仏作文(48)
(スタンダード・フランス語講座③より)
仏作文【第48回】 Leçon 10 美術Ⅱ Beaux-arts (2)
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文例48
その画家がこの色彩にこだわるのは誤りだ.
Ce peintre a tort de s'attacher à cette couleur.
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◆ avoir を使った慣用句
「暑い」avoir chaud,
「空腹だ」avoir faim
de + inf を伴う avoir を使った慣用句を少し:
「~するのは正しい(間違っている)」avoir raison (tort) de + inf
「~する必要がある」avoir besoin de + inf
「~する意図がある」avoir l'intention de + inf
「~する時間がある」avoir le temps de + inf
「~する勇気がある」avoir le courage de + inf
「~する大胆さ(ずうずうしさ)をもっている」(①標準、②くだけた言い方)
① avoir l'audace de + inf
② avoir le toupet de + inf
◆ être + 形容詞 + de + inf :
「~するのは嬉しい」 être content(e) de + inf
「~するのはたしかだ」 être sûr(e) de + inf
「 同上 」 être certain(e) de + inf
「~することで怒っている」être fâché(e) de + inf
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問題A
1. 彼にはそんなことを我々に要求する権利はない.
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【単語チェック】
権利: droit (m)
要求する: réclamer《un droit, sa part》
: exiger《une compensation, des excuses de qn》
: revendiquer《ses droits》
: demander《une explication》
ゴタ生徒答案:
Il n'a pas le droit de nous réclamer.
正解文:
Il n'a pas le droit d'exiger de nous ce genre de chose.
———————≪感想と自己採点≫————————————
「そんなこと」を訳し忘れ(減点3点) (得点7点)
「そんなこと」:de ce genre, chose pareil(le), (une) pareil(le) chose,
:une chose pareille, quelque chose comme ça
:cela, ça
せめてça だけでもOKだったようである.
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問題A
2. 私の父はこの問題にかかわる時間がないのです.
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【単語チェック】
関わる:concerner, prendre part à ~, avoir part à ~,
participer à ~,
ゴタ生徒答案:Mon père n'a pas le temps de participer à
ce problem.
正解文:Mon père n'a pas le temps de s'occuper de ce problèm..
———————≪感想と自己採点≫——————————————
正解文で使われているs'occuper de が和仏辞典になかったので
仏和辞典で確認しました.
「s'occuper de :~に専心する、かかわる、~の世話をする」
と出ていましたので、この作文にはピッタリの語句だと思います.
problèm のアクサン・グラーヴを落としたので減点1点 (9点)
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問題A
3.われわれはそのことを彼に言う勇気は決してないでしょう.
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ゴタ生徒答案:
Nous n'aurons jamais le courage de lui dire ça.
正解文:
Nous n'aurons jamais le courage de le lui dire.
———————≪感想≫——————————————————————
Nous n'irons …としていましたが、「あれ、これはaller の未来じゃ.
avoir の未来は「ヌゾロン」aurons
厳密に言うと Nous n'irons jamais le courage de lui dire ça.
と書いていたので落第答案だったのですが、「単純未来」を
書こうとしていたのでおまけ.(ちょっと甘いけど)
(減点なしで得点10点) だいぶん甘いなあ
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問題B
1.彼の生きている間は彼の弟子たちは 新しい方向へ
進む勇気は決してないでしょう.
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【単語チェック】 m=男性、f=女性、n=男女共通
弟子:disciple m.; apprenti(e) m.(f.).; élève. n.
方向:direction (f)
進む:avancer
~方向に進む:avancer dans une direction ~
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ゴタ生徒答案:
Pendant qu'il vive, ses élèves n'ont jamais le courage d'avancer
dans une direction nouvelle.
模範解答文は:
De son vivant ses disciples n'aurons jamais le courage de
s'engager dans une nouvelle voie.
———————≪感想≫——————————————————
せっかく前問題ではavoir に単純未来を使っていたという
のに、ここにきて、うっかり現在形にしてしまった.
つまり、まだ完全に単純未来を自由に使いこなせていない
という証拠かも.
解答文に使われているvoie をチェックしたところ
(人生の)道、進むべき道、方針
とありました.ここではピッタリだと思います.
De son vivant がよくわかりません.「彼の生きている間」
という意味なのでしょうが、Leur maître vivant ならわかる
のですが...
むしろ、ここはtant que やaussi longtemps que を使ったほうが
分かりやすいとは思うところです.
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問題B
2.デッサンにおいて彼はあの巨匠と対決する能力が
あると思います.
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【単語チェック】
デッサン :dessin (m)、 esquisse (f)
巨匠 :(grand) maître (m)、
達人、名人 :virtuose (n)
対決 :confrontation (f)
~と対決する:avoir une confrontation avec ~
能力 :capacité (f)
:faculté (f)
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ゴタ生徒の答案:
En dessin, je crois qu'il a la capacité d'avoir confrontation avec
ce grand maître.
模範解答文は:
Je crois qu'il est capable pour le dessin de rivaliser avec
ce grand maître
———————≪感想≫————————————————————
「~において」という表現にあまりこだわる必要はなかった
ようです.
「~するのは正しい(間違っている)」avoir raison (tort) de + inf
「~する必要がある」avoir besoin de + inf
「~する意図がある」avoir l'intention de + inf
「~する時間がある」avoir le temps de + inf
「~する勇気がある」avoir le courage de + inf
と学習してきて
「~する能力がある」avoir a capacité de + inf
を使うのは自然だと思うのですが、正解文には
être capable de + inf が使われています.
翻弄されております.でも pour le dessin が
capable と de の間に挿入できるのを見て、ひとつ
学習しました(ひとつ賢くなりました).
———〘単語の勉強〙—————————————————————
◆ peintre:「画家」も peintre なら「ペンキ屋」も peintre です.
「画(特に油絵)を描く」ときにも「ペンキで塗る」ときにも
peintre を使います.
「彼は壁を塗り替えさせた」 Il a fait repeindre les murs.
この文章の場合ペンキ屋にやらせることですが日本語では
単に「壁を塗り替えた」と言っても faire repeindre と訳すのを
忘れないこと.
なお、「デッサンを描く」のは dessiner, 「字を書く」のは
écrire で、「かく」という動詞でも使い分けましょう.