現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。

「ひろそ火」2015年2月号

2015-02-19 | インポート

大赤城舐めて朔旦冬至の陽  木暮陶句郎

湯たんぽの命と思ふ湯をそそぐ  同

失なひし刻を探しに冬の蝶  星野裕子

霙降る空の余力を使ひ切り  杉山加織


星野立子・星野椿・星野高士・句集『三代』飯塚書店

2014-08-11 | インポート

下萌えぬ人間それに従ひぬ  星野立子

美しき緑走れり夏料理  同

蓮咲いて水の月日の始まれり  星野椿

蜩と蜩つなぐ山の風  同

傾きし日を抱きたる大瀑布  星野高士

立秋や机の上に何もなし  同

Photo_2


「俳句四季」2014年7月号・東京四季出版

2014-06-20 | インポート

涼しさは鑒真さまの結跏趺坐  後藤比奈夫

頂上へ急がず遅れず風薫る  矢須恵由

糸とんぼ水の光に消えにけり  松田美子

竹皮を脱ぎはじむべき時なるぞ  片山由美子

石走る水の彼方の遅桜  ながさく清江

捨てし街の鏡のなかを昼寝かな  中村安伸

Photo