現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。

「藍生」平成26年6月号

2014-05-28 | 俳句

生きて死ぬ生きてなほ死ぬ滝櫻  黒田杏子

鍼刺して息深くなる日永かな  三島広志

雪飛ばしつつ雪雲を払ふ風  高田正子

猫伸びてまだ伸びさうな日永かな  鈴木牛後

手を添へてもらひ柊挿しにけり  中岡毅雄

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鈴木牛後・句集『根雪と記す』『暖色』

2014-05-27 | 俳句

 『根雪と記す』より

かげろふに濡れて仔牛の生まれ来る  鈴木牛後

行く春のいつか何かに使ふ箱  同

雷神に山羊一匹の立ちどほし  同

バックミラーの破片のひとつづつに月  同

人に首空に月ある寒さかな  同

 『暖色』より

凍星やよく振つて打つペニシリン  同

雲海へ王のごとくに放尿す  同

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「俳句四季」2014年6月号・東京四季出版

2014-05-26 | 俳句

落椿ひとつの上にまたひとつ  宇多喜代子

ぶらんこの揺れるは風のせいならず  高野ムツオ

あたたかし帳しといふ?の線  中原道夫

緑さす檻の外にもゐる小鳥  橋本榮治

悪党と春の眠りの中にあり  渡辺誠一郎

白鳥帰る死装束のまま帰る  仙田洋子

春終わる床が埃とあそぶ間に  鎌倉佐弓

戦争が始まつてゐたラヂヲかな  筑紫磐井

水無月の菩薩に後ろ姿かな  浦川聡子

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「豆の木」No. 18

2014-05-24 | 俳句

押しながら火の伸びゆける野焼かな  宮本佳世乃

折り紙で海を折ってと夏帽子  室田洋子

惑星の引き合う夜の葡萄かな  守谷茂泰

月光を零しセーター脱いでをり  吉田悦花

さぼてんの花咲きながら棘だらけ  上田信治

ポケットの転居届の余寒かな  宇田川寛之

街に肉あふれてインフルエンザかな  大石雄鬼

吾子といて立夏の穴をよく埋める  小野裕三

蓮の葉の凪いでいる間に本借りる  こしのゆみこ

昼寝より醒めて金星ほかいろいろ  西原天気

蛍光管むき出しの棄てある余寒  白井健介

翼たたんで麦秋の風に一泊  月野ぽぽな

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第2回 子規忌ネット句会の案内

2014-05-23 | 俳句

◆第2回子規忌ネット句会のご案内/9月19日開催◆

主催:子規忌ネット句会実行委員会

後援:インターネット俳句コンテスト協会(理事長 高橋信之)

選者:大森健司・五島高資・高橋正子・豊里友行・仲 寒?・永田満徳・中本真人・林 誠司・松野苑子

実行委員会委員長:永田満徳

実行委員会委員:・小西 宏・高橋正子・多田有花・永田満徳・藤田洋子

▼投句
①投句:「子規忌」「獺祭忌」「糸瓜忌」で作った句を3句
②投句期間:2014年9月17日(水)午後12時まで
③投句場所:Facebookページ「子規忌ネット句会」の最上段、近況の投稿欄

▼互選
①清記:投句一覧表がブログ「子規忌ネット句会」に載ります。
②清記(投句一覧表)の中から3句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、9月18日(木)午前9時から始め、9月19日(金)午後6時までに済ませてください。
③選句の投稿は、ブログ「子規忌ネット句会」のコメント欄にご投稿ください。
※選者も上述と同様に選をお願いします。選者の選は、選者特選として表彰されます。

▼入賞・伝言
②入賞発表:9月19日(金)午後10時
③伝言・お礼等の投稿は、9月19日(金)午後10時

2014年6月1日 
子規忌ネット句会実行委員会 委員長 永田満徳