はんなり、万華鏡

京都を中心とした旅行記や文化についてあれこれ。

十二月・まねきの花簪

2013-12-02 07:01:06 | 舞妓の衣装・装飾品

今まで撮らせていただいた、京都の舞妓さんの花簪の写真です。

12月はまねき。
11月の後半になると、南座で行われる顔見世興行に出演する歌舞伎役者の名前を書いた「まねき」が南座に掲げられます。
これを模したものを12月の花簪にしています。
顔見世興行が始まり、12月上旬には京都五花街の芸舞妓さんが桟敷席に並び観劇します。
これを「総見」といいます。
この時、舞妓さん達には置屋のおかあさんが選び抜いた、とっておきの衣装を着せると聞いたことがあります。

まねきの花簪には二種類あり、「もち花」と「竹矢来」です。
もち花は割れしのぶ髷の舞妓さん、竹矢来はおふく髷の舞妓さん。
画像の舞妓さんは割れしのぶで、もち花の花簪を挿し、冬に多い飛び絞りの衣装です。
このもち花は年ごとに微妙にデザインが変わるので、毎年拵えていると聞いたことがあります。

もち花にも竹矢来にも、まねきの白い板がついています。
これは真っ白な状態で売られていて、総見の時に舞妓さんたちは楽屋に行き、好きな役者さんにサインを入れて貰う習わしになっています。
立役の役者さんは黒い文字、女形の役者さんは赤い文字で、通常は板は二個ついていて、立役・女形それぞれにお願いするとのことです。
好きな役者さんが何人もいて選べないわ~と、板を一個増やして三個にしていた欲張りな舞妓さんもいたとか。

上の画像ですが、実は二人の舞妓さんと一人の芸妓さんが写っています。
手前の舞妓さんの後ろに芸妓さんがいて、髷のところなどが重なっているので妙な感じになってしまいました(^^;)
左の端にももう一人舞妓さんが。
簪がちゃんと写っている写真がなくて・・・・わかりにくいですよね。


十一月・紅葉の花簪

2013-11-04 02:25:46 | 舞妓の衣装・装飾品

今まで撮らせていただいた、京都の舞妓さんの花簪の写真です。

こちらはおふく髷の舞妓さんの花簪。
三輪の紅葉に松葉と松ぼっくりがついていてちょっと遊び心がある感じで、こういうのは好きです。
黄色と黄緑色の花櫛が花簪にぴったり。

こちらは割れしのぶ髷の舞妓さん、出たての舞妓さんはこの小さい紅葉に花簪にぶらをつけますが、二年目以降は外しています。
この舞妓さんが着ている着物は銀杏柄で季節にぴったり。
舞妓さんの花簪も衣装も、季節を感じることが出来るのがいいですね~。


十月・菊の花簪(2)

2013-10-12 04:53:22 | 舞妓の衣装・装飾品

10月の花簪紹介の第二弾です。

割れしのぶを結った小さい舞妓さん向けの、ピンクの小菊に赤の小菊と緑の葉が少し入った花簪。
この画像の方はこの時まだ見習いさんで半だらの帯でしたが、花簪は舞妓さんと同じ物でした。

 

小菊の豆かんを挿した上七軒の芸妓さん。
芸妓さんは、「をどり」のお茶席などで自毛で島田を結った場合以外で花簪を挿すことは珍しいようです。
舞妓さんが通常お座敷で挿す花簪よりも小さいタイプのもの。
可愛らしい芸妓さんなのでお似合いですね(^^)

関連記事:「十月・菊の花簪」・「十月・菊の花簪(3)」・「元気です京都キャンペーンin東京


前差し

2013-06-26 20:55:24 | 舞妓の衣装・装飾品

舞妓さんが挿す簪は、花簪以外にもいくつかあります。
銀のびら簪や玉簪、平打ち、前差しまたはびら留とも呼ばれる簪もあります。
上の画像は前差しというもので、金属製。
前差しはびら簪の上部に挿します。
上の画像の二本の前差しですが、右側は簪屋さんで購入した市販のもので、左側はブローチに簪の台をドッキングさせて髪に挿せるようにしてあります。
舞妓さん自身が購入した気に入ったブローチやお客様からプレゼントされたブローチを簪にしたいな~ということで、簪屋さんから専用のものを買って簪にするわけです。
ブローチのピンの部分を筒状の金具に通してドッキングさせるのですが、そのままだとブローチがプラプラする為にボンドで固定しているとも聞いたことがあります。

上の画像は、小さい花簪を前差しにしている舞妓さん。
この場合、紫陽花の花簪には小さい紫陽花というように、同じ月の物を合わせています。
以前は金属やブローチを簪にしたものや、置屋に伝わる珊瑚や翡翠などの簪を前差しとして挿す舞妓さんが多かったのですが、この10年ほどは特に祇園甲部では小さい花簪を前差しとして挿す舞妓さんがちょこちょこといます。
もう引退されていますが、簪など身につける物にこだわりを持っていたらしいお洒落さんな、とある舞妓さんが前差しを花簪と一緒に季節ごとに替えて挿すようになったから、という話があり、確かにその舞妓さんの姉妹筋や仲良しだった舞妓さんを中心に流行っていたように思います。

花簪や花櫛以外にも、前差しにも舞妓さんのこだわりや趣味がでるというのも面白いです。


六月・柳の花簪

2013-05-27 20:11:47 | 舞妓の衣装・装飾品

6月は、柳または紫陽花の花簪です。

上記の画像は、柳に傘と燕をあしらったものです。
オーソドックスなのは柳にピンク色の撫子をあしらったもので、他に赤や水色の撫子をあしらうこともあります。
下の画像のように柳に蛍をあしらったものも見掛けます。

画像が荒くてすみません。
カメラの設定がうまくいかず、画像を弄っていたら大変なことに(T_T)

6月からは、着物は単衣袷や無双(紗合わせ)で帯と帯揚げは絽、珊瑚の玉簪から翡翠の玉簪、大きな舞妓さんになると髷に付けるおふく掛けも絽、櫛も摘みのものではなく銀の糸巻き櫛という夏仕様になります。
上記の画像の舞妓さんは、前挿しは真鍮の団扇、柳の花簪と合う黄緑色の糸巻き櫛で、ジメジメした梅雨の真っ盛りにも爽やかな組み合わせでした。