銀幕大帝α

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フライトナイト

2011年03月15日 20時28分46秒 | 洋画ホラー
FRIGHT NIGHT/85年/米/107分/ヴァンパイア・ホラー・コメディ/劇場公開
監督:トム・ホランド
脚本:トム・ホランド

出演:クリス・サランドン、ウィリアム・ラグズデール、ロディ・マクドウォール

<ストーリー>
TVの恐怖番組「フライトナイト」に目がない平凡な少年・チャーリー。彼は隣に越して来た男が吸血鬼だと知ってしまい、番組のホストであるバンパイアハンターに退治を依頼し、4人対バンパイアの闘いが始まる。
<感想>
代表作『チャイルド・プレイ』など多くのホラー映画を手掛けているトム・ホランド監督のヴァンパイアもの。

目を見張るのは特殊効果で、吸血鬼化した友人が狼から徐々に狼人間、そして人間へと変化していく件や、杭を心臓に打たれた男がドロドロに溶けながら最後は砂と共に骨と化し朽ち果てる件など、80年代映画としてはかなり見事な出来栄えとなっています。

主人公が恋人を救う為に助けを求めるのが、劇中劇でヴァンパイアキラー役をしていた老俳優という部分はコメディが入っていて面白い。

演じろと言われたから役に成り切っていただけ

と言うだけあって、最初は本物の吸血鬼を目の当たりにしてビビりまくり、常に逃げ腰。
十字架を突きつけても、「心がこもっていない」と吸血鬼に失笑され、一捻りされる有様。

しかし、自分が今、何をすべきかを見出し、信仰心を強め撃退に講じていく様にはカタルシスを抱かせてくれる。
それが後の、人気低迷によりお払い箱になりかけた事を払拭させる俳優としての自信の現れに直結し、TVから青年へ誇りに満ちた態度でメッセージを送るラストには、人生は何かを切っ掛けに転機を迎えるものだと強く知らしめられ、清々しい気持ちになりました。

映画でヴァンパイアキラーを演じただけと言うだけで、本当にヴァンパイア退治に付き合わされた俳優の、巻き込まれコメディとして観ればかなり楽しめる一本ですよ。

関連作:『フライトナイト/恐怖の夜』(リメイク)

評価:★★★☆
11/03/15DVD鑑賞(旧作)
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レンタル開始日:2002-07-26
メーカー:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
コメント (12)
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パラノーマル・エンティティ

2011年03月15日 20時18分49秒 | 洋画ホラー
PARANORMAL ENTITY/09年/米/89分/サスペンス・ホラー/オリジナルビデオ
監督:シェーン・ヴァン・ダイク
出演:エリン・マリー・ホーガン、フィア・ペレラ、シェーン・ヴァン・ダイク

<ストーリー>
家の中で起こる不可解な現象に困惑し、フィンリー一家は家の随所にビデオカメラを設置。そしてある夜、1本の緊急電話が入り隊員が駆け付けると、そこには…。

<感想>
出演者一人にビデオカメラを託し、後は寝室に固定カメラを備え付ければ、なんちゃって『パラノーマル・アクティビティ』が誰でも作り得る。
後はスタッフの頑張りで、その作品が面白くなるのかそうでなくなるのかの二つに分かれる訳だが、本作は間違いなく後者で、怖さ云々以前に超常現象なるものが殆ど出て来ず、作中では“夢魔”なるものに襲われているようなのだが、観る側は睡魔に襲われる事度々。

椅子が動くとか、寝室の扉が勝手に開くとか、それらしき描写は少しだけあるものの、超常現象の多くは

妹が至る場所でギャーギャー叫んでいるだけ

屋根裏に登ったら妹が突っ立っているだけ

父の遺灰が床に散らばっているだけ

何かの足跡が天井に残っているだけ

通路に仕掛けた鈴が鳴っているだけ

助けに来た専門家の博士が唐突に死んでいるだけ

と、“だけ現象”しか画面に映っていないから、ちっとも驚きがない。
固定カメラを何台も設置しているにも関わらず、それらが起きている現象を何一つ撮っていないのだ。

現象中を捉えてこそ面白さに繋がるのに、それらの演出を一切省き、現象後だけを延々と映し出して、親子がそれに対して驚きの声を上げている様子のみをダラダラ見せられても、はっきり言って何に恐怖すれば良いのかリアクションに困る。

大ヒット作に便乗しようとする試みは分かるが、どうせ作るなら怖がらせる意味でも、下手は下手なりのショボくても良いから細部まで拘った演出が必要ではなかろうか。

ビデオカメラを回す位なら誰でも出来る。
根本的に製作者側の努力が全く足りていない。

こんなんがDVDとして棚に並べられるんなら、私でも作るよ、まったく。

評価:
11/03/15ひかりTV鑑賞(旧作)
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レンタル開始日:2010-04-23
メーカー:アルバトロス

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時をかける少女

2011年03月15日 00時06分56秒 | 邦画アドベンチャー/ファンタジー
10年/日本/122分/青春ファンタジー・ロマンス/劇場公開
監督:谷口正晃
原作:筒井康隆
主題歌:いきものがかり『ノスタルジア』
挿入歌:いきものがかり『時をかける少女』

出演:仲里依紗、中尾明慶、安田成美、勝村政信、石丸幹二

<ストーリー>
高校卒業を控えた芳山あかりは大学にも合格し、新たな生活に胸を弾ませていた。しかし母・和子が事故に遭い、彼女の願いを叶えるために過去にタイムリープすることに…。
<感想>
原田知世版は観ていないので比較する事も出来ず何とも言えませんが、思っていた以上に切ないラブ・ストーリに仕上がっていました。

まずアニメ版(傑作!)でも主人公の声を担当していた仲里依紗が素晴らしく良い。
コスプレさせたら今一番輝いている女優だと勝手に思っている私ですが、今作でのセーラー服姿も何とも可愛らしい♪
それだけじゃなく、やっぱり彼女の最大の特徴は場面毎に上手く使い分ける喜怒哀楽の表情。
特に

仲里依紗の泣き顔は最高に胸キュンさせられる

魔法の様な魅力的演技に満ち溢れています。

もうこれだけでバスに乗った涼太を追い掛けるシーンは泣きが入るんですが。

母の願いを叶えるべくタイムリープする話が軸と思いきや、過去で出会う涼太との仄かな恋模様がメインというのも鑑賞意欲を湧き立たせてくれましたね。
映画製作に熱中する純粋青年・涼太と、今時のイケイケ女子高生あかりのギャップの差が逆に2人の距離を縮ませており、時折見せる照れ隠しな表情が恋の裏返しとして観て取れて仄々とさせてくれます。

だから余計に、あかりが現代に戻り、涼太が作り上げた映画のフィルムを観て自然と涙するシーンには、涼太との思い出を消されても、心の奥底に眠る愛の結晶は決して消えないという‘想いの強さ’の勝り具合に惹き込まれて、絶妙な感動を呼び起こさせてくれるんですよね。

フィルムの中で背を向けて桜道を歩くあかりの姿がオーバーラップするラストも名シーンになっていて胸を熱くさせてくれます。

素敵な映画に仕上がっていると思いますよ。

安田成美の学生時代を演じた石橋杏奈もホリプロらしい清純そうな顔立ちの女優さんで、かなり好みでした。

若手女優陣の愛らしさも作品に貢献していると言えるでしょう。

難点を挙げるとすればタイムリープする際のわざとらしいCG描写かな。
あそこだけやけに安っぽい映像を見せられている様で幻滅しました^^;

オフィシャル・サイト

評価:★★★★
11/03/14DVD鑑賞(準新作)
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レンタル開始日:2010-10-13
メーカー:アニプレックス
コメント (8)
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