2019年の全日本選手権(代々木)の、男子のショートが終了しました!
こちらが、羽生選手の演技「秋に寄せて ~Otonal~」と、その後のインタビューの公式動画です!
国内試合なので、非公式になりますが、一応得点は昨年出した最高点よりもさらに上が出たということで、
新ルールに変わってからは、羽生選手はまた最高点を更新したことになります!
おめでとう、羽生選手! 素晴らしい演技でしたね!
今回は 本当にホッとしたことだと思います…!(笑)
今回は、前回のグランプリ・ファイナルの時よりも、ジャンプ構成の難易度は、少し落とした形になり、
羽生選手が本来目指していた形ではなく、ちょっと妥協した形になったと思うのですが、
より確実にノーミスにつなげて得点を絶対に落とさないため、より少しでも多くのGOEをも稼げるための対策をとった、という感じですね。
振り付けの変更は羽生選手自身がこの1週間の間に急遽行ったということで、振付師のバトルさんの手がまだ入っていないようですが、
まあ、そこは仕方がないとして、「自分にできることを」よく頑張ったと思います…!(笑)
個人的には、どちらがよりプログラムとして情緒的で完成度が高いかというと、やはりファイナルの時の振り付けだろうとは思いましたけど、
(すでによく滑りこんでいるのがわかりますし、練習し慣れていて 余裕があるので、情感が込められますので…)
ただ、戦略上の ジャンプの構成変更に伴う変更は当然しなければならなくなるので、
この短い時間で、しかもこの疲労の中、しかもこの動きにくい衣装で、本当にとてもよく頑張ったと思いますし、
本当に素晴らしい対応力だったと思います…!!
こちら、スポーツ報知のカメラマン・矢口さんが感想を述べています。ツイッターより
「今日、撮影していて感じたのはOtnalってこんなに逞しさを感じるプログラムだったんだ、ということ。
美しさの中に「強さ」を感じた羽生選手のSPでした。」
だそう!(笑) わかりますね!(笑) その通りですよね!
フジテレビの解説の本田武史さんが言っていましたけど、最初の4回転サルコウは、少し軸が曲がって入ったのですが、
空中で修正してきれいに着氷するという、本当に神業レベルのことをやってのけたと思います…!
本田さんも感心されていましたね…♪
本田武史解説はいいですね、色々わかりやすくて。(笑)
羽生選手の本当の凄さを、今、とても良くわかって下さっているのは、きっと本田さんですよね。(笑)
今まで2番目に来ていた、ツイヅルから入って、ツイヅルで出るという、超高難度のトリプルアクセルを、最後に回してイーグル出に変え、
2番目のジャンプに、より得点の大きい4回転+3回転トウループを持ってきました。
これにより、より失点につながりやすいリスクを減らして、得点上の確実さを増すことが出来るわけですが、
羽生選手はインタビューでも語っていたように、今まで、あえて最後にこのコンビネーションをもってくるという、
ヘンタイ的、否、天才的挑戦精神に満ちた(笑) とてもリスキーなことをやってきていたわけです。
(多くのファンは、見慣れて、あれが当たり前みたいに思っていたかもしれませんが、全然当たり前じゃありません。)
理由の一つは、最後に持ってくると、後半でのジャンプになるため、コンビネーション分の得点が丸々、1.1倍になって、
成功した場合には、単独ジャンプを跳んだ時より、さらに高得点が出るようになるから、と、
羽生選手の音楽的表現のこだわりとがあったわけですが、
当然それだけ難しいことを、疲れてくる後半にやることになるわけなので、
その分プレッシャーも、必要な技術力もすごくなるわけです。
でも、羽生選手は あえてそれをやることで、
それだけ「絶対に跳べる」という自信に満ちている技術力の高さのアピールにもなっていたのですが、
今の首回り邪魔な衣装だと、これはかえって、ファイナルの時のような事態を招くと、大きな失点につながってしまいます。
ネイサン・チェン選手は、そこまでのリスクは犯していないんですよね。
羽生選手も、もし、バラード第一番の時のような「ジャンプに邪魔にならない」「本来あるべき」衣装だったら、
羽生選手はこんなに緊張することもなく、怪我がなければ、こんなミスはほぼしないで済むはずなので、
今まではその実力通り、平然とそういうことに挑戦できていたわけですが、
それを、今回はやめたということですね。
今の「羽生選手本人にやれることとして」、ベストを尽くした、ということだと思います!
もともと、羽生選手はルッツやループをショートの冒頭にもってきて、最後にコンビネーションをやるのが、
羽生選手的には「最難関」になるので、それが目指したい理想形だと前から語っています。
だけど、それを今は諸事情につき、「妥協」して頑張っている感じですね…!
演技終了後のインタビューで、非常に冷静に語っているのも、「本来はもっとできた」という想いがとても強いからだと、よくわかりますね。
ほんのちょっとだけ、首の後ろの部分がカットされたようにも見えますが、
相変わらず首の横回りがものすごく邪魔そうだし、羽生選手の美しい首回りのラインをつぶしているので、本当に相変わらずでしたね!
羽生選手は、間違ってもああいう滑りにくいのを希望したりはしていませんから、どうぞご理解よろしくお願い申し上げます♪
羽生選手、よく頑張った! まずはショート、本当にお疲れさまでした…!!
フリーについても、ベストな判断が出来、納得のいく演技に出来ますようにと、心より主イエス=キリストの御名でお祈りしています…♪
必ず、幸せな試合として終えられますように…♪
今回、ここをお読み下さってきていて、色々な事情を理解した上で、とても心配して下さった方々、
陰ながら応援としてできることをしてくださっている方々、
共に主にお祈り下さった皆様に、心より感謝いたします♪
多くの方に、きちんと伝わってきていると私は感じていますし、
ご自分に与えられている使命を果たそうと頑張って下さっている方々も 増えてきていると強く感じるので、
羽生選手はどうか前向きに、無理なく、幸せな気持ちで、頑張ってほしいなと思います…♪
油断なく、最後までファイト♪
今回、フジテレビは頑張って下さったようで、色々、得点表示のところに、見る人にわかりやすくなるように
きちんとやったように見えても、見た目以上にルール上の理由で得点がなくなってしまう場合に、
「規定違反につき無得点」という表示がなされていたのが、見る側にわかりやすくて良かったと思います…!
ただ、それにより、ルールを超えた凄さを発揮した演技については、
何も書かれずに見ていた場合に得られたであろう感動が薄れてしまう、という側面もありますね。
山本草太選手は、回転抜けによる得点の大損や、ご本人の悔しさとは別に、とても素晴らしい演技だったと私は思いました!
最初の謎のコケは、羽生選手のロミオをまたもや思い出しました。(笑)
でも、あの曲は山本選手の滑りの滑らかさ、美しさや雄大さに本当によく合っていますね…!
ここまで戻ってきたこと、自信をもって頑張ってほしいと思います…♪
他の選手たちの感想もいろいろ書きたいのですが、また後で…。
また後で、羽生選手のインタビューその他、色々と追加していきます・・・!
こちらは、ショートの演技後の羽生選手のインタビュー一問一答です。 こちらスポニチ記事1より
――4年ぶりの全日本、SPを終えて
「まあ、とりあえずホっとしています。あの、まあGOEを稼ぎたいという狙いでこういう構成にしましたけれども、まあ結果的にトーループ、トーループの方はかなり稼げてるっていうか、いい出来だったので、まあおおむね満足しています」
――久々の全日本で注目度も高い、プレッシャーになったのか、気持ちが盛り上がるものか
「まあ、プレッシャーの方が大きいです、ただ、プレッシャーは力なんで。まあ、そうやってみなさんに期待されるからこそ、頑張んなきゃって思いますし。まあ、またなんか、試合に入る前、すごい緊張していたんですけど、なんか、なんか日本語でしかアナウンスされないっていう、なんか、まだアナウンスがなんか、これから続くのかなって思ってたら、ああ続かないって思ったりとか。なんかいろいろ冷静に聞けてたりもしてたんで、緊張しつつもいい自信があって、ちょうど良く試合に入れたんじゃないかなっていう風に思います」
――今季「怪我なく」としていた。まだ終わっていないが、ここまでは
「とりあえず一歩ずつ進んでいるのかなという感じはします。まあ、このオトナル自体もすごく自分の中でなんか、過去を振り返りつつ、今から未来へ一歩踏み出すみたいなイメージでやっていたので。とりあえず、そういうイメージの中でも自分として、1つになれたかなという感覚でいます」
――フリーに向けて「とにかく、明日(21日)しっかり休んで調整しながら。まあ、4回転アクセルとかはしないと思うので(笑い)しっかりと休んで、あの、まあその時になってどれだけ調子が上がってくるか、どういう調子になっているかというのを確認しながら、フリーについて考えていけたらなと思います。今はとりあえず、まあ、ショートの良かった点と悪かった点を振り返りながら、まずはホっとしたいなと思います」
――昨日の練習から疲れが見えた、どのようなメンタルで
「まあ、やっぱり今回の構成変更がGOEを稼ぎたいっていうくらいに、すごく出来栄えを意識したものだったので、まず失敗するという頭がなかったです。とにかく、あの、まあアクセルに関しては自分の中ではミスだと思っているので。それくらい自信持ってやっていましたし。まあ練習は練習で、本番は本番だと思って、はい、集中してできたと思います」
――良かった点、反省点は
「まず反省点としては、え~、まあ自分で振り付けを変えてしまって、自分で振り付けをつけているんで、まあトランジションの甘さとか、あの、スピードを出すタイミングとかそういうのがまだ分かっていないかなっていうことがあって。まあ、ちょっとずつ、もっと加えていけるかなっていう風に思っているのが、まず反省点。まあ良かったところにもそれはあって。自分で変えて、まだ1週間前に、1週間前に変えたんですけど、まあそれでも、滑り込みをほぼできていない状態の中でも、まあ試合という緊張感の中で、しっかり調子以上のものを出せたっていうのが、まあ良かったところじゃないかなと思います」
――今後の試合もこの構成か
「う~ん、まあ最初のジャンプ次第かなと思います。もしかしたらループとかルッツとかをショートのど頭に入れるかもしれないので。そしたらもうちょっと、あの、GOEに目を付けて、あそこがトーループでも、今回、音で気持ち良くきれいにハマったと自分の中では感覚があったと思うので。まあ、そういうことも視野に入れつつ、やっていきたいかなとは思います」
――あの位置の方がトーループを跳びやすい音とかあるのか
「コンビネーションでも音ハマるかなと思って、まずやったんですけど、まあコンビネーションとして音もうまくハマっていましたし。ホントはできればエッジ系ジャンプがしたいんですけど。でも、きれいになんか、トーループをちょっとガっていうトーループの跳び方じゃなくて、ちょっと軽めのトーの突き方でトーループを跳んでアレンジをちょっとしているんですけど。まあ、そういうのもなんか、新たな表現の手法かなと思えたんで、そういう意味ではありかなと思います」
――6分間は最小限に抑えた?
「まあ、でも、6分間は結構跳びました。あの。最初の3分くらいで全ジャンプきれいに決まってたんで、どうしよかなって思ったんですけど。それでも、あの、グランプリファイナル、NHK杯、スケートカナダとオータムとやってみて、どのくらいの体力の消耗の仕方で、どれくらい調整していくのがベストなのかっていうのが、なんとなくその時、その時の体調によって分かってきてるなって感じはするので、たぶん、それが試合勘っていうものだと思うんですけど、今の体に合った調整の仕方はできたんじゃないかなと思っています」
――構成変更は疲労を考慮したわけではないのか
「そうですね、出来栄え意識してっていうのが強いです。あの、どうしてもトーループ自体に不安があるってものじゃなくて、あの曲のところでのトーループが不安があるって感じなので。あの、はっきり言ってしまえばフリーのトーループの方が、フリーの後半のトーループの方が簡単だなって思いながらやっていたので。だったら、あの、まあ基礎点的には0・57くらい変わるんですけど、まあ、GOEしっかり稼いで、稼ぐって言い方は好きじゃないんですけど。ジャンプの出来栄え自体を良くしたい。そうすると、やっぱりプログラム自体がもっと映えると思ったので、そういう風にしました。ただ、挑戦としてはやっぱり、自分がアクセルの音として跳んでいたところはやっぱり、エッジ系のジャンプ、もっとなんか、軽やかな跳び方をしなくてはいけないっていう、なんか、表現的に自分がすごく思っていたので、それをどうやってトーループで、より軽く、その、Originの時の力強いトーループじゃなくて、より軽い流れのあるトール―プのトーの突き方とかを意識してやったのが、挑戦ではありました」
――ファイナルからここまで調整は
「調整もできていないです、はっきり言って。こっちに来て、最初の練習で見て分かったと思うんですけど、あれがよくあそこまで戻ってきたなって感覚でもあったので。はっきり言って、ループも跳べていなかったですし、ほとんど。なので、まあちょっと、まだフリーに向けて不安はまだもちろんありますけど、ただ、とにかく、まあ一歩ずつ少しずつでもトレーニングしながら休みながら、ってことを常に心がけてやってはきました」
――エッジ系には不安なさそうな感じも
「んっと~、まだ氷の感触つかみきれていないなっていうのが正直なところで。まあ、やっぱり明日はまた、しっかりつかんで、どういう感覚でループを跳ぶのか、サルコーを跳ぶのか、あとはアクセル、トーループも含めてどうやっていくかを考えながらやりたいなと思います」
――最終的にSPでどんな形に
「まあ、そこまではちょっと考え切れていないっていうのが正直なところです。やっぱり、あの、やっぱ、きれいに跳べてこそのプログラムだと僕はやっぱり思うんですよね。で、そのジャンプ自体も曲に合ってなきゃいけないっていう、その、なんか、ジレンマがあって。たぶん確率よくするんだったら、この構成がいいのかなとか、いろいろ考えてはいたんですけど、やっぱり自分の中でこだわりとして、やっぱり後半に4―3持ってきたいというのは自分の中でやっぱりあるので。まあ、完全に吹っ切れているわけではないので。なんか、とりあえずこの試合が終わってから、また新たなジャンプも習得しなきゃいけないですし、ルッツ、ループに関しても、たぶんアクセルができるようになってきたら、もっと確率も上がってくると思うので。まあ、いろんな選択肢はあるかなと自分の中では思っています」
――このタイミングで変えたのは、ファイナルの失敗も大きかったか
「はい。へへへへへ。そうですね、やっぱり、もちろん、ある意味でコーチがいなかったからこそ、自分の実力がそのまま出たっていう試合でもあったし、やっぱり、ショートであの、完璧にやってナンボだっていうのはすごく、ソチオリンピックの頃から重々、承知でやってるので。まあ、もう、フリーで無茶するんだったら、ここである程度の基盤を作っておかなきゃいけないっていうのと、あとは、あまりにも後半含めた、ショートの後半含めた完璧な感覚がなさすぎるっていうのがあったので。この試合で、完璧な感覚をつかみたいなということも狙いではあります」
――ファイナル終えて、どういうモチベーションで
「まあ、スケートに気持ちが向かないということはなかったです。ただ、割とヘコんでて、ふふふふ。まあ、ほんとフリーに関してはやったなと思っているんですけど、ある程度は。ただ、思ったよりも消耗も激しかったですし、やっぱりあの構成で滑り切れてないので。どうしても、気持ちの消耗も激しく、結構またすぐ試合かっていう感覚でいました。ただ、なんだろ、実際こうやって日本に来る時とか、また、クリケットでトロントにいて、グランプリファイナルとかでもらった応援のメッセージとかそういうものを見ながら、なんか、ほんと1人のスケートじゃないなと思って、なんとかそこで、その力をもらって心をつないできた感じです」
――ここの氷の難しさ
「でも、なんか、最初に滑った時の感覚とだいぶ違うなというのと、あとは整氷後と整氷1時間後っていうのがまったく違うかなっていうのを感じたんで。まあ、フリーはこのままだとたぶん最終グループ、だとするとやっぱり、整氷1時間後だと思うので、そこをどうやって自分の中で調整しきって、エッジ系ジャンプは特に影響があるので。どれだけ引っかけるか、どれだけ滑りきるかというのを感触として分かってなきゃいけないなと思います」
――最後、フリーに向けて
「以上です、さっきの感じでいいですか(笑い)えっと、まあ、とりあえず明日があるので、しっかり調整の日に充てて、まあどういう調整するかまだ決めてないですけど、うん、とりあえず明日、調整する日にして、まあ、ちょっとフリーについては考えられてません。今日は今日の反省点と良かった点を踏まえて考えながら、とりあえず、ホっとしたいなと思います。ありがとうございました」
――SPの演技を終えて。
◆とりあえず、ホッとしている。GOE(出来栄え点)を稼ぎたいという狙いで、こういう構成(本来最後に跳んでいた連続ジャンプを二つ目に変更)にしたが、結果的に良いできだったので、おおむね満足している。
――4年ぶりの全日本選手権。プレッシャーはあったか。
◆プレッシャーの方が大きい。ただ、プレッシャーは力。期待されるから頑張らなきゃと思う。緊張しつつも自信があった。ちょうど良く試合に入れたんじゃないかなと思う。
――グランプリ(GP)シリーズ、GPファイナル、全日本とけがなくきた。
◆とりあえず、一歩ずつ進んでいるのかな。オトナル(SP曲「秋によせて」)自体も自分の中で過去を振り返りつつ、今から未来へ一歩を踏み出すイメージでやっていた。とりあえずそういうイメージのなかで、自分として一つ踏み出せた。
――19日の練習からは疲労が感じられた。どのように立て直したのか。
◆今回の構成変更がすごい出来栄えを意識したものだった。まず、失敗するというのは頭になかった。(トリプル)アクセルに関しては、あれ(着氷でややぐらついたの)は自分の中でミスだと思っているので。それくらい自信をもってやっていた。練習は練習で、本番は本番。集中してできたと思う。
――いま思う、SPの良いところと反省点は。
◆反省点としては、自分で振り付けを変えてしまって、トランジションの甘さとか、そういうのが分かっていないかなと。でも、ちょっとずつ加えていけるかなとも思っている。良かったところは、自分で(振り付けを)変えて1週間。滑り込みもできていなかったが、試合の緊張感があるなかで調子以上のものを出せたというのが良かったところじゃないかなと思う。
――今後の試合もこの構成か。
◆最初のジャンプ次第。もしかしたらループやルッツをSPの冒頭に入れるかもしれない。そうしたらもう少しGOEに目をつけて、あそこ(二つ目のジャンプ)がトーループで今回、気持ち良く自分の中ではまったと思っている。そういうことも視野にいれつつやっていきたい。コンビネーションジャンプも本当は、できればエッジ系ジャンプにしたいが、トーループを「ガッ」ていうような感じではなくて、少し軽めに跳んできれいにとアレンジをしている。そういうのも新たな表現手法かなと思ったので、そういう意味ではありかな。
――すごく冷静に演技前の6分間練習をやっているように見えたが。
◆6分間は結構跳んだ。最初の3分で、全ジャンプがきれいに決まったのでどうしようかなと思った。それでも(12月初旬の)GPファイナル、(11月下旬の)NHK杯、(10月下旬の)スケートカナダ、(9月中旬の)オータム・クラシックとやってみて、どのくらいの体力の消耗の仕方か、どれくらい調整していくのがベストかというのが、その時、その時の体調によって分かってきている感じがする。それが試合勘だと思う。今の体にあった調整の仕方ができたのではと思う。
――演技構成の変更は疲労ではなく、あくまでも出来栄えを重視したのか。
◆そうですね。出来栄えを意識したことが強い。やっぱり、トーループ自体に不満があるのではなくて、あの曲のところ(SP演技後半)でのトーループに不満があるというか。はっきり言ってしまえば、フリーのトーループの方が簡単だなと思ってやっていたので。だったら、基礎点では0・57点変わる(落ちる)が、GOEをしっかり稼いで。稼ぐという言い方は好きではないが、ジャンプの出来栄えをよくしたい。そうするとやっぱりプログラム自体がもっと映えると思ったので、そういうふうにした。ただ挑戦としては、自分が(トリプル)アクセルを跳んでいたところはやっぱりエッジ系のジャンプなので、もっと軽やかな跳び方をしなければいけないと、表現的には思っていた。それをどうやってより軽く、(フリーの)「Origin」の時の後半の力強いトーループではなくて、より軽い流れのあるトーループのトーのつき方を意識してやった。そこがちょっと挑戦ではあった。
――ファイナルからここまで練習どころではなかったと。具体的にどんな調整をしてきたのか。
◆調整もできていない。はっきり言って。こっちに来て、最初の練習を見て分かったと思うんですけど、よくあそこまで戻ってきたなという感覚。はっきり言って、ループもほとんど跳べていなかったし。ただ、とにかく一歩ずつ。少しずつでもトレーニングしながら、休みながらを心がけてやってきた。
――エッジ系のジャンプは不安なく見えたが。
◆氷の感触をつかみ切れていないのが正直なところ。あした(21日)また、しっかりつかんでどういう感覚でループを跳ぶのか、サルコウを跳ぶのか。あとはアクセル、トーループも含めて、どうやっていくかを考えながらやっていきたい。
――最終的にはSPでどうしたいか。
◆そこまではまだ考え切れていないのが正直なところ。やっぱり、きれいに跳べてこそのプログラムだと僕は思う。そのジャンプ自体も曲に合っていないといけないという、ジレンマがあって。確率を高くするならこの構成が良いのかなとか、いろいろ考えてはいたが、やっぱり自分の中でこだわりとして、後半に4回転―3回転(ジャンプ)をもってきたいというのはある。(構成変更で)完全に吹っ切れているわけではない。とりあえずこの試合が終わってから。新たなジャンプ(クワッドアクセル=4回転半ジャンプ)も習得しないといけないし、ルッツ、ループに関しても多分(クワッド)アクセルができるようになってきたら、もっと確率も上がってくると思う。いろいろな選択肢があるかなと自分の中では思っている。
――このタイミングで変えたのは、GPファイナルの失敗の重みを感じたからか。
◆はい(笑い)。もちろん、ある意味でコーチがいなかったからこそ、自分の実力がそのまま出た試合だったなと思う。やっぱりSPで完璧にやってなんぼだというのはすごく(2014年の)ソチ五輪の時から重々承知でやっている。フリーでむちゃするんだったら、やっぱりここである程度の基盤を作っておかないといけないというのと、あとはあまりにもSP後半を含めた完璧な感覚がなさ過ぎるというのがあったので、試合でその完璧な感覚をつかみたいなというのも狙いではある。
――GPファイナルという非常に大きな目標があって、その試合を終えて、体だけじゃなくて心としてもこの試合に向けてくるのは難しかったと思う。どういうモチベーションでやってきたのか。
◆スケートに気持ちが向かないということはなかった。ただ、割とへこんでいて……。本当にフリーに関してはある程度やったなとは思っているんですけど、思ったよりも消耗が激しかったし。やはりあの構成(4回転ジャンプ5本)で滑り切れていないので。どうしても気持ちの消耗も激しくて、「またすぐ試合か」というような感覚ではいた。ただ、実際にこうやって日本に来るときとか、トロントにいてGPファイナルでもらった応援メッセージとかそういうのを見ていたら、なんか本当に「(自分)一人のスケートじゃないな」と思って。なんとかその力をもらって心をつないできた感じです。
――代々木競技場の氷の難しさは。
◆最初に滑ったときの感覚とだいぶ違う。あとは整氷後と整氷の1時間後というのが、全く違うなと感じた。フリーは最終グループなので、整氷の1時間後だと思う。そこをどうやって自分の中で調整していくか。エッジ系ジャンプは特に影響があるので。(エッジを)どれだけ引っかけるか、どれだけ滑りきるかというのを感触として分かっていないといけないなと思う。
――フリーに向けて。
◆……以上です(笑い)。とりあえず1日あるので、しっかり調整の日に充てて。どういう調整かはまだ決めていないですけど。きょうの反省点と良かった点を踏まえて考えながら、とりあえずホッとしたいなと思います。ありがとうございました。