現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。

「俳句四季」2015年1月号・東京四季出版

2014-12-25 | 俳句

昼寝どき人の訪れ黄水仙  金子兜太

木の家の重石となりて鏡餅  鷹羽狩行

初明り庭に松影置きそめし  稲畑汀子

東京は大敗荷田初日射す  宮坂静生

結界と定めた石に初日影  宇多喜代子

元日やたましひの札切ちりぢりに  斎藤愼爾

渾沌に無縁の刻の餅を焼く  佐怒賀正美

正月の雀と僧とされかうべ  高橋将夫


「現代俳句」平成26年11月号

2014-12-18 | 俳句

木枯しも順風逆風ありとせん  新谷ひろし

そらまめやここはやっぱりあやまろう  門野ミキ子

からす瓜なみだあみだと駆けのぼる  佐藤瑞穂

五月闇書庫には鍵がもう一つ  仲田陽子

はつあきの体すみずみまで水面  月野ぽぽな

ていねいに絮のせてゐる秋の風  石母田星人

 第11回ジュニア俳句祭・文學の森賞受賞

昼寝してホットケーキになっちゃった  木坂知望

            (横浜市立洋光台第一小学校六年生)


「ひろそ火」2014年12月号

2014-12-13 | 俳句

トパーズの太陽を置き秋日和  木暮陶句郎

秋高し無限を映すビルの窓  同

秋風や隙間だらけの町に住み  槽谷節子

言はないと決めてひたすら生姜する  中野千秋

黒潮の色を焦がして秋刀魚焼く  相庭白雨


「海程」2014年12月号

2014-12-13 | 俳句

鶲来て昨日の月影を啄ばむ  金子兜太

桃食って友の安否が手に残る  相原左義長

モルヒネの覚めて繊月のまぶしさ  安西篤

香水に従きて倶利伽羅峠まで  塩野谷仁

ハツカネズミ窺う風神雷神図  武田伸一

雨立ち込めて昆虫展の奥に人  小野裕三

夾竹桃抱えられない昼があり  守谷茂泰

軍艦島かごめかごめでいなくなり  河西志帆

銀漢や腰までひたる男体山  五島高資