Sydney Yajima


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OBAMA

2009-02-26 05:15:32 | 世界情勢
年内に、景気が回復する。と力強くオバマは演説をした。今回、麻生首相を呼んだのは、タイミングとして、この演説にともに立ち会って、第二位の経済大国日本の力をもって、ともに立ち上がり不況と闘おうと言うつもりであったが、あと何ヶ月持つか分からない麻生首相を連れてきても、ネガティブイメージになりこそすれ、決して得策にはならないと、間際に判断したオバマ陣営は、1時間20分の会見だけでお茶を濁した形で、さっさと、お帰りいただいたということになる。(RE: http://www.cnn.com/2009/US/02/24/us.japan/index.html?eref=rss_latest)

この点、オバマは常にマスコミを いかにうまく操って乗り切るかということに神経を使っていることが 読み取れる。
だが、演説とその役者ぶり、それにスピーチの力とリーダーシップの取り方には敬意を払うが、本当に経済は回復するのだろうか?

人によって様々に 底はいつごろ来るのか・・・を、もっともらしく言ってくれるが、実際には、誰にも分からないはずだ。
だが、SP500のチャートを基本に話をするならば、今はすでに安値圏に入っていることが分かるが、まだ底は先になりそうだということが、見て取れる。(RE: http://icf.som.yale.edu/Confidence.Index/)  
このページは、かなりリスペクトできるが、それにしても・・・だ。どんな経済理論にそって予測してみても、理論は破られるためにあるものなので、こればかりは 判断の材料のひとつとしか言えない。

経済は 人間が作るもので、その活動は、サルや犬やキジ、それにバラの花やカラタチの花、それに、立派な松の木にも、あるいはサルスベリの木にも、作ることはできるわけはなく、もちろん、大根にもしいたけにも関係ない。それらを売買するのは、あくまで人間様なのであって、それらには1円の値段もないし、100億円の値段もない。人間様が売買するときに、初めて身勝手な値段と言うものをつけて、経済と言う化け物が始まる。

昔、ロボットが人間のすべての仕事を引き受けて、人間は一切仕事に行く必要はなくなり、毎日ただ遊んで暮らしていけばいい時代が来るという話しを聞いたことがあった。今の時代になって、コンピューターが多くの人を(手書きで伝票を書いていた世代)クビにして、リストラという新語でその多くの人たちは、何か新しい手に職をつけるか、そのまま、首をくくって死んでしまうかという選択を迫られた。技術が進化して、人間が幸せになったのか、不幸になったのかは 分からないが、言えることは、人間の数が仕事に対してもっと少なくてもやっていける時代になったということだ。

それで、仕事のなくなった人たちは、給料が入らないので、消費力がにぶり、つまり ディスポーザブル インカムが無くなり、そのおかげで、経済危機がやがて、時間を経てやってきた。それが今の時代だと思う。

もちろん、つまらない頭をもった数字の好きな人間が、大きな架空取引であるデリバティブをやって大損をこいているとしても、それが、すべての原因で今の経済混乱が起こったとは、思いたくない。
というのも、それが原因の大半を占めていることは、私にも分かっているが、なぜMBAがもてはやされたこの過去20年間の経緯をもっとみんな 考えようとしないのだろうと思うと、とても馬鹿げている道化芝居を見ているようで、物事の本質が見えなくなってしまうからだ。

新卒の大学生は、コンピューターを使いこなせるのに対し、ウィンドウが起こしたコンピューター 革命のときに、旧式に大学を出ただけの人にとっては、この革命に乗り遅れることは、すなわち 社会の粗大ごみになることを意味していたから、あわてて大学に戻ったのが、MBAの流行と時を一致させているといえば、ピンと来るだろうか?

コンピューターは素晴らしい機械だ。こうして、シドニーにいる私が考えて書いていることも、明日には東京のあなたが読むことができるのも、まったくコンピューターのおかげだ。便利で、効率よくしかも、多大な効果をともなって、時代を駆け巡っている。キーボードさえあれば そこから、様々な情報だけでなく、魂までも打ち込めることができる。たとえ、それがプラスチックでできていたとしても・・・だ。

だが、時代のスピードの加速は、それによって、人間が運ぶ郵便(E メールに対しこちらでは スネイル メールと呼ばれる)が、アメリカのスタンダードをそのまま世界中に持ち込んだ。これがグローバル化だ。

グローバルというのはようするに、アメリカ化のことをオブラートに包んで、飲みやすくした薬のような言葉で、経理も経営も、また経済も、ありとあらゆるスタンダードをMBAという媒体で、社会や、会社、事業、ときには、政治や法律にまで刷り込んでいったのが過去の20年間だ。ここで、どこの誰が悪いとか、原罪はどこにあるという話をしても仕方がない。ただ、それはそういうものだと思って先を読まなければ、次には進めない。9・11を誰が起こしたのか?といくら口角に泡を飛ばしてみても、何も結論が出ないのと同じである。

もう一度繰り返す。
要は そういうものなのである。

で、何が言いたいのかと言うと、例えば、人間は恋をするが、そのときに、様々にプレゼントを買ったり、レストランを予約したりと、多く経済活動を伴うが、ロボットにはそういうことを期待しても無理だということだ。ロボットは “パンを焼くことはできるかもしれないが、パンを食べることはできない。”ということなんだ。日本の一番 大きな問題は、技術の進歩を追い求めてきたけれど、そのために教育費用がかさみ、子供を作る親が減った。独身貴族で結婚をしない人も増えた。仕事に生きがいを見出したか、あるいは毎日が刺激的で楽しい、それとも 子供などわずらわしいと思うのか、ともかく人間が、どんどんと減ってき始めているわけだ。

人間が減ると言うのは、経済にとっては、デリバティブの失敗よりも、MBAよりも、あるいは9・11や、リストラなどよりも、株主総会や、配当が無配になることよりも、もっともっと深刻であるべき課題のはずだ。なのに、まったく、無策の政府がいる。

火事のあるときには、子供ができやすいということで、江戸にはどんどん火事が起こった。これが、文化で、その勢いが江戸の経済を支えていたという江戸に学ぶことはできないだろうか?乱暴な理論かもしれないが、もっと もっと、毎日でも冬でも、いろんなところで花火大会をやってもいいだろうと思うのだ。

子供が育てられない親から、子供がほしくてもできない大人に、里子制度をもっと簡略化できないものだろうか?あるいは、政府が親になるから、子供を安心して生みなさいと、どうして言ってあげられないのか?胎児する人がずっと減ると思う。無責任に子供を生むのは、倫理にもとると言う人がもしいたとするなら、無責任に子供を生むなと言うことも同じくらい倫理に問題がないだろうか?それに、今の政府は人のことをとやかく言えるほど しっかりした倫理観を持っている人の集まりだったことが、あったろうか?

子供が3人以上いる親は。将来社会へ3人も税金を支払ってくれる人間を送り出すのだから、今大変なこの親たちに、もっと政府は現金を渡してあげたらどうだろうか?
そう、あからさまに子供がたくさんいたら、その分キャッシュをあげますというのが、いい。子供を作ったら、キャッシュがもらえる。これは、分かりやすい。

そして、もっと、人口を増やして、子供の声がキャーキャー言う社会を作ればいい。学校を一杯にして、給食も大忙しになり、大学も、進学のための予備校も、ドクターも病院も、みんな大忙しになる。
子供がたくさんいたら、人口の逆ピラミッド化が解決されると思う。そうすれば、完璧とは言わないが もっと、ドラム缶型で1億人の人口がまんべんなく年代ごとにきちんと振り分けられるように、調整できる方法に近いものにはならないものだろうか?成功すれば、老齢年金の問題も減るし、税金の取り方ももっと、公平になってくる。将来の社会不安も解消されて、世の中はもっと明るく、住みやすくなるはずだ。

経済は100年の計画を立てないと、国単位では、いずれ破綻する。今のアメリカはやはり、今年から来年くらいの範囲でしか、ものを言っていない。だけれど、日本の今の政治よりは、先に見込みがある。少なくとも、人口問題は、まだずっとマシだ。

それにしても・・・こういうことは、考えられないだろうか?
もし、あなたがどこかの国を 弱体化して侵略しようと遠い深謀をめぐらせたとしたら、最初に何をするだろう?
子供が生まれないようにすれば、その国は滅びると思わないだろうか?もし、環境ホルモンをいじり、子供ができにくくしたなら、戦争をしなくてもその国は滅びる。

ホルモンと言うものが、専門家ではないからどういう仕組みと働きで人間の遺伝子を狂わせるのかは、私には分からないが、それがもし、様々な食品を通して行うことが可能であり、実際に行われていて、知らないうちに 見えない病に冒されていることがあるとしたら、と考えると妙な説得力で、あらゆる角度から思い当たることがある。男性の女性化、女性の男性化。これなどは、今のテレビドラマと私が子供のころのテレビドラマと比較してみれば、一目瞭然で、昔は、男が髪の毛を伸ばすだけで、社会問題になっていた。今の時代は、女が髪を伸ばすと話題になったりする。いや、それどころか、この前は、テレビで男用のブラジャーが紹介されていた。
古い人間かもしれないが、ブラジャーをする男性が、父親になるという像はちょっと、描きにくい。私は古い人間なのかもしれない。

GOLD 2

2009-02-22 18:33:39 | オーストラリア資源
GOLD 2

高いコストをかけながらゴールドを採掘していたスーパーピット (カーグーリー 西オーストラリア)は、ニューマウントとカナダの バリック ゴールドの共同経営だった。だが、オブライアン チーフエグゼクティブは、見直しを考えている。世界の景気後退の意味とは、なにか?
これが、ここでも、問われているわけだ。
現在オーストラリアドルの、急落とともに、ゴールド価格の上昇によって、スーパーピットの平均産出コストは、US$654ほどだ。これは去年の平均$760よりもいい数字だといえる。去年は、高い人件費と、さらには、高い燃料費に泣かされた鉱山が多く、ここも例外ではなかった。(Reference:SYDNEY MORNINGHERALD 21st February Page 3 Newmont may offload mine : Jamie Freed  ) 

これから、ゴールド価格がさらに上昇するとしたら?
・・・あくまでも米ドル単位であったにせよ・・・
まだまだ 投資を 積極的に 今からでも仕掛ける余地があるとしたら?
・・・たとえ世界大恐慌の真っ只中でも、嵐の中で小さな岩陰に身を潜める・・・
そんな場所があるとしたら?
・・・それは、オーストラリアの鉱物資源かもしれない。

最近、ゴールドの上昇が、例えばトロイオンスあたり、急に2000ドルになるとか、あるいは3000ドルになる・・・という意見やうわさを聞く。(Re;)最近になって、そういうことを言う人が、随分増えた。これも、時代なんだろう。だが、多くの人がそう言い出すときには、私は懐疑的になる。というのも、トロイオンス250ドルの時代に、私は 今から10年以内に、きっとゴールドは1000ドルになると言って、散々笑われたことがあるからだ。あのときに、笑っていた人たちは、すでに マーケットからご退場となった。(Re:)

だが、今からさらに急上昇すると言う意見が、出てくると、私が懐疑的になるのには、もうひとつの理由がある。それは、例えば、米ドルがどこまで下落するか?ということで、あれば、別の意味で、理解できるが、それがゴールドの上昇と常に同じではないということ。ともかく、この読者には日本人を対象にしているので、日本円建てで考えると、いつでもゴールドの投資が得策かどうかは、為替を考えると当てはまる理論にはならないということだ。

私は最近のオーストラリアドルの下落を、気にしている。なぜここまで下がってきたのか?それは、イギリス・アメリカを始め 多くの海外投資が、損失補てんのために、引き上げたことが契機になっているかもしれない。

ヒラリークリントンが、中国に行った。(RE;)
彼女の中国との アジェンダは、以下の論点だと思う。
1.    世界の景気回復を共に やろう
2.    環境破壊をともに食い止めよう
3.    核爆弾の拡散を止めよう
4.    中国の人権問題をなんとかしよう
5.    チベットの平和と安定を、宗教の自由を求める立場から、見直そう

と、まあ、この5点だろうが、実際には私の見方からすると、2以下はどうでもよく、1の論点だけだろう。とりわけ中国の保有しているアメリカのドルを流出させられると、一日で終わってしまう脆弱なアメリカの経済を、なんとか支えてほしいと言う懇願にも似たものであったと、見た。だが、中国は、そのことをとっくに 計画の中に入れており、冷たく笑うだけであり、かえって ヒラリーにとっては これが 不気味に感じたはずだ。
私には、これが 年を取って売れなくなった売春婦が、ストリートで客引きをしても、誰からも相手にされないような扱いで、返されているようにも見えた。
これから中国は 日本や台湾、ベトナム フィリピンなど近隣諸国に対し、強い態度で出てくるだろう。なぜなら、アメリカがもう怖い相手ではなくなったからだ。日本は飲み込まれないように、することが、とても大事なことなのだが、尖閣諸島問題も、あるいはガス油田問題も、どんどんと中国のペースになっていくのが、なんとも情けない。

そのうち、中国は沖縄の領有権も主張しだすかもしれないし、韓国も調子に乗って対馬の領有権を主張するかもしれない。ロシアは北方領土を返す気がまったくなく、そうやって、寸刻みに日本の領土が減っていくのが、現在から未来の子供たちに引き継ぐ日本の姿なのだろうか?

そうやって領土を取られても、それでも戦争をしないほうがいい。

それは 愚かで臆病であっても、ひとつの考え方なんだという人がいる。

そうなのかも 知れない。だが、国を守るということは、領土を守るという意識、ひいては、日本人という気持ちを持つことだ。
日本人が何なのか?ということは、一度、我々の胸に問いかけてもいいんじゃないか?もし、国歌を歌うのがいやだというのなら、国旗の掲揚がいやだというのなら、じゃあ 日本をどんな国にしたいという理想があるのか、ぜひ聞かせてほしい。もし、そんな理想も将来の青写真もなく言っているなら、それは、子供の駄々をこねるのと同じだ。

話がそれた。

世界は より保護主義になり、国の役割が 銀行の保有から、社会の末端にまでいくようになる動きが強まっている今の時代。(Re:)国対国 というかつて 見た強烈な血の歴史が、また 繰り返される可能性は、避けて通れない問題だ。

平和で幸せな時代が、終わるのは、軍歌を右翼の街宣車が走るからではなく、まして、国旗を掲揚するからでも、国歌を歌うようになるからでもない。それは、もっと外国からの変化と 見えない大きな圧力で、起こるものだ。国内的にどんなに、平和を望んでいても、それを、ただしい方法で、外に発信する努力をしなければ、誰にも伝わらないし、保つことさえもできないだろうと、私は言いたい。


GOLD 1

2009-02-22 18:24:29 | オーストラリア資源
金の価格が ここに来て上昇し始めている。もうすぐオンス辺り1000ドルになるだろう。オーストラリアドル建てでは、すでに今までで、もっとも高い価格をつけている。それは、オーストラリアドルの下落とあいまってのことだ。( Re )

ゴールドの現物を持ち続けることが、保障となり、ゴールドこそが、本当に価値のあるもの・・・富である・・・という考え方は、昔から洋の東西を問わず、人類に普遍に存在する。

錬金術(ゴールドを作ること)を成し遂げようと、さまざまな実験をした結果 現在の化学が発展を遂げたというのは、皮肉な結果で、そしてそれらは、結局 ゴールドという基本原始をつくることができないという証明をするのに役立っただけだった。

社会が不安になり、貨幣の信用がなくなってくると、人々はゴールドを買う。ゴールドの価格は、市場原理によって、上昇することになっているが、そこには、また市場原理以外の要素で価格操作される。世界中の貿易は、アメリカドルを基本に動かされている。例えば、オーストラリアと日本が貿易をするとしても、取引の決済は、基本的にアメリカドル建てとなっている。これは、アメリカドルが、世界の基軸貨幣となっているからだ。
だが、ユーロ貨幣が導入されてから、世界の基軸にぐらつきが出始めた。
国によっては、基軸貨幣は自国貨幣を使うと言う動きがでたり、オイルの販売をユーロ建てで行うと、宣言したり、するようになったのである。
しかし、ロシアのルーブルも大きく下落しており、またここに来てヨーロッパの信用不安も大きくなってきている。ヨーロッパは 中央ヨーロッパと、西ヨーロッパに分かれているが、西ヨーロッパには、ドイツ、フランス、イタリア、などの牽引国があるのに対し、旧ソ連から脱却したスラブ系の東側には、産業の基盤もなく、悲惨な状況だと言われている。それはアメリカの現在の状況よりも悪いと宣言されている。(Re: )


こんなおり、オーストラリアのゴールド鉱山市場はどうなのかを観察してみると、まだまだ安いと言うことに気づくはずだ。Lihir Goldは今年は Equigoldno買収により 去年よりさらに大きな利益を生み出しそうだと言っている。$US109.3ミリオン 利益を去年出しているが、それはその前年度よりも24.1ミリオンダラー少なかったことになる。(Re: )


すぐに、ではゴールドを買えばいいという極端な発想で、こういう会社やゴールドの現物を買う人が増えつつあるが、リスクはないだろうか?ゴールドを買うのは通常、インフレを想定して、そのための保険として、買うことが多い。現在のゴールド価格は、実需よりも、この筋の金融商品という面から買われていると思われる。(Re:)

だが、ゴールドの需要が冷え込むというリスクを、考察しなければならない。人間の一番基本になる、衣食住に ゴールドは 直接 関係しないからである。ゴールドが工業製品に使われる量は、ごくわずかだ。多くの需要はジュエリーなどの装飾品に使われている現状では、その価格は、ディスポーザブル インカムに 左右されざるを得ない。だが、世界が100年以来の大恐慌の夜を迎えている今・・・(時計もない今が、夜の何時ごろなのかさえ分からない)ディフェンシブ マーケットに収入の多くが流れ込み(あるいは、収入以上の多くが・・・と言い換えるべきかも知れないが・・・)貧しい国の人間にとっては明日の糧さえなくなりつつある状況で・・・(Re:)さらに言えば、アメリカの住宅事情が、戦後最悪になっているこの状況の中、・・・ジュエリーのジュエリーの需要を見込んだ投資は、しっくりこない。
理解できるとすれば、米ドル単位で考えた場合のみ、米ドル対価で、ゴールド価格が上昇するのではないかという見込みだけである。それにしたところで、米ドルが大きく下落するという前提の話である。(確かにアメリカが増やしたM1やM2は、その可能性を多く含んでいるとはいえ)例えば、日本円で持っている資産をゴールドに変えるというメリットは、どの程度あるのかと考察すると、それは あまりない ということになってしまうのではないだろうか?(Re:)

これからの時代は、より現実的に考えて、ゴールドでできた装飾品をつけた、平和で楽しかった時代よりも、もっと、重苦しいものになると思われるのである。例えば、環境破壊や、それによる食糧危機、さらには、勃興国との軍事的衝突というリスクが 大いに高まってくる可能性を 私はより危惧している。

環境破壊、CO2の問題などは、いまや覆い隠すこともできず、この環境のいいといわれるオーストラリアでさえ、旱魃の地域では大山火事となり、犠牲者は300人を超えた。さらにクィーンズランド州の 洪水の地域では多くの人が避難しながら、水没した家を離れ、恨めしそうに 重く雨を含んだ雲を見上げている。

環境破壊は 主に、化石エネルギーを使い続けてきた人類へ ツケが回ってきたものだ。新興国の中国やインドが、今後、すでに大きくダメージを受けた地球環境を谷底まで落として行ってくれるはずだ。だが、先進工業国である日本人である我々に、彼らを責める資格はない。誰だって いまよりもっといい生活をしたいと願っているし、そのために、働いているのだから。
そして日本も多くの傷跡を 地球につけて今の発展があるのだから、人のことをとやかく言う資格など あろうはずもない。

では、どうすればいいのか?
実は、日本の産業界はすでに 多くの環境を支える次世代の代替エネルギーとなる研究をすすめていて、それらの多くは、実を結び始めている。今後、30年のうちに、それは現実に我々の社会に還元されていくであろう。だが、そのために必要なものがある。(Re:)

それは何か?
多くの研究費?人材?
それらのほとんどを、日本はすでに持っている。だが 日本にとって絶対的に足りないものがある。そしてそれをすべて、オーストラリアは持っているといえば、賢明な読者の方々にはすでにご理解いただけたことと思う。

そう、鉱物資源だ。
例えば、電気自動車を作るためには、特別なマグネットが必要になり、特別なバッテリーも作らなければならない。これらには、特別な鉱物が使われる。それは、マグネシウムの鉱床でごくわずかに採取できる、ネオジウムであるかもしれないし、あるいは、もっと他のものかもしれない。(Re;)だが、日本には残念ながら、そういう鉱物資源はない。あっても、とても産業が追いつくような規模の量ではなく、採算の合うような鉱山は、皆無だと言っていい。

今後の 世界を支配するものは、この鉱物資源を手に入れた者たちで、決して、オイルや、石炭を手に入れたものではないだろう。


リオティント と中国

2009-02-20 00:36:57 | オーストラリア株式
リオティント と中国

中国がリオに投資を 持ち掛けてきている。金額は 19.5ビリオンダラーにものぼる。(参照
リオにとっては、いい話だと考えているが、ここで、もしオーストラリアの基軸である鉄鉱石と石炭の権限を中国に支配されたら、オーストラリアはどうなるのか?という疑問が残る。

この疑問には、オーストラリア人の国家意識と深くつながっており、中国の株式買収を、ケビン ラッド首相も何度も、「オーストラリアの国益を守る」という表現で、釘をさしてきた経歴がある。(参照

実際、中国は、様々な人材を送り込んできては、オーストラリアの資源株を買い叩いて、会社の乗っ取りを行い、安く資源を買えるための手を、それこそ なりふり構わず行っている。たくさんの資金と、そして強力な北京の後押し、さらには、現地にいる華僑の協力と、人材から資金力まで整っている点、日本は、遠く及ばない。さらに、彼らはかなりアグレッシブに また速いスピードで食い込んでくる。引くときも、また早い。

オーストラリアは、我々のルールでゲームをしろと言って引かないのだが、中国にそれを聞く耳があるかどうかは、大いに疑問だ。

中国には2トリリオン!!!の外貨準備高があり、いまやIMFに注文を出すほどだ。いわく、「西側諸国は、対応が弱すぎる」と言い放った。だが西側諸国から見れば、中国はトップダウンの国。中央集権で、すべての権限が、中央に集結されている。うまくいくときはとても強い力を持っているかもしれないが、もし間違えば、もろいという反面もあるはずだ。デリバティブなどの高等な資産運用なども少しの幅でしか できないし、まだまだ原始的なシステムしか持っていない。・・・とコケおろす。
そのくせ・・・
さらに中国の輸出は 世界的な不況の影響をこうむって、かなり落ち込むはずだ。今後、中国が発展するためには、世界の今の状況を、助けることこそが、一番効果があるやりかただと言う。(参照

中国は、自分の国のことの発展しか 考えていないはず。

極端に 言えば、外国が転ぼうと、死のうと、その国が支払いを滞らなければ それでいい。中国にはまだ10億以上の人口がおり、彼らこそが、需要の塊で、そして消費の原動力だ。彼らは貪欲に、すべての西側諸国のようなものを持ち、富を味わいたい。そのためには、何だってする。という人間の集まりなのだ。だから、内需を拡大すれば、景気はいくらでも刺激できる。と、考えていても不思議は無い。事実、中国ではコーヒーの需要が大幅に伸びてきている。(参照

これは、西側のライフスタイルを、どんどんと取り入れてきた結果だ。コーヒーはそれこそ、欧米のスタイルの象徴だと言えるし、日本も、高度成長期には、あちこちに喫茶店ができていたのを覚えているだろうか?どこか外国の町に紛れ込んだような喫茶店に、かわいらしい店員さんがいれば、その店はいつも学生でごったがえしてた1970年代の風景。
だが、数字を見る限り、中国の需要も 確実に減ってきているのが分かる。(参照) 銅の輸入は18%以上減っているということだけでも、わかることは、このありとあらゆる製造の基幹になる金属の消費がなくなってきている・・・つまり、製造そのものに、輸出減とともに、かげりが出てきていると 思われる。

ここで、中国の内需が広がりを見せることが、次の脱出の鍵になるかどうかだ。もし、そうなると仮定し、その試みが、なにがしかの紆余曲折を経たとしても、成功した暁には、世界の地図は、アメリカから中国へと大きく移転していくということになる。

これは、ちょっと聞くと、とんでもない奇想天外な話になるかもしれないが、具体的に個人に置き換えてみれば、あなたの子供たちに英会話を習わせるより、中国語を習わせたほうが、将来のスキルとキャリアにもっと役に立つと、あなたは 本気で 思えるだろうか?

数字だけで判断すると、間違いなく、中国の成長は、すさまじいものがある。
参照)これだけみれば、勝ち組は これからずっと、中国ということになる。今年には二桁の伸びは難しいという。たった、6.8%程度の成長しか見込まれないというが、私に言わせれば、なんとまだ6.8%も伸びるのか?と見えるほどだ。

リオティントを買収あるいは乗っ取りをしかけ、さらにはBHP、もっと様々なオーストラリアの鉱山会社をのっとる計画を、さまざまな方法で仕掛けてきているとしたら、日本は、今までのままのやりかた・・・JOGMEC (参照)の、とてもソフトなやり方で、果たして今後も資源を確保しつづけることが、できるのだろうか?
オーストラリアは おおむね、(捕鯨問題を除いては・・・・)日本に好意的であった。だが、ここにきて、中国側と日本側のどちらが、より我々にとって脅威なのか、味方なのかという意見になりつつある。だが、よく考察してみると、日本と 中国が手を携えてこられると、一番困るのは、実はオーストラリアや アメリカであるのかもしれず、この二つの国がいつも ライバル意識か、敵対心を持ち続けてくれたほうが、ずっと都合よく、コントロールできると考えていても、不思議は無い。(参照

ここで 西側諸国は、なるべく、日本と中国、また韓国などの、お互いを敵対心をあおる方向で反目させて、漁夫の利を得るという策を練っているのではないだろうか ? と、思われない節もなくはない。たとえば、クリントンの日本訪問から、最後には中国訪問となるが、そこには意図的な意思が裏側には働いているようには思えないだろうか?。(参照
ここで、日本と中国が反目しあうことが、果たして、お互いの国にとって利益になるかどうかは、明白で、決して隣同士の国が、反目しあって発展した試しは無く、それは中東のイギリスの取った政策も、アメリカの現在取っている政策も、みなひとつのラインでつながって見える。
つまり、アラブ社会は、うまい具合に宗教と政治とお互いの憎しみで、ズタズタにされてしまっている。(参照

日本がスーパーパワーとなって、世界に君臨するのか?という論調もきいたことがあるが、すでに、アジアの中だけでも イニシアチブを失いかけてきている日本にとっては そういう野望を抱くこと自体、不幸になる可能性だってある。だが一方、仮に、中国が主導権をとったら、もっと不幸になる可能性だってある。次のスーパーパワーが、誰になるのか? 大衆の意見は おおむね、中国に偏っている。中国株式会社・・・、それはひとつになって大きなエネルギーを北京中央集権で 世界に押し出してくるというのがほとんどのシナリオだ。(参照)そして、もしアメリカが中国と仲良くさせすれば、世界の平和はおおむね保たれるだろうという。つまり、ここに、大陸のハザマに生きる日本の価値は 無視された形になっているわけだ。

オーストラリアの鉱山を買収する中国株式会社には、そういう遠い意図もあることを、見た上で、日本人はどう生きていくべきなのかを、考える時期にきているかもしれない。


海外就労経験者・・・

2009-02-19 02:41:38 | 世界情勢
海外就労経験者・・・

帰国後の就職について、厚生省が斡旋を始めている。これは、海外で就労経験がある人に就職の機会を与えるというような書き方か、もしくは、彼ら(彼女ら)をどう企業に、求められるスキルとして、活用するかという方針を立てたのち、その活用を・・・というものだが、事実は逆であるはずだ。(参照

円高・・・超がつく円高で、海外で製造拠点を作る必要に追われている企業が、人材を欲しがっていることは、すでに述べた。
人材とは、単純労働や、会社内の根回しのうまい人間ではない。
今、企業が欲しい人材とは、即戦力。それも、語学スキル、文化の理解、もっとはっきり言えば、アメリカ人をこき使える人間が欲しいのだ。

だが、日本の風土で育った人間は、群れるだけで、一人で外国に乗り込んでいく気概など、まず無い。お互いが寄り添って、村社会のような感覚で 甘えていて、それが、常識だと思っている。

あいまいな「あの人って、さあ、なんかちょっと冷たい感じ」などと抽象的な言い回しで仲間を募って、「みんな、こんな風に言ってるのを、聞いたんですけどぉ~」などと、言うのが関の山。対等の関係で、同じ土俵で 外国人と 一対一で きちんとした理論武装をして、やりあうことなど、できない。

そういう生き方は、確かに、日本という限られた天国の中では、知恵かもしれない。臆病というそしりをうけようとも、少なくとも 敵は作らないだろう。可もなく不可もない、無難な人生は、日本ではやっていける。なぜなら、周りにいるみんながそうなのだから、グループの中ではみ出すことさえしなければ、それで、いい。

空気を読むという言葉自体、外国では、存在しない。外国人同士の空気は確かにある。それは、だが日本のものとは温度も湿度も違う。日本の空気を読む達人は、外国ではやっていけない。最初から、文化も人種も言語も、背負っているものも、みんな それぞれ違うのだから。

「べつにぃ、外国に行って、そんんあやりあわなくたって いいしぃ~」と言っている人は、それはそれで、いいかもしれないけれど、いつまでそう 言い続けていけるのかな?と、私は思う。

日本では、“出るくいは打たれる”といい、アメリカでは、“きしむドアには、油をさしてもらえる”と言う。まったく、同じことをしても、日本では集団でたたかれ つぶされるが、アメリカでは持ち上げられ 賞賛される。

これからの 国際情勢は、日本の国内事情をどんどんと、変えていくだろう。日本でも、スキルのない人間は、仕事がなくなってきているはずだ。スキルも一つや二つのものでは、とても足りない。いつも武装して生き残る手段を講じている人間だけを、企業は必要としているし、もっと言えば、何もできない人間を、置いておけるほど余裕はなくなってきているのだ。

今の時代で言えば、一時を争ってでも、海外に製造拠点を設けたい企業は、おそらくは経団連を通じて、国にプレッシャーをかけて、海外就労者 云々となったのであろう。

日本の企業としては、プロテクショニズムに対抗する、唯一の手段は、海外に製造拠点を作り 現地生産でのみ生き残るしか、方法は残されていないと考えるのは、理の当然で、のどから手が出るほど欲しいのが、即戦力になる海外就労経験者なのである。企業の成り立ちは、経済的な利益をいかに継続させていくかということに、尽きる。いや、それ以外には何も無いといって言い。

そこに、人情だとか、お互いの連携などというぬるい言葉は、本当は存在さえしない。いくらきれいごとを言っていても、企業は利益を得ることだけを毎日24時間休まずに考えているものだ。もし、そうでない言葉をちりばめていたら、それは言葉の世界では綺麗かもしれないが、企業としては、もうすぐ舞台終了まぎわとなるはずだ。とても合理的で、冷酷、そして、守銭奴のような考えかただ。

だが、問題を、たくさん含んでいる。
一番の問題は、企業が、そこで仮に生き残ったとしても(私はこの日本企業と厚生省の 合理的過ぎる発想には、多少懐疑的では あるからか、多少辛口になるが・・・)国内産業の空洞化について、どう考えているのだろう・・・?と、疑問が残る。

実に、日本の産業の空洞化・・・古くはブーメラン現象などと呼ばれていたが・・・は、1980年代から、すでに30年近く言われ続けている。
それまでは、行け行けどんどん、できた日本産業だったが、ここにきて内需拡大策もとれないまま、どう知恵を絞って生き残るかを 考えている識者もおられる。(参照

共有している懸念は どこも やはり、産業空洞化で、これでは日本中が、過疎の村になってしまうというのだ。

人は働いて、糧を得る。
糧は、毎日の 私の小さな家族の生活を守る。
だから、私は明日も働きにいく。

単純な言葉だし、それだけでとても美しい響きがある。なのに、空洞化した日本には、この素朴な労働者に、働く場所を与えてはくれなくなる。

第二の問題点は、海外で働いてきた一匹狼を、日本の企業が使いこなせるかどうか?という点だ。

海外で生き残ってきた・・・少なくとも10年以上・・・そして 働いてきた人間は、距離感のとり方も、あるいは、喧嘩の仕方も、また、やめるときの早さも、もっと言えば やめることに対してまったく未練すら持たないという傲慢さも、持っている。もっと言えば、上司が言うから従うというような、図式は、はじめからない。自分の仕事はやるが、人からそれを指図されるのは、嫌う。指図する上司が無能ならば、徹底的に、馬鹿扱いするだろう。給料も、きちんと支払わなければ、やめる。訴える。しかも、損害賠償は何倍も要求する。

そうして、自分を守ることをしてこなければ、生きて来れなかった。そういう人生を歩んできたから、今更変われるはずも無い。
海外でバリバリやれて、しかも日本的情緒を分かってくれて、日本的サービス残業にもつきあってくれる人を採用したいと思っている企業があったとしたら、それこそ お笑い種である。

自分は働く。働きたいからではない。生活のためだ。だから条件のいいところがあれば明日にでも会社を辞める。どんな仕事でも やる。だが、時間通りきちんと支払ってもらう。そんなこともできない会社には 一日の未練も無い。実力はあるから、いつでもどこにでもいける。

一匹狼の本音は、こうだ。

一匹狼って、かっこいい・・・という読者がいたとしたら、この読者も、実際には何も分かっていない。
一匹狼は、かっこいいのではない。外国の大地に二本足で立つためには、そうしなければ、ならなかった・・・それだけだ。

そんな中、なまぬるい話が 今度は逆に アメリカのGMあたりから聞こえてきた。GMとクライスラーはまた、21.6ビリオンの追加融資を頼んでいるのだ。(参照

GMもクライスラーも、今まで、何年もただ、売れない車を作り続けてきた。誰も買わない、いらない車を、作って、そして、赤字になって困っている・・・。ただ困っているのではない。アメリカ政府に駄々をこねて、金をむせび取っている。彼らに融資した借金は、向こう40年は返す目処もないと言われている。GMは、駄目な会社だから、もう破産させちゃえという意見も多い。(参照)また、もし破産したらどんな影響が出るかを、詳細に渡って分析している記事もある。(参照

どれもこれも、推測に過ぎないが、結果どころか、先行きの目処も立たない点では、納得がいく。それにしても・・・今働いている人の保障は?部品会社は?顧客は?年金は?投資家は?と書いていけば、きりが無いほど、大きな影響が出る・・・のは、間違いない話だ。この影響は、アメリカの話だけではない。

多くの部品メーカーは日本の会社であるし、また、様々な形で大きな影響が、それこそ世界中に出るのだ。ウォールストリートの人間には、関係ない話だ。影響とは、インドネシアだとか、タイなどの弱小国こそ、本当に大きなダメージ・・・生きるか死ぬか・・・のダメージとなる。

もっと えげつない話になるが、日本だってうかうかしていられない。餓死者が出るほど困窮することも、起こりうる話だ。日本にはソーシャル セキュリティーがどのくらい充実しているのかが、とても不透明だし、もしそういうものがきちんとしているなら、今現在だって、ホームレスが凍死して死ぬことなどありえないはずだ。


日本製品

2009-02-18 03:41:50 | 世界情勢
日本製品

日本の製品が世界を席巻して久しい。それは家電製品であったり、あるいは自動車であったり、ハイテク機器であったり、あるいは医療機器であったりと、さまざまだ。
それは1970年代の万国博覧会から以降、20世紀の最後に、燦然と輝いていた。

ところが・・・である。
中国製品が次々と進出を果たしてきた。21世紀に入ってから、その規模とペースは速まり、GDPは1999年から比べて、あっというまに、4倍近くまで膨れ上がっている。(参照

今では 中国の製品が世界の、さまざなところへいきわたっている・・・ だが、評判は必ずしも芳しくない。(参照)それは、すでに定評となっており、価格が安いという意外には、デザイン性、機能性、強度、安全性、それに、保障やその実効性において、ゴミだという人も居れば、それはゴミに対して失礼だとまで 言う人も居る。
参照)多少、偏りすぎる意見もあるけれど、製品にとって、それはどの国であれ、人種であれ、宗教にかかわらず、信用は、もっとも大切な見えない価値のあるもので、それは見えないがゆえに、とても重要であるばかりでなく、決してお金では買うことが出来ない貴重なものであると思う。

しかし、その信用というものが、ブランド価値という目に見えないものであるだけに、コピー製品という逆手にとって、商魂たくましく行うのが、また彼らのお家芸でもある。(参照)欧米も、日本も、このコピー商品に対して、さまざまな法的手段を用いて対抗しようとし、あるいは、中国政府に働きかけてもいるが、実際には、効き目は無い お手上げ状態である。(参照)あまりにも、大きな市場のコピー製品にたいして、半ばそれを許容範囲という変なルールを作ろうという動きもある。グッチのハンドバックのコピー製品を、街角の隅で売っても別にかまわないが、薬は困るという、究極の選択である。実際、アフリカにはエイズ患者がたくさんおり、安いエイズ治療薬が手に入るとみんなそれが、信用できるかできないかという検証なしに、買う。(参照

たとえば、ジンバブエは、インフレ率が11、200,000%にものぼる!!!いまや国家破産したといっても過言ではない国であるが、(参照)経済の問題だけではなく、多くのエイズ患者を抱えている。エイズ患者が毎週、3,000人のペースで亡くなっている社会というのは、どんなものだろう?そして、その絶望的に貧乏で苦しんでいる人々に、コピーした薬を売りつける人間は、一体、どんな人たちなんだろう?これは想像を絶する 酷いし、人間として見ても、とても醜い状況だ。
それを、激しく追及するメディアは こぞって中国をこきおろす。これが、今の論調の中心になりつつある話だ。今回、ヒラリークリントンは日本から始まったアジア歴訪を、最後は中国で締めくくるが、中国の人権問題、コピー製品問題、いや、それ以上に、為替の操作疑惑、ダンピング問題など、山積した多くの問題に取り組む姿勢を、アメリカがそれこそ なりふり構わずぶつけていく最初の日になるであろう。(参照)それが、プロテクショニズムの始まりとなる日でも、ある。

これが、日本の将来にとって、どういう影響があるのだろうか?

その前に、まず今の日本の置かれている状況・・・なぜ、円高になっているのかを考える必要があるかもしれない。それは安い金利の日本円を借りて、海外で投資するいわゆる 円キャリートレードが トレンドとして長い間 続けられてきた。そのために、借りた日本円を売り、海外のカレンシーで、株式であったり、あるいは、商品であったり、不動産投資であったりと、様々な方法で日本円が市場をにぎわしてきたのが、2008年9月15日あたりを境に、急激に逆戻りしはじめたのである。(参照)この逆戻りのトレンドは、今後も続くと見られており、それが続く限り、円高はさらに加速すると言われている。これが、まずひとつ。

円高になると、日本製品は相対に高くなり、海外での販売競争に、勝つことが厳しくなる。たとえば、100円で1ドルだったのが、50円で1ドル買える時代になると、輸出した自動車はちょうど、倍の価格になってしまうわけで、少々コスト削減に成功したところで、追いつくことはできないのだ。したがって、一番いい方法は、海外で生産拠点を作り、そこで、為替の変動に左右されること無く製造から販売まで行うことが 望ましいと多くのメーカーは考えたのかもしれないが、それが、逆に工場の設備投資などの、費用がかさみ、さらにはカルチャーや言語などの障壁と、それに対応できる人材不足に悩まされているのが、現実である。
大きく整理すると問題はおよそ三つ。
1 人材
2 法律
3 セキュリティー
そしてこのどれもに、とてつもなく費用がかかる。さらに長期的には、日本の空洞化という問題もあり、それによる社員のモチベーションの低下というマネージメントにとって頭の痛い問題が山積しているのである。それでも、多くの企業が、今海外に進出しはじめているか、あるいは進出のための準備を始めている。これは、すでに官民一体となった 来るべき超円高に対する防御策・・・もしくは生き残り策としての、海外進出であり、決して積極的な戦略としての進出ではない。だが体力の無い企業は、その手も打つことが出来ず、吸収される方向でしか、活路を見出せなくなっている。

同時に、日本に帰ってきた円は一体どこに使われるのか?という素朴な問題が浮かんでくる。おそらく、日本円が強くなると同時に、多くの日本企業・・・とりわけ金融機関の時価総額がドルベースで上昇し、それが、不況の理由と同時に 信用の理由にもなるという不思議な現象が 起こるのではないだろうか?このことに関しては、まだあまり議論されていないが、日本が1980年代後半に、バブル景気で浮かれていたのは、円高の進行で、「意外と大丈夫かも・・・」と思ったときに、妙な自信ができたからかもしれない。だが、今回の円高では、おそらく、そういう流れになることは、ないように思える。なぜなら、当時の状況では、それでも日本の製品はまだまだ世界が買い続けていたし、それに中国などの新興国が、なかったから、いわば、独断場でビジネスができた、よき時代だったからだ。

ただそれでも国際的な信用は、高まる可能性があるので、あるいは高山病のように、高いところに祭り上げられて酸素と水の供給が経たれるような現象になるのかも、しれない。

今、日本企業はこぞって リストラを始めている。リストラの対象になるのは、まずは切りやすい派遣社員から、次には のほほんとやってきた正社員へと、続く。このままでは日本的経営は破綻すると、警笛を鳴らす人も多い。だが、企業には、すでに超円高というシナリオが 生々しい情報とともに、見えてきた今の時点で、いかに早く対応するかが、生死の境目だという危機感を持っている。(参照)中川大臣の酩酊が あろうとなかろうと、日本の企業には巨大な暗雲が立ち込めており、さらには、自由落下ともいえるスピードで、輸出は谷底に吸い込まれるような悲惨な状況に 追い込まれているのである。

では、日本はもう、これで立ち上がれなくなるのだろうか?
このままだと、中国とアメリカという巨大な超大国のハザマに 少子老人国としてひっそりと過ごしていくしか、生き残るだけの国になってしまうのだろうか?

私は そうはならないと思う。
冒頭にも書いたが、日本製品には絶大な信用と、そして需要が今でもある。それは、価格がいくらでもかまわない。いい物を買いたいという人が無くならない限り・・・(それは決してなくなることは無い!!!)たとえ、円高で高くなったとしても、売れ続けるだろうし、また、縮小した日本企業は再生の道を、辿ることもできるはずだ。
リストラされた社員が、そのまま、駄目になってしまうのか、あるいは、生き残りをかけて、もう一度勉強しなおして、奮い立つのか・・・にしても、本人の意思と努力しだいだという一歩大人の、突き放した世の中に入ってきたのかもしれない。

ただ、どんな道を歩むにしても、悠長に構えている時間はないということだけは、確かに言えるかもしれない。


社会主義になっていく世界

2009-02-17 19:12:31 | 世界情勢
社会主義になっていく世界

多くの銀行が、国有化される動きにある。イギリスでは、LLOYDSとスコットランド 銀行が国有化にむけて、動き始めている。(参照

まだ紆余曲折があり、簡単にはことが進まないけれど、(参照)ほぼ、国有化が決まりのようで、これで歴史のある銀行が、世界に先駆けて国有化されることになった。

この動きは、今後活発に、世界中に波及するはずで、イギリスは世界に先駆けてひとつのケースを作ったと、評価されている。もしこれが、今後のトレンドになるのであれば、私は多くいの問題が内在すると思う。

問題の一つ目は、透明性だ。

昨日書いた続きになるが、社会主義化していく世界は、多くの保護主義の復活を伴うかもしれない。社会主義化される理由には、たとえばメリルリンチの不透明なボーナスの支払いのように、(参照)多くの、倫理的な問題を 常に抱えている。
ボーナスというものは、当然のことながら、ある期間の仕事に対しての評価として、褒賞をかねて与えられるものだ。
だが、メリルリンチに関しては、パフォーマンスが悪く、その結果、バンク オブ アメリカに身売りすることを決定し、その身売りの間際に、幹部たちが、駆け込み乗車のごとく、自分たちに多くのボーナスを支払ったのである。その金額は14人に10ミリオンダラー(日本円で、10億円平均以上) 支払われたと ある。さまざまに言い訳をしながら、通常よりも少ないボーナスだとか、言っているが、実際には損失を出した会社に、税金を間接的に投入し、その金を自分たちで好きに 取るというものだ。
税金はアメリカの国民が、失業と借金の恐怖におびえながら支払っているものだから、当然、国民の怒りは揮発性のオイルに火をつけるように、爆発する。

社会主義化される過程で、国有化される銀行に、ぎりぎりのタイミングで行われる不正と、国有化された後に、国側の人間が不正を行うであろうことなどを、考えると、結局は腐敗した社会では、たとえ社会主義になっても、物事は良くならないのでは、ないだろうか・・自由競争のリスクをとりながら、資本主義のルールで切磋琢磨してきた、今までのやりかたのほうが、拝金主義であるそしりを受けるとしても、まだ、競争原理という根本が揺るがない限り、社会の健全性は、ある程度 保たれるのではないか? と思われる。


大恐慌のときに、何が起こったのか?そして、当面我々が直面する問題は、何だろうか?

2009-02-17 05:58:36 | 世界情勢
大恐慌のときに、何が起こったのか?そして、当面我々が直面する問題は、何だろうか?

100年来の景気後退だと言われている。それは、1928年の大恐慌に匹敵するか、あるいはそれよりも、もっと悪いものになるのではないか?とまで、言われている。

一体、何が原因で、こうなったのだろうか?そして、世界中にあったお金は、どこへ行ってしまったのだろう?

20世紀後半、世界は急速に グローバライぜーションに走り始めた。グローバライゼーションとは、各国に分かれている金融や物流のシステムを再構築してより効率よく、運用することを目指して始まった動きである。無論、言うまでもないことだが、これはアメリカを中心に始められた動きであり、ヨーロッパもこれに連動 もしくは追従する形で、ユーロの導入などを次々と決めて、実行した。

だが、しかし・・・

グローバライゼーションは、いま 危機に瀕している。(参照)
世界に垣根をなくす。自由な貿易を推し進めて、より 効率よくしよう・・・と、唱えていたご本尊の アメリカが、“BUY AMERICAN”を、打ち出したわけだ。オバマ大統領は、この政策を決して 好んではいないと言っている。・・・にもかかわらず、それは 保守的な圧力によって打ち出されたのである。(参照

今の時代を端的に表すならば、例えば、フランスでは100万人以上の人々が仕事がない  給料が安すぎると、デモ行進を今年 2009年の1月29日に行い、(参照)イギリスの労働組合は、“イギリスの仕事は、イギリス人に”というスローガンを打ち出して、ストライキを行い、ギリシャでは、警察が催涙ガスを使うまでに暴徒化した。

銀行が破綻しそうになると、国はこれを国有化して、壊れた機械に包装紙でもかぶせるかのような方法で 誤魔化そうとしている。果たして、銀行を国有化するべきなのか?という基本的ともいえる、根本の議論さえなされることもなく・・・だ。ただ、言える事は、“いま何とかしなければ、もっと大変なことになる”という言葉が、妙に説得力を持って米国の議会を押し切っていっているということだろう。(参照

確かに、今は緊急事態なのかもしれない。
だが、これは、大きな問題を含んでは いないだろうか?

もしかすると、この一連の銀行を助けるという動きは、一部のパッチワークのようなもので 大きな穴の開いた船底に板切れを張っても、大量に押し寄せる水圧を受け止めることはできないどころか、より 問題を複雑に、・・・つまり 解決できないところまで・・・船が真っ二つに割れて沈んでしまう タイタニックのような愚かな誤りを しているのではないか?ということを、誰も、指摘する空気さえないことだ。
経済という大蛇が、恐怖と貪欲の両方の剣の上を這いながら進んでいく限り、それは、常にどちらかに傾き、場合によっては 人々を迷わせ、極端な行動に走らせる・・・

私の懸念は、まさにここで、最初は、自国製品を買おうという運動から、次には外国製品を締め出そうという動きになり、続いて、さまざまな 嘘やでまかせが、政治に蔓延することで、政治家が自らの責任逃れをするようになる。これがやがて、ヒトラーのような強いリーダーシップを求めるきっかけになり、そこに、ある種の恍惚としたナショナリズムの快感が伴うと、人種差別、排他主義の台頭となるのではないか?そして、その続きは おそらくは、戦争・・・それも 取り返しのつかない愚かな 核戦争などに発展しかねないのである。

悪魔はどの人の心にも潜んでいる。あなたは特別な存在だと、もしかしたら 自分自身についてよく知らないまま 自惚れているかもしれないが、実際には、恐ろしいことでも、割と平気な表情で やってしまう二面性を秘めているのである。

世界は、今ほど恐々としてアメリカの動きを見守っていることは、かつてなかっただろうと思われる。・・・そう、アメリカはこれから、どうするつもりなのか? と。

最近の動きで言えば、アメリカの新しい財務長官は、「中国が世界の為替を不当に操作している」と言い放ち、多くのアメリカの自動車メーカーのロビイストの支持をえているということだ。(参照

ダボでの会議では、プロテクショニズム・・・保護主義について、話し合われた。世界は保護貿易 保護金融の台頭に面しているというのだ。

危険水域が近づくと、一番初めに逃げるのは、銀行である。銀行は、危ない投資先からは、一気に資金を引き上げようとする。例えばロシアやウクライナの小さな銀行はその資金のほとんどを海外からの融資でまかなっていたために、一番初めに干上がってしまった。今、バンクオブアメリカも、ロイヤル バンク オブ スコットランドも、また、他のさまざまな金融機関も、一斉に中国から資金を引き上げようとしているか、すでに 引き上げてしまっている。

つまり、保護貿易主義が行き着くところは、自国の不具合によって生じた問題を、すべて他の国に責任転嫁しただけでなく、次には 自分以外の国の経済を滅茶苦茶にしてでも、自国の生存を優先するという政策に 他ならないのではないだろうか?(参照

最初は効率よく行う、口当たりのいいグローバライゼーションという世界共通語を作りあげて、それが行き着くところは、保護主義となり、一気に小国のちょっと台頭してきた国の経済を根絶やしにしていく。という・・・なんとも恐ろしい絵が ここで、描けてしまうのである。

果たして、その絵を一体誰が、何の目的で描き、やがて、その絵の先にはどんな世界が待っているだろうか?

徐々に このブログを通じて、種明かしをしていこうと思う。