JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

料理番組に時代が見える

2008年01月21日 | j-l

今日は『大寒』・・・・・だけど寒いという話はもうよしましょう。それで暖かくなるわけじゃありませんもんね。(笑)

ということで、毎週料理当番をこなす私としては、今日がもう一つ気になる記念日であることを紹介しようかと思います。
今日、1月21日は『料理番組の日』なんだそうで、1937年、昭和12年といいますから、今から71年も前のこと、イギリスはBBC放送で初の料理番組『夕べの料理』をはじめた日なのだそうです。
料理を担当したのは「料理は化学ではありません。芸術です。ぴったり計量することではなく、本能と趣味が必要なのです。」という言葉を残したという、当時のイギリス版料理の鉄人マルセル・ブールスタン。メニューは『オムレツ』であったとか。


これはオムレツじゃなくて私の作ったオムライスです。(笑)

これを聞いて、私はてっきりラジオ放送かと思ったのですが、なんとテレビ放送だったんですねぇ。
イギリスBBCがテレビ放送をはじめたのは1936年の11月2日だったそうですから(試験放送は1929年開始)、かなり初期の段階で料理番組が始まったということになります。
ちなみに日本では日劇ダンシングチームの初公演が開かれた年だったそうですよ(ハハハハ、関係ないか)

難しいことはよく分かりませんが、
円板による機械的送像方式(走査線240本、毎秒送像数25枚)とアイコノスコープ撮像管を使用する電子式送像(走査線405本、毎秒送像数25枚)方式とによる両方式併用の形で放送を開始し、三ヶ月後に機械方式の放送を中止したそうで・・・・・・・
って、何言ってるか分かんないでしょ、詳しく知りたい方は自分で調べてください。
つまり、方式が完全に確立しないうちからイギリスではテレビ放送が始まっていたということですよ、凄いですよね。いったいどのくらいの人が、そしてどんな階級の人が、その放送を楽しんでいたのでありましょうか?

え~と、それじゃ日本での料理番組のパイオニアは?といえば、BBCから遅れること20年、1957年、昭和32年11月4日に始まったNHKの『きょうの料理』であります。(今でも続いているって、これも凄いことですけど)
テーマ音楽は富田勲が前日の11月3日に依頼を受け一晩で書き上げたのだそうで、才能とは恐ろしいものです。
10分間の生放送で、第一回のテーマは「今月の食事プラン」、四人に一人が栄養不足といわれた当時、まずは栄養の必要性を栄養士近藤とし子さんに解説してもらう、というところから始まったんだそうです。
以降は一食30円を目安に手軽な食材で美味しいレシピを紹介していったのだとか、ちょっとでも材料や調味料をタップリ使うと「贅沢すぎる」という抗議が殺到したそうですから時代ですねぇ、そんな中レシピを考えた先生方も大変だったでしょう。

最近は人気タレントが高級食材を「とっても喰えねぇだろう」てな料理をして、食べた人の苦しむ顔を楽しむなんて番組もあったりして、いかに我々が贅沢になったかという証でもあります。

イギリスBBCの話にしても、『きょうの料理』の話にしても、『料理番組』はその時代を多いに反映したテレビ番組なのかもしれません。

ともかく、料理当番を担当する私としては、今後も『料理番組』を多いに活用させていただこうと思ったわけで・・・・・でもほとんど見る機会が無いんだよなぁ。
たまには教育テレビの『きょうの料理』夜の部でも見てみましょうか。

さて、今日の一枚は、リー・コニッツのピアノレス・トリオです。
この時期になると、クールのコニッツは完全にウォームのコニッツへと変身しています。まぁ、かなりエルビンに触発されているということもあるんですけどね。

じつはこのアルバムは、やり直しレコーディングを発売したというものでして、コニッツは同じ月にピアノレス・トリオを、ソニー・ダラース、ニック・スタビュラス(ds)というメンバーで録音しています。(しかも3日間もかけて)
ところが、どうにもドラムがしっくり来ない、そこで同じフォーマットでやり直そうということになったわけです。

当初、コニッツはマックス・ローチの参加を望んだようですけど、これは契約上難しい、そこでローチの推薦を受けたエルビン・ジョーンズを起用したのだとか、正解でしたねぇ、大正解。
スタンダードを揃えながら、まるで新しい曲を聴くような。
コニッツとエルビンが互いに刺激し合って、まさに相乗効果を生み出していると思います。
ピアノレスでこれだけ聴かされれば「ピアノなんていらねぇじゃん」みたいな(笑)
お勧めの一枚です。

MOTION / LEE KONITZ
1961年8月29日録音
LEE KONITZ(as) SONNY DALLAS(b) ELVIN JONES(ds)

1.I REMEMBER YOU
2.ALL OF ME
3.FOOLIN' MYSELF
4.YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
5.I'LL REMEMBER APRIL

追伸、
今日のアルバムを今まで紹介しなかったのは、アルトを吹くコニッツが真ん中に一人配置された黒いジャケット(おそらくそれがオリジナルだと思います。)を手に入れたらと考えたからかもしれません。
ところが、説明したニック・スタビュラスがドラムを担当したテイクも全て網羅した3枚組のCDも発売されておりまして・・・・
どっちを探すべきでしょうか?