今まで、地面に落ちていたのもは、ふてくされてたんじゃない、恋におちてたってことだ。浮かばれない思いを抱いて床によりそいながら。僕は、ご飯粒を拾って、弁当箱の空いたスペースに置いてあげた。人に食われない米粒が、幸せかどうか知らないが、さっきまでのことなんかなかったように、なんだい今度は、また弁当箱とアツアツかい。早いうちに食わないといけないんで、あっとゆうまに完食。気がつけば、すみに置いたよごれたご飯粒まで食っていた。あんなに熱かったお米が、冷めるのも、なんと早い事か。30分休憩は、あっとゆうまに終わり。仕事は、終了。家に帰って、映画をみる。朝起きて、ジム行って、仕事。この間に、ご飯をはさんでみませんか?あなたの歯より白いお米を。
一個のことに集中してる時、どのくらいの事を、平行してやってるのだろう。今日ご飯休憩時にお弁当を食べていて米粒がぽろっと落ちて床とご対面しちゃったのね。大地印象いいもん同士らしく、離れようとしない。床と仲がいいものは、五万とあって、この部屋だけでも椅子、机、ロッカー俺の靴、ほこりのように小さすぎて見えないものまで、数年前から、もう身動きも取れなくなってしまったものまでいるんだぞと、説得してみたものの、逆効果。人目もはばからず、ディープキスである。炊き上がってから長くて数時間、早くて数十分の命と知っての行動か。一年間、ずっと田んぼの中で我慢してきたのか?みんなと同じ太陽を浴び、雨を受け、風になびいて、やっと外に出られたと思ったら人間の口の中じゃ寂しすぎるもんな。よし!最後まで、見守ってやろうじゃないの!彼も、小銭を落とした振りをしながら、腹ばいになって、床にほおずりをしはじめた。 (つづく)