ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

エリザベート

2006年05月20日 | ミュージカル・演劇
木曜に観て来ました。とりあえず禅さんのフランツ目当てですが、どうせなら武田トート見てみたいかなーと思ってみてみました。
日生劇場のバルコニー席は初めてでしたが、見やすくていいですねー。
さて、注目の?武田トート。なんでも小さいらしいと聞いていましたが・・・最初はそうでもないかなーと思ってたんですが、どんどん小ささが目立つように(汗)
そのうちに、他の人たちが皆巨大に見えてきたりして(汗)トートダンサーはともかくとして、革命家三人組がものすごくすらーっとして背が高くてカッコイイ人たちに見えました。いや元々背が高くてカッコイイんですが、なんか改めてそう思いました(笑)舞台役者さんって大きい人が多いんですねえ。
ウィーンのカフェの場面で、帽子と短めの赤いコートを着て出てきたときは、あまりのかわいさに噴出しそうに・・・(笑)
ハンガリーのパレードの場面の衣装も、長いひだひだがロングスカートをはいた女の子にしか見えなくて・・・・(笑)
でもまあ、スレンダーな体を活かして?もうお一方には絶対無理な(汗)露出度の高い衣装を着てたりなんかして、トートらしい怪しい衣装は今までで一番似合っていたかもしれませんが。
歌はウッチーの初演よりははるかに上手かったです。まだあちこち苦しいですが、慣れればウッチーよりも上手くなるかも?
でも「最後のダンス」の最後のシャウトは笑っちゃいましたが・・・(笑)
あと、動きというか振り付けというか・・・がなんだかヘン(汗)落ち着きないというか脈絡ないというか・・・まだ振りどおりにやってるだけで、演技と結びついてなかったりとかかなーと思ったんですが。
前半は悪魔らしく(いや死神でしたね)意地悪な感じ?はよく出てましたが、エリザベートへの思いとか切なさは感じられないな・・・と思いましたが、後半、「私が踊るとき」のあたりから、そろそろ手に入るはずなのになかなか手に入らないエリザベートへの思いのせつなさが出てくるようになって良かったかな。
お目当ての禅さんですが、初めて登場したころのように不当にマイクの音を小さくされることもなく(汗)「歌うまいよなあ」とほれぼれと見てしまいました。
演技も、抑えた演技でいいですねー。ルドルフに怒るところと、ラストだけが禅さんらしく熱くなってましたが、ここだけフランツが本気で怒っていたということなんでしょうか。私は抑えた演技の方が好きですけどねー。
あ、大谷さんが出ていることをつい忘れてしまうのですが(汗)またスマートになられたでしょうか。なんかカッコよかったなあ・・・
しかし、実は新演出以来エリザベートはもういいかな・・・という感じでして(汗)トートの衣装とかにウケた以外は冷静に見てしまいました(汗)
コルフ島のシーンがちょっと良かったかな。あそこはパパはあまり演技しないで欲しいんですけどねえ。エリザベートの妄想というか、幻のような存在でいて欲しいので・・・
まあ、次も1回くらいは見ようかな。
さて、今年の夏はシュトゥットガルトでエリザベート見られそうなんですが、どんななんでしょうねえ。作品的にはRENTとか太平洋序曲とかのように気合が入る作品ではないんですが、演出の違いが楽しみです。
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インタビューいろいろ

2006年05月20日 | 指輪物語&トールキン
ニュルンベルクのLotRシンフォニーのチケットですが、メールに返事が来ないのでfaxで質問したら、メールで返事が来ました。
日本へも郵送はしてくれるようですが(Fedexらしいので普通郵便よりは安心でしょう(笑))、支払いはやっぱり振込みしかないらしいです。
うーん、手数料2500円プラス5ユーロというのは大きいですが、まあ背に腹は替えられないので・・・
しかし、肝心の申し込みが、やはりどうしてもwebsiteではできないんですねー。faxでも申し込みできるみたいなんで、faxで申し込んでみようと思うのですが、faxで申し込む時は銀行コードを書かないといけないとかで、果たして振込みでもいいのか謎・・・手数料がまた3.9ユーロとかかかるらしいし。
メールで問い合わせてみましたが、返事来ないようならもうfaxで申し込んじゃおうかなあ・・・
うーん、どうも毎回悩みどころ?があるようで。今回はチケットさえ入手できてしまえば後は楽勝だと思うのですが・・・甘い?(汗)

さて、デンバーでは19日からLotRシンフォニーをやっているんですね。TORnにショアのインタビューなどが出ていました。
ショアは今はL.A.で開幕予定の「ザ・フライ」のオペラの作曲をしているそうです。オペラでザ・フライってどんなんでしょうね。
冒頭に、4ヶ月間の作曲前のリサーチ、4年間の作曲期間、11時間分の音楽、50以上のライトモチーフ、なんてことが書いてあります。ライトモチーフは80超えてると思うんですが・・・
LotRシンフォニーも100回以上公演してるとか書いてあります。今度7月のサンフランシスコでやっと100回なんですけど~
とまあ間違いも多いけど、久々のインタビューだなーと思ったので紹介してみました。

もうひとつインタビューです。こちらもTORnですが、トールキン・アンサンブルのキャスパー・レイフ氏のインタビューが出てました。
初めて聞く話もあっていろいろ面白かったです。
クリストファー・リー様が参加した経緯は、映画のデンマークプレミアにトールキン・アンサンブルが招待され、クリストファー・リーも来ると聞いたのでCDと手紙を渡してもらえるよう頼んだところ、リー様が快諾したのだそうです。
デンマーク女王のイラストは、既に全ての章に対応したイラストが発表されていたんですね。出版されてるんでしょうか?
それを使いたいと思って、宮廷?に手紙を書いたところこれも快諾されたということです。
あと、昨年夏のコンサートは、小さな新聞にトールキン・アンサンブルの記事が出ていたのをコンサート会場になった城の伯爵が目に止めて、コンサートにつながったんだそうです。色々な縁があったんですね。
トールキン・アンサンブルのCDもぼちぼち聞いているので、また感想を書きたいと思ってます。
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ニュルンベルクのLotRシンフォニー

2006年05月17日 | 指輪物語&トールキン
さて、この夏はニュルンベルクのLotRシンフォニーに行くことに決めた、のですが、チケット入手がやや不安・・・
演奏するヴュルテンベルク・フィルハーモニーのサイトにも、会場のマイスタージンガーハレにも出ていないし・・・と思っていたら、マイスタージンガーハレのサイトの方に、チケット取り扱いのプレイガイドのようなものの紹介がいくつか出ていたので、探してみました。
昨年シュレスヴィヒ-ホルシュタイン音楽祭のチケットを買ったticket cornerで取り扱ってたらいいなあと思ったのですが(手数料は高いけど、とりあえず無事に入手できた実績があるので)、こちらでは残念ながら取り扱いはなし。
探した結果、N-eventというところで取り扱っていることがわかりました。
指揮はMurkus Huber氏なんですね。昨年はドイツなのに振らなかったので、ようやく故国ドイツでのLotRシンフォニーデビューですね。いまやショアよりもたくさんLotRシンフォニーを指揮しているはずのHuber氏、私は初めてなのでちょっと楽しみです。
女声ソリストは昨年もドイツで歌った、元London Voicesでサントラのレコーディングにも参加していたAnn de Renaisだそうです。最近欧州はこの方が歌うことが多いですね。「ゴラムの歌」がすごく良かったんだよなあ。楽しみです。
で、コーラスがChorakademie des Schleswig-Holstein Musik Festivalって、昨年歌ってたコーラスでは・・・(汗)コーラスすごく良かったので、嬉しいですけど。
とまあいろいろわかってきて嬉しいのですが、問題はチケットの入手です。
N-eventは、オンライン予約できるものの、どうも郵送が欧州内に限られるような雰囲気なんですよね・・・でもってチケット受け取りは郵送のみみたいで。
ticket cornerは普通郵便でチケット送って来たよ~、と思うんですけどね・・・
更に問題なのは、支払いがデビットカードか振込みのみらしいということです。クレジットカード使えないのか・・・
昨年も最初シュレスヴィヒ-ホルシュタイン音楽祭のサイトでチケット購入しようかと思っていた時に、振込みか為替のみということで「うーむ」と思ったのですが・・・振込みの場合、手数料が2500円+5ユーロもかかるんですよねえ。まあ、ticket cornerでも結構な手数料取られたからそんなに変わらないか・・・
あとは郵送がどうだかなんですよね・・・
一応無理やりオンライン予約してみたのですが、住所が欧州じゃないからなのか、支払い方法がうまく入れられていないのか、上手くいかなかったので中断しました。
昨日メールで問い合わせしてみたのですが(英語で)、返事来るかなあ・・・。そういえば昨年シュレスヴィヒ-ホルシュタイン音楽祭の方にメール送ったのは返事来なかったなあ・・・
faxでの予約もできるみたいなので、faxでも問い合わせしてみようかと思います。
こういうところが欧州はアメリカよりもやりづらいなあと思ったりしますね。まあ、日本のチケットを海外から買おうとしたらもっと大変だと思いますが・・・
しかし、昨年初めてドイツ行きを決めたときは、ドイツ語もさっぱりわからないし、いろいろと初めてのことばかりでかなりワタワタしましたが、2回目になるとすっかり慣れましたねー。ドイツ語も翻訳サイトを駆使する方法を覚えたし。
でもなれたとか言ってチケット入手できなかったらかなり情けないのですが(汗)なんとか無事に行けるといいのですが。
とりあえずそろそろ飛行機も取りたいので、チケット早く予約したいんですけどねえ。どうなるやらです。
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トールキンアンサンブルの4枚組みCDの感想その1

2006年05月16日 | 指輪物語&トールキン
いきなりその1と銘打ってますが(笑)とりあえずざーっと2回くらい聴いてみました。ながらで聴いていて、ちゃんと聴いていない部分もあるのですが・・・
まず、原作に出てくる順番の収録というのは、なかなか面白くもありますが、音楽を聴くという視点からいうと、辛いところもあるかなと。
とりあえず、トールキンアンサンブル初体験の人がFotR1枚目から真面目に順番に聞き出すと、挫折のおそれもあるかもしれません(汗)ちょうど原作の「旅の仲間上」の前半で挫折する人が続出するように・・・(笑)
いや、ある意味原作に忠実なんだなーとも感じますが。
何しろ、60分ほぼホビットとトム・ボンバディルの歌ですから(笑)途中ギルドールやゴールドベリは登場するものの・・・
単独で聴くといい曲なんですけど、続けてホビットばかり聴いていると、なんともじりじりして来ますね(笑)
特にトム・ボンバディルシリーズが長い! 同じメロディが何度も出てきますし、「まだあるんか~」という気になります(汗)トムファンの方いらしたらごめんなさい・・・(汗)
最後にはアラゴルンが歌うべレンとルシアンの歌でようやく違う世界が見えてくる感じですが。
ちなみにディスク1はべレンとルシアンの歌で終わっていて、ディスク2がサムのトロルの歌で始まるのですが、話の分け方で言ったら、裂け谷前で切るとトロルの歌で切れるはずなんですが・・・さすがにべレンとルシアンのあとにトロルの歌で終わるのはやめたんでしょうか(笑)単にちょうどFotRの半分くらい、というのもあるかもですが・・・
ディスク2(FotR後半)になると次第に雰囲気が変わって来ます。ギムリが歌うドゥリンの歌とレゴラスが歌うニムロデルの歌が続いているのが嬉しかったりして。どちらの歌も好きだし、ギムリの次にレゴラス、というのも嬉しくて。
ロリアンに入るとかなり幽玄な雰囲気になってきますが、ここも曲自体はいい曲なんだけど似たような曲が何曲も集まるとなんというか暗いですね~(汗)
ディスク3のTTTに入ると、今度はエントシリーズがまたテンション落ちるというか。いや私エント関連の曲大好きなのですが。
でもディスク4のRotKに入ると、ドラマチックな流れがいいなあと。特にペレンノール野近辺のローハンシリーズ?、そしてEagle's Song~セオデンの葬送~灰色港の流れは感動的でした。
そうそう、レコーディングしなおしている曲がたくさんあると公式サイトには書いてあったのですが、とりあえず最後の2曲(3枚目に入ってました)はかなりアレンジがグレードアップして、感動的なラストになっていました。聴いたことないけど多分1曲目のOld Walking Songもアレンジ変えてありそうです。他にもこういう曲ありそうです。
でも、3枚目の、素朴で寂しげな終わり方も個人的には好きなのですが。
あと面白いなあと思ったのは、今までのアルバムがOld Walking Song(1)とか(2)とか(3)とか、同じ詩が違うアレンジになって収録されていたのですが、これって原作で同じ詩が何回か出てくる、その順番どおりに、その場面を想定してたんですねー。いや、気がついていた方はとっくに気がついていたかもしれませんが・・・(汗)
こうやって順番に並べていると、「ああ、あの場面だったのか」なんてことがわかって面白かったです。
そして、3枚目、4枚目にボーナストラックというか隠しトラックとしてクレジットされずに入っていた曲が、順番どおりに収録されていて「おお」と思いました。
今までのアルバムでは上手く曲順に収まりきらなかったけれど、4枚組みか出たあかつきにはちゃんと入れる予定でレコーディングしてたんだなあと思うと、その深遠な?計画に感心してしまいます。
曲順が今までのアルバムからバラされていることで、3枚目から参加のクリストファー・リー様が最初から参加しているかのような雰囲気だし、3枚目、4枚目と編成が豪華になっているのも、曲がバラけているのでちょうどバランスがいい感じがしました。
うーん、そこまで考えて曲順をバラしてアルバムを作っていたんでしょうか。恐れ入りますね~。
いままでの4枚のアルバムでは、それぞれのコンセプトに基づいて作り(1,2枚目はわかりませんが・・・)、それを集めて原作どおりの順番に収録する、というやり方はなかなか良かったのではないかなーと思います。
うーん、1,2枚目の曲、アルバムの曲順に抜き出してみようかな・・・(笑)

1,2枚目のアルバム聴いてないもので、初めて聴いた曲もたくさんあって、感想もいろいろあるのですが、今日のところはここまでにいたします(笑)
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RENT(ネタバレ)

2006年05月13日 | 映画
今日ル・シネマで見て来ました。
なんだか連休中は3時間前に満席になっていたりしたと聞いたので、1時25分の回を見る予定で11時前に到着、それでも整理番号がもう20番くらいでした。
4時前の終了時には、7時の回も残りわずかと言ってました。
来週末からはもう一つのシアターもRENTにしちゃうみたいですね。大入り満員です。というか、なぜ全国ロードショーにならなかったのが不思議なくらいなんですが・・・RENTもなめられたものです(笑)
でも、来日公演のイープラスのプレオーダー、私も友達も当選してたりしたので、RENT人気ってやはりそんなでもないでしょうか・・・日本でやってたのももう何年も前のことですもんね。見たことない人も多いのかなあ。

舞台ファンの人の中には良くなかったという人もいるようで、あまり期待しない方がいいかなと思いつつ見たのですが・・・いやーボロ泣きしました(笑)
最後の方なんか、泣きじゃくらないように抑えるのに必死でしたよ・・・
初演のメンバーを集めたと聞いて、アンソニー・ラップくらいしか知らなかったけど「年齢的にキツイのでは・・・」と思っていました。アンソニー・ラップ、数年前のガラコンサートの時点ですでにおじさんでしたから・・・(汗)
確かに、UPになると厳しいキャストも何人かいらっしゃいましたが(汗)でも初演メンバーは素晴らしかった! いや疑った私が悪うございました(笑)
ベニーは今まで見た中では一番良かったです。良かったというか、初めて本当のベニーを見たというか・・・
ロジャーのOne Song Gloryも泣けたなあ。これも今まで聴いた中で一番でございました。
コリンズは個人的には来日公演のBennyチームにいたMark Fordが好きなんですが、やっぱり初演コリンズはいいですね。優しい表情がいいなあ。
そして、エンジェルが素晴らしかった!
初演メンバーは、役作りが既に完璧、という安心感だけでなく、実際にジョナサン・ラーソンと作品を作り、ジョナサンの死も経験しているという重みもあるんですよね。
そして、チームワークももちろん良くて、仲間たちの絆がしっかりと描かれていたのは良かったですね。
舞台と変えられているところや、書き足しているようなところも、初演メンバーだからこそ説得力のあるものになっていたと思います。
いやー、クリス・コロンバスのオリジナルを大切にする態度に感服しました。

キャストの話が先になってしまいましたが、舞台と変えていたところも、全て良かったとは言いませんが、なかなかだったな、と思います。
まあ、歌を省略したことで、「突然歌いだす」というような感じを受ける場面も結構ありましたが、元々好きな歌だからそのあたりは全然okでした(笑)
映画ならではの表現も、いいなあと思ったり、違和感を感じたりと色々でしたが、明るい陽射しの風景の中を歩いたり、走ったり・・・というあたりはやはり映画の強みだなあと思いました。
I'll Cover Youでコリンズとエンジェルが明るいN.Y.の街を走り回るところとか、ミミがOut Tonightでハイになって夜道を歌い踊りながら帰るところとか。
舞台ではどこまでが部屋の中のことで、どこまでが外なのか・・・というのがわかりづらかったですが、そのあたりがわかりやすくなっていたのも映画の強みですね。まあ、舞台と違うところもありましたけど。
そうそう、モーリーンのステージにオリジナルの舞台セットのミニチュアみたいなのがセットされていて、このあたりも舞台へのオマージュですよね。
何よりも良かったのは、舞台では描かれていなかった、仲間たちの場面がちょこちょこっと挿入されていたことですね。
ミミとエンジェルが仲良さそうなところがちょこちょこと映っていたりとか。
一人ひとりの表情も大映しになるので、優しい表情が見られてグッと来ました。これは映画ならではですね。
ライフサポートにロジャーが現れた時(これは映画オリジナルですね)、マークが嬉しそうな表情をするのにやられました(笑)いやー、やっぱアンソニー・ラップのマークいいです(笑)
このあたり、初演メンバーたちの絆があればこそ、という気もします。
でも多分、クリス・コロンバスのオリジナルへの思い入れ故、という気もします。一人ひとりへの眼差しがとても優しいと思うのですよね。ベニーに対してさえも。
RENTは、初めて上演された90年代初頭とは、エイズの致死率も、N.Y.の状況も変わってしまい、当時の新鮮さが薄れたと言われているようですね。
だからこそ、なのかもしれませんが、この映画では、仲間たちの絆、思いやり、優しさ、そんなものに焦点が当てられていたように思いました。
初演から10年の今、これからこの作品が、80年代から90年代のN.Y.を描いた、普遍的で古典的?な作品として残って行くだろうな、と感じさせました。
舞台ではアンサンブルがコーラスしながらメインのキャストたちをじっと見守っている、というのがすごく良いのですが、そのあたりはさすがに再現できませんでしたが、「サンタフェ」を地下鉄の他の客もいるところで歌わせたり、La Vie Bohemではライフ・カフェのほかの客たちが観客になって・・・という手を使っていて、なるほど、と思いました。どちらも暖かいシーンになってましたね。「サンタフェ」っていつも泣いてしまうのですが、ここもやはり・・・(笑)

冒頭、Seasons of Loveで始まるというのは知っていましたが、それが予告で流れていた舞台の上で歌っている映像だというのも予想していたのですが、それでもいきなりボロボロ泣いてしまいました。条件反射もあるかもしれませんが・・・(笑)
RENTはちょっと迫力が足りなかったかなーと思いましたが、燃える紙切れが窓から降っていく光景は綺麗でした。
その後も、好きな曲ではお約束のように泣きましたが(笑)ライフサポートの場面の曲は一番好きなのでやっぱり(笑)
クリスマスベルの曲がなくてちょっと残念でした。まあカットしても上手くまとまってはいましたが、別にあれくらいあっても良かったと思うけど・・・何回か出てくるから、全部ないと意味ないし、思い切ってカットしたのかな。
モーリーンとジョアンヌの婚約にはびっくりでしたが、なかなか状況としては面白かったかも。モーリーンとジョアンヌのエピソードは舞台では確かに少なかったので、上手い書き足しかもしれません。パーティーに出てるロフトの仲間たちには違和感でしたが(汗)ジョアンヌの両親が理解があるのも。モーリーンの両親はのんびり系で、ありそうな感じで良かったですが(笑)
そう言えばジョアンヌのタンゴドレス姿にも違和感あったな・・・(汗)ジョアンヌはスカート履いちゃいけないと思います~(汗)
モーリーンのライブ、観客がモーモー言い出しただけで警官が乱入するのは、「中国じゃないんだから・・・」と違和感でしたが(汗)
エンジェルが入院した後、皆でお見舞いに行っていたのがちょっと嬉しかったですね。舞台では寂しい死に方だったから・・・このあたりもクリス・コロンバスの思い入れを感じるような気がしました。
最後、舞台ではエンジェルが走ってくるところどうするのかと思っていたのですが・・・あれにはやられました~! これも映画ならではの表現ですね・・・
そして、その余韻もさめやらないまま、私が一番好きなライフサポートの曲(Will Iという曲なんですね)のバックだけが流れ続けるのが・・・もうダメでしたね~

そうそう、日本の舞台を見たのは大分前だし、歌詞もよく聞き取れていなかったので、字幕を見ながら、実はわかってなかったことが結構あるなあと思いました(汗)
エビータって犬の名前だったんですね・・・(汗)しかもその前のアキータって秋田犬のことだったんですか(汗)(エキータだと思っていた・・・)他にもいろいろありましたが、これが一番衝撃でした(笑)
でも、字幕結構誤訳してませんでしたかね。最後の方のロジャーとミミの会話も、「そこまで意訳して全部書かなくても・・・」と思いました。(I should tell youのあたりのことです)

というわけで、舞台を超えたとは言えないし、舞台そのままともいえないけれど、充分に舞台の良さを映像に残してくれた、という点に感謝したいような気持ちです。
5月中は確実に上映しているそうなので、もう一度観に行こうかな。

というわけで今年見た映画の順位。
1.ナルニア国物語第一章ライオンと魔女 / 2.RENT / 3.
ロード・オブ・ウォー / 4.僕の大事なコレクション / 5.スタンドアップ / 6. ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス /7.キングコング / 8.ハリーポッターと炎のゴブレット / 9.V・フォー・ヴェンデッタ / 10.DOOM / 11.プロデューサーズ / 12.PROMISE / 13.フライトプラン
それでもナルニアより下だったりして(汗)ナルニア、このまま首位を突っ走って行くのでしょうか!?
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トールキンアンサンブルの4枚組みCDが届きました!

2006年05月13日 | 指輪物語&トールキン
今日、トールキンアンサンブルの4枚組みのCDが届きました!
私が買った時は原価割れ?で3千円台の格安でしたが、今見たら定価の倍の12000円くらいになってました。うーん品薄なんでしょうか・・・
今から買うなら米amazonか英amazonがいいかもしれませんね。

で、このCD、あけてみてびっくり。今まで出た4枚のCDがセットになったものかと思ってたんですが、違ったんですね~。
なんと、今までのアルバムに入っている曲を、作品中に出てきた順番に収録したものだったんです! なるほど、確かにこれはCOMPLETE SONGS & POEMSですね! 1,2枚目がFotR、3枚目がTTT、4枚目がRotKの曲となっています。
私のように1枚目、2枚目のアルバムを持っていない人は、聞いていない曲を抜き出して聴こうとすると結構大変ですが(笑)
なるほど、これなら今までのアルバムを持っている人にも購入意欲が湧くでしょうね。アルバムにはそれぞれのアルバムなりの選曲と曲順のコンセプトがありますから。
公式サイトによると、多くの曲がレコーディングしなおされているそうですが(教えていただくまでこの事実には気がつかなかったのですが(汗))、残念ながらクレジットからはどの曲がレコーディングしなおされているかはわかりませんでした。聞き比べないとわからないでしょうか・・・(笑)
同梱されているブックレットは、カラー刷りの豪華なものでした。と言っても基本的にモノクロなんですが・・・(汗)時々カラー写真が入るのと、上下のテングワールが黄色(金色のつもり?)なのくらいで。
デンマークのマルグレーテ女王のイラストがかなり大量に収録されているのも魅力だと思いますが、これがまた白黒なのですよね(汗)
もちろん全部の歌詞が載っていますし、カラー写真入りでトールキンアンサンブルのメンバーやレコーディングに参加した人たちの紹介がありますし、昨年夏にデンマークで行われたコンサートの写真もありました!(確か8月だったのですが、ダウンジャケットを着ている人がいるのはなぜ?(汗)さすが北欧・・・)
まだ聴いていないのですが、聴いたことがない曲を聴くのも、話の進行順になったものを聴くのも楽しみです! ああ、ちゃんと最後灰色港で終わっています!(当たり前と言えば当たり前ですが・・・)
また聴いたら感想upいたします!
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僕の大事なコレクション(ネタバレ)

2006年05月12日 | 映画
水曜に新宿で見て来ました。
全国ロードショーな作品ばかり見てきたので(これも一応全国ロードショーだけど)、普段見ないような予告ばかり見られて新鮮でした。
ちょっと見てみたくなったのは韓国映画「トンマッコルへようこそ」。ちょっと「ククーシュカ」みたいな話だなと思いましたが(見てないけど)、韓国?の田舎の自然の美しさがいいなあと。そして、シン・ハギョンが出てたので。ちょっと好きなんだなああの人(笑)
あと、予告が上手いなあと思ったのは「フラガール」。南海キャンディーズのしずちゃんがジャージ姿でひたすらフラダンスしている映像の後、「ご安心ください。彼女は立派なフラガールになっています」というコピーが出る予告でした(笑)

さて本編の話です。
久々に映画観て泣きました。「スタンドアップ」以来か(笑)目が腫れるくらい泣きはらしてしまってちょっと恥ずかしかった・・・(笑)
邦題の「僕の大事なコレクション」、まあ仕方ないのかなと思っていたのですが、実際本編を見たら、やはりかなりハズしてるなあ、という印象でした(汗)

ここからネタバレです。かなり重大なネタバレを含みますが、伏字は使いませんので、これからご覧になる方は決して読まれませんように。

3人と一匹を乗せた車がどんどん人里離れて行くにつれ、少しずつ少しずつ、過去の中へというか、夢の中で入って行くかのような世界観?が好きだなと思いました。
最後にジョナサンがアメリカに帰ってきた時に、旅の間に出会った人々が違う姿で空港にいて・・・というのも、夢から覚めたような雰囲気で、好きだなあと思いましたね。
ユーラシア大陸北部の自然の美しさにも不思議な郷愁を感じました。実際にはプラハで撮影したそうですが。
旧ソ連圏には行ったことがありませんが(モスクワで乗り継ぎはしたけれど)、ウランバートルとかウルムチとか、北京なんかにも似たような雰囲気はあったなあと、懐かしく思いました。
レストランやホテルの殺風景でわびしい感じも、愛想がないのを通り越して怖いレストランのおばさんも(笑)
面白いなと思ったのは、日本人の私としは、異文化で経済的に格差もある異国にいるアメリカ人のジョナサンにも、アメリカに行ったことはないのに妙な誤解で憧れているアレックス(孫)にも共感するところがあるなあ、と感じたことです。普通のアメリカ人が見たらどう感じるのでしょうか?
ジョナサンにとってはオデッサも夢の中に入ったようなところだったと思いますが、次第に知らない土地に人里離れて行くアレックスたちもまた、夢の中、過去の中に入って行き、その中で静かに生まれていく3人の絆が、美しい自然とともに静かに心に染みました。
ホテルの部屋で電気が消えて真っ暗になったあと、それまで憎まれ口を叩いていた祖父アレックスが「あれはいい男だ。力になってやらねば」というシーンなんかじわっと来てしまいました。
またサミー・ディヴィス・Jr.Jr.がこの3人の緩衝役として効いてましたね。とにかくかわいいし(笑)動物のかわいさに頼る使い方は好きじゃないけど、この作品では重要な存在だったなと思います。
最後に犬嫌いだったジョナサンがJr.Jr.にキスして「お前と一緒にいられて楽しかったよ」なんて言っていたのもなけました。ってこのあたりは既にボロ泣きだったのですが(笑)
静かに夢の中に入って行くように、静かに過去の扉が開いて行き、その先には、思いもかけない過酷な過去の真実が待っていました。
それでも、その辛い過去も、Illuminated=照らし出され、明らかにされるという意味だけでなく、どこか肯定的に、明るく彩るという意味も含んでいるように感じました。
そのことが、ユダヤ人の迫害というシビアな題材を扱っていて、決して目を逸らしてはいないのに、むしろ人間的な暖かさを感じるような描き方につながっているのかなと思ったりしました。
原作者は主人公と同じ名前の、ジョナサン・サフラン・フォア、1977年生まれの若い人だと知って納得。実際には戦争もホロコーストも体験していない世代の、それでも自分の祖先にあったことを知りたい、受け止めたい、という気持ちが結実したような物語だと思いました。これは、戦争を体験していない世代の日本人である自分の気持ちともしっくり来るように思いました。
ジョナサンのものを集めるという行為。「忘れてしまうのが怖いんだ」というジョナサンが物を「取っておく」のは、その一瞬一瞬を愛しているからなのだなと思いました。ポテトを床に落として食べられなかったことも、子供に悪戯でタイヤの空気を抜かれたことも。
その同じ行為を、アウグスティーネの姉(名前出てこなかったですよね?)は、より重い意味でやっていました。彼女の行為を見ることで、ジョナサンの一見滑稽で奇妙な行為の意味が明らかになるのも心に染みました。
終盤、「万一のために」の箱をジョナサンが渡されるあたりから、ほぼジョナサンと同じタイミングで泣き始め(笑)そのまま最後までかなり泣いてしまいました。
「指輪が呼び寄せた」というあたりのアウグスティーネの姉の解釈は、現代に生きる若い世代のユダヤ人の解釈だなあ、なんて風にも思えました。過去の真実を見つめ、その真実を今の自分、未来につなげるというような明るい解釈に思えて。
イライジャ・ウッド演じるジョナサンは、ずっと表情に乏しい静かなキャラクターですが、そのせいか最後にアレックス(孫)に「ジョンフェン!」と呼ばれて微笑むところでグッと来てしまいました。
祖父の墓にブロド川の土をかけながら微笑むところも・・・この旅でのジョナサンの成長も感じさせました。イライジャの演技力ですよね~。
しかし、字幕では途中からアレックス(孫)は普通に「ジョナサン」と呼んでいましたが、私にはずっと「ジョンフェン」に聞えたのですが・・・気のせい?
アレックス(孫)役の人は実際にウクライナを亡命して来た人で、現在はアメリカでミュージシャンをやっているそうですが、軽くていい加減なようでいて実は暖かい人柄なキャラクターがとてもぴったりで、良かったです。
そして祖父アレックスがサングラスを外すと泣きそうな表情なのがたまらんなあと思っていましたが、あの寂しそうな笑顔のまま逝ってしまうなんて・・・
祖父アレックスの死は衝撃でしたが・・・その死の理由ははっきりとは理解できませんが、その静かな死に顔と、しずかにそばにたたずむ孫アレックスの姿も心に染みました。
最後に、祖父アレックスの墓の前で座り込むサミー・ディヴィス・Jr.Jr.、明るくじゃれ合いながら走って行くアレックス(孫)と弟とJr.Jr.、その静かで明るいラストも良かったです。直前のジョナサンの祖父の墓のシーンとの対比も良かったですね。
最後まで見てから、あらためて前の方のシーンを見ると色々と思うところが違うんだろうなあ。また見てみたいような気も・・・
色々と謎もあるのですが。祖父アレックスは自分がユダヤ人だということは隠していたようなのに、なぜ一家はユダヤ人の人探しをしていたのか。父アレックスは祖父アレックスの過去を知っていたのか、とか。
原作では映画と色々と設定が違うところもあるそうで、読んでみようかなあと思いました。
とにかく、じんわりと心に染みる素敵な作品でした。

というわけで今年見た映画の順位。
1.ナルニア国物語第一章ライオンと魔女/2.ロード・オブ・ウォー / 3.僕の大事なコレクション / 4.スタンドアップ / 5. ヒストリー・オブ・ヴァイオレンス /6.キングコング / 7.ハリーポッターと炎のゴブレット / 8.V・フォー・ヴェンデッタ / 9.DOOM / 10.プロデューサーズ / 11.PROMISE / 12.フライトプラン
良かったんだけどロード・オブ・ウォーより下に・・・ロード・オブ・ウォーそんなに良かったのか!? 自分の記憶に自信がありません・・・(汗)
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来た~! 夏のLotRシンフォニースケジュール!

2006年05月12日 | 指輪物語&トールキン
夏の旅行、サンディエゴかイギリスかNZか・・・と悩みつつ、いよいよサンディエゴかな、と決意を固めかけていて、ホテルも調べたりして、ついでにメキシコ行くかな、なんて計画したりして、来週末には飛行機取りに行くかな・・・と思っていたら、TORnでLotRシンフォニーのサマーシーズンスケジュールが出てきました!!!
いやでも実は昨年も5月に夏のスケジュールが出ていたようなので、もしかしたら・・・とは思っていたのですが。
ああ、良かったサンディエゴで妥協することにならなくて(笑)
色々出てますが、7/14、15のサンフランシスコでは100回目の公演を迎えるそうです!
うーん、このあたりショアが振りそうな気がしますね。7/20のサンディエゴが最初ショアの予定だったのに指揮者未定になったのは、もしかするとサンフランシスコのせいかも・・・なんて思ってしまうのですが。
公式サイトにはまだ何にも出ていないのでどうだか全くわかりませんが。
ちなみに私が行った2月のクリーブランドは90回目の公演だったんですよね。
オケもホールも良さそうで、これでショアが指揮だったらかなり決定打、と言いたいところですが、私は日程的に無理でございます~(汗)まあ、アメリカは旅行先としてはあまり・・・なのでそんなに悔しくもないですが。
この中で私の気を引くのは、7/28のニュルンベルクですね。日程的にもドンピシャですし。
都市名だけ見て、ニュルンベルク交響楽団の公式サイトを見てしまったのですが、場所はニュルンベルクだけど、演奏はなぜかロイトリンゲンのオケなのですね。そういやトロントでもトロント交響楽団じゃなくてキッチナーのオケが演奏してました。
昨年のNDRポップスオーケストラもハンブルク交響楽団の本拠地のライスハレ・ムジークハレでやってくれたらよかったのに・・・
でも、ホールがMaistersingerhalleって、なんか名前からして良さそうな(笑)どうやらニュルンベルク交響楽団の本拠地なのかな?
クラシックファンの感想によると、そんなに素晴らしいホールというわけではないようですが、もう体育館でなければokです(笑)あ、でもロンドンのロイヤルフェスティバルホールよりは音響いいといいなあ・・・レコーディングもしているようなので大丈夫かな。
しかし、このロイトリンゲンのWürttembergische Philharmonieの公式サイト、まだ7/28のスケジュールが出ていないのはともかく、オンラインチケット販売のページにはつながらないし、情報もあんまりなくて、チケット買えるのかはなはだ不安ではありますが・・・
でも海外チケットの入手にも大分根性がついて来たので(笑)オンラインだめだったらメールでもfaxでもとにかくなんとかチケット入手してやる!と思ってますが(笑)
しかし2年連続でドイツに行くことになるとは思ってなかった(汗)つい最近、「今年もドイツ行くの?」と聞かれて、「ドイツには行かないと思いますけど」と答えたばかりだったのに・・・(笑)
ドイツ語も、帰国した瞬間に勉強するのやめてたし(笑)
でも、ちょっとでも勉強したおかげで、昨年いきなりドイツ語サイトをウロウロした時よりも大分マシな状況でしたけど。少なくとも名詞、動詞、助動詞くらいの区別はつくようになりましたので(笑)
ニュルンベルクならミュンヘンにも行けるので、昨年断念したミヒャエル・エンデのお墓にも行けるし、トーマス・マンめぐりのミュンヘン編もできる・・・かな?
またあの美味しいソーセージとパンが食べられるのも嬉しい(笑)あ、昨年感動したパンは北ドイツのだから今回は食べられないかな。
というわけで、まだ決定ではないですが、夏の予定が風雲急を告げております(笑)
はてさてどうなることやら。
そろそろいい加減にトロント・クリーブランド旅行記upしないとなあ・・・(汗)
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フロドの一番の親友は?

2006年05月11日 | 指輪物語&トールキン
フロドの一番の親友は、と聞かれて、「そりゃサムでしょ」と思いそうですが、これは映画の影響ですよね。
原作では、年齢の差もあるし、身分の差も結構はっきりあって、フロドとサムの関係は「親友」とは違うでしょう。まあ、指輪を棄てる旅から帰るころには、普通の「親友」という言葉ではくくりきれないほどの深い絆ができていたと思いますが・・・
映画も、親友とは違うような気がしますねえ。原作ほどではないけれどやっぱり身分の違いが多少はあるし。やはり旅を続けて行くうちに親友になって行ったような感じがするでしょうか。いや、緑竜館に一緒に飲みに行ったりしてたし、やっぱり最初から親友・・・かな?
実は、フロドの一番の親友はメリー、という結論に達したかったのですが(笑)考えてみたらそれもちょっと違うような気がして来ました(汗)
原作ではメリーもフロドと年齢差ありますしね。原作でのメリーのフロドに対する態度は(ピピンもそうですが)親友というよりは、敬愛する年上の従兄弟(正確には従兄弟ではないですが)という感じですよね。
映画なら同年代だし、親友って感じするかなあ?
考えてみれば、フロドはビルボに引き取られるまでブランディ館で育っているわけで、メリーとは一緒に住んでいたということですよね。まあ、ブランディ館での暮らしがどんなものかちょっと想像できないですが・・・
親友というよりは家族に近いようなものだったかも、とも思えます。
「でも、メリーの一番の親友はピピンでは?」と思いそうですが、これも映画の影響かな・・・
原作では、よくよく読んでみると、メリーとピピンが特に二人でつるんでいた、というわけではないんじゃないかなと。ホビット庄にいたころは。このあたり、映画の影響というよりも、二人セットでウルク=ハイに攫われた以降の展開の印象が強いからかも・・・
旅にはついていかなかったけれど、でぶちゃんフレデガーもフロド一味?としてはかなり仲が良かったと思われます。メリーはでぶちゃんの妹と結婚してますしね。
メリーとピピンの二人の友情の絆が深まったのは、二人でウルク=ハイにさらわれ、その後別れ別れになり・・・という展開の結果じゃないかなあと思います。
まあ、メリーとピピンは実際に従兄弟同士の近い血縁関係にありますが。親友というよりむしろ兄弟のような関係かも・・・
というのもやっぱり映画の影響のような気がします。映画ではあからさまに兄と弟の役割にさせられてましたから・・・原作ではあまりそういうのはないですよね。
RotKのSEEで、メリーがピピンのことを「いつでも僕のあとについてきた」というようなことを言っていましたが、あのシーンは好きながら、そんなことあるかなあと思ったり・・・
というのも、メリーが住んでたバック郷とピピンが住んでたトゥック郷って結構離れてるんですよね。そんなにしょっ中一緒にいたなんてことあり得るのかなあと。
まあ、従兄弟同士ですし、週末ごとにお互いに泊まりに行ったりとかはしてたかもしれないけど・・・
そもそも、原作でのフロド、メリー、ピピンたちというのは、同年代の友達付き合いがなかったビルボが仲良くしていた・・・というか、ビルボを取り巻いていた「歳若い従兄弟たち(正確には従兄弟ではないですが)」だったわけですよね。
ビルボがいなくなったあと、その中で一番年長だったフロドを今度は他の従兄弟たちが慕うように取り巻いて・・・という感じがします。
で、メリーとピピンはその中の二人で、メリーとピピンが特に仲が良かったというよりは、メリーとピピンが特にフロドと仲が良かった、ということのような気がします。
その中でも、子供の頃一緒に育った?メリーが特にフロドと仲が良い・・・と思ってたんですが・・・
HoMEシリーズのThe History of the Lord of the Ringsによると、メンバーも名前もコロコロ変わっていたフロドの友達のホビットたちの中で最初に決定稿と同じ名前が定着したのはメリーだったそうですが、そのメリーの名前が出てきた後に、「フロドの一番の親友」として、ピピンの前身と思われるホビット(確か)の名前が書かれていたところがあって、「またピピンですか教授!」と思ってしまった私・・・(汗)(毎度ですがHoMEシリーズの内容についてはふむ道、小道、数多くさんを参照させていただいております)
余談ですが、映画ではフロドがメリピピと抱き合う場面が3回ありますが、3回とも律儀にまずメリーから抱き合っているのがなんとなく微笑ましいのですが・・・(笑)

とまあ話がそれまくりましたが、こうして考えてみると、フロドにはもちろん素晴らしい友達がいますが、「一番の親友」というような、対等な立場?の親友はいなかったのかな、と・・・
まあ、ビルボもそうですが、別に同年代の親友がいないからどうということはないのですが、なんとなくそんなフロドには孤高の人とでもいうようなイメージがあるなあ、なんてことを思いました。
これは原作の話ですが、映画のフロドは同年代の友達に恵まれているような感じがしますね。
でも、映画のフロドも、あまりにも物分りの良い、素直な若者すぎて、周りに甘えていないような印象はあるなあと思います。このあたりは、もしかしたら原作以上かも・・・なんて思うのは私だけかな・・・

と、なんだか話がまとまりませんが(汗)まあ「フロドの一番の親友は?」というお題からこんなことをつらつらと考えてみました。
コメント (4)
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「ホビット一族のひみつ」読了

2006年05月08日 | 指輪物語&トールキン
読了ってほどの量の文章じゃないんですが・・・(汗)なんでこんなに読むのが遅いのか、という感じです。面白いのに・・・
というわけで昨日やっと読み終わりました。やっぱり面白かったです。
前にトゥック家やブランディバック家について書きましたので、それ以降で面白かった話などを。
まずはドワーフたちの名前ですが、13人のドワーフとガンダルフの名前がアイスランドの散文詩「エッダ」に出てくるという話は、「或る伝記」か何かにも出ていたと思います。
この本では、さらにそれらの名前が、「エッダ」に出てくるドワーフの名前のリストに出ているものだということが書いてありました。
トールキンはこれらのリストをドワーフの叙事詩だと解釈して、ドワーフの物語を作ったのだろうと、筆者のディヴィッド・デイ氏は書いています。
そう言えば、以前「イリアス」を読んだ時、トロイ戦争に参加したギリシア側の戦士たちの名前が延々と出てくるくだりや、戦死したトロイ側の戦士の名前のリストが出てくるくだりがあったのですが、古典の叙事詩にはこういうリストがよく出てくるらしいですね。
「指輪物語」でも、ペレンノール野の戦いのあと、戦死した勇士たちの名前が連なっている場面が出てきますね。
名前が連なっているだけでつまらないな・・・と思いがちですが、トールキンはこうした名前からも想像力を膨らませたんでしょうね。
この中でガンダルフの名前もドワーフの名前だったんですね。魔法を使うエルフ、という意味だそうです。
このGandalfのalfは、elf、妖精という意味のほかに「白」という意味もあるのだそうです。ガンダルフというのは名前自体に「白の魔法使い」という意味があったというのですね。
トールキンは、ガンダルフという名前を使うことにして、そこからガンダルフが白の魔法使いになるという筋を思いついたのかもしれませんね。
ちなみにこのガンダルフという名前、最初はドワーフの一人だったのが魔法使いの名前になったそうで、これも名前を見ているうちに思いついたことなのではないでしょうか。
他のドワーフたちも、ちゃんと名前に見合った性格や風貌になっているそうで、トーリンは「向こう見ず」(トールキンやトゥックとも同じような語源かも)、バーリンは「燃えるもの」、ボンブールは「ふくれた」という意味だそうです(笑)
面白いのが、グローインは「輝くもの」というなんだか素敵な名前なんですね。旅の中では特に個性はなかったですが、案外ギムリの父親に選ばれた?のはこの名前のせいかも、という気もしますね。
あ、ちょっと面白かったのが、トーリンの妹でフィーリとキーリの母親のディスという名前、単に「妹」という意味なんだそうです。て、手抜きなネーミング(汗)
この他、このリストからはドゥリンはもちろん、スライン、スロール、ダインなどのドワーフの名前が採られているそうですが、何も書いてないということはどうもギムリはこのリストから出た名前ではなさそうです。
うーん、もう少し踏み込んでギムリの名前の由来も調べて欲しかった・・・「ホビット一族のひみつ」だから仕方ないでしょうか(笑)

あと、フロドの名前ですが、古英語のFrodaは賢い、賢者というような意味なのだそうです。
トールキンは間違いなくフロドの名前に「賢い」という意味を採っていると思います。
というのも、HoMEシリーズのThe History of the Lord of the Ringsに出てくる幻のエピローグに、アラゴルンがサムと家族たちに書いたエルフ語の手紙(ゴンドールの公式な言葉ということなので、シンダリンではなくてクウェンヤなのかな。よく知らなくてすみません・・・)が出てくるのですが、その中でご丁寧にもサムの家族の名前が全員エルフ語に訳されているのですよ。
この中で、フロドの名前の一部に、「サムワイズ」のwiseにあたるのと同じ言葉が使われているのです。なんでかなーと最初読んだ時には思いましたが、これを読んで納得しました。
面白いのは、やはりThe Histoy of the Lord of the Ringsに出ている草稿では、フロドは最初は主人公の名前ではなかったんですよね。一緒に旅に出る友人の一人の名前で、後に主人公の名前に採用されたのだそうです。(このあたりは自分で読んだのではありません。ふむ道、小道、数多くさんで要約されているものを読ませていただいているだけです(汗))
主人公の名前がフロドになったのは、ビンゴというちょっと間抜けな名前だったのが話がシリアスになるにつれて似合わなくなって来たため、やむなく?名前を変えたということです。それでもしばらくはあまり主人公の名前としては気に入らない様子だったようですが・・・他にいいのを思いつかなかったのかな(汗)
フロドという名前のキャラクターは、最初は単に賢い友人、といった位置づけだったのかもしれませんね。
ただ、立場的にはピピンに近い感じのようでしたが・・・フルネームも「フロド・トゥック」だし。ピピンをもうちょっと賢く(汗)したような感じ?(汗)
ちなみにトゥック翁の名前も最初はフロドだったとか。
主人公としては今ひとつ、と思いつつも、主人公の名前にスライドするくらいですから、重要な名前ではあったんでしょうね。
でも、ピピンの立場に近いキャラクターが「フロド」だったことで、やっぱりトールキンはメリーよりもピピンが大事なんだなあ・・・とちょっと僻むメリー好きの私(笑)

前にも書いたことがあるのですが、ピピンの「ペレグリン」という名前は古英語で「放浪者」という意味なのだそうですが、これもThe Histoy of the Lord of the Ringsによると、アラゴルンの前身であるトロッターというキャラクターがホビットだという設定だったころの名前が「ペレグリン」だったのだそうで、そこから来ているのか、と思うとなるほどなー、です。

というわけで、楽しんで読みました。難しげな語学の話を簡単に書いてくれてたのが良かったなと。語学苦手な私でも興味深く言語学の入り口に入れたように思います。
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