現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。

茨木和生『季語を生きる』邑書林

2016-03-06 | 俳句

水中に花開きゐる蕗の薹  茨木和生

白魚を食ふ集まりを抜け出づる  宇多喜代子

うつばりに並ぶ釘穴くすりの日  黛執

朝の雨声がきれいで白子掘  岡井省二

尻子玉抜かれしごとき水中り  茨木和生

門火焚く母見下ろして立てるなり  片山由美子

竹植ゑて一蝶すぐに絡みけり  大峯あきら

愛人のひとりに会ひぬ油南風  夏井いつき


藺草慶子・句集『櫻翳』ふらんす堂

2016-03-06 | 俳句

水に浮く椿のまはりはじめたる  藺草慶子

色抜けて涼しき捨身飼虎図かな  同

三界や暮れきるまでを鶏頭花  同

一天を鷹の流るる潮かな  同

星とぶや坊の竈に幣白く  同

抽斗の中へ日のさす秋彼岸  同

星祭轍の濡れてゐたりけり  同


藺草慶子・句集『櫻翳』ふらんす堂

2016-03-06 | 俳句

水に浮く椿のまはりはじめたる  藺草慶子

色抜けて涼しき捨身飼虎図かな  同

三界や暮れきるまでを鶏頭花  同

一天を鷹の流るる潮かな  同

星とぶや坊の竈に幣白く  同

抽斗の中へ日のさす秋彼岸  同

星祭轍の濡れてゐたりけり  同