AIIBという銀行ができる。
中国主導で、アジアのインフラを整備させるためのものだ。
この新しい金融機関に参加表明をしている国は60か国にもなる。
ただし、日本と米国は、今のところ、参加は見送っている。
しかし、イギリスやスイス ドイツなどは参加を決め、韓国も参加を決めた。
参加することで、受注のメリットを受けることができるという目論見だ。
アジアのインフラを整備するということは、アジアにとっては歓迎するべきことだ。
長期的に見て、港や下水 電気などのインフラが整備されると、多くの雇用が生まれる。
経済効果は抜群だ。
何も悪い話ではない。
だが、アメリカと日本は、中国の腹の中が読めない・・・すくなくとも、中国の主導というのが、気に入らないので参加は見送った。
中国は、ハワイ以西は、中国の海域にするのだとアメリカに通達しているほどなのだ。
暗澹たる気持ちにさせられるのは、自由諸国の空気を吸っている我々のほとんどすべての人々に共通するものだろう。
私たちは、アメリカの何かを批判することはあっても、アメリカの自由な価値観を愛しているという枠組みの、前提に立って、その中で、より良い形を求めて、アメリカを批判するのであって、それは、アメリカのすべてを否定しているなどというわけでは決してない。
沖縄基地問題も、よく考えれば妙な話だ。
沖縄は、基地がなくなれば、住民が静かで、かつてのように、美しいビーチと自然に囲まれて、穏やかに暮らしていけると思っているのかもしれない。
現実は、そうはならない。
沖縄の地理的条件が、それを許さないからである。
沖縄の島の大きさは、基地を作るために十分ではないにせよ、ほかには、候補地となるところはない。
辺野古の埋め立てをすることで、ジュゴンが迷惑をこうむったり、あるいはサンゴ礁が破壊されることはあっても、沖縄そのものが中国に帰属してしまうようなことは、避けられるはずだ。
沖縄の人々が、どれほどかつて中国との交易をして、様々な恩恵を受けていたとしても、21世紀の今、まさか中国共産党の下で、生きていきたいなどとは、望まないだろう。
もちろん、米国の下もうんざりで、できれば、日本の安全保障の下で、本土の人間と同じように暮らしていけたらいいと願っているに違いない。
だが、最初に言ったように、沖縄は、まさに、最前線になりうる戦略的に死守しなければならない重要な拠点なのである。
米国にしても、日本にしても、沖縄を中国に取られるということは、すなわち、日本やアメリカが中国に取られてしまうということを意味しているのだということをよく理解している。
沖縄の基地反対を叫ぶ人たちの気持ちが分からないということはない。
騒音問題だけではない、多くの米軍のしてきた問題が、沖縄を苦しめてきたのだから。
だが、日本もアメリカも、沖縄を失う準備ができていないのだ。
沖縄の基地をなくすということは、沖縄が中国への帰属をするということだからである。
議論が飛躍していると感じる人がいるだろうから、少し噛み砕いて、話を進めたい。
AIIBの話のもどそう。
AIIBは、中国の主導で多くの港などを整備するために作られたものだ。
彼らは、訓練された中国の技師や工事人を船団でおくりつけ、工事を始めるだろう。
現地の人を雇い、一から指導するなどということは、時間もかかり効率も悪い。
ストライキも起こるだろうし、工事の不具合も必ず起こる。
中国は、素早く、工事を行い完成させなければならないのである。
港湾を作る際、その図面は中国人の技師によって描かれる
当然、中国の空母や護衛艦が入港することを前提に作られるわけだ。
さらに、港湾を整備した際の借金は、それぞれの国が、AIIBへの借金という形で利子を払う。
利子の滞りは、港湾の差し押さえとなる。
差し押さえは中国の軍部主導によって、強制的に行われ、つまり、港は中国の外国基地となる。
こういう港を、中国はあちこちに作ろうとしている。
今、鉄鉱石の価格が下がり続けている。
鉄鉱石は、うそをつかない。
中国のGDP上昇率が7%だというのは嘘かもしれないが、鉄鉱石価格がここ1年だ半分以下になったというのは事実だ。
鉄鉱石の主な行先は、中国だった。
中国ではそれらを鉄鋼に加工し、中国国内に巨大な無人都市を2008年のリーマンショック以降 無理矢理に築いてきた。
そうすることで、国内の総生産を水増しし、景気が良くなるように「見せかけて」きた。
だが、いつまでも空箱を作り続けて 景気が良くなるわけがなく、地方経済は疲弊し、空箱を作り続けることも、もはや限界に近づいた。
すると、鉄鋼が余り始めた。
中国の製鉄所は、必要もない鉄鋼を、政府指導のもとで、作り続け、在庫が積みあがっている。
なんとか、どこかに使わなければならない。
さびてしまう
場所も必要だ。
どうしよう・・・
というのが中国主導部の問題だ。
これは、たとえば不況のときの、スクラップ屋の親父さんの気持ちに近いものがある。
鉄などと言うものは、扱うのが難しく、どこにでもあり、しかも誰も要らないときには、要らないものなのである。
端的に言えば、もしあなたに、一億円分の鉄鋼を上げると言われて、あなたは、喜べるだろうか?
同じように、もしあなたに、一億円分のダイアモンドを上げると言ったら、あなたは、どうだろう?
比べてみて、そして少し、考えてみてほしい。
きっとその意味が分かるはずだ。
つまり、中国には、誰もほしがらない鉄鋼が積み上がり、不平を持った労働者が仕事を求めて、さまよっている上に、国庫には金がなく、これらを解決する方法は、外国の金(できれば日本の金が使いたかった)を使って、その問題をすべて解決する方法を探した それがAIIBの本質なのである。
沖縄問題に戻る。
もし米軍基地が辺野古をあきらめたら、辺野古は無事だろうか?
と考えてみてほしい。
私の考えてみてほしいのは今日明日の話ではなく、今から、100年後の沖縄を見据えての答えだ。
沖縄から米軍がいなくなれば、中国のAIIBを通じて、沖縄に様々な施設を建設するようになる。
沖縄には中国労働者があふれるだろう。
そして、中国にとって必要な施設を次々と作ろうとする。
沖縄の人々は、今よりも幸せになれるだろうか?ということを、現実として考えなければならない。
アメリカは、フェアな国ではない。
だが、少なくとも、自分たちはフェアであろうとするか あるいはそういう仮面をかぶる。
それは、フェアであることが、洗練された教育のある紳士の所業だということを知っているからだ。
だが、中国が近隣諸国に対して、フェアであったことも、行儀よくしていたこともない。
それは、彼らの主観による国際法を無視した主張の塊であり、強欲であり、あるいは、挑戦的な態度であり、あるいは武器を使った残忍な殺戮である。
イギリスが中国とともにAIIBに参加するのは、理由がある。
それは、イギリスの南西の海上でサウジアラビアに匹敵する油田が発見されたからだ。
これを開発し、そして売りたいと考えている。
ドイツは一枚かむことで、ビジネスが成り立つ上、中国の台頭により地勢的リスクがほとんどない立場だ。
スイスは中国の元が国際通貨になることを望んでいる。
そうすれば、中国元という新しい通貨のビジネスができるからだ。
米ドル ユーロの二大通貨に、第三の巨大マーケットを作りたい。と考えている。
こういうヨーロッパの思惑をすべて読んだうえで、中国はAIIBを始めた。
中国主導で、アジアのインフラを整備させるためのものだ。
この新しい金融機関に参加表明をしている国は60か国にもなる。
ただし、日本と米国は、今のところ、参加は見送っている。
しかし、イギリスやスイス ドイツなどは参加を決め、韓国も参加を決めた。
参加することで、受注のメリットを受けることができるという目論見だ。
アジアのインフラを整備するということは、アジアにとっては歓迎するべきことだ。
長期的に見て、港や下水 電気などのインフラが整備されると、多くの雇用が生まれる。
経済効果は抜群だ。
何も悪い話ではない。
だが、アメリカと日本は、中国の腹の中が読めない・・・すくなくとも、中国の主導というのが、気に入らないので参加は見送った。
中国は、ハワイ以西は、中国の海域にするのだとアメリカに通達しているほどなのだ。
暗澹たる気持ちにさせられるのは、自由諸国の空気を吸っている我々のほとんどすべての人々に共通するものだろう。
私たちは、アメリカの何かを批判することはあっても、アメリカの自由な価値観を愛しているという枠組みの、前提に立って、その中で、より良い形を求めて、アメリカを批判するのであって、それは、アメリカのすべてを否定しているなどというわけでは決してない。
沖縄基地問題も、よく考えれば妙な話だ。
沖縄は、基地がなくなれば、住民が静かで、かつてのように、美しいビーチと自然に囲まれて、穏やかに暮らしていけると思っているのかもしれない。
現実は、そうはならない。
沖縄の地理的条件が、それを許さないからである。
沖縄の島の大きさは、基地を作るために十分ではないにせよ、ほかには、候補地となるところはない。
辺野古の埋め立てをすることで、ジュゴンが迷惑をこうむったり、あるいはサンゴ礁が破壊されることはあっても、沖縄そのものが中国に帰属してしまうようなことは、避けられるはずだ。
沖縄の人々が、どれほどかつて中国との交易をして、様々な恩恵を受けていたとしても、21世紀の今、まさか中国共産党の下で、生きていきたいなどとは、望まないだろう。
もちろん、米国の下もうんざりで、できれば、日本の安全保障の下で、本土の人間と同じように暮らしていけたらいいと願っているに違いない。
だが、最初に言ったように、沖縄は、まさに、最前線になりうる戦略的に死守しなければならない重要な拠点なのである。
米国にしても、日本にしても、沖縄を中国に取られるということは、すなわち、日本やアメリカが中国に取られてしまうということを意味しているのだということをよく理解している。
沖縄の基地反対を叫ぶ人たちの気持ちが分からないということはない。
騒音問題だけではない、多くの米軍のしてきた問題が、沖縄を苦しめてきたのだから。
だが、日本もアメリカも、沖縄を失う準備ができていないのだ。
沖縄の基地をなくすということは、沖縄が中国への帰属をするということだからである。
議論が飛躍していると感じる人がいるだろうから、少し噛み砕いて、話を進めたい。
AIIBの話のもどそう。
AIIBは、中国の主導で多くの港などを整備するために作られたものだ。
彼らは、訓練された中国の技師や工事人を船団でおくりつけ、工事を始めるだろう。
現地の人を雇い、一から指導するなどということは、時間もかかり効率も悪い。
ストライキも起こるだろうし、工事の不具合も必ず起こる。
中国は、素早く、工事を行い完成させなければならないのである。
港湾を作る際、その図面は中国人の技師によって描かれる
当然、中国の空母や護衛艦が入港することを前提に作られるわけだ。
さらに、港湾を整備した際の借金は、それぞれの国が、AIIBへの借金という形で利子を払う。
利子の滞りは、港湾の差し押さえとなる。
差し押さえは中国の軍部主導によって、強制的に行われ、つまり、港は中国の外国基地となる。
こういう港を、中国はあちこちに作ろうとしている。
今、鉄鉱石の価格が下がり続けている。
鉄鉱石は、うそをつかない。
中国のGDP上昇率が7%だというのは嘘かもしれないが、鉄鉱石価格がここ1年だ半分以下になったというのは事実だ。
鉄鉱石の主な行先は、中国だった。
中国ではそれらを鉄鋼に加工し、中国国内に巨大な無人都市を2008年のリーマンショック以降 無理矢理に築いてきた。
そうすることで、国内の総生産を水増しし、景気が良くなるように「見せかけて」きた。
だが、いつまでも空箱を作り続けて 景気が良くなるわけがなく、地方経済は疲弊し、空箱を作り続けることも、もはや限界に近づいた。
すると、鉄鋼が余り始めた。
中国の製鉄所は、必要もない鉄鋼を、政府指導のもとで、作り続け、在庫が積みあがっている。
なんとか、どこかに使わなければならない。
さびてしまう
場所も必要だ。
どうしよう・・・
というのが中国主導部の問題だ。
これは、たとえば不況のときの、スクラップ屋の親父さんの気持ちに近いものがある。
鉄などと言うものは、扱うのが難しく、どこにでもあり、しかも誰も要らないときには、要らないものなのである。
端的に言えば、もしあなたに、一億円分の鉄鋼を上げると言われて、あなたは、喜べるだろうか?
同じように、もしあなたに、一億円分のダイアモンドを上げると言ったら、あなたは、どうだろう?
比べてみて、そして少し、考えてみてほしい。
きっとその意味が分かるはずだ。
つまり、中国には、誰もほしがらない鉄鋼が積み上がり、不平を持った労働者が仕事を求めて、さまよっている上に、国庫には金がなく、これらを解決する方法は、外国の金(できれば日本の金が使いたかった)を使って、その問題をすべて解決する方法を探した それがAIIBの本質なのである。
沖縄問題に戻る。
もし米軍基地が辺野古をあきらめたら、辺野古は無事だろうか?
と考えてみてほしい。
私の考えてみてほしいのは今日明日の話ではなく、今から、100年後の沖縄を見据えての答えだ。
沖縄から米軍がいなくなれば、中国のAIIBを通じて、沖縄に様々な施設を建設するようになる。
沖縄には中国労働者があふれるだろう。
そして、中国にとって必要な施設を次々と作ろうとする。
沖縄の人々は、今よりも幸せになれるだろうか?ということを、現実として考えなければならない。
アメリカは、フェアな国ではない。
だが、少なくとも、自分たちはフェアであろうとするか あるいはそういう仮面をかぶる。
それは、フェアであることが、洗練された教育のある紳士の所業だということを知っているからだ。
だが、中国が近隣諸国に対して、フェアであったことも、行儀よくしていたこともない。
それは、彼らの主観による国際法を無視した主張の塊であり、強欲であり、あるいは、挑戦的な態度であり、あるいは武器を使った残忍な殺戮である。
イギリスが中国とともにAIIBに参加するのは、理由がある。
それは、イギリスの南西の海上でサウジアラビアに匹敵する油田が発見されたからだ。
これを開発し、そして売りたいと考えている。
ドイツは一枚かむことで、ビジネスが成り立つ上、中国の台頭により地勢的リスクがほとんどない立場だ。
スイスは中国の元が国際通貨になることを望んでいる。
そうすれば、中国元という新しい通貨のビジネスができるからだ。
米ドル ユーロの二大通貨に、第三の巨大マーケットを作りたい。と考えている。
こういうヨーロッパの思惑をすべて読んだうえで、中国はAIIBを始めた。