難聴がテーマの本を2冊つづけて読んだので、ご紹介します。
どちらも「耳の聞こえない私が...」で始まるタイトルです。
まずは若い女性の「耳の聞こえない私が4カ国語しゃべれる理由」(キム・スーリン著)。
韓国生まれのキムさんは、複雑な家庭事情の中で祖母の愛情につつまれて成長しますが、6歳で失聴します。
適切な対処もしてもらえぬまま、そのまま学校生活をおくり、ひたすら自分の工夫と努力で困難な日常を乗りきります。
12歳で母のいる日本にやってきたキムさん。
初めて処方された補聴器もあまり助けにならない中、並々ならぬ努力で日本語をマスターします。
高校卒業後18歳で英国留学。
2年間の留学で英語も身につけたキムさん、その後世界的な証券会社ゴールドマン・サックス社に就職を果たします。
そのまえには30カ国世界放浪の旅に出て、スペイン語も身につけたり...。
ほんとかよ、と思うような内容で、かなりの唾を眉につけながら読みました。
でもこの本から確かに伝わってきたのは、「難聴を理由に自分に行動制限はかけない」といういさぎよさ。
いさぎよさというより、たくましさ。
読後、胸が広々とひろがって、勇気りんりんになりました。