ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

2007年に観た映画総括

2007年12月28日 | 映画
イベントが続いたせいで間が空いてしまいましたが、今年見た映画の総括行ってみます。
まだテレビで2つほど見る予定なんですが、一応映画館で見た映画のみを対象としてますので・・・。面白かったら別に感想書くと思います。
今年は観た映画は25本。私としては平均的な数ですね。前半あまり観なくて、今年は少ないかな・・・と思ったら後半怒涛のように観て結局平年並みとなりました。
全体としては、今年は私的には映画不作だったかな・・・。昨年面白い映画ばかりだったから余計に感じるのかもしれませんが。それにしても今年はDVD買いたくなるような映画がなかったですからねえ。シリーズで買ってるハリポタは別として。
でも、亀は意外と速く泳ぐはDVD買っちゃったんだよなあ(笑)今年の影の一位です。
あと、機内で見た「ミス・リトル・サンシャイン」も良かったですね。どちらも順位に入れてませんが。
そんなこんなだった今年の映画、良かった順に総括です。ネタバレがあるものもありますのでご注意ください。

1.パンズ・ラビリンス
不作の年と言いつつも、1位にふさわしい素晴らしい作品に出会えて良かったです。
ファンタジーというもののに捉え方がすばらしいな、と思いました。ファンタジーをシビアに捉えつつも、否定もしないやり方が。
ラストが、観る人によって様々に解釈できるところがまた懐が深くていいなあと思いました。最後にドスーンと来ましたね。
個人的にはもっとオフェリア視点の方が良かったような気がするのですが、あれで良いらしいですね、大方の評価は・・・
この作品、観る人を選びそうでいて、意外に幅広い層から評価されているのがヒットの要因かなあと思いました。ファンタジーが苦手な人にはあのシビアさが評価されていたようだし、夢のある映画が好き、というようなタイプの人も、ハッピーエンドとして感動するようですね。
私はバッドエンドとハッピーエンドの中間かな・・・。

2.恋愛睡眠のすすめ
「エターナル・サンシャイン」のミシェル・ゴンドリー監督&ガエル・ガルシア=ペルナル主演ということで見に行きました。監督が男性とは信じられないくらいかわいい映画でした。美術はかわいいし。夢の中の映像がいいんですよね。
夢と現実が交錯する感じもかなり好みでした。
またガエルが情けない男を好演でしたねー(笑)
観終わって心がほっこりするような映画でした。もう一回観ても良かったくらいです。

3.ディパーテッド
1年前に観たもので、果たしてこんなに高順位でいいのかよくわからなくなってますが(汗)
オリジナルの「インファナル・アフェア」のリメイクとしても、スコセッシ作品としても評価は今イチのようでしたが、オリジナルを知らない私としては、二人のだまし合いがどうなるのかと心拍数バクバクで見られましたし、スコセッシ作品苦手なのでむしろわかりやすいつくりで良かったと思えました。
スコセッシが監督という点で、単なるハリウッドのアクション映画、よりは深みがあったので見ごたえもありましたし。
ハワード・ショアの音楽も目当てだったはずなんですが、気がついたらストーリーに集中していてほとんど記憶になかったという・・・(汗)
レオナルド・ディカプリオとマーク・ウォールバーグが良かったです。マーク・ウォールバーグはアカデミー賞ノミネートにも納得。

4.それでもボクはやってない
これも1年前に見た映画で、こんな高順位でよいのかよくわからないのですが、とにかく良く出来た映画だったな、という印象でした。
準備期間が長かっただけあって、脚本も良く練られていて、ホント「よく出来てるなー」と観てる最中に何度も思いました。
というわけでやっぱりこの順位でいいのかも。

5.パリ、ジュテーム
5分ずつの短編のオムニバスですが、なかなか面白い作品が多くて良かったです。
特に「お祭り広場」「16区から遠く離れて」が良かったです。
パリが舞台ながら、結構移民や外国人の話が多かったのも印象的でした。この二つのエピソードも移民の話ですし。観光で来ている英語圏の人の話も結構多かったですが。
実際、パリに行くと外国人の姿が多いんですよね。フランス人のオシャレな雰囲気の映画、だけがパリの姿ではないんだな、と興味深かったです。
「お祭り広場」「16区から遠く離れて」だけだったら2位か3位でも良かったくらいですが、全体としてはこんなところですね。
イライジャ・ウッド目当てでしたが、彼が出ていた作品はまあまあ、というところ。あとナタリー・ポートマンも出てましたが、彼女の魅力がよく出ていてかわいかったです。

6.ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
シリーズの中では一番面白かったです。長い話を上手くまとめていたと思うし、それでいて端折っている感じがあまりせず、映画として面白い、と感じました。
演出もメリハリが効いていて、戦闘シーンがカッコ良かったし、それでいて登場人物の心理描写もきちんとやっていて、見ごたえがありました。
あと、結構細かいギャグが私的にはツボで笑えました。
イェーツ監督、私の好みに合うかも。次回作も同じ監督だそうで、楽しみですね。

7.ミス・ポター
今よりもずっと女性の自由が少なかった時代に、自分らしさを貫いたベアトリクスやアメリアに、素直に共感できました。淡々とした静かな物語の進み方も良かったですね。
レニー・ゼルヴィガーがかわいかったです。湖水地方の自然の美しさが、ベアトリクスの心情とリンクしていたのも良かったですね。

8.300
ストーリーはメチャクチャ、ツッコミどころだらけでしたが、映像の美しさにやられましたね。特に戦闘シーンのスローモーションと早回しを使った映像がカッコ良かったなあ。
ディヴィッド・ウェナムさんがずっとナレーションで、最後も目立ってたのが嬉しかったですね。

9.拍手する時に去れ
「トンマッコルへようこそ」の脚本のチャン・ジン監督作品でシン・ハギュンが出てるというので観に行きました。
もともと舞台用の戯曲だったというのが「なるほどね」という感じで、登場人物が多く、ちょっととりとめのない感じはしましたが、飽きさせずに引き込まれて観ました。
緊迫したシーンと笑わせるシーンが混在しているバランス感覚も、舞台っぽいなーと思いましたね。
ラストはちょっとミステリーとしては反則だなと思ったんですけど。
役者さんが皆上手くていい味出してましたね。シン・ハギュンも熱演でしたが、チョイ役で出ていた「トンマッコル」のリ・スハ役のチョン・ジェヨンが情けない役で面白かったです。

10.ストリングス
マリオネットを使った人形映画という発想のすごさと、世界観と映像に圧倒されました。マリオネットの糸をそのまま「天から伸びている糸」という設定にして、糸が切れたら死んでしまうというのも面白い発想だったと思います。
ストーリー的にはありがちな寓話なんですが、最後の「死ぬ=糸が切れて自由になる」というのにちょっとやられてしまいました。

11.マリー・アントワネット
とにかく衣装と美術が綺麗でしたねー。あれだけでも見る価値があったと思います。
キルスティン・ダンストも可愛かったし。素直なアントワネットを好演してました。
アントワネットやルイ16世がああいう外の世界を全く知らないだけの普通の人だった、というのはあり得るかも、とは思いましたが、処刑の場面まで行かないで終わったあたり、やっぱりあのキャラクターでは史実と噛み合わないかな・・・というあたりが物足りなくはありました。

12.ボビー
ロバート・F・ケネディ暗殺当日、暗殺現場となったホテルにいた人々のそれぞれの物語が描かれるという「グランドホテル形式」の作品でした。多くのそれぞれが無関係な登場人物が、R.F.Kに希望を託しているという点でつながっているのが上手い作りだなあと思いました。
しかし、映画の作り手が本当に今でもR.F.Kが大統領になっていれば・・・と信じて作っていることが感じられて来ると、ちょっとひいてしまいました・・・(汗)
映画としてはよく出来ていたと思いますが、そのあたりでちょっと順位低くなりました。
イライジャ・ウッドが物静かな青年を好演してました。


13.魔笛
序曲のシーンの映像にまずやられましたねー。魔笛の序曲と花畑と戦車のミスマッチが。音楽と映像のリンクが結構上手く行っていたのではないかと思います。
三人の侍女が面白かったですね。パミーナとパパゲーノのやりとりもかわいかったし、三人の童子もかわいかったし、結構面白く観られました。

14.バベル
菊池凜子で話題になった日本編はちょっと浮いてたような気がするんですが・・・。
モロッコ編での兄弟の悲劇、メキシコ編でのアメリアの悲劇が印象的でしたね。なんだかんだとアメリカ人のスーザンは助かったのも意外。このあたりの対比は意図的のようで、そういうところは良かったかも。
と思うにつけて、やっぱり日本編浮いてたかなあと・・・

15.シッコ
アメリカの医療制度を題材にした今回の映画、わりと知っている話題でもあったことで、マイケル・ムーアが自説に都合のいい事実しか取り上げない、というのを「なるほど」と実感しましたね。あれでは批判されてもいたし方ないかなと・・・
ただ、訴えたいことには共感はしますけれど。
今回は突撃取材がなかったためか、はたまた題材のせいかわかりませんが、「華氏911」ほどのインパクトがなかったですね。
保険会社の拒否既往症リストをスターウォーズ風に流したりしたのはかなり面白かったですが。

16.椿三十郎
オリジナルの黒澤映画を知らないながらも、もっと面白くできたんじゃないかな・・・と思ってしまいました。
といいつつも、なかなか面白く観られたのは、オリジナルどおりの脚本のおかげでしょう。
松山ケンイチさんが期待通り面白くて良かったです。あと押し入れ侍の佐々木蔵之介さんも。

17.トランスフォーマー
話はどうでもいい感じなんですが(特に人間の話・・・)オートボットたちのかわいさと、ロボットアニメっぽい戦闘シーンetc.が、なんというか意外にオリジナルのアニメの息吹を伝えていて、理屈抜きで楽しかったです。童心に帰る感じというか・・・
コンボイ司令官(オプティマス・プライム)がアニメのままにカッコ良かったので嬉しかったです(笑)

18.墨攻
後半の展開がなんだかなあ、になってしまったのが残念でしたが、設定が面白かったし、前半は色々と良かったです。アンディ・ラウとアン・ソンギがカッコ良かったですね。

19.ベオウルフ
期待はしてなかったんですが、3Dで観たらCGも割と見られたし、話も前半は古代伝説っぽい荒々しさがあってなかなか面白かったです。後半は今ひとつでしたが・・・
サントラが非常にカッコ良かったです。王妃の歌う歌も良かった。エンドロールでロック調になってたのもカッコ良かったなあ。

20.あるスキャンダルの覚え書き
ちょっと期待しすぎだったかもしれないのですが、二人の女性の孤独が案外に俗っぽいものでガッカリでした。こんなんじゃ共感もできん・・・
ただ、ケイト・ブランシェットもジュディ・デンチも演技は素晴らしく、それだけでも観た甲斐はありましたけどね。

21.スターダスト
私どうもこの映画に対して評価厳しすぎって気がしますが・・・
設定なんかは面白く、前半は楽しめたんですが、海賊船が出てきたあたりからなんだかなあ、な展開になってしまい、残念でした。
幽霊王子たちや魔女三姉妹はとても面白かったのですが。

22.ハッピーフィート
皇帝ペンギンの子育ての様子が意外に忠実に再現されていてびっくりでした。歌でノリノリのペンギンも結構面白かったです。
後半の展開は意外にシリアスでこれもびっくりでした。最後はこれでいいのか・・・?と思いましたが・・・

23.リトルレッド レシピ泥棒は誰だ!?
上野樹里ちゃんが声の出演、というだけで見に行きましたが、意外にひねりの効いた話で楽しめました。樹里ちゃんの声もかわいかったし。歌っちゃったりなんかして。ただ、映像が今ひとつだったかなあ。

24.ヘアスプレー
この映画も私評価厳しすぎかも。話は悪くないと思うんですが、とにかく何もかもがストレートすぎて毒がなくて、退屈でした・・・

25.自虐の詩
原作を昔読んで、結構良かったので、ちょっと期待していたのですが・・・
エピソードが陳腐なものになってしまい、ギャグは原作ほど笑えないし、で、がっかりでした。
子供時代の幸江と熊本さんはちょっと良かったですが。

最後に来て順位色々いじってみました。
今年の映画は、「すごく良かった」「良かった」「今イチ」「最悪」などとランクごとに分けるのが難しい感じでしたね。
さて、来年はどんな映画に出会えるのでしょうか。とりあえず年明けには「転々」観たいと思ってるんですが。
コメント (2)
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