著者 :福本伸行, かわぐちかいじ
出版社:講談社
ストーリー概要:
J大学山岳部OBの浅井と石倉は、尾張山3200メートル地点で遭難をした。事故によって死を覚悟した石倉は、自分が過去に犯した“殺人”を告白してしまう。しかし、その時、眼前に山小屋が出現し、二人は一命を取り留めるが……。
「カイジ」で有名な福本伸行氏が原作を担当した密室サスペンス。
今年5月より実写版の劇場映画が公開予定となっている、話題性十分のサスペンス劇を「沈黙の艦隊」のかわぐちかいじ氏が作画担当した漫画本です。
雪山で遭難した山岳部OBの2人が主役であり、実質登場人物はこの2人だけというシンプルな設定の物語。
足止めを食らい、凍える程の寒さで2人は死を意識し始めた時、重傷を負っていた石倉が浅井に対し、いきなり「俺は殺人を犯した」と”告白”する所から話は始まります。
告白した事で、もう思い残す事はない、どうせ死ぬのだからと後悔と懺悔を繰り返すのですが、直後、浅井が近くに山小屋があるのを見付けた事で事態が急変。
2人は山小屋に入り、救護を電話で依頼し、レスキュー隊が到着するまで一緒に過ごさないといけなくなるものの、殺人を告白した男、それを聞いてしまった男という対極の2人の心理戦が繰り広げられていくんですね。
告白を聞いた浅井は、誰にも言わない、墓場まで持って行くという気持ちがあり、直接石倉にも告げますが、当然石倉自身はそれを信用するはずもなく・・・。
もしかしたら自分も不意を突かれて殺されるんじゃないかと疑心暗鬼に陥る浅井、その傍で‟何か”をしている石倉。
ここから口封じの為の、恐怖の鬼ごっこが勃発する!という身も心も震える展開が待ち構えております。
そして終盤に差し掛かった時、実は、、、。
ここは話としてのどんでん返しでもあり、石倉の「告白」とは又別の「告白」によって一種の分岐点となっていました。
これ以上はネタバレになっちゃうので止めておきますが、かなりスリル感があり読み易い構成にもなってましたね。
極力台詞の数を抑え、画で見せる、読者に不安を煽る形を取っているのは個人的に良かったです。
1冊の単行本としては通常よりボリュームがあるんですが、私はサクッと読み終えてしまいましたよ。
さて私は先に漫画版を読んでしまったから結末を知ってしまいましたので、実写版はもう観なくていいかな(よくない(笑))。
これどうなんでしょう、若干実写版ではアレンジさせているのかな?それとも漫画版通りになっているのか、その辺は気になるので、実写版がレンタル開始されたら見比べてみるという意味でも借りて鑑賞しようと思います。
漫画の方でもピリピリとした緊張感、緊迫感を強く抱かされましたから、実写版の方でも役者の演技合戦が見物となっているはずなので、そこにも注目してみたいですね。
あ、何の前情報も入れずに劇場版を鑑賞したい方は、漫画本は後で読まれるのが良いでしょう(そりゃそうだw)。
2024年4月時点で全1巻が発売中!
ストーリー・・・5
キャラクター・・・・5
お色気・・・0
残酷さ・・・3
絵の上手さ・・・4
総合・・・5
(5段階評価での独自採点)
↑Amazonでの購入はタイトルリンクをクリック!