はんなり、万華鏡

京都を中心とした旅行記や文化についてあれこれ。

四月・桜の花簪

2013-04-23 02:14:56 | 舞妓の衣装・装飾品

4月は桜の花簪です。
また、変わり簪として金属や羽二重、ちりめん等で出来た蝶々の簪もあります。

上記の画像は、ピンクと白の桜に蝶々が飛んでいる花簪。
この花簪を挿していたのは大きな舞妓さんで、お客様がプレゼントした一品もの。
大きな舞妓さんは一輪や三輪など、花が大きなものを使うのが多いのですが、ご本人が大人っぽいものより可愛いのが良いとリクエストして誂えたとか。
前髪が花簪に引っかかってしまいましたが(^^:)

上記の画像は、お店だししたばかりの舞妓さん。
舞妓さんの花簪は、姉芸妓が作ってあげることが多いとのこと、こちらは多分お姉さんが作ってあげたものでしょう。
濃い目の桜に銀の蝶々が飛んでいます。
小さい舞妓さん向けの4月の花簪は、もうちょっと薄いピンク色の小さい桜が集まったものに蝶々が飛んでいるもの、桜と雪洞なども良く見かけます。

一枚目の画像の花簪ですが、花の中央の部分はうろ覚えですけど、確か馬の毛で出来ていたと思います。
現在、材料の入手が難しい為、こういうタイプのものは製作が難しくなったとかで、二枚目の画像のお花の中央の部分のように、金属的なもので製作することが多いらしいです。
花簪を作る職人さんも減っていますが、材料自体が入手が難しい為に、こういった素敵なものがいつかは作れなくなってしまうかもしれませんね・・・・

4月の花簪については、「都をどりのお衣装」「都をどりのお衣装その弐」もご覧下さい。


玉簪

2013-02-10 04:16:33 | 舞妓の衣装・装飾品

舞妓さんが、髷の横に挿している珊瑚玉の簪。

下の画像の、奥の小さい舞妓さんは玉が大きく真っ赤。
手前の、大きい舞妓さん玉が小さく、色が薄い。
画像だと大きさの違いがあまりわからないですが、肉眼で見るとかなり違いました。
玉簪は、年齢が高い程玉のサイズが小さくなっていくという話を思い出した。
芸妓さん用になるとかなり小さい。

これは珊瑚の玉簪ですが、翡翠の玉簪もご同様。


一月・松竹梅の花簪

2013-01-29 21:31:58 | 舞妓の衣装・装飾品

1月はおめでたいモチーフを使った花簪です。
一般的には「松竹梅」と呼ばれて本などでもそのような記載になっていますが、実際に松・竹・梅のみで構成した簪ではないことも多いです。

上記の画像は松と梅です。
竹は入っていないようです。
赤が多いので、おそらく小さい舞妓さん向けのものでしょうね。
大きい舞妓さん向けのものだと、梅の花もピンクだったり全体的に色が薄めに作るそうです。

お正月の花簪は毎年デザインを変え、その年のデザインを挿す舞妓さんが大半です。
簪屋さんによれば、12月下旬に置屋さんに納めるので納期が大変だとか。

この10年くらいの傾向を見ると、寒菊が使われる傾向が多いように思います。
使われるモチーフとしては松・竹・梅・寒菊・羽子板・松葉・鶴・ふくら雀、糸車などなどのおめでたいものとなっています。
たまに、何のモチーフなのか良くわからないものもあったりしますが・・・・

1月15日までの紋付を着る期間のうちは、花簪を挿すのと反対側の、銀のびら簪の上部に干支を現した干支挿しの他に稲穂の簪を挿します。
舞妓さんのことを紹介した書籍やネットの情報では、「1月15日までは稲穂の簪を挿し、以降は松竹梅の花簪を挿します」というような記載を良く目にします。
これ、半分は正しいけど半分は誤りなのですよね(汗)

稲穂の簪を挿すのは確かに1月15日までですが、いわゆる「松竹梅」と呼ばれる一月の花簪は、年明けから1月15日の間でも挿していますし。
舞妓は数種類の簪を挿します。
花簪は左側に挿し、銀のびら簪やびら留め、前挿しなどと呼ぶ簪は右側です。
稲穂は右側に挿してます。
芸妓さんは左側に稲穂を挿します。

1月15日を過ぎると「松竹梅」ではなく「梅」の花簪を挿す、という記載を以前どこかで見たような気がするのですが、気がするというだけで他ではそいういった記載を見かけないし実際に一月中に「梅」の花簪を挿しているのを見かけたことがありません。
戦前戦後あたりとは花街のしきたりが変わったりもしているようなので、ひょっとしたらかなり昔の話なのかもしれません・・・・

結局、今年のデザインをちゃんと見ないまま、1月が終わります(汗)
京都行きたいなぁ。


芸舞妓の衣裳展・やかたの宝物~上七軒

2012-10-17 00:22:20 | 舞妓の衣装・装飾品

織成舘で2011年10月21日(金)~11月20日(日)に「芸舞妓の衣裳展やかたの宝物~上七軒」が開催されました。
芸舞妓の衣裳展は、祇園甲部、宮川町と続き今度は上七軒。
甲部と宮川町の時に行きたかったの残念でした。

上七軒は西陣にも近く、衣装の質は京都五花街でも群を抜くといいますが、独特な色合いの物が多いと聞きます。
渋めの色が多いイメージがあります。
いくつかの置屋のうち、中里、大文字、市さんなどから出品されていて、着物の柄の名称や所蔵の置屋名などが紹介されていました。

   

   

山水描いたお着物、以前テレビに出演していた中里さんの舞妓さんが着ていましたが、他の置屋からも同じような柄の物があり、祇園甲部や他の花街の舞妓さんも山水を描いたお着物を着ておられたのを見たことがあります。
秋には割とポピュラーな柄らしいです。
衣装を手に取ることは出来ませんでしたが、私は和裁を経験したことがあるので、引き着を間近にみて仕立て方など勉強になりました。


   

   

舞妓さんのだらりの帯、改めて見ると長いです~。
祇園祭の山鉾の柄の帯がありました。
この山鉾の帯は、祇園祭のシーズンにだけしか締められないものです。
多くの置屋さんで、長刀鉾や月鉾などの帯を持っているようです。

   

刺繍襟は普段は着用している状態で見る機会が多いです。
掛け襟になっていて、襦袢を着た上から紐で固定して着用します。
展示してあった襟は、小さい舞妓さん用の襟です。
大きい舞妓さん用の襟になると、派手な意匠ではなくシンプルで一面に赤い地が見えないようにびっしりと刺繍されたものになります。
折角ならそちらも展示されてあるともっと良かったです。
一説には、小さい舞妓さん用の派手な意匠の襟よりも、大きい舞妓さん用の一面にびっしりと刺繍された襟の方が高価である、という話もあります。
より、技術が必要なのでしょうか。

この、芸舞妓の衣裳展、京都五花街の残る先斗町と祇園東も開催していただけないかしら?と密かに期待しております(^^)

この記事は、2011年11月19日にアップした「秋の京都2011」から、衣裳展に関する画像と文章を抽出して、新たに画像と文章を追加して個別にアップいたしました。


十月・菊の花簪

2012-10-09 23:14:25 | 舞妓の衣装・装飾品

10月は菊の花簪です。

小さい舞妓さんは、主にピンクと赤の小菊のタイプが多いですが、ピンクや黄色の単色、赤とピンクのツートーンなどの、一輪や三輪の菊に房を付けたタイプのを挿すこともあります。

大きい舞妓さんは、白やピンク、黄色の一輪や三輪のタイプを主に挿し、白やピンクの単色の小菊のタイプのものもあります。
また、針金細工で作ったキラキラした簪も見掛けますし、白や紫などの乱菊のタイプのも見掛けます。

個人的には、黄色やピンクの大輪のものが好きですね。

上の花簪は襟替え直前の上七軒の舞妓さんで、奴島田を結い黒紋付を着ていらっしゃいました。
上七軒では、襟替えが近くなると奴島田を結い、鼈甲の櫛と季節の花簪を挿し黒紋付を着て、その次に先笄を結って色紋付を着る、というパターンのようです。

上の花簪は大かんは菊の三輪、勝山も菊です。
こちらの舞妓さんは祇園甲部の大きい舞妓さんで普段はおふく髷ですが、温習会で舞う演目の関係で特別に割れしのぶを結い、花簪も小さい舞妓さん向けのものに替えていました。

黄色は色もはっきりして華やかですね~。
菊の花簪は、他の季節の花簪よりリアルなつくりのように感じます(^^)

 

関連記事:「十月・菊の花簪(2)・「十月・菊の花簪(3)」・「元気です京都キャンペーンin東京