私が初めて日本髪を結ったのは、舞妓変身店で舞妓さん変身体験をした時です。
お店で舞妓さんと同じ結い方で、舞妓さんと同じ髷を結いました。
以来、舞妓変身体験以外でも日本髪を結っていただく機会が何度かありました。
舞妓変身体験を通じて祇園周辺の美容室を紹介いただけたので、自分で予約を取り、後日かもじをお返しします。
最近では地毛で日本髪を結って舞妓変身体験が出来るお店もいくつかありますし、そういったサービスをしていないお店に行く時は、日本髪が結えるサービスをしている他の舞妓変身店で髪を結って貰ってから別のお店に行ったり、自分で美容室の予約を取って髪を結って行くというお客様もいるそうです。
今ではなかなか日本髪を結う機会などはありませんから、舞妓変身を通じて日本髪を結えるのは素敵だと思います。
京都で日本髪を結って京都の街を歩く、というのは憧れです。
でも、京都には日本髪を結った舞妓さんがたくさんいますから、私たちのような舞妓ではない女性が日本髪で京都の街を歩く時には、残念ながら若干のトラブルが起こることもあるようです。
私は舞妓変身体験をした時やお正月の時などで、自分の着物を着て普通のお化粧で外を歩くことはあるのですが、いくら私が年増(苦笑)でとても舞妓に見えない年齢でも、日本髪=舞妓というイメージは根強いため、舞妓さんと思われないとはいいきれません。
日本髪は決して舞妓のみに許されたものではありませんので、私たちが日本髪を結って外を歩くな、ということはないですけど、誤解を受ける可能性が非常に高いです。
日本髪が結える美容室のほとんどは祇園周辺にありますから、日本髪を結った頭でどうしてもお茶屋さんの前などを通ることはあるのですが、私は日本髪を結った時には、可能な限り舞妓さんが日常的にいる場所には足を踏み入れないようにしています。
あの頭で祇園あたりをウロウロしていたら、どんなに年増でも観光客から舞妓だと誤解されたら本当の舞妓さんに申し訳ないですし、舞妓さん目当てに祇園周辺をうろつく、アマチュアカメラマンの人などから偽舞妓がいる、なんて後ろ指をさされるのも嫌ですし・・・・
日本髪で舞妓さんや芸妓さんとばったり、というのはとても気まずいものだと思います。(^^;)
祇園周辺に日本髪が結える店は多いですし、日本髪で祇園周辺を歩かれる素人さんは案外多いらしく、本当の芸舞妓さんやお茶屋の女将さんと道で出くわして、睨まれた!と憤慨したコメントをネットで見かけた事があります。
本当の芸舞妓さんからしたら、本物の舞妓さんと同じような格好をした、変身舞妓や日本髪愛好者さんなどが花街をウロウロされていたら、正直あまり愉快なものではないとは思うのですが、花柳界の人々にとっては、挨拶というものがとても重要だそうで、見慣れない同業者がいれば、どこの花街の人なのかとか、自分よりも目上のお姉さんなのかなどを判断する為に、相手を見つめたりするらしく、それを睨まれた!と思ってしまうようですね(汗)
花街の門を叩いたばかりの舞妓の仕込みさんや、出たての新人舞妓さんなどは、道ですれ違う変身舞妓さんにすら、もしお姉さんだったら無礼になるので、かなり変身さんぽくても思わずお辞儀をすることもあるそうです(^^;)
こういったトラブル?もありますから、なんにしても、私は花柳界の人間ではないので、区別やけじめは付けるべきだと思うのです。
節分やお正月など、一般の女性も日本髪を結って外を歩いても不自然ではない時期や、花街から離れた場所にいたとしても、私がいくら年増でも、舞妓さんとは違う髷を結っていたとしても、舞妓さんに思われてしまう可能性はどうしてもありますので、私としては舞妓さんのイメージを悪くしない振る舞いをするようにはしています。
舞妓変身時やそれ以外の時に、日本髪を結って京都の街を歩く女性には、敢えて舞妓に間違われたいと期待する人はいるようで、中には舞妓さんのような言葉遣いを人前でわざとしたり、舞妓のフリをして千社札を作って渡す人もいるらしいです・・・
私も少女の頃は舞妓さんに憧れていましたから、そういった心情は理解は出来るんですが、冗談では済まされない場合もありますよね。
また、日本髪を結った姿で、観光客向けに、舞妓さんが舞を舞ったり記念撮影が出来る場所に来てしまう女性もいると時々聞きます。
上でも述べましたが、確かに日本髪は「舞妓さんだけ」のものではありません。
しかし、区別やけじめは必要です。
何も分からない無関係の他のお客様は、なぜ舞妓が舞妓を見に来ているんだろう?と不思議に思ったりするでしょうし、自分は日本髪が好きなだけで結っているので、舞妓とは無関係!と思っても、現代においては特別な、芸妓や舞妓と同じような姿で同席してしまうのは、舞妓さんや関係者、その人自身もお互いに気まずい思いをすると思いますしねぇ・・・
舞妓変身は元々はお茶屋さんが、舞妓の格好をしてみたいというお客様の要望から始めたと聞きます。
節分などで、舞妓の格好をするお客様に対して、舞妓さん自身がお化粧をしてあげたりするそうです。
私が節分の時に美容室で日本髪を結っていたら、お茶屋さんから紹介されたお客様が日本髪を結いに来られ、贔屓にされているらしい舞妓さんが美容室まで迎えに来て、お客様の写真を撮ってあげている姿も見かけました。
花街の人々が舞妓変身や日本髪を結う人を嫌うばかりではないと思いますが、芸舞妓さん達の「仕事の場」に同じような姿で足を踏み入れるならば、時やタイミング、段取りや信頼関係など、色々と必要なんでしょうね。
私も花街に興味を持ち始めたばかりの頃は、あまりこういう微妙なことが分かりませんでしたが、色々な立場の人々から教えられるようになって、だんだんと分かってきました。
舞妓変身体験も、日本髪を結うのも楽しいです。
でも、自分の楽しみも大事ですが、それによって傷ついたり困ったりする人がいるかもしれません。
それらの事を頭に入れて楽しみたいと思います。