中国が爆買いをする。
中国は景気が悪いはずなのに、いったいどこから、そんな金が出てくるのだろう?
日本で、経済をかじったことのある人ならば、最初にそう疑問を持つはずだ。
もしかしたら、中国の景気が悪いということは、嘘で、本当は、いいんじゃねえの?
とまで思う人もいるだろう。
だが、中国の実質経済は破綻しているのは間違いない。
オイル価格や、鉄鉱石、それに、石炭価格などを見れば、一目瞭然だ。
物を作れない。作っても売れない。在庫は余っている。
それは、今の中国の状況であると言って間違いはない。
では、どこから彼らのお金は出ているのだろうか?
米国がマネーサプライを増やしたとき、その金は、ニューヨークの金融街を助けるためだった。
2008年の供給緩和というやり方は、しかし 他方、多くの弊害を生み出した。
その一つが、中国などの新興国へ米ドルがジャブジャブ流れ込んだということだ。
米国が、金融緩和路線を改め、そして金利を上げだすと、徐々に ではあるが、そういう資金が米国に還流し始めた。
それが今の状況だ。
まだまだ中国には、それでも多くの資金が残っている。
IMFというところは、先を読まない機関だ。
彼らは多くの資料を持ち、分析する。
それらはすべて、過去の分析であり、未来がどうなるのか?などということは、一切読まないし、読もうともしない。あるいは読んではいけない機関なのである。
もともと、アカデミックな経済理論を極めれば、極めるほど、人間は馬鹿になる。
経済は生き物で、未来に動いているのであって、過去の分析など、何の役にも立たない。
だから、馬鹿になってしまう。
1980年代のバブルの時代の景気を分析する本が、うんざりするほどあるが、もし、同じ本を1970年の段階で、書く人がいたなら、それは賞賛されるべきだろう。
例えば、一年先でもいい。
2016年が、どんな年になるかということだけでも、正確に言い当てることができるなら、十分に賞賛されるべきだ。
だが、どれほど詳しい資料と分析で2014年の解説をしてもらっても、あくびが出るだけだ。
IMFは、過去に生きている。だから中国にSDRを与えた。
馬鹿じゃないか?と相場師なら思うだろう。
そう、馬鹿である。
だが、馬鹿は、あとで臍を噛む。そして、責任転嫁を上手にするだろう。まあ、見ててみ。