2015年
アメリカ
133分
ドラマ
劇場公開(2015/12/23)
監督:
ライアン・クーグラー
製作:
シルヴェスター・スタローン
原案:
ライアン・クーグラー
脚本:
ライアン・クーグラー
出演:
シルヴェスター・スタローン:ロッキー・バルボア
マイケル・B・ジョーダン:アドニス・ジョンソン
テッサ・トンプソン:ビアンカ
フィリシア・ラシャド:メアリー・アン・クリード
アンソニー・ベリュー:リッキー・コンラン
グレアム・マクタヴィッシュ:トミー・ホリデイ
<ストーリー>
孤独に暮らすロッキーの前に、亡き親友でライバルだったアポロの息子・アドニスが現れる。ロッキーは自らの持てるすべてを彼に託すが…。
-感想-
「貴方が生まれる前にお父さんは亡くなったのよ」
「・・・彼の名は?」
タイトルドーン『CREED』
こういうのを含め演出やカメラアングルが抜群に良い。
リング上での戦いや入場する時にも長回し映法を用いる事で現場の臨場感を生み出し、そして劇中の観客同様に我々にも興奮を高める効果を与えてくれる。
タイトルマッチでのまるでライブ映像を観ているかの様な迫真さには自然と体が前のめりになり拳に力が入っちゃう。
演者も相当気合を入れてボクサーに成りきったと思うが、そんな彼等を巧みなカメラワークで撮り続け、スクリーンをTV画面を一気に現実的に変えてしまった監督の手腕はお見事。
熱い。
熱いぞ、この戦いは!
絶対に目を離せない。
離せるものなら離してみろよ、と言いたい。
チャンピオンベルトを賭けた戦いは最終12Rまで長引く。
どちらも決して譲らぬ血塗れの殴り合い。
「俺は癌と戦う。お前は自分と向き合い誇りを持って相手に戦いを挑め」
これまで懇親的にサポートしてくれた仲間、いや家族達。
辛い試練を幾つをも乗り越え、今こうして大観衆の前でリングに立ちチャンピオンと戦っている。
家族達の愛と協力を無にする事は出来ない。
1度激しくリングに沈み込むが、それまでの悲しさ嬉しさ楽しさ辛さが脳の中でフラッシュバックされ、このまま負けてなるものか!と本能的に立ち上がりファイティングポーズを無意識に取る場面には胸アツ。
果たして勝利の女神はどちらに微笑み掛けてくれるのか。
それは御自身の目で確かめて貰いたい。
名ばかりの二世じゃない。
彼の実力がアウェイの観衆をここまで熱狂的にさせ、感動をも呼び寄せたのだ。
「クリード!クリード!クリード!クリード!」
なんて心地の良い大歓声なんだろう。
「父さん、愛してるよ」
この瞬間、今後期待の持てる新鋭ボクサーが、アポロの血を受け継いだチャンプと呼ぶにも相応しい男が誕生したのだった。
一歩後ろに下がった形でも存分にその存在感を残してくれたロッキーことシルヴェスター・スタローン。
この作品では他の彼が出演した近年のアクション映画で観られる様なパワー系な姿は全く見受けられない。
そこに居たのは我が子とも離れ孤独にひっそりと暮らす癌に侵された年老いたお爺ちゃんだ。
コーチをやってくれと頼まれるが、一緒になってスパーリングする程の体力なんてある訳がない。
しかし、頼ってきたのは親友だったアポロの息子。
何とかしてあげたいとロッキーとしての優しさが少しずつ表面に現れてくる。
そして出来る範囲内で彼を支えていく事になる訳だが、厳しい指導の中にもロッキーならではの愛情の高さと情熱の深さが頻繁に見え隠れする所に心がほんわりと温かくなる。
色んな映画祭でスタローンの演技が評価されたのも納得の上手さだった。
ロッキーとの交流の中で次々と生み出される様々な人間模様。
この点にも是非注視して欲しい。
スピードの基礎練習はニワトリ掴み。
子供達とのランニングの変わりに、ロッキーを慕うバイク集団との並走。
クリードの代名詞と言えば星条旗柄のボクサートランクス。
そして最後には例の階段をゆっくりと上り、二人は街を見下ろしながら未来の栄光を願う。
『ロッキー』シリーズファンは勿論の事、多くの映画ファンにも観て頂きたい感動の1作。
ボクシング映画の歴史にまた誰もが太鼓判を押したくなるような傑作が刻み込まれた。
評価:★★★★
16/04/22DVD鑑賞(新作)
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レンタル開始日:2016-04-20
メーカー:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
オフィシャル・サイト(日本語)
関連作:
『ロッキー(1976)』(オリジナル・シリーズ第1作)※個人的評価:★★★★☆
『ロッキー2(1979)』(オリジナル・シリーズ第2作)※個人的評価:★★★★☆
『ロッキー3(1982)』(オリジナル・シリーズ第3作)※個人的評価:★★★
『ロッキー4/炎の友情(1985)』(オリジナル・シリーズ第4作)※個人的評価:★★★
『ロッキー5/最後のドラマ(1990)』(オリジナル・シリーズ第5作)
『ロッキー・ザ・ファイナル(2006)』(オリジナル・シリーズ第6作)※個人的評価:★★★★
『クリード チャンプを継ぐ男(2015)』(第1作)
『クリード 炎の宿敵(2018)』(第2作)
『クリード 過去の逆襲(2023)』(第3作)
ロッキーが出来る事は、全てやり切った、という感じですね。エイドリアンの名を叫んだ彼にとっては、その家族の支援が、最高の助力になる事は、十分わかっているでしょう。クリードに叫ばれる、あるいは、回顧される名もまた、同じように伝説に彩りを添える事と思います。
「そら『グリード』やがな」
過去作品への数々のオマージュをあれだけいれてくれてるのに
何故に生卵を飲むシーンを入れなかったのかしら
コメントありがとうございます。
これはかなり良かったです。
親の七光りだけで終わらず、親友のロッキーと共に父と同じチャンプを目指すというドラマ要素にしっかりとした深みを感じました。
ロッキーは癌に侵されアポロと戦った時の様な勇ましさはなく、普通に暮らすお爺ちゃんになっていましたが、そんな哀愁漂うロッキーの姿をスタローンが違和感無く演じ切ってくれました。
自分が皆から愛され育てられたように、その家族から受けた優しさをアポロの息子にも同じ形として伝えたかったのでしょうね。
ボクサー映画としても人間ドラマとしても素晴らしい1作でした。
コメントありがとうございます。
ナイスなボケ&ツッコミであります(笑)
懐かしいですねぇ『グリード』。
触手モンスターがボクサーになったらあらゆる角度から幾つもの触手パンチを出してくるでしょうから、そりゃもう半端ない強さなんだろうな~w
コメント&TBありがとうございます。
おぉ~号泣されましたか!
ラストシーン良かったですよね。
ロッキーがゼェゼェ言いながら上るのを見て、時が経つのは早いものだと思いましたよ。
生卵は私も出てくるのかと思いましたが、登場しませんでしたねぇ。
流石にあの量を一気飲みするのは無理だったのでしょうか笑。
ロッキーファンとしてはニヤリするシーンがありました。
ロッキーがトシを取っちゃったのは寂しいですがまた見られたのは嬉しいです。
いやあ、実はこの映画、観る前はあまり期待して無かったのですよ。
今までのシリーズの劣化版だったら、なんて観るのやめようかしらんと思ったほどで、
いやはや、すんげーーーー良かったです!最高!!
と一人興奮しちゃいました。えへへ
オリジナルと同じで、ファイトシーンをじっくり見せてくれるのも嬉しかったです。
ニワトリ掴みで鍛えたり、アナログな部分も健在なのもいいですよね。
バイク疾走シーンも胸が熱くなりましたよ~
あ~たくさんあって書ききれない!
こちらにもコメントありがとうございます。
ロッキーファンとしては懐かしく感じるシーンが多くありましたよね~。
老いたロッキーをスタローンがとても丁寧に好演してくれました。
こちらにもコメントありがとうですぅ。
スピンオフ的なものですから、観るまでは大丈夫か?と少し思っちゃいますよね。
私も実際そんな感じでしたが、タイトルが出た瞬間に、あ!これは良いかも!!と思いましたよ。
演出が上手く、又工夫された形のファイトシーンとかになっていたので、興奮する部分も多々ありました。
あと、ロッキーファンに向けてのオマージュシーンは嬉しいものがありましたよね~