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自分の間違いには気づかない

6年生の生徒が算数の問題を解いていたときのことです。

「その計算、違うと思うんだけど」
「はい? どこ、どこ?」
「見つけてごらんよ」
「そんな、いじわる!」
「だって先生は、入試会場にはいないんだぜ」
「そうか、えっと。」
しばらく自分のノートを見ている。

「え、合ってます!」
「見つからない?」
「だって、ないでしょ?」
「(断固として)あります!」
「ウソ!」
「ウソじゃない」

結局、ここだと指摘すると
「え、合ってるでしょ?」
「もう一度やってみたら・」
「・・・・」
「あら、違う」

 実際に自分の間違いには気が付かないものなのです。

問題を解いているとき、当たり前ですが、正解を導こうとしている。だから、ゴールに向かっている最中に「自分が間違わない」と思いこみやすい。

結果として計算間違いにも気が付かなかったりするのがふつうなのです。

できる子も当然、同じです。自分で考えている最中は自分のミスに気が付くことはない。ただ経験として「ミスをする可能性」を否定していない。

だからふと、立ち止まる。あるいは、自分の書いた式を見直してみる。あるいは、人数が分数になって「はた」と考える。

その繰り返しの中で、自分が「いかに間違えるか」を知るようになります。

失敗するのは当たり前で、入試前にはいくら失敗してもいいのです。

その失敗から何を学ぶか、が大事。

「思い込んでるのねえ」

がその時の、その子の感想でした。

こういう経験を積んでいけば、やがてていねいになってきます。ただし、叱ったり、怒ったりしても治らない。

「自分で治したい」と思うようにならない限り。それは「志望校に入りたい」と思った時に強くなります。

だから志望校は、早めに必要だと私は思っているのです。


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