現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。

「里」2014年5月号

2014-04-28 | アート・文化

地の鹽の嵩の昏きへ囀れり    男波弘志??

桃柳鏡の中に重なりぬ    仲寒???

春昼を吐いて火口のがらんどう    同??

浦かけて雨にけぶれる桃柳    市堀玉宗??

半跏にて柳を桃へ合はせをり    島田牙城

劒山に柳挟まり桃刺さる   同??

パン工場春の夕日の浮く下の    上田信治??

ストーンヘンジ盛り場は砂の城    河西志帆

??寝転んでこゑよく届く花見かな    堀下翔

?足運ぶところ花屑寄りきたる    谷口智行

掻膝に水の廻るや桃柳    五島高資

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「かいぶつ句集」第76号

2014-04-21 | アート・文化

地をうちて枝垂れ桜の明かりかな    黒川俊郎丸亀丸

DNA渦巻きの先に神がおり    サエキ子覗けんぞう

何時まで放課後だろう 春の夜の水田に揺れるジャスコの灯り    笹公人

抱きしめてかさなりあって桜色    蜷川有紀

土に眠る駱駝の瘤の春の音    榎本バソン了壱

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藤埜まさ志・句集『火群』角川学芸出版

2014-04-13 | アート・文化

虫干や昼を灯して中二階    藤埜まさ志

海鳥が街空を舞ふ春立つ日    同

打水の龍の形して飛び出せり    同

葉牡丹の耳展げ聴く星のこゑ    同

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句集 火群 (単行本)
価格:¥ 2,916(税込)
発売日:2014-03-21