現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。

「里」2014年7月号

2014-07-08 | 俳句

薄みどりなる毛蟲の毛日に刺さる  島田牙城

一枚の眼帯へだて梅満開  谷口智行

トロ箱にぎつしり土や梅雨の月  上田信治

髪に羽差したき清志郎忌かな  中山奈々

まむし草見えない川を聴いている  月野ぽぽな

飛びうつる距離に屋根あり薄暑光  堀下翔

捕虫網消えて開きつぱなしの本  仲寒?

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「鷹」2014年7月号・別冊

2014-07-01 | 俳句

揚羽より速し吉野の女學生  藤田湘子

芒より風離れてはひかるなり  倉橋羊村

海よりも陸荒々し昼寝覚  宮坂静生

さらしくぢら人類すでに黄昏れて  小澤實

万有引力あり馬鈴薯にくぼみあり  奥坂まや

空間を時間素通り夜の秋  加藤静夫

わかりあへず同じ暖炉の火を見つめ  髙柳克弘

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