同様の犯行を繰り返したのでなかろうか。

こういうはきちんと警察沙汰にする事で、他校が採用する際に“警戒”出来る様にしないといけない。「絶対に採用しない様にする。」というのでは問題が在るので、採用する側が警戒出来る様にし、同時に本人も「同じ過ちを繰り返さない様に、厳しく身を律する。」の“必要最低限の策”。

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「『さくら保育園保育士3人による園児虐待問題 裾野市刑事告発検討 静岡県・裾野市」(11月30日、静岡朝日テレビ

静岡県裾野市の保育園で、保育士3人が1歳児に虐待を繰り返していた問題。で、裾野市は刑事告発も検討しているという事です。  

裾野市の私立「さくら保育園」で、1歳児を受け持つ保育士3人が虐待を繰り返していました。  

園によりますと、保育士3人が複数の園児に対し、倉庫に閉じ込めたり、園児の足を掴ん逆さ吊りにしたりした他、泣いている園児の写真を撮って笑っていたという事です。  

又、園長から裾野市への報告の中で、一連の問題を口外しない様、職員に誓約書を書かせる事が在った。という事です。  

此の件に付いて、裾野市は午後1時から記者会見を開き、「園を刑事告発する事も検討している。」と明らかにしました。  

又、県と裾野市は、今後園に対して特別指導監査を行う方針です。
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追加情報として、「今回の事件は今年6月から8月に掛けて行われていたが、園はずっと其の事実を隠していた。」、「当該する3人の保育士は既に退職(1人は、最近になって退職。)しており、其の内の1人は『指導の積りだった。』と釈明している。」、「虐待対象は1歳児だけで無く、4歳児も含まれていた。」等が在る。

又、裾野市が保育園で行われていた不適切な行為として、次の15の物を挙げていた。

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① 
ロッカーに入って泣いている園児の姿を、携帯電話で撮影。
② 
園児の頭を、バインダーで叩いて泣かせる。
③ 
棚に入った園児の足を掴んで引っ張り出し、逆さ吊りにする。
④ 予め
遅刻の連絡が在った園児に対し、腕を引っ張り、「遅いんだよ。」と怒鳴る
⑤ 
寝かし付けた園児に対し、「御臨終です。」と何度も発言。
⑥ 
泣かない園児に対し、を叩き、無理矢理泣かせ様とする。
⑦ 
昼食時に園児を怒鳴り付け、抓る
⑧ 常的
特定の園児を睨み付けて声を荒げ、ズボンを無理矢理下す。
⑨ 
園児を逆さ吊りにした後、真っ暗な排泄室に放置。
⑩ 
園児の容姿を馬鹿にした呼び掛け暴言浴びせる
⑪ 手足口病
の症状の在る園児の尻を、無理矢理他の園児に触らせる。
⑫ 
給食を食べない園児に対し、突然、後ろから頭を叩く。
⑬ 
不適切な発言をして、玩具が入っている倉庫に閉じ込める。
⑭ 
園児にカッターナイフを見せて脅す
⑮ 
丸めた茣蓙で、園児の頭を叩く。
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「指導の積りだった。」と主張する保育士がたそうだが、良くもいけしゃあしゃあとそんな主張が出来た物だ。何が起こったかを意思表示出来ない(で在ろう)園児に対し、こんな酷い行為をしていたというのは本当に悪質だし、“虐待”なんてレヴェルでは無く、最早“犯罪”と言って良い。

「排泄室に放置した。」とか、「玩具が入った倉庫に閉じ込めた。」なんていうのは、其の場所に冷房が設置されていなかった可能性も考えられるので、夏場という事から命に係わる事態になっていた事も、充分考えられるだろう。

当該する3人の保育士は既に退職し、保護者達に直接謝罪すらしていないと言う。冒頭に記した一件同様、「此の保育園は辞めたけれど、他の保育施設で何事も無かったかの様に働き、同様の事件を起こす可能性だって在り得る。」のではないか?きちんと警察沙汰にすべきで在る。

又、隠蔽に走った園も、厳しく罰せられなければいけない。「悪質な保育士が3人も、“偶然に”同じ園で働いていた。」というのも、少し無理が在る。そういう保育士を生んでしまった劣悪な環境の可能性というのも、今後調べる必要が在るだろう。

今回の事件が明らかになって以降、程度の差は在れ、別の保育施設でも園児に対する虐待が起きていた事が報じられた。以前書いた事だけれど、「介護士や保育士等、激務の割には対価が少ない職種で、過度ストレスから、対応する相手に対して暴力を振るったりする事件が結構在る。」というのは、真剣に考えないといけない。「そういう環境だから、暴力沙汰を起こしても仕方無い。」という理屈は通らないけれど(そういう環境でも、必死に頑張っている方が圧倒的多数だと思う。)、対価を含めて“労働環境の改善”を図って上げないと、本当に気の毒。

「どんな環境で在れ、使命感で乗り切れ!」というのにも、自ずと限界が在るし、、使命感に全てを委ねてはいけない。


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2 コメント

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Unknown (悠々遊)
2022-12-04 16:08:49
こんにちは
これは腹が立つよりも先に心が重く沈んでしまう事件です。
保育園や介護施設で働く人に対し「使命感搾取」が考えられるから。
これは警察官や消防署員、病院の看護師、果ては自衛官にも共通することではないかと思います。
上意下達の縦社会では上位者に逆らえず、自分より弱い立場の者に暴力が向きがちというのは容易に想像がつきます。
外国人労働者(特に技能実習生)に対する差別的とも思える労働環境など、考えようによっては内向きの陰湿な社会が、日本全体を覆っているようにも思います。
日本がどんどん国際的地位を失っていく象徴とみるのは考えすぎかなあ。
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>悠々遊様 (giants-55)
2022-12-04 21:01:03
書き込み有り難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

3ヶ月程前、東京の特別養護老人ホームで、入所者の高齢女性が、同ホームの職員Aに“惨殺”されるという事件が在りましたね。惨たらしいと表現するしか無い程の殺害方法で、捕まったAが厳罰に処されるのは当然の事と思っています。だが、一方で、彼の自供によれば「当該女性から、尊厳を傷付けられる様な言動をされ、もう我慢出来なかった。」という趣旨の犯行動機が報じられていました。其れが事実なのかどうか判らないし、仮に事実で在ったとしても、認知症等の病によって無意識の内にしてしまった言動なのかも知れない。唯、どういう理由が在るにせよ、だからと言ってAが当該女性を殺害して構わないという事には絶対に成り得ないのだけれど、そういう事実が在ったとしたら、Aには相当なストレスが在った事でしょう。

「そういう職業に就いているのだから、我慢に我慢を重ねるべきだ。」という主張は御尤も。でも、そういう主張をしている人の中に何れだけ、自分がAの立場になっても身を律せるのだろうか?という思いも在ります。

使命感搾取を受ける側となり、対価も少ないという状況で、唯只管耐えろというのも、個人的には気の毒な気がする。

とは言え、彼等の対価を上げる事で、我々が彼等に“直接”支払う費用が上がってしまうと、唯でさえ厳しい遣り繰りが、更に厳しくなってしまうというジレンマ。

国が徹底的に無駄を削り取り、そして使命感搾取を受けている人達に、相応の見返りを与えるというのが、現状ではベターなのかなあと思ったりします。
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