連凧につながつてゐる地球かな 赤間学
魚の骨きれいにぬけて十三夜 同
蕎麦の花イーハトーブの風になる 同
被災者の戻る麦の穂月夜なり 同
体ごと振るフライパン春隣 木暮陶句郎
音の無き刻をつないで流れ星 同
湯たんぽの命と思ふ湯をそそぐ 同
宇宙みな回りて轆轤始かな 同
毛の国の起伏を滑る初日影 同
水音の透けてをりたる谷若葉 同
太陽のかけらも運び蟻光る 同
水と土ぶつけて轆轤始かな 同
薄氷の星にとけゆく水の音 松本龍子
傷口のやうに桜のあふれをり 同
仰向けに星をつかみし兜虫 同
落葉焚く龗神を鎮めけり 同
月光を背負ひて登る夜の蝉 同