Sydney Yajima


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オーストラリアの住宅バブル

2009-03-29 21:52:13 | オーストラリア資源
オーストラリアの住宅バブル


オーストラリア、特にシドニーは住宅バブルに沸いていた。それが、ここ15年から20年近く続いていた傾向だ。住宅の伸び率は、移民受け入れとと、資源価格の高騰により、GDPの177%まで借金するという借金体質を作り上げてしまい、今、まさにそれが崩壊寸前である。

参照1: http://article.wn.com/view/2009/03/27/Rudd_warns_of_recession_or_depression_if_G20_fails/

ケビン ラッド首相は、G20の話し合いがうまくいかなければ、オーストラリアは景気後退か、恐慌のどちらかになると話している。だが、これはもちろん責任転嫁に他ならず、今の経済危機を乗り切る方法は、オーストラリアには、少ない人口で、限られた内需の拡大を試みることと、お金持ちの移民を受け入れるという 虫のいい話と、ラッキーカントリーという今までの経験を信じてこれからも続けていけるという、他愛のない自信以外には、枯れた牧草と、赤茶けた広大な砂漠と、あと、できれば日本辺りにちょっとばかり資源鉱山を買ってもらえるかどうかの、運任せ以外には、あまり知恵もないのである。

そこで、もし住宅バブルが崩壊したなら、どのくらい悪くなるのか?を考えてみた。様々な試算が為されている。参照2 http://www.smartcompany.com.au/Free-Articles/The-Briefing/20090127-Australias-housing-bubble-yet-to-burst-report.html

控えめに見て、5-10%という試算だが、これは今年1月での試算であり、景気はさらにそのころから悪化をし続けていることから、もしかすると、数字はもっと極端に 悪くなる可能性もある。



参照3 http://housingbubble.com.au/

日本がバブルの絶頂期から、価格を下げたのを参考に考えても、その下げ幅がオーストラリアを襲ったと仮定したなら、かなりインパクトのある数字になると思われる。

バブルの絶頂期の東京は、ちょっとしたマンションが、軽く2億円を超えていた。場合によっては6億円などという数字を不動産屋のウィンドゥーに、恥ずかしくもなく貼ってあったことを思い出す。

それに比べると、今のシドニーの住宅価格はもっと、大きなバブルなのだと、数字の対比をすると、すぐに分かる。これは、オーストラリア全体を見渡しての話で、シドニーだけを取って考えるともっと深刻だ。この数字だけでも、2006年の278という数字は、平均2.97%も伸び続けてきた結果で、日本のバブルをはるかに凌ぐものだ。
参照 P-1 http://housingbubble.com.au/housePricesFixed.JPG
住宅バブルが崩壊すると、ここは暴動や労働組合によるストライキが起こり、あちこちに、社会のほころびが出てくることが予想される。すでに、その兆候が出ており、社会の成熟度が、多民族国家であるがゆえに、価値観の相違をお互いが融合するための時間が足りないために、小さなきっかけで、大暴動になる危険をいつもはらんでいる。政治が悪いという言葉は、こちらの人と話していると、二言目に出てくる常套句で、それは、どんな小さなことであっても、政治の責任になる。民主国家ゆえなのだが、それにしても、社会の借金体質までが、すべて国の責任であるという考え方は、今まで日本にあっただろうか?

177%の借金と、上がりすぎた住宅価格。
そして社会不安と信用力の低下。また、世界中にひろがる金融危機は、このオーストラリア経済を、間違いなくヒットするだろう。その影響の大きさを考えると、シドニーに住んでいる私にとっては、どんないきさつになっていくのか、漠然としているが、不安を感じないではおられないのである。

参照1/a>
参照2/a>
参照3/a>参照 P-1/a>

日本の参戦

2009-03-27 10:15:21 | 世界情勢
日本の参戦

2009年は、いろんな意味で記憶に残る年になるだろう。北朝鮮は、すでにミサイルを設置し、いつでも燃料注入できる体制になっている。このブログを書いている間にも次々と情報が更新されているので、油断できない段階になった。
ミサイルが発射されるのは、間違いないだろうという論調が目立つ。参照これは4時間前に書かれたロイターのニュースだが、今月の26日にはアメリカの人権団体が、ジュネーブで大きく北朝鮮の現状をとりあげ、きびしく追求している。
参照

戦争を始めるときは、まず大義名分を掲げる。そうしなければ自国民が、納得しないからだ。そしてその大義名分に応じてくれる仲間を募る。戦争は共同で張るほうが有利だからだ。したがって、大義名分は、証拠を伴う形で、できれば、一国よりも国連や、国際機関の同調で行うのが、より力を持つのは言うまでもない。今回は、ジュネーブで人権団体の力で発動している点、大義名分は明らかになっている。

ここで北朝鮮の撃つであろうミサイルは、アメリカ、日本、韓国のそれぞれが派遣しているイージス艦に迎撃される運命にある。参照

アメリカは自信満々で、日本も、やる気をみせている。その証拠は、今日中に防衛庁から発令された迎撃命令である。参照(浜田靖一防衛相が自衛隊法82条2の第3項に基づき「破壊措置命令」を自衛隊に発令した。)

問題は、このあとだ。仮に、ミサイルの迎撃が成功したとして、それがどういう化学変化をするのかが、私たちにとって一番問題になるはずだ。・・・というのは、北朝鮮が、報復に出てくる可能性である。参照

今回のミサイルをもし迎撃しなければ、直接の被害は最悪の場合でも秋田県の一部に出る程度だ。参照 だが、同時にそれは北朝鮮がアメリカ本土まで届くミサイルを作ることができるという新たな交渉カードを手に入れることを意味する。日本はすでに北朝鮮の射程範囲に入っているので、いまさら迎撃をする意味合いは、実のところ、薄い。それよりも、今回の迎撃は、より、アメリカにとって利益になるという点は、無視してはならないだろう。

もし北朝鮮が、発表どおり、迎撃は戦争を意味するゆえ、ミサイルを迎撃した日本と 事を構える となると、日本は、戦争になる。
秋田県の一部にちょっと被害が出る可能性のあるという程度の問題と、国全体を巻き込んだ戦争は、どちらが得でどちらが損なのかは、冷静に考えればすぐに分かることだ。戦争は、得るものが無い。だが、今回の始まりが、北朝鮮のミサイルであれ、日本が打ち落とすというバックボーンにはつねにアメリカの意図があることを忘れてはならない。その上でなければ、このあとの話は続かない。

北朝鮮の軍事力から考えると、彼らはもっとも安い方法で相手を最大限に叩く方法を考えるはずなので、おそらく、生物兵器を使うであろう。それはダムの上流などに、最近をまいたり、毒素をまいたりすることで、日本の国内を混乱させる。大量の死者を出すことで、嫌戦気分を出し、国民の過半数が、戦争をやめたいと言い出す民主主義の手続きを利用して、北朝鮮に有利に戦争を終わらせることを考えるはずだ。

生物兵器は、すでにかなりのレベルまで開発されているはずで、北朝鮮は、たくさん保有しているとみなすべきだ。火薬で銃を持ってバンバンと相手を撃ち殺すだけが、戦争のやりかたではないし、北朝鮮だってまともにぶつかるやり方はしないだろう。韓国もかなりの打撃を受ける。特に空港は最初のターゲットになるだろう。

だが、打ち落とすと覚悟を決めた今、戦争は勝つことを前提にやらなければならない。できれば、短期間に・・・である。

Stimulus Package

2009-03-26 14:18:39 | 世界情勢
Stimulus Package


ほとんどの国が、お金をジャブジャブと不良債権につぎ込んでいる。
アメリカなどはトリリオンという数字を惜しげもなく、ダイナミック?に、つぎ込んでいる。

そこで、疑問がわく。
大きな ? だ。

果たして、この金はどこから沸いて来るんだ?
と・・・

お金というのは、数字であり、絶対のものではない。実際には紙として存在しているだけだ。集団催眠みたいなもので、みんなで、「セーノ こういうことにしよう」とルールを作って お互い騙しあってその何も無いものに、価値が付いて成り立っていると私は思う。
大根を買うとして、一体、一本200円という金額=数字が、妥当なのか、妥当ではないのかなど、分からないから、まあ、みんなで、「セーノ」で大方の金額を決めてしまう。

各国の銀行はその「セーノ」の紙を印刷している。ところで、印刷している銀行券を、国が印刷していると思っている人が多いけれど、それは、間違い。

日本の場合は、日本銀行券というものがいわゆる「諭吉」さんで、それは国が印刷しているのではなく、日本銀行が印刷しているのである。ちなみに、日本銀行は私企業である。国が運営しているのではない。ちゃんと、日本銀行の株だって、インターネット取引で買える。オーストラリアのRBAも、アメリカのFRBも、同じように成り立っている。私企業だ。だから、極端な話 倒産だってありうる。

ここで、よくフリーメーソンの陰謀という話が出てくる。無理も無い。すべてのアメリカドルにはあちこちに、フリーメーソンで使用される様々な印が入っているからだ。それもそのはず、アメリカ建国時のほとんどのメンバーがフリーメーソンのメンバーであったのは歴史的事実で、彼らが意図的に、入れたのだし、また、フリーメーソンのメンバーの多くが、その銀行の建設に役立ったのだから、とうぜん、自分たちの仲間である印章を入れる行為があったとしても、不思議ではないだろう。陰謀といえば、陰謀のようなものだが、たとえば、東京大学に、なぜ東京という名前が付いているか?などというのと同じで、何かができるときには、かならず、そこにある時代背景や、場所、人 が絡んでくるものなのだ。

さて、私企業とはいえ、やはりそこは国の根幹にかかわる紙幣の問題なので、通常ならば、慎重に行うべきところだが、ともかく二つの大きな仕事、一つ目は、利率、二つ目はマネーサプライを大胆に、ダイナミックに、いじくっている。

これは、考えて行っている、理論にのっとった方針なのだが、私にはとても乱暴に感じられる。

もしかしたら、人々が、「セーノ」に気づいてしまい、お金に、価値を見出さなくなりはしないか?と心配に思うのである。現に、ゴールドを買う人が増えている。お金という紙幣を信じられなくなっているからだ。

「金本位制を、標榜していた時代が、かえって安定していたのである」と、考える人が、明治から昭和にあっけて、随分論議されてきた。
むろんこれは、日本の話だ。
だが、欧米では、どんどんとタガとワクをはずしてしまい、もっと景気をよくするために、紙幣というものとゴールドを切り離した。日本も追従したが、遅かったために、逆に、戦争準備資金が少なかった。そのために、金本位制へと銀本位制から変えていく。これで国内のゴールドがどんどんと海外流出した。
参照参照

しかし、ゴールド スタンダード(金本位制)が実際になったら、という議論がどのくらい真実味を帯びて未来像として存在できるのかについては、疑問の余地がたくさんある。

参照参照

世界にゴールドの総量が、十分に世界中の経済を支えるバックボーンになりえるほど無い。

これが、第一。そして、そのことを一番周知しているのは、各国の銀行そのものだ。
だから、彼らが自分たちの信用で取引できる通貨を支える限り、支え続けている限り、けっしてそのようなことを起こすはずが無いのである。そのためには、どんな催眠術でもかけてくるはずだ。そして、間違いなく、今までどおり、世界の人間はその催眠術に酔ったまま、踊り続ける。なぜなら、そのほうが、気が楽だし、周りが酔っているのに独りだけさめているのは、孤独なだけでなく、とても辛いはずだ。それに下手をすると精神病棟に入れられかねないだろう。

それほど、物が見えるというのは、孤独で辛い作業になる。

アメリカのSP500がわずかに上に振ると、大騒ぎになって、景気が良くなるだろう・・・というのも、また、イギリスの10年ものギルトが今回のように下げるとどうも、金融不安が強くなり、イギリスの赤字がパニックを誘うのも、今のようにボンドのほうが長期でも安全と見えるだけで多くの中国資金がアメリカボンドに流れそれが、不可思議な現象をかもし出しているのも、みんな みんな 国ごと、催眠術にかかっているからだ。

誰がどういう意図で集団催眠にかけているのか?
私だって命が惜しいから、これ以上は書きたくない。
だが、それは、大きな意図をもって、時代を変えていく足音が聞こえるのと、今の気象がおかしいことなど、本当に心配するべきことが他にあることをみんなが無視しようとしていることも、同じように大きな意図が流れていくつく果てをみせているように思える。

私は、子供たちがどうやっていくのかを、心配している。

Volatile

2009-03-26 03:22:03 | 世界情勢
Volatile

ダウが少し上がると、午前中のブルームバーグは景気の良いような見出しをつけて、US STOCK RALLY などと言っていたが、午後になると、その勢いは何処かにいってしまい、また急落する。参照 参照

結局は、消費が伸びないことと、生活苦による犯罪の増加、それに、輪をかけて、自信のなくなったアメリカという図が、ここでも明らかになる。
日本は、これからどうするつもりなんだろう?
ふと思った。
日本の産業は、今までアメリカが客で、自動車を作っていたり、電気製品を作ってみたり、造船であったり、あるいは時計であったり、昔には真珠や絹であったのだが、今は、それらすべてが、過去の話として消えていこうとしている。現在の日本の輸出状況は、かなり厳しいはずだ。それは数字にも如実に表れており、2月の輸出は例年の半分だった。
 参照


これはアメリカがものを買わなくなった、いや、買えなくなったことによる。

私は、アメリカはいずれ回復すると思っている。
悲観的なことが続くが、それでも、いずれ、必ず回復するだろう。なぜなら、インフラと技術力、資源力、生産力に、運転資金、さらには実行力など、様々なことを考えても、やはり、アメリカは大きな力を持っている。だから、いずれまた、日本の製品を買うときがくるだろう。ただし、日本がどこまで持つか?が、焦点となる。

日本がどこまで持つか?といま、確かに私は書いた。
日本は、もともと、貧しい国である。19世紀以前の日本では、飢饉が来ると、娘を売り、時には間引きなどという恐ろしいことや、姥捨て山までがあったほどだ。貧しさは、フィリピンよりもインドネシアよりも実はひどかったかもしれない。少なくとも、インドネシアには石油もあり人口も日本よりも多く、さらには暖かい気象と、作物が多くあった。
なぜ、日本が今のように世界に肩を並べる国になりえたのか?
答えは、輸出だ。
そして、その日本のモデルを、多くの国が模倣した。その国とは、韓国であったり、台湾であったり、マレーシア、香港、それにシンガポール、最近ではベトナム、もちろん中国はさらにスケールアップした日本のモデルの模倣者であったろう。
その模倣者たちは、日本の技術力を買い、あるいは日本からの技術者を受け入れ、時には共同開発をしたりしながら、様々にマーケティングを試みて、多くの成功例を出した。これが、1980年代から大きく世界の流れを変えた。その後、アメリカのグローバルが推し進められ、アジアの多くの国々はその恩恵をまともに享受して、大きく育った。もちろん、乗り切れなかった北朝鮮などの国もあるが、それでも、そういう国はほんの一部で多くのアジアの国々は、活発に輸出産業を伸ばしていった。

日本がどこまで持つか?
私の疑問は、すべてここに発する。
現在の輸出産業の中心は、言うまでも無く、車であったり、電化製品であったり、あるいは、時計や、デザイン物、それに、最近では日本食ブームであったり、あるいは漫画やアニメなどのソフト物であるかもしれない。だが、それらはすべて、買ってくれる外国の人がいて始めて成り立つビジネスだ。だが、ここにきて、数字が物語る不気味さは、背筋がぞっとするほどの、重い暗雲に見える。

日本がどこまで持つのか?
日本の輸出は、金持ちになってきたアジア諸国にも広がった。中国も日本にとってはお得意様になった。アメリカ一辺倒の日本が大丈夫か?などと、とぼけた経済学者が今でもテレビのコメンテーターになって、話しているかもしれないが、実際には日本の輸出はアメリカ一辺倒ではなく、とうに、分散させている。これは、強みだったが、しかし、もし様々なアジアの諸国が日本の模倣であったなら、自国の経済・・・自国の消費も減る可能性がでてくる。それは、輸出産業から波紋をひろげて 多くの倒産と失業を抱えるマイナスのスパイラルの始まりとなりかねない。
となると、日本のお得意様である、中国やアジア諸国も、消費が減り、日本の製品を買えなくなるのである。

日本がどこまで持つのか?

実に、このスフィンクスのなぞに近い答えは、案外簡単に出てくる。
これは、アメリカの、経済ブロックでもなく、ヨーロッパの経済ブロックでもない、新たな経済ブロックをアジアが作ることで、その別のバスケットから、新しい可能性が出てくるという、ちょっとした大実験を行うかどうかだ。

たとえば、ベトナムにはハワイにも負けないようなリゾートになる可能性のビーチがある。フィリピンには、多くのエンターテインメントがあり、タイには様々な宝飾産業もある。インドネシアには豊富な資源があり、シンガポールは言うまでも無く商社と金融の中心になれる。日本は技術の国で、韓国には、さまざまな応用力があるし、中国は、大資源と人材の宝庫である。つまりアジアは、全体をあわせれば、ヨーロッパにもアメリカにも引けを取らない巨大なマーケットたりうるし、さらには、巨大な経済圏になりうる。
この大きな線引きを、アジア人自身で行えるなら、日本の将来は、決して暗いものではないはずだ。

もちろん、イデオロギーの問題はある。あるいは政治的な駆け引き、エゴ、領土問題、人種差別、言葉、考え方、習慣、カルチャー、法律、会計システム、銀行、それに融通性、透明度、などなど、問題はたくさんあるのは分かる。過去の歴史の問題だって、多くのハードルを越えていかなければならないだろう。だが、それにしても、どこか手を握り合うところからはじめるべきであって、ただ、いがみ合うかライバル意識だけで歯ぎしりしているだけでは、ポジティブな結果にはならない。(無論、イチローの活躍で野球を堪能して大喜びしたために、数日間、まったく ブログを更新しない私が言うのも矛盾しているが、それにしても、野球と、私たちの未来とは、同じ土俵では考えるべきではないだろう・・・)

ここで、問題になるのはやはり、今の硬直状態が続けば、日本がどのくらい持つのか?は、同時に、マレーシアは?インドネシアは?タイは?香港は?そして中国は?と、どの国にも同じことが当てはまる話になるということであり、いずれにせよ、アジアで共栄できる方法を、ひとつひとつ考えていくときに来ている。もちろん、中国が自国に有利になるような、やり方を推し進めていく今のやり方では、誰も付いてこないだろうし、日本が、もう一皮剥けなければならないなどということは、日本人自身が、一番分かっていることで、その難しさは、並大抵ではないことも よく知っている。だけど、背に腹は変えられんというところまで、追い詰められるのは、今のままで いけば あと3年か?5年か?10年も持つのか? などと、考えてしまう。

アメリカが復活するのが、あと3年?5年?10年後?
そんなことは、誰にも分からない。

数字はとても、悲観的だとだけ、付け加えておこう。

景気の回復とは・・・

2009-03-21 21:18:09 | 世界情勢
景気の回復とは・・・


ベン バーナンキー議長が、アメリカドルを、さらにサプライを増やして、それが市場に必ずしもプラスの反応にはならなかったことは、すでに書いた。ベンに言わせてみれば、これは景気回復を目指して行ったものではなく、やらざるを得なかったのだ。と、なる。

参照

景気の回復は、政策をいじることと金融をいじるということも大事だが、一番基本になる、レッグ (脚)が回復しなければ、ありえない。

レッグとは、非雇用率である。もし、今のように10%を越える失業者を、アメリカが何年もかかえ続けていたら、どうなるか?日本では、4.2%程度を推移しているようだ。これは過去に比べて、高いほうだが、それでもまだまだ、アメリカやオーストラリアに比べたら、ましだ。(オーストラリアはすでに5%を超えている・・・ただしこの国は、まだ景気後退を発表していない。まだまだ我々は景気後退にはなっていない、なぜならここはラッキーカントリーだからだ。という理論で裏づけはない。)参照

失業率が、国の根幹を左右するという考え方に、立って、国益、国策、将来、の三点をきちんと抑えて考えるときだ。
日本の産業の中心が、今までは製造業などのハードが中心であったが、これからは、金融と技術開発、そして、教育などの、ソフトに移行しているといわれる。
参照:参照

知的財産という表現でここでは行われている。だが、問題は今の日本人にはそんな気概はないのではないだろうか?という点だ。

考えるために、何かを創造するために・・・そこには莫大なエネルギーが必要になる。周りに何でもあり、欲しいものはあまりないという状態にいると、人間は求める力がなくなる。飢餓を経験したことのない、世代と、経験したことのある世代は、欲の強さが違う。その欲が、時には、悪を行わせたり、あるいは創造というものに昇華させたりと、使い方で、随分形が変わってくる。

日本は、一度 第二次世界大戦のあと飢餓状態におちいった。これが、戦後の復興のエネルギーであったのだとしたら、これからやってくる初めて経験する大恐慌に(今度の恐慌はもしかすると、1930年を超えるかもしれないと私は 最近思い始めてきた・・・なぜなら、失業率が増えこそすれ、減る様子が無いからである・・・とすれば、底がいつかというのは、まだまだ早すぎる議論だ)

消費物価や、インフレ率、それに、為替や、利率、長期債権にマネーサプライなど、様々な数字が飛び交うが、基本は雇用だ。仕事が無ければ収入がなくなるのは 当たり前の話だから。

景気のいいときは、フレキシブルに出勤できて、ボーナスは当然もらえるし、会社の帰りには気の利いたバーで、一杯やってくるなど、普通のことだったかもしれない。が、今は、形が変わってきている。

様々なところに影響が出てくるのは、時間がたってからで、また、元に戻って、その発信地に帰ってくる。そのころには、多くの倒産企業がすでに列をなしている。

GMもクライスラーも、大変な時期だ。参照:参照
さらなるコストカットをしなければ、援助が受けられない。しかしコストカットは同時に、失業者を生む。失業者は、生きている人間で、彼らや彼女らが、仕事を失う前は、毎日、レストランでステーキを注文して、食べていた人が、仕事を失ってからは、自宅でミンチ肉を食べるようになり、やがて、それが、フードスタンプをもらわなければ生活できなくなり、ミンチではなくただのパンになる。とういう流れでどんどんと、消費が減っていく。今までレストランは満員だったのに、これを境に、閉店していく。
これが結局は消費物価に結びつき、消費がなくなると、デフレという恐怖におびえることになる。

私はデフレを、本当に恐ろしいものだということが、まだ、実は分かっていない。もちろん、理論は読んでいるし、理屈は分かる。だが、デフレになっていく過程で、すでに失業率が増えていくのだから、もっとそれから悪くなるのか?あるいは、デフレによって格差が広がるのが、正しいフィルターとして機能を果たすのか?もしかすると、人間のリスク プロフィールが、年代別、世代別に分かれていくことを、無視しているのではないか?あるいは、物価指数が変われば当然、リスクのとり方も個人によっては、違ってきてかえって、経済が活性化されることにもなるのではないか?と疑問が山積みなのだ。なぜなら、経験則がないことと、また、それが一般市民の80%が苦しむインフレに比べて、どちらかというと資産が減ることを怖れる有資産者層の20%にもっとダメージが大きいのだから、恐ろしいと感じるのは、こちらのほうの人たちではないか・・・?とすれば、マスコミが宣伝するのは、富める人たちの利益になることではないか? などと思うのだ。もちろん、うがった見方である。だが、経験の無いことを理論だけで、危険だと決め付けることも、間違っているとも思う。

666

2009-03-19 23:22:55 | 世界情勢
参照SP500が今月の初め666をつけて、最低になったあと、上昇を始めたのはご存知の通り。すでに20%以上の上昇振りだ。バーナンキ FRB議長は、さらにマネーサプライを増やし、 ランボーというシルベスター スタローン主演の映画にたとえられている。あらゆる武器に精通し、経済崩壊に立ち向かうという意味らしい。
だが、ランボーという映画そのものが、随分古いものだし、それにたとえて喜んでいる人間たちが、SP500をあげるのに、一役買っているとしたら、危ういことこの上ない。確かに、大きなインパクトで300ビリオンの長期追加融資と1.45トリリオンの抵当物件の買取などを含んだ大きなインパクトを市場に、与え、さらにヘリコプター ベンの面目躍起としたマネーサプライを実施したため、アメリカドルはユーロに対して、弱くなった。これが、いずれどういう形で跳ね返ってくるのか分からないと私などは思う。
マーケットの反応は良好で、みんな、「やってくれるねぇ」と感心しているが、もしかしたら、FRBは私たちの知らないもっと重要な問題をすでに察知していて、これをしなければ、市場そのものが崩壊すると危惧して、一か八かの賭けに出たのだとは、誰も思わないのだろうか?

ランボーだと喜んでいていいのか?
経済学ではデフレはコントロールを失うとして、一番危険だと言われているが、本当に、危険なのかどうかは、今まで経験則がないために、一概には言えない。超インフレが危険なことは知っているし、それが起こると政治不安から、戦争になる例もたくさんあるけれど、デフレははたしてどうなんだろう?

マネーサプライが増やし、金利ゼロを続けると、インフレ誘導ということになるはずだが、いまのように、社会不安と雇用不安が横たわっている限り、消費が伸びることは難しい。
根本的に治療する方法は、雇用を増やし、経済を発展させる方法を打ち立てることだ。

日本の場合は、雇用問題は、まだまだ深刻ではない。今の深刻さなどは、アメリカの10%以上の非雇用率に比べると、子供のようなものだ。

いずれ、そのレベルになる可能性があるにしても、今の段階では、まだまだ日本はずっと景気がいい。
だがいずれ、時間をたてて日本にもこの雇用問題が深刻な足音とともにやってくる覚悟はしておくべきだろう。

進化論

2009-03-19 02:09:12 | 世界情勢
進化論

ダーウィンの進化論をたどりながら、この現在のマーケットを読み解くのが、一番分かりやすい。
恐竜がなぜ滅んだのか、様々な説があるが、やはり、何らかの理由で起こった急激な環境の変化に、身体が大きくて脳みその小さな生物は、身体が小さくて頭のいい生物に太刀打ちできなかったのだろうというのが、一番正しいように思える。
環境の変化には、気温であったのかもしれないし、食料問題だったかもしれない。気温の場合なら、爬虫類には自分で体温を暖める機能がないために、巨大な肉体は、寒さに耐えることができず、死んでしまう。食糧問題ならば、やはりその巨大な肉体を支えるだけの食物が得られないと、死んでしまう確立は、小さな生物よりも高いだろう。
これを国の経済に置き換えると、どうだろうか?というのが今日の話のテーマだ。一見強そうに見える巨大な生物が、案外環境の変化に対して、もろく、弱いのなら、国単位でも、同じことが言えるのではないだろうか?例えば、今回の金融危機では、一番大きな損失を出しているのはアメリカなどのいわゆる超大国だ。国力には、大きく分けて、三つある。一つ目は、土地。二つ目は、キャピタル。そして三つ目が、人。労働力だ。わたしは、この三つ目に注目する。人は、数ではなく質だと信じている私にとって、見える人口にはあまり興味がない。それより、見えない質のほうがよほど信頼できるのだが、残念ながらそれを表す指数は少ない。
こういう指数があれば、分かりやすいのだがなあ・・・を、列挙してみよう。
独創力
デザイン性
研究
緻密性
器用さ
社会の成熟性(暴動が起きるかどうかなど)
宗教の対立
戦争の危険性
憎しみの持続性(人を憎み続けている国には、発展もなければ幸せも訪れないため、常に嫉妬と羨望と分かりやすい金銭感覚で動いてしまうために、強引な人たちだと思われて嫌われる。そのうえ、人を憎しみ、許すことのできない性格は、つねにどちらかの、一方的に偏りやすく、いずれ社会自体に極端な二分化が起こり、お互いが矛盾が生じてつぶし合いをはじめ、やがて破綻する。仮に方向性が、発展と言う分かりやすい目標に進んでいるならば、その性格は 逆に力になり時には、協力を生むが、リターンを得られないとその社会はやはり成り立たなくなるために、最終的には、外国からのコントロールを受けやすくなる。)
未来の展望を持っているかどうか
反省をするかどうか?(反省をしない社会は、いずれ奪い合いを呼び込むことになる。何をしても構わない。先にやったほうが勝ちというルールのうえで協調性はありえないし、その協調性のうえに発展するモデルは作れない。)
融通性 どうやって 当たり前の方法で できないことをやるか。そこには、融通性が必要になってくる。子供のときから、いろいろな訓練をつまなければ柔らかい発想など 出てこない。このときの訓練は主に、遊びの中から生まれるもので、マーケティングに向いている人は、この発想が柔らかな人に多い。



などなど、どれも数字では表すことは難しいが、重要なことばかりだと思わないだろうか?これが、私の言う、人口以外のおおきな指数だ。例えば魚を釣るのに、餌と道具が必要だ。また釣れる所までいかなければならないからお金がかかる。一度の磯釣りに、おそらく経費は3万円以上かかるだろう。そして、鯛を一匹釣ったとしても、魚屋で同じものが、3000円で売っている。それにお金をかけるくらいなら、魚屋で買ったほうが安いと言うのが、現実主義。で、こちらは、ハードの部分しか見ていない。目的は、魚そのもので、つりではないから、計算が合わないのである。他方、釣りにどうしても出かける人は、決して釣果云々ではなく、磯に立って潮風に一日吹かれているだけでも満足なのである。つまり、求めているものがソフトの部分なのである。この二つのタイプの人が、仮に、何時間議論しても 噛み合うことはない。なぜなら お互いが理解できないからであり、それはまったく仕方のないことなのだ。

私の言うのは、どちらかと言うと後者の部類に入る議論かもしれない。だが、このソフトの部分が、肌感覚で分からなければ、あなたは、決して投資には向いていないと言い切っても差し支えないだろう。なぜなら、経済はお金の 借り方 貸し方 のドライな数字だけで動くものではなく、人間が動かすもののはずだ。

進化論に話を戻すが、19世紀のイギリスは、産業革命のあと、植民地政策と貿易で、国庫を潤した。アメリカは、その後、20世紀になって車社会と、鉄鋼産業で、一気に世界に躍り出た。ここまでが、近代の流れだと言いきったとしても、誰も、異論を挟むことはしないだろう。日本は、やや遅れた資本主義と、産業を その努力と器用さに勤勉さで、追いついた。
これが21世紀の幕開けだ。

大国の産業と論理は、大きな恐竜に似ている。
大きさゆえに、軌道修正が難しく、小回りが利かないがゆえに、一度歯車が狂うと内部から崩壊していく。イギリスが大帝国と息巻いていたのは、それほど古い過去の話ではなかったはずだが、すでに、多くの植民地は独立してしまい、搾取するべき国がなくなってしまった。また植民地政策を今でもうらみに思っている国が、世界中にあり、この点、日本は、類似体験をアジアで行ったから、よく分かっているはずだ。日本とイギリスの違いは、いわばイギリスは宗教の対立までも、アラブ社会や、インド社会に持ち込んだが、日本は、自分の国にきちんとした宗教体系がなかったのが幸いして、少なくとも、人々の信条に立ち入っていくようなことは、全くなかったとまでは言わないが、イギリスに比べて 少なかったのではなかったか?それが、救いといえば、救いの部分かもしれない。
ところが、20世紀のアメリカは、ジャズを生み、ロックンロールを生み、さらには、ハリウッドスターを輩出し、次々と製品と新しいマーケティング手法と、自由な金融を発明し、人材を様々に活用できる社会を作り上げた。日本の遠く及ばない、自由と闊達とした精神があり、アメリカは誇張ではなく、それこそ輝いていた。

だが、ここに来て、人々は欲の悪魔に取り付かれ、その悪魔は、当然のような顔で人々の中心に居座るようになり、やがて、がん細胞のように、アメリカを毒していった。もし、悪魔には肉体を持つ力がないというのならば、どうして人々は、その悪魔に、自らの神を捨てて、大切な肉体をささげたのであろうかと、後世の歴史家は 嘆くことだろう。なぜなら、アメリカの壮大な、自由と言う名の実験は それ自体、すばらしいものであり、もし、人々に、たった一つの社会正義があったなら、具象化できる唯一の人類にとっての、しかし、大きな夢のある可能性だったはずだ。SP500が二週間前に 666をつけ、底だろうか?それとも、このまま まだ下がり続けるのか?と疑心暗鬼にさせている。まさに悪魔の数字だ。偶然であろうはずがない。

そう、悪魔はアメリカに巣くっている。その悪魔は触手を日本にも ヨーロッパにも、ここ、オーストラリアにも、あるいは中東にもアフリカにも伸ばして地球を真っ暗な世界に落としこめようとしているようだ。

私たちの中にある、神と悪魔は、同時にいつも存在している。虚像と実像の間に、その二つは、恐怖と強欲という因縁めいた油をいつもあなたの心の中に撒き散らして、何時火がつくのか分からない状態で、私たちは、生かされている。

AIGの役員が、自分たちの契約を盾に、国民から巻き上げた金でボーナスを払っていることが、オバマ大統領に大統領令を出させるまでに大きく社会問題になり、日本では、社会健康保険が、ずさんな管理と投資を繰り返したことが、問題となって、長い間かかっても、何も解決しないのも、よく似ている話だ。
とはいえ、一方の世界である、中国の共産党がとてもクリーンな政党で、中国社会にはまったく腐敗も不正もないと言い切れるだろうか?実際はまったくその反対のことしか、見聞きしないのは、なぜだろう?

結局は、人間のすることなのであるという、基本に立ち返って見るならば、まず、分かりやすい数字で判断することをやめて、ソフトの部分から、立ち直って経済を見る指数が、発明されるべきではないだろうか?

おそらく、人類の進むべき道は、それほど大したものではないのかもしれない。多くの過ちを、肯定も否定もせず、黙々とそのときの人が、パッチワークをあてがいながら、時間とともに進んでいくだけのもので、100年の計どころか、明日のことさえわからないままなのだろう。
もし、そうならば、もう少し、謙虚になれば 日本もきっといまより住みやすい国になれると 思う。
世界第二位の経済大国であることが、そして、その地位を守り続けようとすること自体が、本当は私たちを、不幸にしているのかもしれないと。

金融危機

2009-03-16 16:58:27 | 世界情勢
金融危機

金融危機に際して、これからどうするのか、あるいは、あのころに、こうして置けばよかったと、今、これを読んでくれているあなたと話し合いをする機会があったとしたら、それこそ、何日も徹夜で語り合うことができるだろう。

それほど、今の時代は面白いし、同時に、怖くもある。

RBSがシドニーモーニングヘラルドの一面に広告を載せている。「なにも、変わりません、安心してください」というものだ。

アメリカが金融緩和を進めていた時代。ちょうど、クリントンが大統領だったころの話だ。本当に、こんなに景気がよくて大丈夫なのかな?と思うほど、アメリカは浮かれていた。

不動産は騰がり続けていくし、みんな、我先に借金をし、安い金利で押してくるグリーンスパンのFRBのあおりで、銀行は、金を貸しまくった。まったく支払い能力がなかろうとも、だ。

通常、景気が悪くなった後、新しい法律規制ができる。今回は、金融緩和が行き過ぎた反省から、必ず、金融規制がはじまると見て間違いないだろう。それも、おそらくは、年内に大枠ができあがる。日本には一方緩和を求めてきながら、他方では規制をするという 二重構造のアメリカ外交が始まると私は予想する。

すこしだけ、専門的なアカウント セオリーになるが、アカウントには、ポジティブ アカウントセオリー参照とノーマティブ アカウント セオリー参照があり、前者は、期待値を含んで数字を出すが、後者はこうあるべき、という数字を出す。どちらも、もちろん現状を常に100% 反映しているとは言えない。そこで、あらゆる方法を考えるわけだ。例えば、公衆の利益を優先するセオリーであったり、あるいは、企業のマネージメントの利益を優先する・・・参照の場合は同時に株主の利益を優先する参照ので、例えば、リストラをしてその余剰でできた利益を株主に配当にして、マネージメントのボーナスにしたりとか、するわけだ。アダムスミスの”見えない手”によって、浄化されるという考え方もあるが、そのスミスでさえ、ある程度の法律は必要と考えていた節がある。参照いずれにせよ、どちらも大きなリスクがあることを忘れてはいけないし、また、アカウンタントが以下に重要なポジションを占めているかという証拠にもなる。さらに、政府が直接管理したほうがいいという法律がんじがらめのセオリーもある。参照法律が常に公平で、誰か特定の利益にならないということを前提に延々と語ってみたところで、必ずその机上論は破綻する。なぜなら、まったくの中立でありつづけるということは、確かに理想かもしれないが、現実には まったく不可能な話だからだ。また、法律を決めると、それに従わなければ、罰せられるために、手続きどおり経理を行うと、時には、効率が落ちたり、あるいはわざと政府のほうも手続きをややこしくすることで、遅滞させるという方法を取ることもできるようになる。そうなると、多くのロスが出るのと同時に、そのシステムを利用して、儲けを企むロビイストも出てくるかもしれない。

今回の、経済危機には二つの側面があると思う。ひとつは、行き過ぎた規制緩和とそれに伴う損失の拡大。もうひとつは、規制をし続けていた古いシステムのほうが、かえって健全性を持っているように見えることから、復古的な動きが出始めるであろうという面だ。

USドルの崩壊時期

2009-03-15 21:34:43 | 世界情勢
USドルの崩壊時期

よく、分かったようなことを言う人がいる。
夏までに崩壊するシナリオだとか、あるいは秋ごろにドルが急落する・・・など、観測は様ざまで、どれも、当たっているように思えるから、みんな惑わされて 感心しているが、本当のところは、ちょっと大学で教鞭をとっていたとか、あるいは、外資系金融に勤めていたといっても、そんなチンピラには分かるはずはないのである。

たとえ、MBAを持っていていっぱしの意見を言う人がいても、その人には、アメリカのFRBも決して相談していない。

為替は、神様にも分からないといわれる代物だ。なぜなら、それは人間が決めるからである。それも、限られた・・・

だから、マーケットの動向や、あるいはチャートで傾向を見ようと思っても、無理な聖域だ。FRBが決めるんだろう?冗談じゃない。FRBは、確かに利率を決定したり、現在の消費動向を見守ったり、あるいは、それを観察して新しい提言を行ったりするかもしれないが、それは、企業で言えば経理が、現在の経理状況から会社の状況を判断するCのつく人々 (CEO CFOなどなど・・・)に 意見するのに似ていて、実際に為替をどの程度のところで落ち着かせるかという 決定を行うことはしない。彼らは決定に従って、そこにあわせて利率を決定していたりするかもしれないが、為替はもっと、他の人々がデザインしている。

したがって、私は何時 アメリカドルが崩壊するか。など、仮に、大まかに情報はあったとしても、一般の人々が見るここで書くつもりはない。無論、GSMの中では、書くこともあるかもしれないが・・・

だが 次のことは言える。

例えば、オーストラリア ドルが弱くなると、日本にはどんな影響が出るか?ということなら、解説できる。
オーストラリアドルが弱くなると、輸入する肥料が上がるために食料品が高くならざるを得なくなる。これにより、日本のような食料自給率の低い国は、その高くなった食料品を買わざるをえなくなる。そのときに、日本円が強ければ、話はトントンになるが、もし、日本円がドル保有を高めすぎていて同じリスクをかぶって、弱くなっていたら、食料品には手が届かず餓死者が出る。
日本は今までのたくわえと、借金とがあるので、帳尻が合うのか合わないのかさえ、天文学的な数字で、分からないくらいだから、食べ物が買えなくなるほどの貧乏になるかどうかは 分からない。多分・・・多分だが、大丈夫だろう。だが、もしかすると、もっと貧しい国には、餓死者が出ることはほぼ、確実な状況になる。

今、オーストラリアでは、、人糞を混ぜた肥料を輸入して使うかどうかを真剣に論じている。もしかしたら、その中からまた別の病原菌を輸入することになるのではないか?という議論だ。人糞なら、コストが 約半分に抑えられるのだそうだ。まったく実際は ウンコ を輸入するかどうかという相当馬鹿げた議論で、だけれども、馬鹿にできない、大事な話なんだが、それが、世界の食料事情と、ドルの上下にかかわって来るというところまで、真剣に考えている日本の政治家は、何人くらいいるんだろう?

でも、私の書くことを 馬鹿にしない人には、少し、ドル安になったとき、どうなるかを考えるべき、材料を提供しておきたいとおもう。



1. アメリカの企業が、輸出をしているとき、その企業が為替差益で 利益が出るような仕組みを持っているかどうか?
2. 国内需要が見込める工業製品を作っている会社は、流入する製品に対してどのくらい競争力を持っているか?ドルの崩壊は、アメリカの崩壊を意味するのではない。それは、アメリカの死にかけた企業が、強く復活する可能性を同時に秘めていることを常に頭の片隅に 置いておくべきだ。
3. もしあなたが、たくさんアメリカのボンドを持っていたなら、ドルが安くなった後の利率の上昇(これは、ドル安を食い止めるために起こりうるシナリオとしては、相当クラッシックだが、ありえるセオリーだ)に、どう対処していくか?
4. もし、未来のマーケットに不安を感じていたなら、あなたは多分、ゴールドの現物を買おうと思うかもしれない。ゴールドは、避難場所としては最適だと考えられるあらゆる過去の歴史の証拠があるからだ。だが、思い出してみてほしい。本当に、常にゴールドは安全であっただろうか?経済の崩壊とともに、ゴールドの価値もまた大きく落ちたことは、過去にも何度もあった。したがって、財産のほとんどをゴールドに変えてしまうことが、正しいのか、それとも一部をそうしておくのが正しいのかは、立ち止まって考えるべき価値のあるところではないだろうか?

世界に吹き荒れる風。戦う20カ国の思惑

2009-03-15 01:25:42 | 世界情勢
世界に吹き荒れる風。戦う20カ国の思惑

この70年に一度と呼ばれる不況は、かつてあった大恐慌に匹敵すると言う表現で、どこか、安心しようとしているのかもしれない。

あのとき、あれほどひどかった大恐慌を乗り越えたのだから、今度の不況もあれくらいのものだから、大丈夫、しばらく時間はかかるかもしれないが、きっと乗り越えられる。

そう言い聞かせているように思える。

今回の不況をGreat Recessionと名付けることに決まったようだ。参照

台風にカトリーナなどと名付けるように、不況もこのレベルになると、ちゃんと名前がつく。たいしたもんだ。感心している場合ではないか・・・

2010年も回復する見込みのない大不況なのだとIMFが、折り紙つきで言ってのけたのだから、それは、その通りなんだろう。このままで行くと、貧しい国には食料が足りなくなる。

オーストラリアもここに来て、かなり危機感を高めている。失業率が大幅に増えてきている。参照:すでに、5.2%にも達しており1991年の不況時に並んだ。オーストラリア、特にシドニーでは、ここ数年のマイニングブームのあおりを受けて、景気がよく 不動産が異常なまでに高騰した。オーストラリアの土地は平野が多く、開発にはあまり日本のように金がかからないと言われている。土地は日本の国土の20倍以上あるけれど、実際に人が住んでいるのは、海岸線に近いところばかりである。
高騰し続けた不動産を買った人々は、重くのしかかる借金に、追われるようにして、家を手放さなくなるという事態が始まりつつある。
ここがオーストラリアの消費の冷え込みにもっとも大きく影響すると考えたラッド首相は、手をこまねいて見ている訳ではなった。
まずは、初めて家を買う人に、新築ならば$21,000 古家ならば$14,000の補助を出すと宣言。参照

さらには、利率を大きく下げて、不動産の下げ止まりを試みた。
参照

すでに3.25%まで下げたが、それは単にオーストラリアドルの下げを誘発しただけで、根本的な治療にはならず、一時しのぎといわれても仕方のない、パッチワークだった。

なぜなら、雇用の確保という根本の治療をしていないからである。すでに、来年の失業率が7%を越えることが確実になっている今、不動産の下落を支えることができなくなるのは、目に見えている。
今まで、不動産の高騰で景気がよかった人々も、また、スーパーアニュエーションを組み替えていた人々も、またファイナンシャル プランナーに言われるがまま、サラリーサクリファイスを続けていた人々も、みんな、茶番劇につき合わされていたと思うかもしれない。それも人生をかけた命がけの茶番劇に。

 
言うまでもないことだが、今回のIMFの発表を鵜呑みにして、「不況なんだな」とため息をついている人がいたら、その人は、本当に愛すべきいい人だろう。おそらく、彼は警察は悪いことをしない、裁判はいつも公正で、良いことをしていればきっと、神様が見てくれているから大丈夫だと、胸を張って言い切るだろうし、日曜日には欠かさず教会にも現れるかもしれない。

だが、実際の世の中は、もう少し汚れている。
私は、今回の不況は、大仕掛けが働いている結果だと思う。腕時計が12時を過ぎると、日付が機械的にかわるように、大仕掛けは、XX日に、日付を変える。それが自然現象だという人もいる。

自然現象?

そうなんだ。確かに、そういう自然現象を我々はよく知っている。ダーウィンの進化論だ。つまり強者は弱者を駆逐する。環境に合ったものが生き残る権利のある生物で、環境に適さないものは生き残ることができない。単に、魚のひれが足になったり、手になったりするのではなく、過程には壮絶なる数の絶滅種があり、その中でわずかに生き残った生物が今の我々なのである。という考え方だ。

これを経済に適応してみたら、様ざまなことが分かる。
地球環境が、大きな流星ひとつで大きく変わることがあるように、経済もひとつの大きな流星をぶつけてみたら、大きく環境が変わる。ただ、地球規模の環境変化と経済は、大きな違いがある。それは前者が自然現象であるのにひきかえ、後者は人工的に行われることがしばしばあると言うことだ。

ここまで言えば、分かる人にはすでにピンと来るものがあると思うが、今回の平成の大不況も、もちろん、仕掛けた人間がいて、落ちてくるフルーツが熟すまで待っているのだ。

彼らの待ち方は様ざまだ。
もしかしたら、私自身 待っている人間の一人なのかもしれない。なぜなら、今回の不況をうまく乗り切れば、下克上。つまり持たざるものが一気に上に躍り出ることができる、人生最初で最後のチャンスかもしれないと言っている。
今回の不況を、定石どおりCPを高めて、安くなったら買おうと思っている人もいれば、ゴールドの現物をしこたま仕入れて、ニタニタと笑っている御仁もいるだろう。あるいは、私のように、次の鉱物資源を探している人間もいる。

どれであっても構わないけれど、正解は最後の審判とやらが決まったら、分かるようになるだろう。

まだまだ、もう少し先の話だ。

心配なことが次々に出てきた

2009-03-14 03:12:34 | 世界情勢
心配なことが次々に出てきた

アメリカの失業率が10%を超えた。
 参照

これは10人に一人の人に仕事がないことを意味する。
この数字は深刻だと思っていたらもっと深刻なことが起こっていることが分かった。スイスだ。
参照
多くの投資家が、危険水域に入ったアメリカドルを見放し、唯一 セーフ ヘブンだと考えられるスイスへと資金を移した。これによりスイス フランクが高騰し、物価が安くなりデフレの危険性が出てきた。そこでスイス銀行は積極的に為替介入を始めると 今日言ったのだ。

これは、どういう意味を持つかと言うと、他の国々も、今まで抑えてきた介入を大手を振って始めることができるということになる。なぜなら各国とも輸出競争力を為替で得たいと目論むはずだからだ。スイスがやってるんだから、ドイツもやるはずだし、それに対抗して日本も始めるかもしれない。あるいはフランスもイギリスも同じようにするかもしれない。円安に導きたいのは、日銀なら当然だし、それで景気が輸出を中心に活発になってくれれば・・・と願うはずだからだ。
そうなると、われもわれもと始める1929年の様相に近づき、通常ならばインフレを誘導してしまい、場合によっては為替相場そのものが各国の介入のアンバランスが引き起こす糸引きゲームで崩壊してしまう可能性が出てきたわけだ。だが恐らくは、そうはならない。なぜなら、今回はインフレのリスクよりも むしろ デフレのリスクが大きいからだ。

これだけでは、私が何を言いたいのか よく分からないかもしれない。説明しよう。インフレがさらにインフレを誘発するということがある。これは、ちょうど螺旋階段を上がるようにモノの値段が上がるのだが、景色は変わらない。つまり大根は大根のままなのだが、値段が三倍にも四倍にも、一日で上がってしまうということだ。
おそらく、こういうことが日本で起こる可能性は低いと言っているのだ。

だが、それよりもっと怖いのは、中国がどう出るかだ。
もし仮に、中国が 輸出が下がってきていることを懸念して、自国の為替を引き下げるとどうなるか。これによってさらに安い商品が中国から流れ込み、また、各国が、為替に介入するという競争を始める可能性だ。中国がそれを行う可能性は、私は7:3でYESだと思う。

すでに在庫がだぶついているはずだ。それが証拠に、すでに鉄鋼や石炭の注文が減ってきている。
参照

もし仮に、中国がダイナミックに自国の為替の切り下げに入ってきたら、その割合が2割程度でも 韓国をはじめ多くのアジア経済は壊滅的な打撃を受ける。

日本は再びデフレの恐怖におびえることになり、すでに下げきっている利率は これ以下にはできないので、あとは、アメリカのような失業率を記録するくらいしか 数字が上昇するものはなくなることになる。

来年からおそらく、アカウンタントファームには、多くの新しい法律ができるはずだ。それは1930年に新しい経理原則が乱発されてきたように、同じかもしくはそれ以上のきつい法整備がなされるとしたら、問題は、効率とフリーマーケットの原則が奪われて、より世界はこの超不況からの脱出に遅れることになる。

ところで、面白い統計がある。
オーストラリアを移民先をして 選ぶ一番多い国民はどこだと思う?
参照これは2007年から2008年の統計だ。
一位がイギリスだ。二位がインド、そして三位が中国。意外と多いのがアメリカ人だ。それもアメリカからは結構な大金持ちが引っ越してきている。これは、政治的な理由もあるかもしれないし、人種的なこともあるだろう。特に最近アメリカ人の移民がダントツに増えているのは、黒人の大統領となんらかの因果関係があるかもしれない。日本人は数えるほどしか移民してこない。日本人は日本を愛しているからかもしれないし、あるいは、外国に住むことに抵抗があるのかもしれない。少なくとも、日本に住んでいるほうが安心なんだろう。日本人はオーストラリアに移民したのは、わずかに796人だ。1000人にも満たない。

最後の牙城が崩れる瞬間

2009-03-12 02:52:46 | オーストラリア株式
最後の牙城が崩れる瞬間

世界が急激にしぼんでいくなかで、ついに中国から悲鳴が聞こえだした。輸出が25.7%下がっているという。中国の輸出は11月から下げ続けており、内需をどれだけ伸ばすことができるかに、かかっている。参照徐々に政府の景気刺激が、利き始めているはずだという意見もあるが、実際はどうなんだろう?

インフラの整備をドンドン推し進めることを中心に、向こう数年は土建屋が大忙しの中国は、まだまだ景気刺激策が続き、世界の経済の牽引をになうことができるという意見もある。参照tab=australia
これは中国とのディールを控えた リオの話だから、あの当時とすれば当然かとも思えるが、しかし、おもしろいのは、時間が経つにつれて、徐々に中国崩壊のシナリオのほうが、確かになってきつつあることだ。

逆に、輸出が止まれば、中国の経済はがたがたになると言い張る経済学者もいる。
参照

また気の早い御仁は、すでにその先を見越して商品経済の下落を心配している人も居る。
参照ここに来ると、リオの中国は大丈夫だという意見から随分かけ離れた意見だ。

オーストラリアの経済はいままで、原料の輸出で支えられてきた。それが不動産バブルなどを併発し、海外から流入したマネーがあちこちに流れて潤ってきたのだが、ここにきて、やはり行き詰っている。すでにストームのことはご存知だろうか?参照そして、それがオーストラリアの大銀行、COMMON WEALTHに飛び火している。参照
ドミノ倒しの様相だ。これもあアメリカのファニーメイからはじまった一連のドミノ倒しに類似している。

オーストラリア政府は、さまざまなパッケージを出している。今回も各家庭に、お金をばら撒いて景気刺激を行っているのだが、次々に来る津波には、太刀打ちできそうも無いのげ現状だ。
ケビン ラッドは、「できることはなんでもする」「だが、保障はできない。」と付け加える。参照ASICがどう出るかが注目されている。参照ここでも、結局は政府が がんじがらめに規制をする保護主義か社会主義のどちらかに 似た動きにならざるを得ないのかもしれない。

アメリカ経済が、落ち着くところ

2009-03-10 01:40:24 | 世界情勢
アメリカ経済が、落ち着くところ

8.1%の失業率のあと、さらに大きな ハルマゲドンがくるとか、津波が来るという抽象的な言い方で、多くのエコノミスト、CEO あるいは CFOも警笛を鳴らしている。参照 バフェット氏もその一人で、アメリカが崖から落ちていくと表現している。アメリカだけでなく、日本も今日はさらに日経平均が下がり、もう7000を切るのも間近な水準にきている。1996年以来最悪の赤字だとか、輸出が半分に落ちたという。参照
銀行の貸し渋りがはびこり、企業には金が回らなくなっている。倒産件数も増え、円高との板ばさみになって、経済に活路が見出せない。もちろん、政治の不安定さも まったくお手上げ状態の日本経済にとって、何の頼みにもならない。こんな状態を一言で言うと、閉塞状態と言うのが、一番当てはまるだろう。企業が、人員削減を続けて行うことで、企業の中にあったさまざまな無形の財産が失われていく。それは、社員のやる気であったり、あるいは、将来にかける情熱であったりする。企業という漢字は 人を止める業 と書く。人がいなければ、企業はその存在を失う。もし、人員削減をして、会社の利益が短期間出たとして、その利益の中から株主に配当を配り、またCEOの給料を上げることは、間違っていると言ったなら、そのCEOは決まってこういう。「企業は利益を追求する団体で、私たちはそのことを忠実に行っているに過ぎない。リストラは必要なときに必要な規模と範囲で行うべき企業にとっては、いわば、洗濯のようなもので、効率を上げることにつながるケースをいつも批准して行っている。もちろん、株主のあなたにとっては、この会社に投資することは、とても利益になることです」と。もっともな話だと、思わず感心している人がいたら、その人は、根本を忘れている。リストラされた社員には家族もあり、子供もおり、そしてそこには、小さいけれどきらりと光る未来もあるはずだからだ。もし、彼らをそのまま放置しておけば、未来の小さな光は消えてしまう。企業は、その小さな光を守り続ける社会的な意義も、あるはずだ。

世界には、今、悲観的か、もしかしたら絶望的な観測が、渦巻いている。おおよそ、これが、底が近くなってきたんじゃないかな?という兆しなのだと、私は思っていたりする。

ドルの行方 ゴールドの行方

2009-03-08 21:47:03 | オーストラリア株式
ドルの行方 ゴールドの行方

ゴールドが4月のデリバリー価格を1.6%押し上げ、すでに940ドルをつけている。これは、アメリカの失業率の懸念とともに、米ドルの信用価値が押し下げられてきているからだと言う指摘もある。参照 



過去5年のゴールドの動きだが、いったん2008年に天井をつけたゴールドが下げに転じたのは、わずかに半年あまりでまた、上昇していることが分かる。
これで、見え隠れしている 裏側の意味することは、アメリカのドルを、中国と日本が買い支える限界が、もしかすると近づいてきているのではないかという懸念だ。

オーストラリアのゴールド資源鉱山を買うという方法が、ひとつの資金を安全に保つ方法にはならないだろうか?と考えたのが、数年前。そもそもGSMを立ち上げたきっかけだった。
結果は、思うとおりになり、何人かのGSMの会員の方々は 億万長者の仲間入りをされた。

さて、この金融危機の時代に、一体どうすればいいのか?

私たちがセントバーバラ マイニングに積極的に投資し、当時の社長には交代していただき、新しくアシューズ氏を社長に迎え入れて、セントバーバラ社は、数セントからあっというまに、その10倍以上の資産に膨れ上がった。だが、当時私はひとつの懸念を抱いていた。どれほど優秀なマネージメントであっても、もし金融のテクニックを応用して本業以外のことを 次々とやりはじめたら、どこかでひとつ歯車が狂うと、大きな損失を出すことになると、思っていたからである。
セントバーバラは、その後も躍進を続けたが、私はあるとき、メンバーにこう言った。「今後も投資を続けるのは、あなた方の自由です。ですが、ヘッジを推し進める会社には将来はない」と。そう・・・ヘッジはいわば、保険のような役目を果たすことがあるが、私は、金鉱山を扱う会社がこれを進めるとき、必ずひとつの懸念が出てくる。いつもトレーダーは、サイクルと軌道、チャートを何十も駆使して、ひとつの結論を出す。それは、売るか、買うかだ。だが、それは本業のトレーダーの仕事で、24時間真剣に相場と付き合う上に、多くのメガ コンピューターの力を借りて行う本職のプロの話。片手間に、できるほど甘くはないはず。だから、ジェオロジストのアシューズ氏が、ヘッジや金融の話・・・とうぜんユダヤ人である彼には、金融のプロが多く 彼のバックについているとはいえ・・・私には、懸念材料にしか映らなかった。 参照 私が彼のために、東京でプレゼンテーションをしたとき、彼は、様ざまな話をしてくれたが、そのなかでも面白かったのが、SONS OF GWELIAの話だった。彼自身がそこでジェオロジストをしていたからだ。どうしてこの会社が倒産したのか、つぶさに語ってくれた彼の視線は今でも忘れられない。参照 

単純にゴールドがあがるからといって、当然のことながら、オーストラリアのどの会社に投資してもうまくいくという保証はない。ゴールドの現物を握っておればいいという人もいるかもしれない。

だが、ゴールドはある程度 制御された投資対象であって、歴史を見る限り、その国の貨幣が 超ハイパーインフレにならない限り、決して ある日、10倍になったりはしないのである。だから、アメリカのドルをそこに集めるのなら、理解できるが、日本の円ならば、どうだろうか? ここは、議論し尽くしても結論が出ないところだ。

私の考えでは、やはり経済は依然として、需要と供給のバランスで動いているという基本が、今も生き続いていると思う。そこで、ゴールドの需要という根本に立ち向かって考えると、多くの人が はっとするはずだ。ゴールドは主に装飾品以外には需要がないのである。

鉄やニッケル、石油などとは違い、ゴールドには限られた需要しかなくしかもその需要は大いに景気に支配されている産業だということだ。つまり、超ハイパーインフレが起こる前に、安全な資産としてのゴールドの投資価値以外、他には、あまり使い道がない金属なのだ。

では、世の中にはもっと他にも使い道のある・・・言い換えれば産業に需要のある鉱物資源があるのではないか?

これが、私の行き着いた次の方向性である。
もちろん、オーストラリアに在住している私には、この国以外には投資対象は考えられない。
そこで、今、GSMではつぎの世界を見るために動き出している。

毎日そこでは、その新しい会社 X の情報を確認しながら、しかも、社長とコンタクトを直々に行いながら、進んでいる。2010年にはその会社のプレゼンテーションを東京で行うことも、計画に入っている。

社会主義国家になっていくアメリカ!?

2009-03-07 21:58:18 | 世界情勢
社会主義国家になっていくアメリカ!?

ここのところ、続けて 自由主義が、社会主義になっていく過程を書いているような気がする。だが、この動きはとどまりそうもない。イギリスがロイズを75%国有化した。参照このことは、以前触れたが、銀行を国有化するのは、社会主義に移行する第一歩であり、自由競争や、自由金融を謳歌していた時代は、すでに過去のものになろうとしている。

さらに・・・

アメリカのフードスタンプの発行がついに31800000人になった。参照
毎月700,000人の増え方だという。年間の政府にかかるコストは51ビリオンというから、日本円に置き換えると、5兆円程度。

これが毎年の支出になると、財政を圧迫するだけではない。仕事のない人が、フードスタンプを求めて、最低限の栄養を手に入れるために・・・つまり 生きるために集まるのだから、生産性のある支出ではない。

すでにアメリカの失業率は8.1%にもなり オバマ大統領に、何か国家事業を起こして、失業を食い止めるような動きが出始めている。 参照国家事業というのは、社会主義国家そのものの発想であり、また先ほどフードスタンプで書いた食料の配給においても、同じ発想だといえる。

日本は、よその国の話だと思っているかもしれないが、実は、この問題は やがて 日本の食糧事情に深くかかわってくる可能性があることを見逃してはならない。

社会主義国家が統括する社会というのは、価格はおおよそ政府機関によって、公平に平等に とユニフォーム化されて決められる。その値段は絶対で、価格がそれ以上であってはいけない。これは ユーモアのセンスがある人なら、さまざまにおかしく揶揄するかもしれないが、実際に自由社会に育った私たちにとっては 滑稽で、ありえない社会だと思える。

悪いことばかりではない。

たとえば、小さな市場のおじさんも、頭をひねらなくても、大きなスーパーと同じ価格で仕入れて、同じ価格で売ればいいので、もしかすると、今のような出来上がった流通機構に対抗する苦しさを味わうことはないかもしれない。

ただ、自由競争のみが、ダーウィンの進化論のナチュラル セレクションと同じ理論で、勝ち残りをもたらし、その勝ち残りが、次世代を担うということから考えると、ありえない話になってしまう。

もし、人間があくまでも貪欲で、しかも、相手を食いながら生き残るかを考えている動物だとしたら、社会主義はありえない理論で、すでに多くの国家が崩壊した時点で、この理論そのものは、総崩れになっているはずだ。

では、ナチュラル セレクションがどう形を変えて、我々の資本主義を次のモデルに押し上げようとしているのか?を考えてみてはどうだろう。

それは、今まで見たような通り一遍の社会主義ではなく、もっと進化した形の自由主義であるのかもしれない。

銀行が国有化されただけで、社会主義になるというのも、極端すぎると言う意見もあるくらいだから、ここは一歩引いて考えてみる必要はあるだろう。

もしかすると一度 管理下におくが、将来はまた、ある程度の縛りをかけて、プライベート化にするのかもしれない。ちょうど、長銀のようなモデルになるのだろうか。

だが、問題はその期間だ。

期間は、とても重要だ。早く問題の根を抜いておけば、解決も楽になる。例えば、GMのように売れない車を何年も作り続けてきた大企業は、病膏肓に至る病気なので、まず一度荒療治を試みたほうが、立ち直りも早い。大幅な人員削減と、工場封鎖を大々的に行い、現状の2割ぐらいを残す覚悟でやらなければ、国家の金食い虫になる。
その上で、失業対策を打つのが、正しい方法であって、今のように、金を食いつぶしながら生きながらえる大企業は、失業対策どころか、将来に大きな禍根となって、国家破綻の赤字へとつながるばかりだ。GMを助けてアメリカが消えるなど、しゃれにもならない。だが、これを断行できる度胸は、オバマにはないだろう。多分、考えたくもない問題のはずだ。だが、正視してみればいい。GMに生き残るすべがあるかどうか?
多くの銀行もその例に倣って考えてみればいい。メリルリンチなどは、やくざ顔負けのひどい会社で、損失も隠していたりするから、引き受けたバンクオブ アメリカもうんざりしているはず。だが、こういうことが表に出てきているだけでも健全かもしれない。

いつもそうだが、今回も、アメリカが最初に口火を切った。そして日本がそれに模倣し、イギリスはそそくさと、手仕舞いをした。単純に言えばこれが今回の金融危機だ。

韓国は、手仕舞いをするべきタイミングを完全に 見失い、中国に至っては、まだ経済成長率8%などと気の遠い数字を目標に挙げていたりする。

いくら経理をポジティブ アカウントの累計で 当座、見せ掛けをよくしても、結局歴史が結論を出す。参照

アメリカが これ以上悪くなると、中国がどれだけ頑張っても、持ちこたえられないのではないかと、結んでいる。

オーストラリアも、ここにきてついに危険水域に入ってきた。参照ラッド首相は、年末にはお金をばら撒き、クリスマス商戦を応援、そして利率を大幅に下げ、オーストラリアドルも弱くなるように導いて、輸出がしやすくなるようにしたが、しかし、それもここまで・・・外からの風は強すぎてよけきれないのが、現実だと認めた。それでも、まだここに至って、オーストラリアの銀行は安全だと言い続けている辺り、もしかしたら、韓国の二の舞を踏まなければいいがなあと懸念している。