オーストラリアでは連日、バヌアツ島に強い影響力を持つ中国について論じている。
バヌアツ島は、オーストラリアの東側に位置する広大な海洋に浮かぶ島だ。
人々は貧しいけれども、シンプルでとてもなつっこい。
そこへ、中国が、ODAを使い、大量に金を流し込んだ。
その金は、スポーツ スタジアムを作り、あるいは港湾の整備などをし、リゾートを開発しはじめた。
オーストラリアは、焦っている。
今まで自分たちの植民地のように扱っていた国々が、「白人主義」にうんざりしながらも、援助を受け続けてきたわけだが、中国がそれ以上の金を出すということで、もう、「白人」の世話にならなくともやっていけるからだ。
つまり、自由に声を上げ始めたのである。
これによって、オーストラリアは今後の外交戦略の見直しをせざるをえなくなった。
バヌアツの外務大臣 ラルフ レゲバヌは昨日、「中国の軍隊駐留については望まない」と言ったけれども、しかしながら、自信をもってそれを言い続けることができるかどうかは、疑問だ。
アメリカは、世界に800もの基地を展開しており、日本にも重要な基地をいくつも持っている。
それは、中国にとっては玄関先に当たる場所で、脅威以外の何物でもない。
米中の確執が深まると、それは自然と軍拡へとつながり、そのためのベースとなる基地の確保が必要となる。
日本の敗戦が南太平洋から始まったように、あるいはなぜ、そうしてまで軍拡を南太平洋にまで広げなければならなかったのか?
という点において、同じ轍を踏まぬように、しかし 何十年もかけて、中国はいずれ軍隊の駐留を推し進めていくに違いない。
オーストラリアはようやく自分たちの国の危機として、中国を見始めたところだ。
それは、長年、日本が感じていた危機感であり、韓国が苦しめられてきた危機そのものであったろう。
チベットやインドが面している中国の正体は、拡張主義そのものかもしれず、それが、南太平洋にまで及ぶに至って、ようやく地球規模での危機となりはじめたのかもしれない。
中国は、ギリシャの港湾を手に入れることによって、ヨーロッパへの足掛かりをつけた。
彼らはまったく、愚かではない。
日本人が知らない間に、パキスタンのカラチに大きな軍港を築いている。
中東の入り口をにらんでいるのだ。
まったく、中国は愚かな国ではない。
確実に、着実に 世界を制覇している。
経済でも軍備でも、だ。
日本が今後どのような選択を取るのかは、日本人自身が決めていくことだろうが、例えば北海道などは、あと10年余りで、経済的に支配下におかれることとなるだろう。
このままいけば・・・