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自ら考えて成長する

ロンドンオリンピック、男子マラソンの五輪代表候補選手を見てみると、みんな実業団の選手ではありませんでした。

びわ湖毎日マラソンで日本人トップをとった山本亮は佐川急便所属というが、一般参加。東京マラソンで日本人トップをとった久保選手もフリーになったプロ。そして川内選手は埼玉県庁に勤める市民ランナー。

いろいろ議論があるのですが、別に素人なので、ここはそのままスルーするとして。

で、なぜ彼らはフリーになったり、実業団の練習を好まなかったのだろうか。

これは、自ら考えて、成長することを選んだからではないかと思うのです。

昔の学者の中で、偉い人は敢えて仕官しなかった。

木下順庵、中江藤樹、伊藤仁斎。

自分が考える学問の仕方で、それを進める。仕官すれば、それが通らないこともあるだろう。だから経済的には大変だろうが、それを貫いてしまった。

このことがふと思い出されてきたのです。

で、今の受験スタイルというのは塾中心で、塾や先生の言う通りに勉強する。そのこと自体が当たり前になってきて、疑問の余地がないように見えますが、本当はそうではないかもしれない。

実際、4教科を万遍なく始めることがすべての子にとって良いのかどうか。

以前、教えていた子がとにかく歴史が好きで、勉強しろといえば歴史ばかりやる。算数はほっといて、歴史。だから歴史はできるようになる。

お母さんからは

「どうしましょう」

と心配されましたが、しばらくはほっておきました。そしてカリキュラムで歴史が終わった時に本人を呼んでこう話しました。

「君は、歴史はもう完璧だね。僕を超えた。」
「はあ。」

でもうれしそうです。

「そこまで歴史ができる人間は、当然、算数もできるんじゃないか?」
「はあ。」

「歴史は極めたのだから、そこに達するまでのやり方は自分で考えたんだろう? だったら算数も考えてみたら?」
「なるほど」

本人はどうもピンとくるところがあったらしい。

これまたしばらくほっておいたら、算数もできるようになっていました。

私は何もしていない。ただ、本人が自ら考えて成長したのです。これには2つの契機があった。

ひとつは歴史が好きで仕方がなかった。だから何と言われても歴史の勉強をしていた。

そしてある境地まで来たときに、「自信」ができたのでしょう。自分のやり方に確信が持てたといってもいいかもしれない

それが「他の勉強にもあてはめられる」、本人がそう思ったのが2番目の契機。

その後、見事に彼は第一志望に合格していきました。

塾の指導がすべてではない。

自ら考えて、成長することができるならば、それはそれでベストなやり方ではあるのです。

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