高村典子・歌集『雲の輪郭』ながらみ書房 2014-07-31 | 短歌 入院は知られたくなき枕辺に人待つやうな丸椅子があるまたひと夜ひとりの夕食オリーブのドレッシングは分離してゆく西空に男体山の澄む季節くもりなきまで窓ガラス拭く草叢を吹き行く風の見ゆる土手われはお尻で地球に触れる山法師手に紅き実を点らせて水平線のむかうも海です暮れ方の夏のビル街人あふれ金星宿す星の樹のあり