JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

自業自得疲れ

2008年01月20日 | a-c

もう寒さには少々飽き飽きしてしまいますが、冬ですからね、まぁしかたがないでしょうか。今日は西日本の太平洋側でも雪が降ったようで、それでもセンター試験には影響が及ばなかったとか、良かったですね。

昨晩は、昼間のまったりムードを引きずりながらバーボンなどを嗜んでおりますと、
「バブちゃん、飲み行くよ飲み」
と、Mさんからの電話。すでに時計は10時半をまわり
「えっ?今からですか?・・・・俺もう飲んじゃってますよ」
「今、やっと仕事が終ってさ。飲みたい気分でいっぱいだから付き合ってよ。迎えに行くし」
結局、夜の11時からの飲み会となってしまいました。とうぜんですが、帰宅は朝の4時過ぎ、さすがの私も今日は朝飯と昼飯がいっしょになってしまいました。
半日寝てしまうと休日もあっという間に終わってしまいます。午後から買い物に出かけ一息つけばもう料理当番の時間になってしまいました。

そこで『料理当番、今日の一品』

今日はワンプレート盛りにして、私以外は鶏の茸クリームソース添えをメインにしました。
付け合わせは、スパサラ、人参、ジャガイモ、それに肉肉ですが豚のコマがほんの少々残っていたので水菜とおろしポン酢を添えて盛ってみました。
えっ?私? 私はですねぇ、飲みたかったのですが昨晩のこともあり、ビール一杯だけにして茸クリームソースをおろしポン酢にして、米をいただきました。(めずらし~~)

夕食を食べ終わったら、何だか眠くなってきてしまいました。
疲れてるんですねぇ・・・・・もちろん『飲み疲れ』いわば『自業自得疲れ』なんですけどね。(笑)
明日に引きずらないよう、今日はこのへんにして寝ることにします。

さて、今日の一枚は、オーネット・コールマンです。
「なんでまた、疲れているときに」と思われます?
でも、こういう時にこのアルバムを聴くとけっこう良かったりするんですよ、私の場合。

このアルバムは、映画「チャパカ」のために作られた四部構成の組曲です。(といっても、結局は映画にこの曲が使われることは無かったんですけどね。)
私はこのアルバムなど聴くと「オーネット=フリー」という考えがはたして正解なのか?と考えてしまいます。もちろん、いつものオーネットがここにもいるんですけど、「オーネットはメロディーラインを最優先としたフリースタイルなんだ」と改めて感じるのです。
一時期のフリーフリーした雰囲気がいくぶん抜けているようにも思うし、これを魅力無いととるか、それとも・・・・・・・それはあなたしだいです。(笑)

先ほど言ったように今日はひじょうに疲れていますので、このあとコルトレーンの「EXPRESSION」を聴いてから寝ます。
これが私なりの『飲み疲れ』解消法なんですよ。

CHAPPAQUA SUITE / ORNETTE COLEMAN
1965年6月15,16,17日録音
ORNETTE COLEMAN(as,ts) PHAROAH SANDERS(ts) DAVID IZENZON(b) CHARLES MOFFETT(d) + Large Studio Band

Disk-1
1.CHAPPAQUA SUITE Part 1
2.CHAPPAQUA SUITE Part 2
Disk-2
1.CHAPPAQUA SUITE Part 3
2.CHAPPAQUA SUITE Part 4


誰もいない家...最高!

2008年01月19日 | g-i

冬晴れの今日は趣味部屋の掃除を済ませ、恒例の散歩も済ませ、昼食も済ませ、
「今日は出かけるから留守番頼んだね」
・・・・・・・「やったぁ!!!!!」

外の気温など窓越しの陽光を浴びていれば関係ありません。
誰もいない家で、珈琲をたて、レコードに針を落とし、ボリュームはいつもより高め、新聞を開いてゆっくりと読み始める・・・・・・これです、これこそ最高の休日ではありませんか。こうして穏やかな心で新聞を読むと、ちょっとした小説なんかより読みごたえがあります。
なになに

「摩天楼に「ナモアミダブ」 座禅で悟るキリストの教え」
「ジャスティス(正義)は戦争を作り出す。正義から平和は生まれない」「恨みによって恨みをしずめることはできない」ニューヨーク本願寺仏教会住職、中垣顕實(なかがきけんじつ)はそう説きながら、9・11以降毎年ハドソン川での灯籠流しを続けておられるそうです。
「自然に帰れ」と説くのは、禅僧、嶋野栄道(しまのえいどう)、「テクノロジーのおかげで便利になるはずの生活が、ますます複雑になっている。」ハワイで世界に「ZEN」の思想を紹介した鈴木大拙(すずきだいせつ)に出会った嶋野は、所持金わずか5ドルで単身ニューヨークへ渡り、今や二つの寺を開くまでに。
「これからの禅僧は、内典(仏教の経典)だけじゃなくて外典(仏教以外の書物)も読まにゃいかん」との鈴木の教えを受け、仏典を読み聖書を読んでいると、いつの間にか宗教の垣根が無くなってくると嶋野はおっしゃる、カトリック教徒が嶋野のもとへ修行に来て「座禅でようやくキリストの教えが分かった」。

先日、「阪神・淡路大震災」の犠牲になられた方々の御霊に、お坊さんと神父さんがいっしょになって祈りを捧げた旨の報道を耳にしました。これは毎年の事のようですけど、続けて行っていただきたいものですね。宗教の垣根を越えれば、教えも願いも通じ合えるもの、世界の宗教家たちが、信仰あつき人々が、そこに悟りを開いてくれれば良いのになぁ、などと、信仰心のかけらもない私は思うのでありました。
え~~と次の記事は

「ドキュメンタリー映画「ジプシー・キャラバン」 音楽・生活、ロマの素顔に迫る」
ジプシー音楽を起源とする5つの国の音楽グループが、アメリカでおこなった共演ライブツアーに密着したドキュメンタリーで、音楽だけでなくそれぞれの国の事情までかいま見られる映画なんだとか。
ぜひ観てみたい・・・・・ところがこういう映画は、我が町では公開になることはほとんど無く、ネットで調べてみたら、やはり東京か仙台まで出かけなければ観られないようです。
もし、どなたかご覧になった方がいらっしゃいましたら、感想を聞かせていただけないでしょうか? DVD化を待つか、遠出してでも観るか、参考にしたいのですが。
尚、会場日時の確認はこちらで出来ます。

誰もいない家で過ごす休日の午後....やっぱこれが最高でしょう。

さて、今日の一枚は、ハーブ・ゲラーです。
ジプシーからジャンゴ・ラインハルトあたりを思い出せばいいものを、伝説のストリッパー、ジプシー・ローズ・リーを思い出してしまったわけで(笑)
彼女の伝記を題材にしたミュージカル「ジプシー」をジャズ化したアルバムです。

ジプシー・ローズ・リー(本名、ルイーズ・リー)といえば、妹とともに、スター志望だった母親に6歳から舞台に出させられ(しかも逮捕されたストリッパーの代役だったってんですからビックリですが)たという。しかも、いっぱしのストリッパーになってからも母親に子供扱いされて、それに猛反発・・・・、安達祐実や宮沢りえもマッサァオというお人であります。(たしか、ミュージカルの日本版では宮沢りえが出ていたような・・・これはうる覚えですので信用しないように)
おっと、日本にも彼女の名をちゃっかりいただいちゃったストリッパー「ジプシー・ローズ」がおりましたが、あの方とは別ものですのでお間違えの無いように(だれも間違えないって?..笑)
私はナタリー・ウッド主演の映画でこの「ジプシー」を観ましたが、そこには清純派の女優が一皮むける姿を見ましたねぇ、ジプシー・ローズ・リー自身も、ナタリー・ウッドも、安達祐実も、宮沢りえも、女性の変身は男には理解できない、いや、絶対に真似の出来ないものであります。

あらららら、また話がすっ飛んでしまいましたね。
このアルバム、好き嫌いで言わせていただくと「それほどでもない」といった感じ、ただ、ジョーンズ三兄弟とスコット・ラファロの共演盤という意味合いでチェックなさる価値はあると思います。「EVERYTHING'S COMING UP ROSES」「TOGETHER」あたりをお聴きになってみて下さい。

GYPSY / HERB GELLER
1959年5月21日録音
HERB GELLER(as) THAD JONES(tp) HANK JONES(p) SCOTT LAFARO(b) ELVIN JONES(ds) BARBARA LONG(vo)

1.EVERYTHING'S COMING UP ROSES
2.YOU'LL NEVER GET A WAY FROM ME
3.TOGETHER
4.LITTLE LAMB
5.SOME PEOPLE
6.MAMA'S TALKING SOFT
7.COW SONG
8.SMALL WORLD

おまけ、
ストリップというとお下劣なイメージをお持ちの方も多いと思います。
「何処かの温泉地の場末の小屋で、隠微に繰り広げられる裸踊り」
たしかにそういった類のものもありますが、一つの踊りのジャンルとして極めた踊り子さんがみせるものは、美しく、芸術的なものでもあります。
「プロが自信を持って表現する踊りを、色眼鏡を通さず見られる」
そんな大人に私はなりたい。(なんじゃそりゃ)


涙の野菜炒め定食

2008年01月18日 | m-o

サブ~~~なしてこんなに寒いのでしょう?
晴れの天気予報だったのに、午後の2時ごろまで薄雲が貼ったような状態で、頼みの太陽さんも出てきやしない。車の中で抱きしめる缶コーヒーの温もりがなんだかとてもありがたい一日でした。「最低気温氷点下30度」てな地域を思えば贅沢は言えませんけど「なにぃーー、沖縄じゃ桜祭り?・・・くそう!うらやましいぞ沖縄」(笑)

こんな寒い日に公園駐車場で冷たい弁当というのも味気ないもの、「何処でもいいから店に入ろう」てんで、お初の中華屋さんに同僚としけ込みました。
「俺、レバニラ定食ねぇ」と彼
「俺は、肉入り野菜炒め定食」
そもそも肉なし野菜炒めなんて寂しいはなしで、全部に肉くらい入れろ!とも思ったんですけど....
そんなことはともかく、寒い日に湯気が立ったご飯とスープ、温ったか定食は嬉しいものです。
「・・・・・・・・・・!?」
なんと、私が頼んだ「肉入り野菜炒め」の中に、見覚えのある黒い細切りの物体がこれでもかってくらい入っています。
「・・・・・・・・・・!?」
私がしいて嫌いな食べ物は何か、何度も言っていますのでおわかりかと思いますが、『茸』なのでありまして、そう椎茸が山のように入っていたのです。
えっ?野菜炒めに椎茸はつきもんだって?仮に椎茸じゃなくてもキクラゲか何か必ず茸は入るって?
そんなこたぁ私だって承知の助ですよ。だけど、限度ってもんがあるでしょうが
「○○く~~ん、レバニラと交換しない?」
「ダメ~~~」
それはもう、美味しい美味しい「肉入り野菜炒め」いや「椎茸いっぱい入り野菜炒め」を、涙を流しながらいただいてまいりました。

「バブさんは、椎茸がダメなんですか?」
「うん、一番は椎茸かなぁ・・でも、茸全般、ほらぜ~~んぶどっかに同じ臭いの元みたいのがあんじゃん。」
「そうですかぁ~~~、じゃあ、シメジもエノキもエリンギもダメですか?」
「うん、食べるけどね。」
「松茸とか・・・・・トリュフもダメだったりして?」
「あんなもんにバカ金払うヤツの気が知れないね」
「残念だなぁ、こんどトリュフの美味しいパスタごちそうしようと思ったのに」
(この野郎!始めからそんな気もないくせに・・首しめてやろうか)
「まったく、豚が探すような茸、だれが喰ってやるもんか!」

以上、本日のランチタイムの会話でした。(大笑)

豚といえば、この時期沖縄のように桜とはいきませんけど、私達の目を楽しませてくれるシクラメンがありますよね。そのシクラメンの和名を『豚の饅頭』というのはご存じだったでしょうか?

♪ 真綿色したシクラメンほど 清しいものはない・・・・♪
(このあたりの歌詞はスラスラ出てくるんですけどね.....昨日の記事

シチリア島の群生地で豚が地下茎を食い荒らしていたので「サウブレッド(豚のパン)」と名付けられたものを、東大助教授だった大久保三郎という方が直訳されたのだそうで、その後「そりぁあんまりだ」てんで牧野富太郎教授が「篝火草(カガリビバナ)」と付け直したのだそうですよ。
それにしても「シクラメンのかほり」は名曲でありますよねぇ、シクラメンには香りはほとんど無いけど(笑)

あれ?何の話でしたっけ?
そうそう、だから、今日の昼は「椎茸いっぱい入り野菜炒め」に、私はおもわずため息をついたと・・・・・

さて、ということで、今日の一枚は、「ニューヨークのため息」ヘレン・メリルです。(無理矢理ですね)
じつをいうと、このアルバムは私の所有盤ではないのです。
以前からビル・エバンスとメリルの共演盤として欲しいアルバムだったのですが、なにぶん私の大得意なボーカルものですから、どんどん後回しになっていたわけです。
それがこの度、知り合いの所有盤をCD-Rにおとしたのでありまして、そういった意味でここで紹介するのはいささかルール違反のようにも思うのですが、自分で決めたルールですからまぁ破ってもいいでしょ。

メリルとエバンスとは同い年(1929年生まれ)ということもあって、長い間友人関係にあったとかなかったとか、その二人の共演ですからちょっと興味が湧くじぁりませんか。
ただ、無名のピアニストは、すでに人気のボーカリスト全曲のバックは勤めさせてもらえなかったわけですが、それでも「ニューヨークのため息」はエバンスのピアノにじつに良くマッチしています。「エバンスはボーカル伴奏が大好きだった」というはなしにもうなずけるような気がします。

もちろん、エバンスがバックをとった曲だけでなく、マイク・シンプソンのフルートで始まる「BYE BYE BLACKBIRD」から全て魅力的な一枚です。
やっぱり、CD-RじゃなくてLPを手に入れようかなぁ・・・

THE NEARNESS OF YOU / HELEN MERRILL/
1957年12月18、19日[1,3-6,8,11], 1958年2月21日[2,7,9-10,12]録音
HELEN MERRILL(vo)
MIKE SIMPSON(fl) DICK MARX(p) JOHN FRIGO(b) FRED RUNDQUIST(g) JERRY SLOSBERG(ds)[1,3-6,8,11]
BOBBY JASPAR(fl) BILL EVANS(p) OSCAR PETTIFORD(b) GEORGE RUSSELL(g) JO JONES(ds)

1.BYE BYE BLACKBIRD
2.WHEN THE SUN COMES OUT
3.I REMEMBER YOU
4.SOFTLY AS IN THE MORNING SUNRISE
5.DEARLY BELOVED
6.SUMMER TIME
7.ALL OF YOU
8.I SEE YOUR FACE BEFORE ME
9.LET ME LOVE YOU
10.THE NEARNESS OF YOU
11.THIS TIME THE DREAM'S ON ME
12.JUST IMAGINE


どげんかせんといかん!

2008年01月17日 | g-i

寒い日が続きますが、みなさんは体調を崩したりしていませんか?
私など崩しっぱなしで「夜は寝られないから酒を飲み、朝は起きられなくて寝坊する」とそれはもう大変です。
えっ?なになに?それは体調を崩しているんじゃなくて、たんに寒いから夜は酒で体を温めて、朝は温ったか布団から抜け出せないだけだろうって?まぁそうとも言えますけど(笑)
ともかく、みなさんも寒さに負けずに頑張って下さいね。

この年末年始、ブログにお付き合いいただいている皆様には周知のことですが、忘年会やら新年会とやたら呑む機会が多くて
「いつもだろ!」
いやいや、たしかに普段から呑んではいるんですけど、決定的に年末年始は違ったことがありました。それはカラオケの頻度です。

普段私はカラオケ成るものに自ら進んで行く飲んべえではありません。せいぜい「焼鳥屋で一杯飲んで、あとはバーで最後まで」このパターンがお決まりなわけです。
それが年末年始はお付き合いが多いせいで、カラオケ頻度が極端に上がるんですよ。

それでね、ふと気付いたのですが、ワンパターンなんですねぇ選曲が(いまさらかい)
それでも最初はサザンの比較的新しい曲に挑戦したりするんですけど、いつの間にか60年代70年代になってしまっている・・・・そういうのってあるでしょ?

高歌一曲 明鏡を掩う。昨日の少年 今は白頭。
(若い日の友人との同遊を思い出し、高らかに一曲歌ってはみたものの、鏡に映る我が顔を見て思わず鏡にふたをした。昨日まで紅顔の美少年だった一人の男が、今はもう白髪の老人となっている。)
まさにそんな心境でしょうか・・・・いかぁ~ん!いかぁ~ん!

そこで、これからの季節そうそうカラオケには行かないだろうとは思うのですが、新曲を覚えようと思います。いや、思いました。
覚えようと思ったのは、桑田の「明日晴れるかな」「風の詩を聴かせて」「DARLING」この三曲のいずれか・・・・・・・

♪ 夢の枕に寄り添って も一度だけ名を呼んで
  ひとりぼっちの世界で かりそめのオオ オオ オオ オオ オオ??????

「えっえっえっ なんで??????!!!!!!」
昔は、曲を二回も聴けばほぼメロディーを覚え、五回も聴けば一番の歌詞ぐらいはなんとなく覚えられたのに・・・・・・ダメです。まだ覚えられません。
「ガーーン!白髪の老人にはまだまだなっちゃいないけど、我が脳は確実に老化の一途をたどっているんだぁ~~~~~!!!!」
たしかに『脳トレ』もしていませんし、指先も使っちゃいない、せいぜいが「自民党三役の中で、最も順調に伸びていくのは?」チッチッチッチッチーン「政調会長!成長快調だから」なんてくだらないことを考えているくらい・・・・・・
いかん!どげんかせんといかん!
・・・・・・でも、何をどうしたら良いんでしょ?
東国原知事でも誰でも良いですから、教えちゃくれやせんかねぇ。

さて、今日の一枚は、デクスター・ゴードンです。
ゴードンとっさぁんが久しぶりにニューヨークへやって来て、「最近流行の電化やらクロスオーバーやらフィージョンなんて知ったことか!」とブイブイ聴かせたライブ盤、そんな感じでしょうか。

実際は、本人が主演した映画『ラウンドミッドナイト』よろしく、53歳にして「まだニューヨークでも、私は通用するのだろうか?」という不安を抱えての凱旋だったんだと思いますよ。
結果は、会場であった『ヴィレッジ・ヴァンガード』に連日長蛇の列が続いたそうですから、大成功だったわけですが、そこには同クラブ・オーナー、マックス・ゴードンの尽力があったとも言われていますね。
でもね、私はそうは思っていません。「やっぱ、ジャズはこうでなくちゃ」って多くのニューヨーカーが思っていたと信じたいからです。

ゴードンとっさぁんとウディ・ショウのブロウ合戦、「これだぁ・・・・!!!」と感じたお客さんが嬉しくなって大喜び、さらにそれにノセられた二人が吹きまくる。そんなようすが見えてくるんです。
変な話ですが、このあたりのゴードンとっさぁんを聴くと、「この人が麻薬でしばらく休んでいてくれて良かったかもしんない。さらにすぐにヨーロッパに行ってくれて良かったかもしんない。」スタイルを守り続けてくれたゴードンとっさぁんを、私はそんなふうに思ってしまうのであります。

私も負けてられませんね。ようし、カラオケで歌える新曲を10曲はマスターしてやるぞ!「あははは、そりゃ無理だわ」

HOMECOMING / DEXTER GORDON
1976年12月11, 12日録音
DEXTER GORDON(ts) WOODY SHAW(tp,fl) RONNIE MATHEWS(p) STAFFORD JAMES(b) LOUIS HAYES(ds)

Disk-1
1.GINGERBREAD BOY
2.LITTLE RED'S FANTASY
3.FENJA
4.IN CASE YOU HAVEN'T HEAD
Disk-2
1.IT'S YOU OR NO ONE
2.LET'S GET DOWN
3.'ROUND MIDNIGHT
4.BACKSTAIRS

追伸、

私の持っているアルバムは「Columbia PG 34650」、通常みなさんがお持ちなのは「Columbia/Legacy C2K 46824」系が多いかもしれません。
ジャケット・デザインも違うのですが、収録曲も「Columbia PG 34650」には「FRIED BANANAS」「BODY AND SOUL」の二曲が入っていません。
じつは、ちょっと損した気分でいます。(笑)


天才は辛い...のかな?

2008年01月16日 | m-o

今日も相変わらずの冬晴れ「乾燥がお肌にひびくわ」てなことを、男でも歳をとれば思うものですが、男子たる者口にしちゃいけません。寒さも乾燥ももろともせず微笑むほどの余裕が必要なのであります。(笑)

かなり無理矢理ではありますけど、微笑みを受けて『モナリザの謎』に一石を投じる新事実が発見されたようで、モデルがフィレンツェの大商人の妻リザ・デル・ジョコンド(リザ・ゲラルディーニ)だという証拠文書が見つかったというもの。
まだ一度も現物にお逢いしていない私としては、どうでもいいっちゃどうでもいい話なんですが、不思議と新聞記事に見入ってしまうのは、幼少のみぎりから(笑)常に名画名画とすり込まれてきたせいでありましょう。

そういえば、1974年だったでしょうか、門外不悉といわれたパリ・ルーブルの宝、いやフランスの宝『モナリザ』が来日したときの騒ぎは凄いものでした。
上野の東京国立博物館を何周もしようかという長蛇の列をニュースで見て、
「アホだよなぁ、あそこまでして見たいもんかねぇ」
じつは自分も見たいくせに、田舎から見に行く金が欲しいと親にも言えず、そんな捨て台詞を吐いた覚えがあります。
あれは長嶋引退の年でもありましたねぇ・・・・・・・

ベストセラー小説『ダ・ヴィンチ・コード』の影響もあって、ここ数年『モナリザ』に関する数々の謎にも多くの方が興味を持たれているようです。
「バブちゃん知ってる。モナリザの背景は右側と左側を額側でつなげるとみごとにつながるんだぜぇ」
なんて、自慢げに話すヤツもいましたから(笑)

けっきょくは、それを描いたダ・ヴィンチにしか本当のところは分からないことなのでしょう・・・・いや、10年以上も手元に置きながら描き続けたダ・ヴィンチにすら、後付のわけのわからない謎に答えられるかどうか、それだって分かったもんじゃありません。
モデルだってあ~た10年以上あれば「あれも良いこれも良い」って好みの女も変わるでしょうし、ねぇ。
「ダ・ヴィンチとあんたといっしょにしない!」
「・・・・・・・・・・!?」

いずれにせよ、何世紀も経った今でさえ、一枚の絵画に隠された謎に多くの人が一喜一憂する、名画の力というものに恐ろしささえ感じます。
それだけ絵画もそうですが音楽も含め、アーティストたちが作り上げる作品には力があるということで、それを生み出すアーティストのという人種は、いったいなんちゅう人達なのでしょうかねぇ。
私がアーティストになれなかったのはしかたのないことだったと、まっそういうことで・・・ってなる気も無いし、努力もしなかったくせに
「俺にも、ダ・ヴィンチのような才能があればなぁ・・・・・」
いやいや、才能がないからこそ、こうして平々凡々と生きていられるわけで、天才は辛いものですよ....きっと。

さて、今日の一枚は、リー・モーガンです。
ジゴロといえば「売春婦のヒモ」ってことですけど、私なんかが受ける印象は、女殺し、色男、モテ男といったイメージが先に湧くのは何故なんでしょうか?
リー・モーガンのアルバム名がこれだからということは無いでしょうが、う~む「ジゴロ=リー・モーガン」のイメージは私の頭の中ではバッチリですね。(マイルスもじゅうぶんそのイメージがありますが)

「THE SIDEWINDER」を出してから、ジャズ評論家の間では大衆化したモーガンを悪く言う人もいました。だけど、ジャズ・ロックやらモードやらいろいろなものに挑戦していたこの時期のモーガンも私にとってはかなりのジゴロでありまして(笑)
様々なモーガンを楽しめるといった意味で、今日のアルバムは良い一枚だと思います。
一曲目「YES I CAN, NO YOU CAN'T」での、ウェイン・ショーターのソロからモーガンのソロへ移っていくあたり、なかなか色っぽくて、私が売春婦じゃなくてもお金を渡しちゃっているかもしれません。

THE GIGOLO / LEE MORGAN
1965年6月25日録音
LEE MORGAN(tp) WAYNE SHORTER(ts) HAROLD MABERN(p) BOB CRANSHAW(b) BILLY HIGGINS(ds)

1.YES I CAN, NO YOU CAN'T
2.TRAPPED
3.SPEEDBALL
4.THE GIGOLO
5.YOU GO TO MY HEAD


『バブ正月』は無しよ

2008年01月15日 | j-l

今日は先日お話しした『小正月』別名『女正月』です。
『大正月』(七日まで)の期間中、忙しく働いていた女性たちをねぎらう意味で『女正月』というものがあるわけですが、最近はいかがなものなのでしょうかねぇ・・・
少なくとも我が家は正月の準備もほとんど私がやったわけで、できれば『バブ正月』で据え膳上げ膳かなんかで、「お好きほど、お飲み下さい。」かなんか言われてもいいんじゃないかと・・・・・
「正月三が日にイヤって言うほど飲んだでしょ!!!」
「ごもっとも」

まぁ、我が家は別としても、世のお母さんたちは、料理やらお客様、子供たちの帰省等々で忙しいお正月を過ごされたのでしょうし、子供さんが小さければなおさら一年中働きづめ、休む間もないという方も少なくないことでしょう。
「一日だけでも休ませてあげよう」という『女正月』の心遣いだけは忘れてはいけないのかもしれません。(あんたがいちばんね...笑)

そうそう、『呑む』で思い出しましたけど、『小正月』の翌日(つまり明日ですけど)は、ジャズの歴史にとって多いに係わりのある日なのですがご存じでしょうか?
1920年1月16日、アメリカで憲法修正第十八条『禁酒法』なる悪法が施行された日なのであります。

これにさかのぼること、1917年11月、第一次世界大戦参戦に伴う士気に係わると、軍港であったニューオーリンズの歓楽街ストリーヴィルが閉鎖されました。これはつまりそこで働いていた多くのジャズ・ミュージシャンたちの失業を意味します。
そして、第一次世界大戦の終焉、三十億ドルもの債務を抱えていたはずのアメリカは、一挙に百五十億ドルの債権国へと変貌を遂げました。
「ローリング・トゥエンティーズ」と呼ばれる狂乱の時代、ジャズの舞台はニューオーリンズからシカゴへと移りゆくのであります。

『禁酒法』の下でのシカゴの状況は、映画『アンタッチャブル』なんかでみなさんもよくご存じでしょ。好景気もあってレコード販売も拡大、ラジオ放送も一般化して多いに音楽業界も発展した時期ではあったものの、ジャズ・ミュージシャンにとって、シカゴの歓楽街での仕事は必要不可欠のものだったのでしょう。
『禁酒法』がギャングを育て、全てがギャングの庇護のおかげとは言いませんが、多くの面でジャズ・ミュージシャンがここで育っていったのも事実だと思います。
『禁酒法』も含め、「ローリング・トゥエンティーズ」は「ジャズ・エイジ」でもあったと・・・・・
明日、何かの話題に使えるようでしたらお使い下さい。

おっと、『アンタッチャブル』もいいですが、マリリン・モンローの『お熱いのがお好き』なんて・・・古いですかね?
舞台は『禁酒法』まっただ中のシカゴ、トニー・カーティスもジャック・レモンもジャズ・ミュージシャンという役柄だったですよね。
酒に女にギャングにジャズ、そこで繰り広げられるドタバタ喜劇はなかなか面白かったと思うんですけど。

さて、今日の一枚は、当時のジャズを・・・てなわけにはいかないんですねぇ。(笑)キース・ジャレットです。
「あれぇ、キースは好かんとか言いながら、そこそこ出てくるんじゃない」なんて言われちゃいますかね?

え~このアルバムを私が買い求めた最大の理由は、ヤン・ガルバレクにあるわけでして、ある日、アルバム「WITCHI-TAI-TO」を聴きまして、何だか澄んだサックス音色にちょっとだけ心動かされ、ならばと買ったしだいで・・・・
たんなる言い訳です。だって、その後ヤン・ガルバレクを追ったわけじゃないんですから、素直になりましょう(笑)じつはけっこうこのアルバム好きなんです。
「MANDALA」のキースのソロ部分なんか、けっこう良い感じで聴いちゃうんです。
もちろん、コルトレーンの「GIANT STEOS」に感激して14歳ではじめてサックスを手にし、なんと翌年にノルウェイのアマチュア・ジャズ・コンテストで優勝しちゃったというヤン・ガルバレクもなかなか良いですし、他のパレ・ダニエルソン、ヨン・クリステンセン二人の才能にも感心させられる一枚であると思います。

今だから言いますけど、最初、キース以外のミュージシャンを間違って発音してましたけどね。(笑)
「WITCHI-TAI-TO」とともにECMレーベルではよく聴くアルバムです。
なお、まだ何枚かキースは持っていますので、後々紹介することになると思います。(笑)

MY SONG / KEITH JARRETT
1977年10月31日, 11月1日録音
KEITH JARRETT(p) JAN GARBAREK(ts,ss) PALLE DANIELSSON(b) JON CHRISTENSEN(ds)

1.QUESTAR
2.MY SONG
3.TABARKA
4.COUNTRY
5.MANDALA
6.THE JOURNEY HOME


同伴からアフターまで

2008年01月14日 | y-その他

昨日はなんだか忙しい休日で、一日中あちこちへ出かけておりました。そして極めつけは、夕方の『寒かね~~』という一通のメールから始まったわけでして
「突然ですけど今夜予定がなければ『Hし』のどぶ汁食べに行きませんか?私も食べたか~~」
いつものバーのママからです。
「????????あれ?今日はお店休みだっけ????????まっいいか」
先日このブログでどぶ汁の話を持ち出した私のせいでもあるわけで、お付き合いすることにしました。午後7時に『Hし』で待ち合わせであります。

「バブちゃんごめん、どぶ汁全部出ちゃったんだって」
「そんなことだろうと思った」
目的のどぶ汁が無かったのは残念でしたが、なんとこの時期に鰹の刺身があるといいます。
「今日、二本だけ市場に出てたんだけど、良さそうだったから仕入れてきた」
と大将。
この時期の鰹がそれほど旨いわけがないと思いつつ口に運ぶと、何とビックリ、脂ののりもほどよく美味しいじゃあ~りませんか。
「あははははは、一月に初鰹喰うとは思わなかったなぁ」
お通しで出たナマコも旨い、ナマコがあるってことは・・・・・
「コノワタもあるよ。・・・・どれ上手くできたか味見してみんかな」
と、大将が見せびらかしながらの味見。
「くそう!大将それもちょうだい」
ほらほら、聞いているだけで日本酒が進みそうな感じがするでしょ?
とうぜん進みました。(笑)

「ところでママ、今日はお店休むの?」
「ん~や、これから開けるよ。」

その後、ママの店で飲み直し、さらには店に来ていたお客さんまで連れ出しての3次会、2時過ぎまでやっつけてしまいました。
「ママ、今日は同伴からアフターまでフルコースだったねぇ・・・・・でも、できればもっと色気のあるホステスかなんかとしたかったなぁ・・・・」
って、そんなことは言いませんでしたよ。
ママ、おかげさまで楽しい夜を過ごさせていただきました。

ということで、昨晩の料理当番は本日へと変更になりました。『料理当番、本日の一品』であります。

昨晩、美味しい海の物をいただいてまいりましたので本日は肉にしました。「豚のみそっかす焼き」です。味噌と酒粕を煮きりみりんでのばしたものを、肉になすりつけてしばらく漬け込みます。これを網焼きにして出来上がり、香ばしい一品になりました。

こちらは「豆腐の梅肉ソース」。小麦粉をはたいた豆腐を生卵にくぐらせ、フライパンでサッと焼いたものに、梅肉、鰹節、ネギをたたき、ダシ、醤油(少々)、酢(少々)を混ぜたもので少しのばした梅肉ソースを乗せてみました。

さて、今日の一枚は、私としてはひじょうに珍しいコーラス物、ラナバード=ヘンドリックス=ヘブン(LHB)です。
もともとは、ラナバード=ヘンドリックス=ロスとして活躍していたコーラス・トリオ、カウント・ベーシー楽団の名演をボーカルでやっちゃおうってな感じでスタートしたのですが、イギリス人アニー・ロスがヨーロッパ巡演中に出身地イギリスに留まり、その代わりにヨランダ・ヘブンが加わりLHBとなったわけです。

このアルバムはそんなLHBが1963年のニューポート・ジャズ・フェスティバルに参加した時の録音です。
前日の独立記念日に400マイルも離れた場所での仕事が終わったのは朝の5時、大急ぎで移動し会場に入りました。
さらに、このレコードの録音が予定されていたので、幾つかの新作を用意しなければいけません。会場の片隅の譜面代でその新作を書き上げ、短時間のリハーサルで本番にのぞみました。
えらいドタバタの中録音されたアルバムなんです。

ジャズ・コーラスが好きかと訊かれると「大好き」とは答えにくいのですが、「心を楽しい思いに浸そう」なんて時には良いんじゃないでしょうか。
ゲスト参加したコールマン・ホーキンスもジョー・ウィリアムスも楽しそうにやってます。

LAMBERT, HENDRICKS AND BAVAN AT NEWPORT '63
1963年7月5日録音
LHB(vo) GILDO MAHONES(p) GEORGE TUCKER(b) JIMMIE SMITH(ds)
COLEMAN HAWKINS(ts) CLARK TERRY(tp,flh)
1.ONE O'CLOCK JUMP
2.WETERMELON MAN
3.SACK O' WOE
4.DEEDLE-LEE DEEDLE-LUM
5.GIMME THAT WINE
6.WALKIN'
7.CLOUDBURST


たまには雪見何とかも。

2008年01月12日 | a-c

海にふる雪は、海になる。
まちにふる雪は、どろになる。
山にふる雪は、雪でいる。

空にまだいる雪、
どォれがおすき。
      (金子みすず『雪に』)

久しぶりに金子みすずの詩で始まりましたが・・・・・いやぁ、寒いです。
ちょっとだけ寝坊して朝7時半に雨戸を開けると、外は暗く雨模様、それが時間とともに寒くなってきて「雨→みぞれ→雪→みぞれ→雨→みぞれ→雪→みぞれ」みたいな、元旦に今シーズンの初雪をチラッと見て以来二度目の雪でした。

明日は日曜日ですから通勤にも影響はないので、「今晩も降り続いて明日の朝はうっすらと雪化粧なんてぇのも良いかなぁ」なんて思ったのですが、夕方6時頃にはすっかりあがってしまいました。
まぁ、成人式を晴れ着で迎える新成人をおもえば、足下が汚れずに済みそうで良かったとは思いますけどね。

そういえば、昨シーズンは一度も雪が積もる、いやいや積もるどころか降ってる姿もほとんど見ませんでした。今年は一回くらい積もってくれるでしょうか?
玄関先の雪かきやら道路の雪かきやら面倒ではありますけど、一度ぐらい雪景色を見るのも悪くありません。
朝起きて一面真っ白い世界、いい大人なのに気持ちがなんとなくソワソワするのは私だけでは無いと思います。(まぁ、めったにないから言えることですけどね)
「なんだぁ、まいっちゃったなぁ」なんて言いながら、足跡の付いていないところをわざと歩いてみたり、雪玉を作って投げてみたり・・・(笑)
一瞬、子供心に帰ったりしてしまいます。

かく言う私は、小学校1,2年生を豪雪地帯で過ごしまして、記憶が鮮明とは言えませんが、毎日、親たちが雪かきをしてくれた細い路を、夏の三倍もの時間をかけて学校に通った覚えがあります。
かまくらを作るのに、雪を集める必要がないんですよ、適当にそのへんを掘ればそれだけでかまくらになっちゃったりするんですから。水をまいて作ったカチカチの雪の土俵で、半分凍らせた雪玉の割りあいをしたり、木片の裏に竹を貼った、う~~んなんて言うんですかねぇ、ともかくそんな物を長靴に縛り付けて坂を滑り降りたり、杉の葉をソリ代わりに滑ってみたり、体育の時間も裏山でスキーだったりして、落とし穴を作って怒られたこともありましたっけ。
そんな豪雪の中での生活は苦労の連続だったんでしょうけど、子供だった私にしてみれば不思議と楽しいことしか覚えていないものです。

それもこれも、今は雪害などまったく無縁の土地に住んでいるおかげではありまして、今も原油高に悩まされながら、豪雪地帯で生活されている方々の苦労は察するにあまりあります。安易に雪が見たいなんて言っちゃいけませんかね。

それでも、年に二、三回くらいは雪景色は・・・・いいよなぁ~~~
「できれば、雪見風呂で雪見酒なんてね」
「コラ~~~~!!!!!」

最後はやはり金子みすずさんの詩でしめましょうか

『積もった雪』
上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしてゐて。

下の雪
重かろな。
何百人ものせてゐて。

中の雪
さみしかろな。
空も地面(じべた)もみえないで。

さて、今日の一枚は、ジョージ・ブライスです。
そもそも、ブライスやローランド・カークみたいに何本ものリード楽器をいっぺんに吹いちゃうなんてぇのはあまり好みじゃないんですが、ブルーノートに残る三枚のアルバムのうち、この一枚だけはけっこう聴いちゃったりするんです。
それは二本吹きが少ないから・・でしょうかね(笑)

ミュージ・シャン一家に生まれたブライスは、10歳のときからグループを組んで演奏していたっていいますから、なんともビックリ。私などに「なんだ!その吹き方!」なんて言われる筋合いもないわけです。
私のように最初っから毛嫌いせずに、このアルバムあたりをお聴きになってみて下さい。音的には嫌いじゃないんですよ、私も・・・・・・・・

EXTENSION / GEORGE BRAITH
1964年3月27日録音
GEORGE BRAITH(ss,as,ts) BILLY GARDNER(org) GRANT GREEN(g) CLARENCE JOHNSTON(ds)

1.NUT CITY
2.ETHLYN'S LOVE
3.OUT THERE
4.EXTENSION
5.SWEETVILLE
6.EV'RYTIME WE SAY GOODBYE


どぶ汁喰いてぇ!!!

2008年01月11日 | j-l

透き通るような青空とまではいきませんでしたが、なんとか夕方まで太陽が顔を出し、この時期にしては暖かな一日でした。
昨晩は珍しく帰りが遅くなり、そのまま家に帰って一人バーボンというのも寂しいと、10時過ぎにいつものバーへ
「今日はまだ一滴もアルコールが入ってないだよね」
「えっ?どうしちゃったの?・・・・・・じゃあ、まずはビールかなぁ~~~」
その時間までシラフだと驚かれるのもどうかと思いますし、注文しなくてもビールが出てきてしまうのもいかがなものか?
「何?ビール飲まないの?」
「いえ、いただきま~す」

「それにしても美味しそうに飲むよねぇ」とママ
「もう少し若くて、もう少しイケメンなら、ビールのCMはいただきなんだけどねぇ...ははははは」
これは昔からですが、私のアルコール摂取時のそのようすが「旨そうに飲むよなぁ、おまえ見てるとこっちまで飲みたくなるもん」との評判だったわけで、電通はどうして私に目をつけなかったのか。
「でも、何杯も飲まなくちゃいけないから、ビールのCMはバブちゃんには無理だね。」とママ
たしかに、ビールのCM撮りの最中に「ちょっとバーボンで口っ先替えても良いですかねぇ」ってわけにはいきませんもんね。どうりで電通から声がかからなかったわけだ。(笑)

「美味しいで思い出したけど、バブちゃん、この前『Hし』でどぶ汁食べるからとっといてねって言ったのに、ほんのちょっとしか残ってなくてさぁ・・・・・」
『Hし』というのは小料理屋なんですが、ここのオヤジが出す海鮮ものはともかくなんでも旨いというお店でありまして、あん肝なんぞも他店では味わえないようなものを安価で食べさせてくれる店、どぶ汁もさぞかし美味しいだろうと想像できるのです。
「どぶ汁かぁ、いいよねぇ、今年まだ喰ってねぇんだよなぁ・・・・・」


これはネット上からお借りした写真、
これには大根が入ってないみたいですね

おっと、どぶ汁が分からない方もいますよね。
ここでいうところのどぶ汁とはアンコウ料理でありまして、水をまったく使わずにアンコウの身と野菜(主に大根なんですが)の水分だけで炊く漁師料理なのですが、これが品の良いアンコウ鍋など比べものにならないくらい旨いんですよ。
レシピはそれぞれにあるとは思いますけど、まずあん肝をから煎りしましてね、これに味噌を加えて、アンコウの七つ道具全てをぶっ込んで、ブツに切った大根もぶっ込んで、後は煮るだけといういたってシンプルなもの。
それだけにアンコウの善し悪しと下処理が味に出るわけでして、『Hし』のものなら間違いが無いとそういうわけです。

「アンコウとかホヤなんてぇのは、最初に喰ったものが良いか悪いかで、その後の好き嫌いが決まっちゃうくらい、良いのと悪いのとで味の差があるもんねぇ、初めて食べる人は『Hし』あたりの喰わねぇとダメだよね」
「アンコウとホヤかぁ、上手いこと言うねぇ」と隣のお客さん。しばし、アンコウとホヤの話で盛り上がりました。

あれ?今日は何の話でしたっけ?????????
ともかくアンコウのどぶ汁を食べようと思ったら今がまさに旬、ぜひとも味わってみてくださいよ。ただし、今まで食べたことの無い方、最初は必ず味の良いお店を聞いて、旨いものをお食べになって下さい。
去年、私が作り方を伝授したにもかかわらず、アンコウ一尾台無しにしたアホがいましたから、それがS君だとは口が裂けても言いませんけどね。(大笑)
「あ~あ、俺も来週あたり作っちゃおうかなぁ・・・・どぶ汁喰いてぇ!!!!」

さて、今日の一枚は、クリフォード・ジョーダンとジョン・ギルモア、二人のシカゴ出身、しかも同い年のテナーマンの共演盤です。
二人に先駆けてニューヨークへやってきたジョニー・グリフィンもそうですが、この頃、シカゴにはどうしてこれだけ優秀なテナーマンが揃っていたのでしょうか?
シカゴの薬局では、テナーを上手く吹ける秘薬でも売ってたんでしょうか?

ともかく、グリフィンら遅れること1年、ニューヨークに現れた二人のテナーマンは、ホレス・シルバーの紹介で、ブルーノートのアルフレッド・ライオンに出会います。
紹介者シルバーはもとより、このアルバムに用意されたリズム・セッションは「A NIGHT AT BIRDLAND」と同じメンバー、さらにはシルバー書き下ろしの「EVERYWHERW」までいただいちゃって、二人はシカゴ・テナーを吹きまくっちゃいました。
それは、グリフィンもそうだったように、ニューヨークのハード・バップとは何処か違う「ハード・バップであってハード・バップでない(ペンペン)それが何かと訊ねれば、シカゴ・テナー、シカゴ・テナー」みたいな。(笑)

このテナーの響き、嫌いじゃありません。ゴリゴリ来るくせに都会的、泥っぽいのにカッコイイみたいな感じは、他には無いテナーだと思います。

BLOWING IN FROM CHICAGO
1957年3月3日録音
CLIFFORD JORDAN(ts) JOHN GILMORE(ts) HORACE SILVER(p) CURLY RUSSELL(b) ART BLAKEY(ds)

1.STATUS QUO
2.BO-TILL
3.BLUE LIGHTS
4.BILLIE'S BOUNCE
5.EVIL EYE
6.EVERYWHERE


凡才はやはり凡才

2008年01月09日 | g-i

毎日の生活ペースもなんとか元に戻りました。それでも今日みたいに暖かな日差しをフロントガラス越しに浴びると、ホワホワホワっと眠気が襲ってくるのは、まだまだ正月気分が抜けていないということでしょうか。ビシッとしなくちゃいけませんね。
もちろん、昨晩突然呼び出されて開催(笑)されたS君、K君との新年会で飲んだ適量(笑)のアルコールがいくぶん残っていたせいもあるのですけど・・・・

やれ少年の包丁ふり回しやら、多発する火事・遭難やら、相変わらずの子供への虐待と新年早々いやなニュースも多く、新聞を開くたびにため息が出そう。
そんな中、昨日の朝日新聞に出ていた記事3題のお話です。

同面に掲載された3題で
まずは、以前紹介した夢枕獏氏の『和服で寄席』と同じシリーズ記事『男の夢ファッション』でありますが、昨日は日野輝正の紋付き袴姿が載っておりました。

「若い子は、黄色い髪ではないのに金髪にする。だけど。ダメはダメなりをちゃんと見せれば、モテるようになるよ。僕も昔は青二才で、はやれば耳輪までつけてましたけど。結局、魅力は人間同士の対話で分かる。音楽やスポーツや演劇はコミュニケーションで成り立っていて、服装も同じです。・・・・・」

「なるほど、日野テルも年相応におとなしくなったんだね」なんて、年下の私はほざいたわけで、
というのは、私が高校生の頃、日野兄弟が田舎に公演にまいりまして、私のバイト先のジャズ喫茶に来たことがありました。その時、若いお二人のヤンチャぶりはなかなかのものであったのですよ。(もちろん酔っぱらってですけど)
詳しく何があったのかはご本人の名誉のために伏せさせていただきますが、誰しも若い頃はヤンチャなものですものね。もちろん許される範囲のヤンチャではありましたよ。(笑)

次の記事は『至福の一品 ~多機能ナイフ~ 使い方は発想次第』というもの。
多機能ナイフは私も持っているのですが(もちろん某有名メーカーのものではありません。たしか結婚式の引出物だったような?????なんちゅう結婚式じゃい)、未だに活用したことがないんですよねぇ。

もらった当初は部屋の隅にぶら下げておいたりもしたのですけど、結局、趣味部屋の隅に常備している工具セットを出した方が早く、それで間に合わなければ納戸からもっと大きな工具箱を持ってくるといった感じ、多機能ナイフが顔を出す間がありません。かといってポケットに入れていつも持ち歩くにはちと重すぎるし・・・・・
多機能ナイフを有効に活用している方ってどういう使い方をしてるんでしょう?

「今、道具が手元にあったらいいのに」というもどかしさを、この一本が解消してくれそうだ。
と結ばれたこの記事、活用できずにいる私は、やはり発想力に乏しいしいうことなのでしょうか?

最後の記事、じつはこれが最も興味をひいた記事でありまして
元NHKの報道記者でもあった池上彰氏の『新聞ななめ読み』というシリーズコラムです。

元日の新聞に載った出版社の全面広告を「各紙読者の本のお好みは?」という、本当にななめな目線で見たものでした。
例えば、講談社の広告だと、朝日には「書き下ろし100冊」、読売には「少年マガジン」、毎日には「各種コミック」、日経には「大人向け雑誌3誌」だったそうで、ここに講談社が各紙の読者層をどう見ているかが見えてくるというものです。
集英社が日経に出した広告も面白い、「各種女性誌」の広告を載せているのだそうで、
集英社は、日経新聞の女性読者をターゲットにするという、新しい戦略を打ち出したのですね。日経にとっても、「うちには女性読者も大勢いるんです」というイメージアップにつながるというわけです。
と、おっしゃっています。
出版各社が、各新聞の傾向をどう見ているか。比較すると読めてきます。
なるほど、今まで広告にまで気を配って新聞を読んだことはありませんでしたが、また一つ面白い新聞の読み方を教えていただいたようで、何だか嬉しくなってしまいました。
さすが、『こどもニュース』時代から、我が母が大好きだった池上さんだけありますねぇ。

いずれにしても、いろんな目線で新聞を読み解く、それだけで新聞が私達に与えてくれる情報は格段に増えるのかも知れません。
「どれどれ、日野テルも多機能ナイフも、新聞を斜めにして・・・・・」
私には何も新しいものが見えてきませんでした。
・・・・う~ん、凡才はやはり凡才かぁ

さて、今日の一枚は、ヒース三兄弟の次男坊ジミー・ヒースです。
日野兄弟もそうですが、ヒース三兄弟も私と違って凡才ではありませんでしたね。ただ、ジミーはそれ故に薬に走ってしまったのか?服役も含め6年というブランクが、知名度を下げている原因でもあります。

でも、コルトレーンも影響を受けたという彼の実力は、リヴァーサイドに残る6枚のアルバムを聴いても明らかです。

その6枚のうち、最もメジャーなのは5作目「SWAMP SEED」でしょうか、バイト先でもよくかけた一枚だったと思います。
「ならばそれを紹介しろ!」
と言われそうですが、今日は、ヒース三兄弟そろい踏みのこのアルバムを選びました。

兄弟とシダー・ウォルトン、このリズムセッションがとても良い。やはり血の道なのでしょうかねぇ(笑)
ジミー、フレディー・ハバードももちろん良いのですが、ジュリアス・ワトキンスのフレンチ・ホルンが効いてます。
凡才じゃない兄弟が集まれば、これほどまでのアルバムが出来上がるということです。お勧めします。

THE QUOTA / JIMMY HEATH
1961年4月14,20日録音
JIMMY HEATH(ts) FREDDIE HUBBARD(tp) JULIUS WATKINS(frh) CEDAR WALTON(p) PERCY HEATH(b) ALBERT HEATH(ds)
Jimmy Heath(ts)

1.THE QUOTA
2.LOWLAND LULLABY
3.THINKING OF YOU
4.BELLS AND HORNS
5.DOWN SHIFT
6.WHEN SUNNY GETS BLUE
7.FUNNY TIME