はんなり、万華鏡

京都を中心とした旅行記や文化についてあれこれ。

七月・お祭りの花簪

2012-07-18 22:39:40 | 舞妓の衣装・装飾品

7月の花簪は団扇や朝顔ですが、祇園祭の鉾が建ち始める7月10日頃から、花傘巡行が行われる7月24日あたりまでは、舞妓さん達はお祭り用の簪を挿します。


  

上記の画像は、イベントで展示されていた花簪です。
お祭りの簪は毎年デザインが変わります。
団扇や扇、蝶々やお花、など涼しげなものをモチーフにしています。
小さい舞妓さんと大きい舞妓さんは、デザインは一緒ですが、小さい舞妓さん用のは色合いが濃く、大きい舞妓さん用のは色合いが薄いです。
上記の画像は大きい舞妓さん向けの物だと思います。

 

こちらの簪は数年前のデザインで、小さい舞妓さん向けのもの。
小さい舞妓さんらしく赤い色が多いです。
髷の手前に挿す幅の広い簪は勝山といい、お祭り用の勝山は銀色のお花で作られます。
小さい舞妓さんは3段、大きい舞妓さんは5段から7段です。
こちらのは小さい舞妓さん向けのものなので勝山の段は3段です。
お祭りの簪以外、他の季節の花簪の勝山は、小さい舞妓さんの方が段が多く、大きい舞妓さんの方が段が少なく細くなり「細勝山」と呼ばれます。

こちらは、大きい舞妓さんのお祭りの簪。
大きい舞妓さんはお祭りの簪を挿す期間の間は「勝山髷」を結います。
輪になっている髷の左右から梵天という銀の飾りを挿し込みます。
梵天は撫子のお花が付いており、撫子のお花の色は年季によって色が赤⇒ピンク⇒水色等に変わります。
この梵天は水色と白です。
赤とピンク、水色と白のように、単色ではなく二色使いにしたものも好みで作ります。
この舞妓さんは、勝山髷の手絡がピンクで梵天の撫子が水色なのでベテランさんになります。

お祭りの簪は、基本的に五花街統一で同じデザインで作りますが、舞妓さんの中にはみんなと一緒はいや!とかこのデザインは好みではないということで、過去に作られた簪など自分の好みのものを挿している場合もあるそうです。
この上の画像の舞妓さんは、この年は確か団扇のモチーフのデザインでしたが、団扇は嫌いだそうで別のデザインの簪にしたそうです。
話に聞いてみると、舞妓さん達は花簪のデザインでも好き嫌いがわりとあるそうです。
6月の柳が嫌いだから紫陽花にしたとか、菜の花よりも水仙の方が好き、とか。

 

7月の団扇の簪については七月・団扇の簪をご覧ください。