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日本語と国語は同じもの

2014-02-12 | 日本語あれこれ百科
2 日本語と国語はおなじもの

片づけをしていたら、日本語あれこれ事典があった。20140211
日本語学の臨時増刊号である。出版年は、2002年111月、VOL.21 とある。
日本語あれこれ百科をかんがえてみよう。

日本語と国語は同じものである。言語として見れば、個別にとらえるので、同じである。その個別とは、一つ一つの言語のなかの日本語ということである。そして国語というとらえ方には個別としての言語よりも国語だけを見て日本語ということになる。いま、かりに、地域に英語と国語とがあるならば、その地域の国であればその国語は英語である、というようなことである。そうであるなら、国語とは国で取り決められた言語をさすことになる。その国の公用語また共通語となる。しかし、その国また地域で国語というとらえ方をしても、わざわざ国語という名称を用いる必要があるだろうか。

日本語も英語も、そのままに言語であるし、国語と呼ぶことはない。そう考えるにもかかわらず、わたしたちには、問いのような、日本語と国語は同じものか、たずねたり問いかけたして、そうと言われることがある。これでまた振出しに戻って、日本語と国語は同じである、そうであるのに、日本語には国語というとらえ方があるのか、それについて答えることになる。そして、このことをわたしたちはよく承知しているにもかかわらず、というのは、国語を身に着けて育ってきていると思うし、その国語が日本語であるとも知っているのであるから、同じに決まっている、と言いながら、ことばの違いに行き当たって、ことばが異なれば説明がそれぞれにあるものと思ってしまう。

日本語と表記して、にっぽんご、にほんご、というように、いつからそう言ったのか、はっきりしない。日本を、にっぽん、にほん、じっぽん、というように、その発音表記を載せるポルトガル語による辞書は17世紀初めに編まれたので、それによれば、ふた通りの読みに加えて、もうひとつがあることになる。この漢字音はさかのぼって、漢音とする発音に由来している。日が、ニチであるのは、毎日、何日、日記、日光、日用、縁日のように呉音であり、それに対して唐の長安で用いられるようになる漢音では、日が、ジツとなる、本日、平日、休日、祝日、祭日などの用い方にもうかがえる発音である。これが日本の発音に当てはめられ、ジッポンと呼ばれることは、この辞書の記載にはあるが、發音するのなかったといってよい。あわせて、日本語においても、大和の言葉としてのとらえ方があったのであろう。

国語はその地域、地方をさす国の語であり、郷の言葉である。国語をみれば、わたしたちの国の語となるのは、時代を下げて国語国字問題の調査をはじめてより、その後のことである。1902年文部省に設けられた国語調査のため、国語国字問題解決の目的をもつ、国語調査委員会が設けられたが、それはすべて国語の音韻、国語の方言、国語史の調査等を行ったのであるから、近代国語学の基礎作りに業績があった、というふうに解説があって、やはりこれは国語である。ここで国語と言わなければならないことがあったのである。いわば日本の国のための国語調査である。なぜ日本語調査と言わなかったのかは、その議論にはなかったようで、日本語であることを自明のこととしていたからであろう。いまにすれば、日本語を捉えようとしたのであるが、国語は国語であったのである。

それでは、国語が、なぜ、日本語となるのか。名称が日本語調査委員会とならなかったのは、国語をそのままに、国語としてとらえる見方があったのであろうか。その当時に、左国史漢と言えば、春秋左氏伝、国語、史記、漢書と史書の書名があげられて、国語はその書名の意味となるが、その一方で、国語国字というように、国字に並ぶ意味があった。これは和語和字に対照される。



デジタル大辞泉の解説
こくごちょうさ‐いいんかい 〔コクゴテウサヰヰンクワイ〕 【国語調査委員会】
明治35年(1902)国語に関する調査を行うために設けられた文部大臣直属の機関。「送仮名法」「口語法」「疑問仮名遣」などを編纂。大正2年(1913)廃止。


世界大百科事典内の国語調査委員会の言及
【国語学】より
…官僚機構と結びついたおかげで,国語の研究は,かつて,すでに大きな成果をあげた。上田万年は,かねてより国語に関する国家的な調査機関の必要を説いていたが,1902年(明治35),文部省に国語調査委員会が設けられた。この会は,その事業の目的として,国語問題の解決をうたったのであるが,世に送った調査報告の多くは,国語問題に寄与するところがとぼしかった。…
【国語審議会】より
…1934年官制によって設置された日本語改善に関する審議会。国語調査委員会(1902‐13),臨時国語調査会(1921‐34)の後をうけた文部大臣の諮問機関である。その諮問事項は,日本語の統制,漢字の調査,かなづかいの改定,文体の改善などで,1945年以前には〈漢字字体整理案〉〈標準漢字表〉〈新字音仮名遣(かなづかい)表〉を定め,漢語整理,日本語の横書きなどについて審議した。…




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