Sydney Yajima


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インフルエンザ

2009-04-28 01:46:15 | 世界情勢
インフルエンザ

多くの専門家が 分からないと言っているので、専門家でもない私ごときが、何をかいわんや。とは思うが、インフルエンザが猛威を奮う兆候が出ているとWHOがレベルを上げて発表する事態になった以上、ただ傍観していていいのだろうか?も思うようになった。

専門家ではないが、以下のことを、順に紐解いていこう。
とても分かりやすく簡潔なものを発見したので、ご参考までに。

これは
在フランス日本大使館
医務官、山口  寛

の作られたものからの抜粋である。

新型インフルエンザ
その対策(パニックの回避)

A型インフルエンザとは?

①従来は「カモなどの水鳥」の体内に生息
 → ヒト、ウマ、ブタ、クジラ、ニワトリ など感染
      (人畜共通感染症)
②カモの腸管には、H1~16 N1~9 の様々な
  A型インフルエンザウイルスが生息(無症状)
③ヒトは、ここ100年間は、H1N1, H2N2, H3N2 の流行のみ

インフルエンザ-①
(ヒトの症状)
①潜伏期(1~3日)の後、38℃以上の高熱、
  頭痛、関節痛、全身倦怠感
②インフルエンザ肺炎、インフルエンザ脳症など
  の合併症にて死亡のことあり
------------------------------------------------------   
③通常の風邪(感冒)とは全く異なる疾患

インフルエンザ-②
(感染経路)
①飛沫感染:咳やクシャミによる飛沫 → 1mで落下
②飛沫核感染:5um以下の小さな粒子(飛沫核)
     → 数時間は空中に浮遊
③接触感染:手や物体の表面に着いたウイルスが口や
   目に入ることによる
 ※ウイルス粒子の安定化には、低温、低湿度が最適
 ※発症後、3~4日がウイルス排泄のピーク
 ※1個のウイルスが呼吸器粘膜に感染
    → 24時間後には100万~数千万個に増殖

インフルエンザ-②
(感染経路)
①飛沫感染:咳やクシャミによる飛沫 → 1mで落下
②飛沫核感染:5um以下の小さな粒子(飛沫核)
     → 数時間は空中に浮遊
③接触感染:手や物体の表面に着いたウイルスが口や
   目に入ることによる
 ※ウイルス粒子の安定化には、低温、低湿度が最適
 ※発症後、3~4日がウイルス排泄のピーク
 ※1個のウイルスが呼吸器粘膜に感染
    → 24時間後には100万~数千万個に増殖

鳥インフルエンザ-①
①インフルエンザが感染している鳥類の多くは
無症状だが、他の鳥類に感染して症状が出た
場合、それを「鳥インフルエンザ」という

②感染したトリの大半が死亡するようなものを、
強毒の「高病原性鳥インフルエンザ」という

鳥インフルエンザ-②
(強毒型の高病原性)
①香港で1977年、2001年H5N1 トリの大量死
    →120万羽処分
②2003年~2004年にはH5N1による発生がアジア諸国(日本、韓国、東南アジア、中国)で確認
    →1億羽以上が死亡あるいは殺処分された
③2005年以降は東欧、フランス、ドイツ、エジプト等で強毒のH5N1ウイルスの渡り鳥での感染を確認

鳥インフルエンザ-③
(ヒトへの感染)
「強毒型鳥インフルエンザ」に感染したトリに濃厚接触
①1997年香港:H5N1に 18人発病、6人死亡
②2003年福建省:H5N1に 2人発病、1人死亡
③2003年オランダ:H7N7に 80人発病、1人死亡
④2003年以降、 15カ国でH5N1により383人が発病し、
241人が死亡
 世界保健機関(WHO)の報告 (2008年5月28日現在)

※加熱調理した鶏卵や鶏肉での感染はない

新型インフルエンザ-①
①トリのインフルエンザウイルスが、ヒトの体内で増殖できるように変化し、ヒトに効率よく感染するようになったもの
②ヒトにとっては、未知のウイルスであり、免疫が無いため、ヒトからヒトへ容易に感染し、世界的大流行(パンデミック)を起こす危険性あり
③新型インフルエンザの出現は予断を許さない

新型インフルエンザ-②
(インフルエンザの整理)

①鳥インフルエンザ : トリには無症状、軽症
②通常のヒト・インフルエンザ
-------------------------------------------
③高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の出現
  → トリの大量死、ヒトへの感染死亡例あり
-------------------------------------------
④ヒト「新型インフルエンザ」への変異の可能性
  → パンデミック(世界的流行)が危惧

新型インフルエンザ-③
(過去のパンデミック:世界的流行)
① 1918年~1919年の「スペインかぜ」 (A/H1N1)
   人口の25~30%が罹患し、 4000万人が死亡
   日本では、2300万人が感染し、40万人が死亡
②1957年~1958年の「アジアかぜ」 (A/H2N2 亜型)
   全世界で推定200万~400万人以上が死亡
③1968年~1969年の「香港かぜ」 (A/H3N2 亜型)
   世界的には100万人程度が死亡
 ※過去の新型インフルエンザは、鳥の弱毒型ウイルス
   に由来 

新型インフルエンザ-④
(その可能性)
①新型インフルエンザの世界的流行が、10年~40年の
  周期で起こる
②1968年の香港かぜ以降は世界的流行は無い
③地球規模で発生している高病原性鳥インフルエンザ
  ウイルス(H5N1)がヒトの新型に変異が懸念される

※新型インフルエンザがどの程度の感染力かは不明
※H5N1以外にH7もヒトに感染しやすいよう変異している
       (2008年5月、米疾病対策センター)

新型インフルエンザ-⑤
(何が怖いか?)
①ヒトは免疫を持たないため、「世界的流行」となり、
数週間で世界中に伝搬し、1ヶ月以内に世界同時に
多数の患者が発生(2~4ヶ月にわたる大流行か)
②強毒型の場合、免疫反応で、体内でサイトカインという
物質が過剰に反応し、全身臓器に異常を来たす
  免疫反応の旺盛な青壮年に、重症化の可能性がある 
※「スペインかぜ」では、15~35才の年齢層での死亡が
  多かったのが特徴

新型インフルエンザ-⑥
(健康被害)
<日本>
 感染者は2500万人、死亡者は64万人に
 達する可能性があると推定
              (厚生労働省の予測)
<世界>
 1億5000万人の死亡 (WHOの予測)

新型インフルエンザ-⑦
(WHO  global influenza preparedness)
Phase 3 :動物の新型インフルエンザ → ヒトへの感染
    ※現在の段階   (ヒト→ ヒトへの感染なし)
-------------------------------------------------------------

Phase 4 :ヒト→ ヒトへの感染(限局した地域内)
Phase 5 :多くのヒトへの感染がみられ、
ヒト新型インフルエンザへの変化の危険がある
Phase 6 :世界的な新型インフルエンザの大流行
※世界中に流行が拡大するのに3ヶ月はかからない

新型インフルエンザ対策-①
(感染の回避)
①感染リスクの回避
  メトロ、バス等の公共機関、混んだ店舗は極力
  控え、不要不急の外出はしない
②外出時はマスクを着用する
③外出後は、手洗い、うがいを励行
④ドアノブ等のクリーニング(消毒)

新型インフルエンザ対策-②
(治療薬は?)
<タミフル>
①ウイルス表面の酵素阻害 → ウイルスの増殖を抑制
②発病から48時間以内に服用

<リレンザ>
①タミフルと同様の効果
②口から気道に吸入するタイプ(ドライパウダー)

新型インフルエンザ対策-③
(ワクチンは?)
<プレパンデミック・ワクチン>
①アジアで、トリ→ヒト感染のインフルエンザ(H5N1)
   から作成したワクチン
②日本をはじめ、各国で備蓄が行われつつあるが、
   効果は不確実

<パンデミック・ワクチン>
①新型インフルエンザウイルス自体から作成する
②作成するには最低6ヶ月は必要

新型インフルエンザ対策-④
(備蓄の勧め)
<目的>
 人混みを避け、感染リスクを最小化する

①保存の効く食料(米、小麦粉、塩、缶詰)や
  生活備品  (厚労省:最低2週間分)
②感染の第一波は2~3ヶ月続くと予想される

新型インフルエンザ対策-⑤
(マスクは?)

<使い捨てマスク:サージカルマスク>
 ①外出せざるを得ない人は装着を検討
 ②長時間の装着が可能

<医療用特殊マスク>  
 ①フィルターを装着したEU規格の「FFP2マスク」
 ②1日使用 → 2日間陰干し → 30回使用可能
 ③長時間の装着で息苦しくなる難点あり
 ④ 6枚入りが22ユーロ(パリの薬局で購入可能)


新型インフルエンザ対策-⑥
(消毒薬は?)
①インフルエンザウイルスは、一般の消毒薬で
  容易に死滅
②手指の消毒:ethanol, benzalkonium etc
③室内の清掃は市販のもので有効
  benzalkonium, chlorhexidine, phenol etc
④衣類に唾液、クシャミが付着したものからの感染は考えにくい

パンデミック-①
(その対策)

①日本政府の対応
a)情報の提供
b)タミフルの国内外での備蓄
医療事情の悪い途上国の邦人約10万人分を確保
 c)プレパンデミック・ワクチンの備蓄を開始

②初期段階で「タミフル等の内服」と「移動の制限」で、
流行の拡大を遅らせ
  → 「パンデミック・ワクチン」の生産を開始予定

パンデミック-②
(航空機の運航)

パンデミックが始まったら
  ①世界的な感染拡大を防止するため、
  ②航空機のスタッフが充分に確保できないため、

   → 航空機運行が制限される可能性あり

パンデミック-③
(フランス政府の対応)
①輸入感染の阻止: フライトの制限、到着検疫の強化
②公共交通機関の停止、学校の閉鎖、イベントの中止
③パンデミックワクチンの生産を開始
④衛生的行動の徹底(手洗い、マスク、外出の制限)
⑤治療薬は、医師により無料で処方
⑥患者は自宅治療が原則だが、重症患者の搬送は
  SAMUが担当

パンデミック-④
(予想される社会機能の低下)
①交通機関の活動低下
②運輸・物流機構の停滞
③原油生産の低下
④病院の機能低下(スタッフ不足、満床状態)

対策のまとめ-①
(今できること)
①新型インフルエンザの情報入手と正しい理解と
②予想される社会機能低下に対し、日頃からの対策で、
   →パニックを回避したい

※ 通常のインフルエンザと新型インフルエンザの混合感染
    の予防の観点から、
 → 通常のインフルエンザワクチン接種の推奨

対策のまとめ-②
(新型インフルエンザの情報)
在フランス日本大使館のHP
   「新型インフルエンザに関する情報」
 
→ ①厚生労働省のHP
     「新型インフルエンザ対策関連情報」
   ②フランス保健省のHP(仏語、英語版)
                   にリンクします



IMF

2009-04-25 02:35:10 | 世界情勢
IMF

IMFが将来世界中の金融を すべて仕切る時代が来るとしたら、IMFは、アメリカ合衆国よりも、日本よりも、中国よりも大きな力を持つと言うことになる。
国連などは、それに近い発想だったかもしれないが、実際には軍隊さえもたないので、単なる言葉遊びで終わってしまうことが多いが、(実際、国連総長と、アメリカの大統領のどちらがより、権限を持っているのかと問われたら、なんと答えられるだろうか?)

IMFは、少なくとも金融のプロが集まっているはずなので、金融のほうなら、もしかすると世界をコントロールする力としては実際に腕力をもつことができるかもしれない。


IMFの情報力はすごいものがあり、しかも すでに大きな力を持っている。一度のアナウンスで、一気にオーストラリア程度の国なら緊張が走るほどの力だ。http://www.imf.org/external/japanese/pubs/ft/weo/2009/01/pdf/sumj.pdf

昨日の見通し発表で、すでにオーストラリアはリセッションに入っているのかどうかを審議しなければならないと、言い始めている。

私の目からは、まだまだこれからもっと悪くなるだろうと思われるのだが、その点は、どうだろう?

中国がゴールドの準備高を増やしている。すでに1000トンを超えた。

http://www.ft.com/cms/s/1d23f80c-30aa-11de-bc38-00144feabdc0,Authorised=false.html?_i_location=http%3A%2F%2Fwww.ft.com%2Fcms%2Fs%2F0%2F1d23f80c-30aa-11de-bc38-00144feabdc0.html&_i_referer=http%3A%2F%2Fwww.ft.com%2Fhome%2Fasia


外貨準備高も1954ビリオンとダントツである。中国がIMFと今後 どう付き合っていくのかが、面白いところだ。

オーストラリアの気質は 弱いものには滅法強く、強いものには滅法弱い。という分かりやすい風見鶏なところがあるので、中国が貧乏なときには、馬鹿にしていても金持ちになると、それこそ、ころっと手のひらを返したように態度が変わる。中国には、資源を買ってもらわなければならないと思っているからで、それが、分かりやすく、信用?そんなものは、初めから期待してはならない。ただ、正直なことは確かで、お金があるところと取引をするという点でも徹底している。多分、中国の究極の合理的な考え方をする商売人とは、馬が合うかもしれない。日本のように、お互いを慮って、譲る精神などとは、理解できる範囲が非常に少ないだろう。これは、端的に日本人と中国人の違いが、オーストラリアというフィルターを通すことによって見えてくる面だろう。

日本の商社も、何時もどこか臆病で、相手を傷つけないようにしようとか、会社の利益にならないように気をつけようとか、かなりナイーブだが、中国は、どんどんと好き勝手にといっていいほど、要求をしてなかなかサインには応じない。そう、サインをしなければ、いくらでも相手から好条件が引き出せるからだ。

オーストラリア人にとっては、いらいらするはずだ。なにしろ、田舎ものだ。中国の4000年の歴史と10数億の人間たち・・・そこでもまれたビジネスマンに 太刀打ちできるような人間など一人もいない。
多分、日本にも いない。

ありとあらゆる手段 手管を使ってくるのだから、勝てない。

情報を集めることを、最優先しなければならない。

だのに、日本は、どこかおっとりとしていて、あまり海外の人間については興味がないようだ。

それは、いいことなのかな?と思うときもある。

なぜなら、普通の社会で生き抜くためには、どうしても情報が一番大事なことなのだが、この、ぼーっとしている日本人は、国内の芸能やスポーツ、それに、イベントや、様々な行事にばかり関心があって、海外のことは、せいぜい大リーグと映画を通じて知ればその程度でいいと思っている。そう、その程度でいいなら、私もここに書くことはなにもない。

だから、いいことなのかな?というのは逆の意味を持って書いたつもりだ。

それでも いいことなのかな?とも言い換えることができる。

不思議なことがある。
伝書鳩で手紙を往復していた時代には、分からなかったことが、今の時代にはもっと迅速に地球の裏側まで分かるようになり、そして、それは誰の手にもすぐに入るようになっているとしても、誰もそんなことには興味を払わないと言うことだ。それは ハードの問題ではなくソフトの問題で、実際には多くの人が 世の中の仕組みはどうなっているのか分からないので、不思議だと思っていることが、ある程度簡単に、理解できるところまで手に入る情報があったとしても、それを 読み取ることのできるOSがないために、理解不能な記号になってしまうのが、残念なことだ。

かつて、このようなことを書いたことがある。
人は、愚かでそのうえ、怠け者で、しかも、馬鹿である。だが、人は、賢くそのうえ、働き者で、しかも知恵者であるのに比べれば、余程幸せな生き物になれるのは、きっと、前者であろう・・・

今、ぼんやりとIMFをみて、そこに働く、わずか2400人ほどのスタッフが、世界を動かす中枢にいることを感じ取ってくれたら、私のとって
今回のブログを書いたことはそれで目的を達成したことになる。


ラックとは 何なのか?

2009-04-19 00:23:56 | オーストラリア資源
ラックとは 何なのか?

中国の北京にどのくらい青空があるのか?が、一番よく分かりやすい経済指標なのだと、真面目にシドニーモーニング ヘラルドのビジネスの一面に載っている。私は、この新聞を読むのをよそうかと思ったほどだ。なぜならば、天候や風の強弱によって青空は出るときもあるし、出ないときもある。スモッグも風向きしだいで、悪いときもあればいいときもある。これらと、経済は関係がない。もちろん、工場の稼働率が増えると、スモッグはひどくなると言う正比例の関係についてならば、私だって理解するが、それが、即、経済指標になるなどということは、言えないと思う。例えば、工場が稼動していたら、それですぐにレベニューが増えるのか・・・ということもあるし、工場の種類にもよっては、スモッグの出る工場と出にくい工場もあるだろう。だが、ここまでかんがえて、はて・・・と思った。
北京の空の色で、経済を推し量らなければならないほど、この中国政府の発表する数値は信用できないものなのだろうか?ということに思いが突き当たったからだ。
だとすると、もしかして、この国の指標は多くの経済学者にとっては、頭痛の種になっているのではないだろうか?と。

日本が、経済が悪いと言い続けているのには、確かに、裏打ちされた統計があるはずだが、実際に東京の渋谷に行った外人のほとんどが、「本当にこの国はリセッションなのか?」と言う。

夜中でも真昼のような明るさで、多くの人通りが絶え間なく、それぞれが笑顔でショッピングバッグを持って、おしゃれを競っているのである。こんな光景をみて、リセッション?と言う言葉が、しっくり来ないのは、当然かもしれない。

だが、日本の景気後退は確かに始まっている。大方の見方では、アメリカの輸出が渋っているからだというが、アメリカがこれから経済てこ入れをするために、多くの産業を活発化させるためには、日本の先端技術が不可欠になる。これは日本で言えば、長年培ってきた、新幹線の技術力であったり、あるいは、電気モーターのテクノロジーであったりするのであろう。ということは、ここに、いびつが生じる。いびつは、チャンスである。日本の産業はいつもこのいびつをうまくレバレッジを効かせて、のし上がってきた。だから、今からはチャンスが日本の国に訪れるのである。

問題は、ある。
日本にとって、いつの時代にも苦しんでいることになるのだが、それは、資源がないということだ。いくら技術があっても、人がいても資源のない国であることだけは、変えられない。どうしても、資源・・・とくに鉱物資源はのどから手が出るほど欲しくなるはずだ。ことに、今後のハイテクで必要な鉱物資源は、なかなか手に入りにくい。ここが、日本にとってはアキレス腱になる。アフリカに中国人の労働者がどんどんと流れている。彼らは政府の命を受けて、アフリカの資源を追い求めている。南米にもここ、オーストラリアにも、触手を伸ばしている。その手はとても狡猾でしかも粘り強く、資金力を豊富に持っているから、普通では勝てない。それに乗っかる投資家も多いために、事態はより複雑化して、誰が誰でどこまでが中国企業の資金なのか、分からないということも実際には起こっている。ここで問題が生じてくる。それは、オーストラリアのような資源国では、自分たちの資源を会社ごと外国企業ならともかく、外国の政府そのものに乗っ取られる・・・それも共産主義国に・・・となると、大問題なので、それを阻止したいと考えるが、先ほども言ったように、どこからどこまでが、中国政府であるのか実態がつかみにくいうえに、多くの華僑を国内に抱えているために、すでに新聞社、不動産、株式ブローカーから、金融スペシャリスト、弁護士、会計士、さらには政府の高官に至るまで、中国人が入り込んでいる現状では、到底 阻止は難しい。

例えば日本で言うならば、基幹産業の自動車や、鉄鉱、重工や、テクノロジーなど、あらゆるところを中国政府の管理下におかれるようなもので、株主の意見を聞かなければならない・・・となると、他には選択肢はないのである。

さらに、困ったことには、このまま買収が中国政府主導ですすむと、日本が買いたくても買えないという事態も想定できるという可能性だ。オーストラリアの資源は重要で、日本にとって必要なものが、資本提携により、中国経由でなければ手に入らないとなると、将来の日本の製造業にとっては、生死の境目になる。

この事態は、何の危機感も持たずに、自分たちの都合の良い解釈だけで、未来像を描いていたら、どうなるだろうか?まず問題になるのは、時間だ。中国のかなりアグレッシブなやり方で、労働力とネットワーク、それに資金力の三大パワーで攻められてきては、到底、オーストラリア、アフリカ、ブラジル、などの資源国の小さな経済形態では、太刀打ちできない。買収がすすむのは、向こう数年の間で、私がこうして警笛を鳴らしているのは、とても小さな声だが、誰かに聞いてほしいと願う。とても重要なことだ。なぜなら、もし私の言ったとおりになったころ・・・おそらく10年前後・・・には、日本は資源の枯渇で苦しんでいるかもしれないからだ。こうなると、根本の製造業に影響が出てくる。もちろん、経済は崩壊し、すでに今の産業の多くは希望も持てない状態になっているだろう。

今のうちに、きちんと資源を・・・特に鉱物資源・・・を抑えておかなければ、次のナノテク文明になるとき、確実に日本は枯渇する。テクノロジーなないからではなく、資源が手に入らないからだ。そうなると、中国は自国で日本のテクノロジーを買収して作ることを提唱してくるだろう。そうなると、日本の脳は流出する。まるで溶け出して消えていくように。

何もかもがそうなると、日本には、何が残るだろう?もし中国の立場で彼らの利益を中心に考えるならば、海外のすべての鉱山を押さえることは、当然のことで、あらゆる優秀な交渉人を送り出していることは、間違いない。

ここで、勝ち組と負け組みという古臭い言い回しが、出てくる。第二次世界大戦の例を持ち出すまでも泣く、勝ち組は、資源を抑えた国であったし、負けた日本は資源を持たなかった国であった。テクノロジーが劣っていたわけでもなく、また士気が後れを取っていたわけでもなかった。強いて言えば、資源の確保を十分に行わずに戦争に突入してしまったことが敗因の大きな理由だったろう。

日本が負けたのは、資源がなかったからだ。

資源があれば勝てたのか?という疑問には答えられそうもないが、もしふんだんに資源があったとしたならば、もう少し違った結果になったかもしれないということは 想像に難くない。

今の日本が戦前なのだとは、思いたくもないが、近い部分があるのは、いずれにせよ資源を確保すると言うことに、本気でどの程度取り組んでいるのかが、見えてこないという点だ。繁栄も今後の発展も、子供たちの未来もすべて、そう、すべてと言って良い・・・資源の確保が基本になってくるだろう。


私たちは今の自分たちの状況を、ラッキーな状態だと思うべきである。それは、資源の確保が、いつの時代にも大切だということと、背中合わせに成立している方程式だと認識することで、いつまでも続けることができるかもしれないし、もしかすると、あと数十年のうちには、消えてなくなってしまう泡のような存在になるのかもしれない。


リストラがなぜ行われるのか?

2009-04-16 04:11:30 | 世界情勢
リストラがなぜ行われるのか?

ようするに、利益が減るからだろう?物が売れないからだ。と言う人がいたら、それは正しいけれど、もうちょっと 足りない。

金融危機のあと、多くの企業がリストラを始めた。リストラというのは、どういう性格を持っているのか、多分ここの読者は、深い理解をしてくれていると思うのだが、蛇足までに、書いてみよう。

個人に利益を誘導することを、セルフ インタレスト セオリーという。

公共の利益を優先することを、パブリック インタレスト セオリーという。

ここでいう個人とは、CEOであったり、CFOであったり、会社の頭角にあたる人間で、彼らは、通常そういう役職に就任する際、契約を交わす。その契約は、たいていの場合は、数値目標があり、その数値に達成すれば、ボーナスがもらえるようになっている。そこで、ボーナスのために、彼らは頑張るという構図だ。

数値目標というのが、実に曲者で、この数値目標は、あくまでファイナンシャル アカウントの数値を基準にされているから、一般に公表する数値になる。通常、これらの会社は、ポジティブ アカウント セオリーを使うので、(決してノーマティブ アカウントセオリーではないとまで、言い切れるわけではないが・・・)かなり、楽観的な数値を出してくる。これは投資家を呼びこみやすくするためであり、また、数値は投資家にとっても 判断基準になりやすい。もちろん、許される範囲で行われるので、違法なアカウントではない。

さて、このポジティブ アカウントだが、実に様々な方法で利益を誘導することができるだけでなく、国ごとに基準が異なり、ある国では黒字でも他の国では赤字になってしまうこともある。特に、国際化が進む時代には、これではちょっと困ったことになってしまう。

(そこで、何か他の基準を持ち込むべきではないかという議論も出てくるのだが、ここでは、そういう話は置いておく。)

つまり、随分進化しているはずの会計システムも、国によってまちまちであったり、あるいは、会社のポジションによっても、数値がある程度 合法的に、操作できることもあり、それによってマネージメントにボーナスが支払われるのだから、システムを知り尽くしているトップは自分たちに利益を誘導するのは当然のことなのである。

そのひとつの手段が、リストラだ。例えば社員の5%ほどをリストラすれば、急に数字が悪くなることもあるし、また将来にとっては良くなるのだからという数字を出すこともできる。ここのところを、うまくやれば、マネージメントは評価され、ボーナスがもらえる。

ところが、ここで、コンフリクト オブ インタレストという別の問題が生じてくる。それは、どういう意味だろうか?
例えば航空会社が、大きくリストラをしたとする。
すると、航路が減る、長く並ばなければ発券してもらえない、機内食もおいしくない、スチュワーデスもなんだかぱっとしない、その上パイロットは練習中の人間ばかり、さらには整備もいい加減だし、飛行機のあちこちにガタがきている。航路も安いところを使うから、まるでジェットコースターみたいだ。などなど、さまざまな問題(サービスの低下)が出てくるのである。
影響を受けるのは、利用者(公共)である。

ここで、パブリック インタレストに反することになるのである。

リストラの本当の問題はここからなのだ。(悪いが、ここからは私の怒りが爆発する・・・読まない人は幸せで、読んでしまうと、あなたも、本当に腹がたってくるだろう。私に共鳴したとしても、しなかったとしても、だ。)

例えば、技術を持つ社員を一人育て上げようとするならば、10年を目処にこつこつと、仕込んでいかなければならない。それは、本当に気の遠くなるような作業である。
ようやく、10年頑張ってくれた社員は、それなりに技術をもっていて気も充実していて、さあ、今から・・・というときに、リストラになったとする。これは、10年間の彼または、彼女の時間の損失だけでなく、そのために投資してきた会社にとっても大いなる損失なのである。

そして一旦リストラしたら、その社員は二度と帰ってこないから、また景気が良くなったとき、新しく社員を雇っても、使えるようになるまでに、また10年の歳月と投資が必要になる。さらに悪いことはリストラを簡単にするような会社には、新しく入ってくる社員も忠誠心をもってくることはない。会社を利用して、自分が成長したり、自分の利益になる間はいるけれど、それ以上の気持ちなど持って入ってくることはないのである。
当然の帰結だといえる。なぜなら、トップの人間が、自分たちの利益だけ考えてリストラをしているのだから、下々の社員もそれをそのまま模倣したまでである。因果応報というのは、確かにある。社員を自分の利益のためにリストラした社長がいくら声をからして、社員に忠誠を誓わせようとしても、それは土台無理な話だ。まったく、無理な話。

この前も書いたけれど、リストラなどと言う言葉は、私の知っている25年前の日本には、なかった。1990年代に入ってから景気が悪くなり、使われ始めた言葉だ。その後、どんどんと、景気が悪くなるにつれ、この、アメリカ式のリストラがどんどんと各企業に採用され始めた。もちろん、それがすべて悪いと言っているわけではない。リストラをしなければならなかった人を弁護するならば、涙を呑んで社員に別れを告げた社長さんもたくさんいたことだろうし、仕事をしない給料泥棒のような社員もいたのかもしれない。
だが、ここで私が 言いたいのはそういうことではない。

いずれにせよ、そういうリストラという言葉が日本に輸入されてきたということだ。リストラは、バブルの後始末にとって、必要なものだったのかもしれない。だが、振り返ってみて、もっと高いところから見直してみると、果たして それで国全体の景気が良くなっただろうか?と疑問に思う。検証してみてほしい。本当に 日本は良くなったか???もうあれから随分経ったぞ????

バブル当時に無理をして家を買った世代は、その後も、苦しんでいる。ローンと、多すぎる借金と、家の値段の崩壊と、給料の減額、それにリストラとオイル価格の高騰。まったく、いいことなんてひとつもなかったはずだ。

国は会社や銀行を救済することを優先し、決して苦しんでいる個人を助けようとしたことはなかった。なぜなら、多くの人々が、その後ずっとホームレスになっているし、その人口も増え続けているからである。

国は最善を尽くしたと言うかもしれない。そういうことを言う人がたくさんいることを私は知っている。だが、本当に最善を尽くした人ならば、自分が最善を尽くしたとは、言わないものだ。本当に真心で尽くしたならば、自分の最善がこんなものかと、恥ずかしくうつむいているだろう。そういう人が本当に最善を尽くした人のはずだ。

痛みを伴う改革とやらいう言葉を繰り返して、鳴り物入りで行った“改革”とやらは日本をどれだけ良くしたのだろうか?そろそろ 検証してみても いい時期に来ている。

冷たく突き放した言い方をすれば、これを私は、いつも“日本のやりかた”だと 思っている。

棄民といっていい。

新しい言葉、分かりやすく一瞬よくなるように感じるような耳障りのいい言葉、そして改革というなんとなく前向きな言葉、これらは、大抵 まがい だ。古くは、神風や玉砕 という言葉があった。あれも、まがい だ。

まがい は、時には本物のように聞こえる。この人についていけばきっとよくなる・・・と思わせるのが、まがい の恐ろしいところで、実際にはそんなものはないと気がついたときには遅い。個人のことを言うのは気が引けるが、小泉改革は、まがい だったろう。
あれで、本気に国が良くなったと思う人がいたら、頭がどうかしている。
それでも、私の言うことに納得ができない小泉ファンのために、聞いてみたいことがある。

あなたの暮らしぶりは良くなりましたか?
もう随分経ちますよ?
どうですか?

もちろん、政策には100%の正解はないかもしれない。だけれど、あの人の行った政策はすべて、アメリカのほうを向いていた。アメリカは、喜んだだろう。彼をもてなして、エルビスプレスリーの格好をさせて喜ばせておけば、あの髪の毛の長いサルは、喜んで尻尾を振ってくると、思っていたはずだ。

日本人は棄民された。1990年以降・・・見事なまでの、リストラ政策だったと思う。そう日本はリストラされたのである。
だが、滑稽なことに、日本人自身が、自分たちが国際社会からリストラされていることに気がついていない。もしかすると、まだ幻影をもったまま、これからも世界をリードしていくつもりならば、大きな間違いだ。国家を家族と考えると、年寄りばかりの家で、一体お前たちは何をしようとしているのかね?と、笑われておしまいだ。日本は、老人の国で、老人たちは、年金でだまされて、医療費や介護保険など次々と改革とやらの新しい言葉で、散々搾り取られて、棄民されているではないか?年金を長年納めてきて、その受け取り方法を、受け取るときになってから 変えるなんて、こんなもの詐欺だ。こんな当たり前のことを、だれも文句も言わずに、耐えている日本人たちは、本当に優しく 物分りがよく、その上、つけいれられやすく、利用されやすく、とってもかわいそうな人たちだ。早く言えば、お人よしなんだろう。

仕方がない。

便利な言葉だ。
だが、日本は世界第二位の経済大国で、まだまだ、もう一度きちんとやり直し、少子化の問題に向き合って、きちんと将来像を書き直したら、まだまだ間に合うところにいると、私は思う。

無論、日本の政策はとてもいいこともたくさんあった。いつも臆病だったかもしれないが、それでも多くの良い点があった。今までやってきた外交は間違っていたものもあったかもしれないが、そればかりではなかった。例えば、戦争は 一度もしなかったし、日本はずっと 平和に過ごすことができた。こういう素晴らしい戦後の良い点や、様々な国に援助を行ってきたという、尊敬される国を目指した 過去の外交の努力は 将来大きく花咲くはずだ。

だが、外に良い顔をするだけで、内にはきつい日本の国はとてもいびつだと思う。将来像をよくするためには、もっと、もっと、トップが下々のことを考えてやさしく暮らし向きを気遣うことから始めてもいいのではないか?

親父が怖い家で、娘が安心して子供が産めますか?


ゴールド価格から考えること

2009-04-10 16:29:47 | 世界情勢
ゴールド価格から考えること

2月に1000ドルをつけたゴールド価格が、下がり続けている。なぜだろうか?それはインドのルピーと連動しているみかたがある。
参照YOHOOによるインディアンルピーVS US$のチャート :http://in.finance.yahoo.com/currency/convert?amt=1&from=INR&to=USD&submit=Convert
参照 YAHOO によるゴールド価格VS US$チャートhttp://finance.yahoo.com/echarts?s=USERX#chart1:symbol=userx;range=1y;indicator=volume;charttype=line;crosshair=on;ohlcvalues=0;logscale=off;source=undefined

確かにこの二つは連動しているように見える。しかもインドでも不況の影響は出始めているために、世界でジュエリー需要でもっとも多いインドのゴールド消費にもかげりが出てきているとの見方があった。だが、900ドルを切ったあたりから需要が増え始めているとの見方も出てきている。
参照 India Gold revives, Festival to spur sales By Richard Singh Reuters MON 6th April 2009
http://in.reuters.com/article/domesticNews/idINBOM43566520090406

悲観的な企業の業績発表が行われる中で、すでに底を打ったのだと判断した投資家たちの先導で、ダウを中心に徐々に株価が回復の兆しをみせているのが、春先のニュースとしては、うれしいところだ。オーストラリアでは、失業率が6%に迫り、来年には9%になっているかもしれないと、野党の党首が悲観的な発表をしている。しかし、それにしても、9%とは深刻な数字である。
様々なセクターから、多くの失業者が出ているが、中でも多いのが、金融、ついで、最近では、マイニングにも影響が出てきている。参照:More job down the drain as gloom deepens Ben Schneiders April 8, 2009-04-8 http://www.theage.com.au/national/more-jobs-down-the-drain-as-gloom-deepens-20090407-9zos.html

この連動は、世界的な景気の動向がまだ、下げ続ける可能性を示していると私は、悲観的な見方をしている。
ここでマクロ経済の示す数字だけで、すべてを推し量ろうということに、限界を感じる私は、より経済が人間の業だという点に、回帰してみることにする。
多くの経済学者たちが、うっかりと忘れている数字には、寿命の伸び率があると思う。人間の寿命は、20世紀後半になって飛躍的に延びた。参照 :http://www.census.gov/compendia/statab/cats/births_deaths_marriages_divorces/life_expectancy.html
アメリカの例だが、1970年以降だけでも、平均で10年近くも延びている!!!だのに、60歳になると、リタイアするということは、実際の寿命との関連を考えると、どんどん乖離してきているといわざるを得ない。多くの企業では、60歳もしくは、長くても65歳になると定年になる。その後の人生が、まだまだ続く人にとって、これはとても酷なことだ。なぜなら収入がなくなるからである。もちろん、リタイアをする年齢は40歳であろうとも、50歳であろうとも、本人さえそれでよければ、何歳であってもかまわないという前提で話している。つまり強制的に70歳になっても働くべきだという乱暴な意見を書いているのではなく、70歳を超えても80歳になろうとも、リタイアをしたくない人に、できる仕事をそれぞれ得ることができる社会システムがあってもいいのではないか?と提案しているのである。リタイアした人が、お金を使わなくなるから、彼らの給付金に税金をかけて搾り取るという考え方は、本末転倒で、もっと、彼らに仕事のできる年齢であるという自信を持ってもらい、10年間定年の年齢幅を寿命の延びとともに、引き上げたらどうだろうか?
社会に老害が出るという小泉首相の考え方には、私はどうしても納得できないところがあって、自民党に年齢の上限を決めてしまったときも、中曽根元首相や宮沢元首相など、多くの立派な業績とまだまだ日本のために何かできる情熱と健康をもっていた人たちを、お払い箱同然の扱いにした。これは冷血なやりかただ。私は、老人を大事にするということは、彼らに座敷に座ってのんびりしてもらうことをさすのではなく、一緒に働けることも、同じように意義があることだと思う。人は、働くことに喜びを見出す。その仕事が楽しいと感じる瞬間、生きている実感がわくからだ。
そしてその実感が、経済効果となって、国の未来に跳ね返ってくるのだから、政治はその点を見逃してはならない。日本の70歳には、まだまだ元気で若い者に負けない人が、たくさんいる。知恵も技術もあるこんな熟年層をリタイアさせてしまうのは、あまりにも馬鹿げている。

貧困

2009-04-10 04:43:59 | 世界情勢
貧困

アフリカではエイズ患者が増え続けている。アメリカはアフリカの貧困諸国に対して、医療薬を無償で送っている。だが、その薬を大量に摂取すると、ハイになるために、アフリカの多くの青年たちに、麻薬のように取り扱われている。皮肉な話だ。先日、BBCラジオで、アフリカの女性問題についてインタビューが行われていた。レイプが日常的に起こる地域では、多くの女性たちが 兵士による民間人 大量虐殺ののちに、なだれこんできた兵士たちに犯された。そのうちのひとり女性が答えたインタビューでの話では、「私は一体 何人の男性に犯されたのか分かりません」と言い、さらには、子供をはらみ、父親のない子供ができると、親戚から遠ざけられ、両親からも見放され、一人で誰の助けもない場所で産み、そしてその子供を育てているのだと言う。子供に対しては、愛情が出てくるのだが、子供が、「僕のお父さんは誰なのか?」と聞くと、思わず腹が立って、子供に暴力を振るってしまう自分がいることに、苦しんでいるという。また、誰からの祝福も歓迎もされないでこの世に生まれてきた子供にとって、世界は地獄以外のなにものでもないだろう。その上に、貧困とエイズ。彼らには 明日の保障もない。

一体、なぜそうなったのだろう?

日本に置き換えて考えてみた。

貧困にも様々なレベルがある。日本にも もちろん、貧困は存在する。なかには食べられないというレベルのものも確かに あるだろう。住む場所がない人もいる。その貧困層は、世界第二位の日本経済のなかでも、東京と言う大都市にでも、恵みを請う人が、あふれている。

あるオーストラリア人は、日本人の乞食に500円のコインを、恵んでやったと言う話を私にした。私は失礼なことを言う奴だと憤慨しようにも、よく考えると そんな気にもならなかった。なぜなら、隅田川の川くだりを楽しむ気持ちになれなかったことを 思い出したからだ。それは おおよそ 川くだりの風情とは程遠い、青いテントの川岸が、今でも目に焼きついているからだ。私はちょっと間を置いて、 「そうか・・・」とだけ言ったが、心底疑問におもったことがある。それは、日本の行政は、どうなってるのだろう?ということだ。外国人に恵みを請わなければ生きていけない日本人を、たった一人でも出してはいけないと 思う。戦後のどさくさに、GHQにガムやチョコレートをもらっていたという話はよく聞かされたが、あの時代は掛け値なしの貧困であったのだから、それは仕方のなかったことだったとしても、21世紀の今の時代に、なぜ?日本は、当たり前の施設を貧困の人々に与え、優しく保護する行政を執り行わないのだろうか?
衣食住は、憲法で基本的人権のなかで、きちんと保障されているべきはずのものだし、人間的な生活を保障してこそ、犯罪の根も断ち切れるはずだ。

彼らの中には多くの人たちがいるだろう。借金に負われている人や、家族から見放された人、怠けたいという人もいるかもしれない。またスキルのない人、犯罪をして逃げている人、外国籍で仕事のない人、様々な人がホームレスを形作っているだろう。
だけれども、どんな過去のある人であっても、温かく生活のできる基盤だけは、何も問わずに用意してあげてもいいのではないか?と思うのだ。そうすれば、自然とそこから新しい知恵も湧くだろうし、新しい文化も生まれるし、希望も出てくるかもしれない。なんといっても、人間が・・・それも半端でない多くの人間たちが・・・そこに大きな資源として眠っているからである。

公園で炊き出しをしている風景のなかで、「これは戦後ではないか?」と思う人が、たくさんいるはずだのに・・・もっと優しく、懐の深い情けのある政治は、誰もしないのかな?

日本の政府はそれとも、わざと ホームレス階級を作っているのだろうか?と思える節もある。それを 一般の人々が見ることによって、「ああなってはいけない」と恐怖感を抱かせることによって、経済効果に得るものがあるという構図を、わざとしているのか?と思えるのである。もし、施政者がそういうあさましい考えの持ち主なら、それは とても恥ずかしいことだ。施政者が貧困の苦しさや、悲しさに目を向けて、それをそっと目に見えない形でサポートしてこそ、貧しいものも生きる希望と仕事や将来に夢も出てくる。貧しい者から見捨てる。そんな時代は、ずっと前に終わりを告げていたはずだ。

日本は 弱者にとって優しい国だろうか? 自転車に3人乗りをして、サーカスの曲芸のようなお母さんと子供たちを見て、施政者は法律を作って禁じることを思いつく前に、なぜ、彼女たちはそうやって、子供たちを乗せて危険な思いをしなければならないのかを よく考えてみるべきではないだろうか?そうすれば、安全な道を作ることや、もっと安全な自転車にたいして 政府が補助金を出すことなどでもして、子供たちを守ろうという考え方も出てくるはずだ。

危ないから、禁じるよりも、危ないから、助けてあげようと考えることは とても難しいことなのだろうか?政府の財政悪化しているおり、そういうところまで金が回らない・・・ともし仮に、言う人がいればその人は、さっさと政治家や官僚をやめたほうがいい。人のために何かできるという力を持った人は、神様から、誰かのために何かをできるように選ばれた人である。ならば、そのあなたの力を使って、誰かのために、何かいいことをしてみたらどうだろう?

アフリカの貧困も日本の貧困も、貧困という悪魔は 人間の優しさで解決できるはずだと思う。


遅れてやってきた軍拡競争

2009-04-06 02:26:42 | 世界情勢
遅れてやってきた軍拡競争

北朝鮮のミサイルは、日本の上空を通過して、飛び去り、結局はなにごともなく良かった。と思っている諸兄も 多いはず。
だが、本当に、何事もなかったのか?を未来に向けて想像すると、ぞっとすることがある。・・・というのは、知らず知らずのうちに、今まで、考えたこともなかった、恐怖心・・・ある日、空からミサイルが原爆をつんでくるという、不安が、日本人1億人の心の中に植えつけられたということだ。
今は、世界的に未曾有の金融危機の影が、重くのしかかっている上に、ミサイルなのだから、不安になるなと言うほうが、土台無理な話だ。
今、日本ほど多くの不安を抱えている国は ないかもしれない。
なぜなら、まだ日本は無傷だからだ。

不安の意味が分からないかもしれないから、たとえ話をしてみよう。

不安というのは、恐怖心・・・つまり、これから起こりそうなことを予想しているときに起こる。

高いところに立って、下を見ると誰だって、恐怖が湧くだろう。なぜなら、「もし、ここから落ちたらどうなるだろう・・・」という心理が働くからである。実際には落ちていないのだから、不安になるが、怪我はしていない。もし、落ちた後ならば、すでに骨が折れているか、死んでいるか、ともかく、不安の段階は通り越して、早く病院に行くか、あるいは葬儀屋に連絡をするのかというところにきているのだから、痛いか 何も感じることもできないのか、の二つに一つだ。

日本には、この大きな不安というものが、今回のミサイル騒動で植えつけられた。はずだ・・・

だが、日本のテレビ局は、大したものだと思う。どこもおちゃらけた、バラエティーをやっていて、何か、日常は今までと全く変わらずに、ミサイルがどこに落ちようと、知ったことか・・・という流れで、番組を流していた。確かに、テロップが流れたが、それはどこかの地震がゆれたときのような程度で、NHKを除いては、すぐにもとの番組に戻っていった。

日本人は不安を感じずに 冷静になれたのかどうか・・・

一般の調査は、将来どこかがアンケート調査でもしないかぎり、分からないが、防衛庁や、政府は相当、今回のことで神経を使っていた。この神経の使い方は、ある種の引き金になると思う。つまり与党にせよ、野党にせよ、同時に、国防について議論をしなければならない風潮ができあがったということで、それは、軍拡へとつながるだろうということだ。

今、ロシアとアメリカは、軍縮について、特に、核爆弾について話しあいを始めている。これは、世界的な流れで、すでに核爆弾という70年前に作られた爆弾は危険なだけで、役に立たない代物になってしまっているに他ならない。

人工衛星にレーザービーム、あるいはプラズマ兵器などを併用すれば、核爆弾、ミサイルの発射装置の場所さえ確認できれば、それらが発射されえる前にすでに無力化できる。参照 :http://www.msnbc.msn.com/id/10805240/



今の核爆弾の軍縮の話が、現実味を帯びているのは、すでに70年前の爆弾システム、役に立たないばかりか、経費がかかるだけのお荷物になっているからに過ぎない。もういらないものなのである。北朝鮮やパキスタン、イランがいまさらになって、原爆に熱意を燃やしているとき、アメリカはとっくに先に行っているわけだ。

だが、日本国内の一部には、今、すでに次の世代の兵器の時代になっているにもかかわらず、原爆を持つべきだ、などと議論している人もいる。だが、それは、彼らが悪いのではなく、かわいそうなほど無知なだけで 今でも、核爆弾が絶対だと信じているだけのことなので、もし、先端技術の洗礼をうけたなら、すぐにレーザービームの開発と、宇宙開発、人工衛星と、今後の未来というテーマで練り直すはずだ。・・・そう、核爆弾は、相手も殺すが、自分も無傷ではいられないという両刃の剣であるだけでなく、役にも立たない無用の長物になりつつあるということなのである。

今、日本が核兵器を持つようになるのではないか?という心配をする声が、韓国を中心に上がっている。第二次世界大戦から70年近く経っても、日本はそれほど、怖がられているのである。韓国は、自分たちの植民地体験を出しながら、今後、もし日本が核兵器を持つようになったら、また悪夢が再現されるということを、世界に向けて英語で発信している。参照:http://www.koreatimes.co.kr/www/news/nation/2009/03/113_41431.html

ここで不思議なのは、すでに核兵器を持っていると宣言して、しかもミサイルの実験まで行っている同胞である北朝鮮よりも、まだ、核を持っていない、あるいは、持とうとさえしていない日本を70年前の帝国主義を引っ張り出してきて、そのときの日本を、悪く言うことを優先している点である。なぜ、日本は、今、北朝鮮の脅威にさらされている被害者なのに、70年前!!!のことを引っ張り出してきて、悪く言われなければならないのか、全く不思議なのだ。繰り返すが、日本は、まだ核兵器を持つことを決めたわけでもなく、さらに言うならば、非核三原則をかたくなに守る姿勢まで示しているのにも、かかわらず・・・だ。

日本には確かに、核兵器を持つ技術がすでにある。だが、日本人は欧米人や、ロシアのように、核兵器を持ちながら、それを使わないというような器用なことはできない。持ったものは、ミサイルに詰め込んで打ち込むだろう。だから、持たないほうがいい・・・とかつて、宮沢喜一元首相は、談話で話していた。
今回のミサイルは、額面どおり もしかしたら、本当に人工衛星であったのかもしれないなと、思う。むろん、証拠があるわけではないが、それにしても、金正日は、最先端の兵器を研究しているはずだ。彼は言うまでもないことだが、馬鹿ではない。彼は、レーザービームの兵器についても、研究しているはずだ。アメリカが すでに実用段階になっていることも・・・ならば、彼らは、人工衛星を打ち上げたいと願っても、不思議はない話だ。

もし、今回の北朝鮮のミサイル、もしくはロケットのどちらであったにせよ、目的は、軍事であったのだから、日本は当然、それに対して、対応を考えることになる。考えるとは、つまり軍備費を増やすということに他ならない。となると、これは、同時に、中国、ロシア・・・それにもしかすると韓国あたりにも、軍備を増やすための口実となりえるわけだから、(特に領有問題で、日本の一部では随分いらだっている勢力があることも忘れてはならない)お互いが、軍拡競争になる可能性がある。すでに日本の海軍力は、世界のトップクラスである。参照:http://www.timesdispatch.com/rtd/lifestyles/health_med_fit/article/I-JAPA0318_20090402-232509/247926/

これは、すでに、いまでも、本気で自衛隊が出動すれば、かなりの軍事力を持っているということに他ならない。この軍備を日本は何十年もかけて、目立たないようにコツコツと積み上げてきた。一体、何のために???

もし、世界がもう一度、戦いの世界に戻るようなときがあれば・・・日本も世界第二位として当然の負担をしなければならないという、覚悟があったもので、現実の世界を甘く見ないで生きてきたのではなかったのだろうか?

と、私は思うのである。だが、それはそれとして、今のままの流れで、日本の軍拡が国民のコンセンサスを得て、(不安という心理的な圧迫感から・・・)このまま、広がったなら、どうなるだろうか?



しかし・・・もし東洋の諸国が、軍拡競争をして、お互いが反目しあえば、利益があるだろうか?と思えば、今一度、ここの意味をよく考えて見なければならない。

日本と中国と韓国。この東洋の三大国家が、反目しあうことで、得をするのは、どこだろうか?それは中国でも、韓国でも、日本でもない。得をするのは、お互いが軍拡で金をつぎ込んで疲弊した後、濡れてに泡でごっそりともって行く用意をしている連中ではないだろうか?(彼らが誰なのかは、分からないとしておく。)これは、お互いが力を合わせて考えるべきときで、北朝鮮という三国にとって、困った隣人を、アメリカに解決してもらうことを期待して待っているべきではなく、我々が解決するべきなのではないだろうか?(彼らはアメリカの隣人ではなく、我々の隣人なのだ!!!)


無反応になった市場

2009-04-04 22:55:31 | 世界情勢
無反応になった市場

昨日のニューヨーク時間のランチタイムに、発表になったかなり悪い雇用状況にも、市場が反応することはなかった。ひとつには、これはすでに織り込み済みで、驚くに値しないというものが多くのトレーダーの見方だが、しかし、戦後最悪の事態なのである。参照 http://www.guardian.co.uk/business/2009/mar/06/us-unemployment-rate-jobs


このまま事態が進むと、1928年に始まった恐慌に近い形になっていくだろう。

恐慌がどんなものなのか、理解できない人が多い現在、年寄りに聞く話はとても面白い。

パンを求めて行列する人々
列車のただ乗り
大学を卒業してもガソリンスタンドでアルバイトをしている人
自殺者の急増
ビジネスマンが露天を営んで鉛筆やりんごを売っている
オクラホマの農家では逃げ出そうとする農民が続出・・・(スタインベックの“怒りの葡萄”を読むと、ビビッドによく分かるだろう。)

参照http://us.history.wisc.edu/hist102/lectures/lecture18.html

今後、さらに拡大することが予想されている。すでにGM モーターズをはじめ、クライスラー フォードに至るまでリストラ、もしくは会社破産法
 11条の適用などを含めて、大幅な人員削減にともない、非雇用を押し上げることは確実になっている。さらには、その関係企業、テイクアウトを売っていた店や、レストラン、ガソリンスタンドにいたるまで、影響は出てくる。

これから、もっと、抵当物件が増え、個人のクレジットカードの破産、低い消費と自信をなくしたアメリカという悲惨な状況がみえてくるだろう。
さらに深くなる社会不安は、犯罪を誘発し、家庭を崩壊させ、会社の倒産にともない、多くの地場産業が消えて、インフラの整備にまわるべき税収が減り、そのかわりにフードスタンプを握りしめて行列する人が増えていく。

そして・・・
日本もそう遠くない未来に、同じことが起きる。

今の市場が無反応になっている理由は、もうすでに、爆発した破片を見ながら無気力と脱力感で満ち溢れた状態で、ずるずると下がり落ちていく状況を見守っているからではないだろうか?

参照参照

スピリチュアルな経済理論・・今年も Summer time が終わる

2009-04-04 01:41:21 | 世界情勢
今年も Summer time が終わる

何度目のサマータイムだったのかな・・・と過去を振り返る。
毎年やってくる、サマータイムとその終わり。時間は過ぎて、私は年を取り、子供たちは成長し、気がつけば、何も為さないまま、また次のサマータイムがやってくる。照準を合わせて走り抜けることが、できたなら、もっと短くてもいい人生なのかもしれないが、残念ながら 遠回りばかりしている。
だから、何度もサマータイムを迎え、過ぎ去る季節の移ろいを、また恨めしげな気持ちで見送ることを 繰り返しているのかもしれない。あとは、遠方にいる友人や家族に、自分の切れ端をこうして見せているのが、せめてもの証か・・・

などと、この時期になると柄にもなく、センチメンタルな気持ちになる。
アメリカは、迷走をすべてG20という枠組みに 投げて自分たちはまるで被害者で傍聴席にいる遺族かなにかのような態度に終始している印象をうけているのは、私だけだろうか?
そのぶん、中国が、なぜか?自己主張を強めて、いまや、世界に冠たる大国として、名実ともに、紳士として君臨している様相をみせた。ほんの十数年前に、天安門事件があった国だとは思えない。アメリカは、何かを大きく間違えたのだと思う。それが、何だったのか?は、未来の歴史家が様々に語るであろうが、ひとついえることは、多くの天災が同時に起こるような国になったあと、それが人災に広がるほど、心が荒廃していたからなのではないかと思う。人が天災にあったとき、その人と、人が助け合うか、奪い合うのかが、その後の進展につながるのか、それとも、荒廃になるのかの分かれ目になることを、もっと、みんな言うべきではないのかな?

今の経済危機で、引退していくCEOが、何億円も受け取ることは、その奪い合いの精神そのもののように思える。困っているとき、従業員のパートのひとりひとりにいたるまで、気を配るような経営者がもっといたなら、今の経済危機も、もう少しラクに乗り越えることができるという、簡単なことを、誰も言おうとしない。

経済は、人が動かすもので、人は、ほしいものを手に入れるために働いたり、あるいは、知恵を使って創造したり、力を合わせて組み立てたりする過程で潤滑油としてのお金が間に介在して、そのお金が経済の成り立ちへと形を作っていくものである。

その基本が人である以上、その人と人が、もう少しリラックスした優しい関係でなければ、いけないのではないだろうか?という、ソフトの面からみた経済理論に、今まで私はお目にかかったことがない。たいてい、数字であるとか、グラフで書けるもので、その関数や証拠を並べ立てるどちらかというと、やかましい経済理論にはうんざりするほど付き合わされたが、もっと、心や、精神、高い理想や、高い次元の魂の交換などによる、経済理論などを唱えると、それこそ、笑われてしまうからかもしれない。
けれど、もっとも基本である、経済は人が作るものなのだということは、間違いではないはずだ。お寺や神社や教会やモスク、それに、シナゴーグに行って、神の声を聞こうとすることは、人が迷うときや困ったとき、人生の折り返し地点に立ったときには、いつも登場する場面かもしれないが、もし、経済政策や、ごり押しの理論と、それに信奉してきた人たちがたくさんいて、そのたくさんの人たちが、どうしようか迷っているのが今の場面なのだとしたら、私の書いていることの意味が分かるのではないだろうか?

今は、崩壊を待つばかりで、新しい理論や技術を求めるときにはまだ至っていない。なぜなら、その新しい理論や技術は、必ず崩壊後にやってくるものだからだ。

私は、理論や数値を使った技術は、すでに出尽くしたと思う。その進歩とは違う進歩をアメリカもEUも日本も、求めているのが、本当の今の人間というわがままで自己中心的で、しかも、排他的な生物の最後の目標なのかもしれない。

分かりやすく言えば、こうである。

「あなたは、あなたで、わたしは、わたし。だけれども、あなたがいなければ わたしは いないし、わたしがいなければ、あなたもいなくなってしまうんだよ」


RBAの発表

2009-04-01 00:56:59 | オーストラリア株式
RBAの発表

RBAとはリザーブ バンク オブ オーストラリアの略で、日本で言えば、日本銀行に相当する。国内の経済状況と、海外の経済状況、さらに為替や利率、マネーサプライなどを効果的に運用することによって、経済の安定成長を目的とする。
(参照:An Update on the Economy and Financial Developments BY Ric Battellino Deputy Governor 31 March 2009 http://www.rba.gov.au/Speeches/2009/sp_dg_310309.html)
3月期末ということで、発表となったわけだが、今回の内容はほぼ言い訳に終始している。
世界金融危機のあおりをうけて、私たちにできることは、限られている。
これが、主な言い訳だ。言い訳は、良くないという文化が日本にある。だが、言い訳と説明は同時進行なのだ。たとえば、不動産の下落について、先日述べたつもりだが、その直面している問題も、すべて、国の政策に原因があると摩り替えることだって、できるわけで、確かにその側面があったにせよ、(たとえば、ファースト ホームバイヤーに対する補助金が6月で期限が切れるということなど)それが問題の一部であっても、全体ではない。今回のRBAの発表を見て、ちょっと眼識のある人なら、目をむく数字が並んでいる。
参照:http://www.rba.gov.au/Statistics/financial_aggregates.html
まずは消費の落ち込みだ。これは、自信喪失を端的に表している。だが、これは、世界的な問題で仕方ないことだとRBAは言い逃れできるだろう。しかし、MONETARY AGGREGATESをみると、驚く。そうマネーサプライ、とくにM3が、2002年から2006年まで4年間もかかって、35%程度しか上がっていないのにくらべ、496.9から747.6 2006年以降の2年半で同じくらい増えていることに驚く。このペースは、かなり市場にばら撒いた結果である。銀行が、貸し渋りをしないようにするための配慮であったなら、市場には現金がだぶついているはずだ。ということが、オーストラリアドルの下落と関連があるのは、確実なので、もしかするとインフレに導こうとしているのだろうか?とすると、逆に言えば、ここまでしなければ、デフレになる可能性があるということになる。

さらに、RBAからメールが届く。これをチェックすると、今度は、別のスピーチが入っている。(参照: Some Effects of the Global Financial Crisis on Australian Financial Markets By Guy Debelle 31 March 2009 Financial Professionals Forum http://www.rba.gov.au/Speeches/2009/sp_ag_310309.html)
オーストラリアは諸外国に比べると、まだまだましだという論調で始まり、オーストラリアはカナダと似て傾向で推移していると自画自賛。さらにエクィティーマーケットの推移とRBAのファイナンシャルへのマネーサプライ、金融緩和を柱として、増やしていると説明、さらにはボンドの価格が下がり傾向にあること説明、海外との違いを強調し、オーストラリアの銀行の安全性確保についての説明、最後にはオーストラリアドルの下落をちょこっと付け加える。実はここが一番大事なのだが、それはちょこっとだけだ。

とにかく、今回のG20でも中国の発言が目立つことになるだろうが、世界通貨を中国主体で打ちたてようというのは、どうもなあ・・・というのが、私の気持ちである。今、中国が新しい世界通貨の枠組みについて提案している。(参照 http://www.reuters.com/article/gc08/idUSTRE52T64520090331)時代は変わった。これは、私もそういう印象をもっているが、確かに、そのとおりだ。
考えてみれば、世界の共通語が英語で、共通通貨がUSドルという非常識が、あたりまえになりつつあるだけなのかもしれない。英語を話す人口よりも、中国語を話す人口のほうが、地球上には多く生きているのだから、共通語は中国語であるべきなのかもしれないし、また、世界のUSAという国が発行する紙幣よりも、共通紙幣を使用したほうがよほど理にかなっているというのも、うなずける話だ。
もちろん、世界の勢力図が塗り替えられるのは間違いなく、また、人口比にして考えても、アメリカ人よりも、中国人のほうが多いのだから、もし、世界の大統領を投票で決めたら、必ずそれは中国人になるはずだ。

これをしたら、しかし困る勢力がいる。それが、世界の金融を牛耳っているのだから、私は次に何か策をたてて、手を打ってくると見ている。それが、たとえば、今回の北朝鮮と日本の戦争につながると、あなたには思えないだろうか?