今日は全国的に晴れの地域が多かったようですけど、このあたりは一日中どんよりとして曇り空、気温も上がらず、前日との気温差で風邪でもひかないかと心配であります。
♪ 昔昔、浦島は
助けた龜に連れられて、龍宮城へ來て見れば、
繪にもかけない美しさ。
乙姫様の御馳走に、鯛や比目魚の舞踊、
ただ珍しくおもしろく、
月日のたつも夢の中。
遊にあきて氣がついて、
お暇乞もそこそこに、歸る途中の樂しみは、
土産に貰つた玉手箱。 ♪
えっ? 何で突然『唱歌浦島太郎』かって?
じつはね、先日、「寒くなってきたので布団を入れ替えたいから、出してくれる。」との家人の命令に、押し入れをゴソゴソしていたら、息子が使っていた絵本が入った段ボール箱をみつけまして、その中にあった『日本昔話 浦島太郎』を見て、ちょっと思い出した面白い話をここでしてみようかと・・・・
『浦島太郎伝説』は、古くは丹波国(丹後と丹波が同一国だった西暦713年以前)の風土記が原型とされ、『日本書紀』や『万葉集』にも出てくるじつに古い話です。
『日本書紀』では、端の江の浦島子なる人物(これが浦島太郎ということになるけど)は実在の人で、それ故にこの時(日本書紀編纂期)には、まだ戻ってきていない状態であったようです。実際に戻ってきたのは『水鏡』『古事談』などによれば、西暦825年だったらしいですから、浦島子が消えたのは、それから300年以上前、西暦500年頃ということになります。
明治以降、かなりの部分を修正して、子供向けの昔話に書き換えられたわけですが、子供向け昔話というのはこのパターンがとても多いですよね。
なに?ちっとも面白い話じゃないって? まぁまぁ
子供向けになったということは、それ以前は子供向けじゃなかったということですよ。
浦島子は、舟を出して釣りをしておりました。すると大きな亀を釣り上げてしまいます。釣りに疲れた浦島子が、ウトウトしてふと気が付くと、女性が舟に乗っているではあぁぁりませんか。こりゃビックリ、亀が美女に変身してしまったのでありました。
あまりにいい女だったので、浦島子はついムラムラっと来て・・・・・・・、二人は舟の上で結ばれたのでありました。そしてそのまま蓬莱山に向かった二人は、そこで楽しい日々をおくりました。
浦島子は、美女の白い肌を抱いて、玉のような体を撫で、細い腰をやさしくいたわり、その美しさを口にしながら、交わりの限りを尽くします。それはまるで、「魚比目之興、鴛同心之遊」・・・・もうここでは書けないような楽しさだったそうで、時がたつのも忘れてしまうほどだったそうであります。
「魚比目之興、鴛同心之遊」とはなにか?
これは説明しにくいですねぇ・・・・福田和彦氏の『江戸の性愛学』という本ででも確認してください。
さて、ここで『唱歌浦島太郎』です。作詞は小隅黎先生とも言われていますが、どうもこの『魚比目』をヒラメのことと勘違いしたらしいというのです。
つまり、「鯛や比目魚の舞踊」は、とても少年少女に歌わせられるような踊りではなかったということ
ははははは、ちょっと「魚比目之興、鴛同心之遊」の意味を知りたくなったでしょ、あんたも好きねぇ・・・なんちゃって
いやはや、下話ばかりになってしまった感があります。
ちょっとだけ、雑学を
光速に近い速度の宇宙船で旅をしてくると、船内と停止している地球上では、時間の進む速さが変わってしまう。つまり地球に帰ってきたときには、自分は年を取っていないのに、周りの人はとんでもなく年を取っているということ、これを「ウラシマ効果」といいます。
この「ウラシマ効果」の名付け親は、SF翻訳家・作家であり、日本最古のSF同人誌「宇宙塵」主宰者の柴野拓美が命名したと言われています。
いやはや、息子の絵本から、これだけの話を思い浮かべれば、これもこれで良しということで・・・・・・・(笑)
さて、今日の一枚は、ひょっとしたらプレスティッジが「二匹目のドジョウ」をねらって出したのかもしれないアルバムです。
それは、以前紹介した、ドナルド・バードとアート・ファーマーのライバル対決盤「TWO TRUMPETS」が好評だったのをいいことに、このアルバムを企画したのではないかとも思われるからです。
それでも、「TWO TRUMPETS」ほどの出来ではないものの、そこそこ楽しめる一枚だと私は思っています。
THREE TRUMPETS
1957年1月26日録音
ART FARMER, DONALD BYRD, IDREES SULIEMAN(tp) HOD O'BRIEN(p) ADDISON FARMER(b) ED THIGPEN(ds)
1.PALM COURT ALLEY
2.WHO'S WHO
3.DIFUSION OF BEAUTY
4.FORTY QUARTERS
5.YOU GOTTA DIG IT TO DIG IT
追伸、
浦島子たちが向かった 蓬莱山は、山ではなく、海の上に浮かび漂う島のことだとされています。また、「ウラシマ効果」は、欧米では「リップ・ヴァン・ウィンクル効果」と呼ばれております。