風の電車は花野発花野行き 今瀬剛一
しつかりと見ておけと瀧凍りけり 同
大祖の家紋涼しき下がり藤 同
どつかりと父の笑顔と今年米 同
雁渡る母には杖のごとき鍬 同
風の電車は花野発花野行き 今瀬剛一
しつかりと見ておけと瀧凍りけり 同
大祖の家紋涼しき下がり藤 同
どつかりと父の笑顔と今年米 同
雁渡る母には杖のごとき鍬 同
咲き続けそのまま秋の薊なり 今瀬剛一
朴の花自己崩壊の途中なり 同
わき出づる汗いまだあり死なぬなり 同
猿田彦矛を杖とし炎天下 成井侃
梅雨の蝶雨の重さは知らぬなり 今瀬一博
帰省して平らに眠りゐたりけり 福井隆子
形代の揺り戻されて海近し 岡崎桂子
涼しさや祝詞が巡る森の中 植野康二