日本と世界

世界の中の日本

韓国で、新手の日本蔑視論が登場

2021-12-28 17:48:25 | 日記

 

 コロナの感染拡大で死者が増え続ける韓国。それでも理屈をこねて「我が国の防疫の方が上」と日本を見下すのが韓国人だ。韓国観察者の鈴置高史氏はそこに絶望的な劣等感を嗅ぎ取る。


■自然免疫が日本を救った


鈴置:韓国で、新手の日本蔑視論が登場しました。「日本はコロナの検査を十分にしなかった。そのため無症状の感染者が増え、結果的に自然に集団免疫が備わった」という主張です。

 要は、韓国がコロナの感染拡大に苦しんでいる一方で、日本が感染者を大きく減らすことができたのは「けがの功名」に過ぎない、と言うのです。ハンギョレの「知らず知らずに集団免疫?日本の『新型コロナ急減』ミステリー」(12月9日、日本語版)から引用します。筆者はキム・ソヨン東京特派員。

・日本は、新型コロナパンデミックが発生した初期、韓国のような徹底的遺伝子増幅(PCR)検査をしておらず、「自然免疫」を持つ人が増えた。こうした状況で8月にワクチン接種率が50%を超え、社会全体の耐性が強まったということだ。

「自然免疫説」はまったく根拠がありません。もし、そうならワクチン接種以前から日本では抗体を持つ人の比率が高いはずですが、そんなデータはどこにもありません。

 そもそも、「日本は韓国のように徹底的PCR検査をしていない」というのが俗説なのです。感染が始まった当初、濃厚接触者に限って検査を実施する、という方針で臨んだのは日本も韓国も同じでした(「コロナ対策で『文在寅』の人気急上昇 選挙を控え『韓国すごいぞ!』と国民を“洗脳”」参照)。

 韓国がパンデミック初期――2020年2月から3月にかけ、大量検査を実施したのは第4の都市、大邱で巨大なクラスターが発生したためです。人の往来を制限して大邱を封鎖したうえ、市内での感染拡大を食い止めるため大量の検査をしたに過ぎません。なお、「大量」と言っても、当時の検査数は2月末の段階で1日に1万件前後。このペースだと、韓国人全員を検査するのに14年はかかります。

 日本では大邱のような巨大なクラスターが発生していないのに韓国では起きた――。韓国人が劣等感を爆発させかねないこの事態を前に、文在寅(ムン・ジェイン)政権は「検査数で日本に勝った!」とプロパガンダすることで、怒りの矛先をかわしたのです。

 日本でもテレビのワイドショーなどが韓国の宣伝を鵜呑みにして「安倍は負けた」と騒いだものですから、多くの日本人も「韓国の検査体制は日本よりも優れている」と信じ込んだのです。


■馬脚を現したK防疫


――ハンギョレはなぜ、こんないい加減なことを書くのでしょうか。

鈴置:文在寅政権に対し今、再び批判が高まっているからです。重症患者も病院に収容できず、医療崩壊が起きています。12月22日には1日109人と、初めて100人台の死者を出しました。この政権が自画自賛してきた「K防疫」の馬脚がくっきりと現れたのです。

 保守系紙は「菅義偉首相(当時)は米政府にかけ合い、ファイザーのワクチンを確保して感染者急減に成功した。一方、文在寅大統領はワクチン獲得に完全に出遅れたため、効き目が長続きしないアストラゼネカを重症化しやすい高齢者に打ち、今の惨状を招いた」と政治責任を追及し始めました。

 御用新聞と揶揄される左派系紙のハンギョレとすれば、保守の政権批判に反論せねばなりません。それには国民の目を「ワクチン」からそらすのが一番。そこで「日本は自然に免疫を得た」とのロジックを展開したと思われます。

 筆者のキム・ソヨン特派員もさすがに無視はできなかったのでしょう、日韓で接種したワクチンの種類が異なることには触れています。しかし、結論部分では「韓日で10歳代の接種率に差があるといったワクチン説には限界がある」と決め付けたうえで「自然免疫説」を強調しました。

 それに「自然免疫説」を打ち出せば「日本の検査数の少なさ」に焦点を当てられます。「検査をしっかりやった文在寅政権」を再び宣伝できるわけです。この記事の最後のくだりが以下です。

・この仮説(自然免疫説)が正しいならば、現在の韓国を危機に追い立てたのは、徹底したK-防疫のせいということにもなる。恐るべき「防疫の逆説」になるわけだ。


■民度で日本に勝てない


――「徹底したK防疫」を信じる韓国人が未だにいるのでしょうか。

鈴置:かなりいると思います。さきほど指摘した通り、「徹底したK防疫」――韓国の検査体制は日本よりも優れている――というのは嘘なのですが、韓国人はそう信じ込んでいます。「日本よりも上の韓国」との言説は麻薬にも似て、韓国人は手放せないのです。

 ちなみに、「輝かしいK防疫」の一端を担っていたドライブスルー方式の検査場。交通渋滞を起こすため実用には適さず、ソウルでは1カ所残っているだけです。感染拡大におびえる韓国人は零下の冬空の下、屋外で何時間も列に並んで検査を受けています。

――事実を無視してまで「韓国は日本よりも上」と彼らが信じるのはなぜでしょうか?

鈴置:「韓国は日本よりも下」と内心、韓国人が考えてきたからです。1987年から1992年までソウルに住みましたが、韓国から日本を見ると、とても太刀打ちできない存在に見えました。

 経済力で見ると当時、韓国の名目GDPは日本の10分の1以下でした。軍事力でも「韓国海軍は日本の海上保安庁にも勝てない」と言われていました。

 外交的にも1991年まで韓国は国連に加盟しておらず、ソ連とは1990年まで、中国とは1992年まで国交を持てませんでした。要は1990年代初めまで、「一人前の国」ではなかったのです。

 さらに絶望的だったのは、「国力で日本に勝てないのは、国民の程度が低いからだ」と韓国人の多くが考えていたことです。「日本人の秩序意識を見るに、先進国になったのには理由がある」などと韓国人は日常的に言い合っていたものです。

「一人ひとりの能力はともかく、集団になると日本人は力を発揮するが、韓国人は逆だ」という言い方も常用の文句でした。いずれにせよ「国民の質が悪い」と言い出したら、韓国は永遠に日本のようには発展できない、という絶望的な結論になってしまいます。

 これは韓国の指導層にとって極めて困った問題でした。自分の国を信用できない国民は内輪もめをしがちで、国は常に不安定です。そもそも、外国で生活できる人はどんどん出て行ってしまう。

 韓国系の米国人が日系と比べはるかに多いのは、国を捨てた人が相次いだからです。彼らと話すと、豊かさを求めて米国に来た人ばかりではないことが分かります。「ちゃんとした、信頼できる国の国民」になりたかったと言う人がほとんどです。


■セウォル号がトラウマ


――でも、韓国は発展しました。

鈴置:名目GDPは日本の3分の1にまで伸びました。韓国の人口は日本のだいたい、2・5分の1ですから、1人当たりではほぼ似た水準になりました。購買力平価(PPP)ベースなら、1人当たりGDPは、2018年に日本を抜いています。

 外交面でも2010年、日本よりも先にG20首脳会合を主催しました。2012年にはこれまた日本よりも先に、核セキュリティーサミットの開催国となりました。

 日本で、米国との関係が悪い民主党が執権した間隙を突いた側面もありましたが、当時の李明博(イ・ミョンバク)政権は「日本より上の一等国になった」と喧伝。国民は大いに溜飲を下げました。

 国力の面では「日本よりも上」と誇るようになった韓国人ですが、今一つ自信を持てなかったのが「民度」でした。その韓国人の心の傷口を広げたのが2014年4月の「セウォル号」沈没事故です。

 このフェリーが沈没した際、修学旅行中の高校生325人を含む乗客433人を置き去りにして船長をはじめ高級船員は船を脱出しました。乗員・乗客の死亡・行方不明者は304人にのぼりました。沈没の一因が過積載であり、それも日常的に行われていたことも明らかになりました。民度の低さを示す典型的な事件でした。

 2015年5月のMERS(中東呼吸器症候群)の流行も、韓国人に民度への自信を失わせました。1万6693人が隔離対象となり37人が死亡するなど、大騒ぎになりました。

 病院内で十分に隔離をしなかったため院内感染が相次いだうえ、隔離された患者も病院から脱走するなど、韓国人にとっては恥ずかしい事件となりました。ことに、アジアで流行したのが韓国だけだったのもそれを加速させました。


■劣等感のはけ口が弾劾に


――「我々は民度が低い」とメディアが指摘したのですか?

鈴置:20世紀までならそう書いたでしょうが、21世紀になって「日本を抜いた」ことになった以上、はっきりと指摘したメディアはほとんどありませんでした。内心、そう思った韓国人は多かったでしょうが、国民の夢を壊す勇気のあるメディアはどの国にもあまりないものです。

 そこで「セウォル号」事件では救助が遅かったとして、海洋警察や朴槿恵(パク・クネ)大統領が非難の対象になりました。MERSでは、防疫当局と朴槿恵大統領が批判されました。

 2017年3月に朴槿恵大統領が弾劾されたのも、2016年に「大統領の友人が国政を壟断している」と報じられたのがきっかけでした。が、背景には「セウォル号」や「MERS」があったのです。国民の劣等感のはけ口が、朴槿恵大統領に向かったのです。

 弾劾が決まった途端、韓国紙は左派系だけではなしに保守系も「日本よりも韓国の民主主義の方が成熟した」と誇りました。大統領を弾劾すれば民主的、というのも変な話ですが、韓国人は「権力に従順な日本人に対し、弾劾を求め果敢にデモを敢行した韓国人」という新たな自画像に酔ったのです。

 これ以降、韓国紙は「韓国の方が日本よりも民度が高く、民主主義も成熟している」との前提で書くようになりました。

 今回のコロナ騒ぎでも、政府とメディアはPCR検査キットやK注射器を早急に開発した韓国民間企業を褒め称えました。「政府の指示を守り、冷静に行動したからこそ感染拡大を防げた」と、民度の高さも称賛の対象になりました。

 日本でトイレットペーパーの買いだめが起きた際は「韓国ではそんな事件は起きない。韓日の民度が逆転した」との記事で溢れました。


■MERSで負けたがコロナで勝った


 2020年2月3日に横浜に入港したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で新型コロナの感染者が大量に発生した時、韓国人は「MERSでは負けたが、新型コロナでは勝った」とばかりに日本を見下したのです。

 元・在日韓国人で、この頃は「The Korean Politics」編集長を名乗っていた徐台教(ソ・テギョ)氏は同年2月14日、日本語のツイッターで以下のようにつぶやきました。

・今のダイヤモンド・プリンセス号と同じことを、韓国で、文大統領がやっていたらと考えてみてください。日本のワイドショーはずっ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~と付きっきりで取り上げるでしょう。「韓国検疫崩壊」とか言って。

 徐台教氏は翌2月15日にも、韓国がなぜ日本と比べうまくやっているかをツイッターで説明し、誇りました。以下です。

・韓国政府は4月15日の総選挙を控え、感染拡大への対策において失態が許されないという緊張感があるのも大きい。さらに、過去のSARSやMERSを通じ整備された国家システムがある程度の水準で機能している。
・コロナウイルスに対する日韓の対応の差の一つは、予算投入の差というのは明白。具体的には調べていないが、韓国は1/28の段階で20億円以上を、その後も矢継ぎ早に予算を出し、さらには2000億円を超える予備費の投入も見越している。ニュースにも「~~自治体がコロナに~~億を投入」というのが目立つ。


■「お前らは下だ」と日本に通告


――わざわざ日本語を使って、「韓国すごいぞ」と日本人に威張るのですね。

鈴置:徐台教氏だけではありません。韓国・建国大学の金容民(キム・ヨンミン)准教授も2020年2月25日、ツイッターで「韓国はすごいぞ」と日本語で誇りました。以下です。

・韓国の検査数 1日 2万超え、凄まじ人海戦術 幸い確診者は減り気味。

 この頃、大邱で感染爆発が発生、文在寅政権は「検査数の多さ」を宣伝し始めていたところです。金容民准教授もそのプロパガンダの戦列に加わった格好です。

 もっとも1日2万件の検査、というのは誤報でした。「2万超え」は累計検査数で、その頃の1日の検査数は2000件前後だったのです。「この数字は累積件数ではないか」との指摘にも、データを読み違えた金容民准教授は「韓国疾病本部の公式発表です」と頑張っていました。なお、このアカウントは2020年5月までに閉鎖されました。

――それにしても、なぜ、わざわざ日本語で威張るのでしょうか。

鈴置:日本人に「自分たちは下だ」と思わせて初めて、韓国人は「自分たちが上」と実感できるからです。だから、ことあるごとに日本人に対し「お前らは下だ」と言ってくるのです。


■国民の自信を壊すな


――コロナによる死者が増え続けているというのに「K防疫」神話を維持できるものでしょうか。

鈴置:興味深いニュースがあります。青瓦台(大統領府)の朴洙賢(パク・スヒョン)国民疎通首席秘書官――首席スポークスマンですが、12月17日、ラジオ番組で「K防疫を否定することは国民の努力を否定することになる」との論理を使って、政府批判に応戦したのです。

 朝鮮日報の「青瓦台『K防疫は国民と医療陣がしたこと…なぜ、執拗に失敗と言うのか』」(12月18日、韓国語版)から発言を引用します。

・K防疫というものは国民がしたものであり、医療陣がしたものだ。だとすると、成功すべきなのに、なぜ、執拗に失敗したと言うのか。(政府が防疫に失敗したとの主張は)国民の献身と医療陣の犠牲が失敗したという話になる。

――「国民がやったK防疫だから、成功すべきだ」という理屈が分かりません。

鈴置:「韓国人の自信」という補助線を引けば理解しやすい。先ほどから申し上げているように、韓国人は極めて自信に乏しい人たちでした。メディアも含め、指導層は国がいつ分解するかと恐れ、国民に何とか自信を付けさせようと苦労してきたのです。

 青瓦台のスポークスマンは保守メディアに対し、今回のコロナ騒ぎの中、「K防疫」プロパガンダを通じ、国民に自信を持たせるのに成功した。というのに、せっかく涵養した自信を潰す気か――と詰め寄ったのです。


■負け続けても手柄顔の文在寅


――韓国を観察する時は「自信」がキーワードなのですね。

鈴置:「『K防疫のまやかし』から韓国人は目覚めるか 幼いナショナリズムが生む国家の蹉跌」でも指摘したように、保守系紙もK防疫批判をする際、政権の失敗は激しく追及しても、国民の民度を否定するような記事は一切書きません。

 中央日報の金玄基(キム・ヒョンギ)巡回特派員兼東京総局長が書いた「【時視各角】韓国の防疫と日本の防疫の違い」(12月23日、日本語版)は、これまでの韓国メディアの記事の中で最も激しいK防疫批判だと思います。

 ワクチン獲得競争で文在寅大統領が完全に負けたことを指摘したうえ、「勝った」菅義偉首相も後継者の岸田文雄首相も、それを一切誇らない、と指摘しました。「負け続けている」のに手柄顔をして、国民を誤魔化してきた文在寅大統領に対する怒りの表明です。

 ただ、この記事も韓国の民度を疑う書き方はしていません。むしろ、文在寅大統領の不誠実さを強調するほどに、普通の韓国人は被害者となるわけですから、「民度」は不問に付されるのです。


■「我が国はいい国」と信じたい


――青瓦台の主張が通って、K防疫批判は収まるのでしょうか。

鈴置:それはまだ分かりません。却って反発する人も多いでしょう。ただ、見落としてならないのは、韓国人が「我が国はいい国だ」と信じたがっていることです。

 日本の文芸誌『すばる』2020年8月号に韓国のSF作家で弁護士のチョン・ソヨン氏が「コロナ以後の日常――韓国・ソウル」というタイトルのエッセイを寄せています。

 タイトル通り、コロナで閉鎖的な環境に住むことを余儀なくされた日常を描いているのですが、最後のくだりが印象的でした。引用します。

・コロナ以後の時代に韓国・ソウルで暮らしながら、私は改めて実感する。私たちは命が連結された共同体であると。そして国家や他人が私の命を見捨てないだろうと信じられるようになった自分自身に驚き、安堵している。

 韓国政府のコロナ対策に全幅の信頼を寄せており、その安心感を日本の雑誌に表明したのです。筒井康隆氏ら52人がリレー形式で2020年1年間をつづった『パンデミック日記』と対照的でした。

 52人中47人が日本在住ですが、「国家に守られている」といった感想を書いた人は皆無でした。何人かは政府や自治体の首長の無能さを批判しました。


■政府に従順な日本人、独自に動く韓国人


――どうしてそんなに差があるのでしょうか。

鈴置:国家と国民の間の信頼感の差と思います。韓国では死者が1人も出ておらず、大統領が「新型コロナはすぐに収まる」と語っていた時から人出が急減しました。韓国人は国や政府を頭から信じていないのです。

 一方、日本では政府が「三密」を呼びかけて初めて人出が減少した。国というものを信用しきっていて、国の指示に極めて従順です。

 なお、この点は「『防疫で世界を先導』と胸を張る文在寅、『反面教師に』と冷ややかな安倍晋三」でデータをもとに論じています。

 ただ、政府の指示に従順な日本人は、国家が国民の命を守るのは当然と考えている。だから政府が何をやろうが感謝しない。不足な点にだけ目が行って怒る。

 韓国人は日本人以上に国に厳しいけれど、心の奥底では「信じられる国家」に憧れを持っている。国に深い不信感を持つからこそ、国を信じてみたい。そこで、何かいい材料があれば、自分は国に守られていると言い出すのです。

 チョン・ソヨン氏がこの記事を書いたのは2020年6月上旬と思われます。韓国を肯定的に評価する「K防疫」という言葉がメディアで使われ始めた頃です。大邱からソウルに感染が広がっていましたが、全国の1日の新規陽性者はまだ、2ケタに過ぎず、今から考えると実にのどかな日々でした。


■昔の韓国人に戻るのか


――今、『すばる』から寄稿を頼まれたら、チョン・ソヨン氏はどう書くのでしょうか。

鈴置:私も読んでみたいものです。今も「国家が私の命を見捨てないと信じる」と書くのか、一転して「文在寅の不実」をなじるのか――。

 これはチョン・ソヨン氏の問題だけではないと思います。韓国人がK防疫をバネに一段と自信を付けるのか。それともK防疫の馬脚に気付き、劣等感に苦しむ昔の韓国人に戻るのか……。韓国は今、岐路に立っているのです。

鈴置高史(すずおき・たかぶみ)
韓国観察者。1954年(昭和29年)愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社でソウル、香港特派員、経済解説部長などを歴任。95~96年にハーバード大学国際問題研究所で研究員、2006年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)でジェファーソン・プログラム・フェローを務める。18年3月に退社。著書に『米韓同盟消滅』(新潮新書)、近未来小説『朝鮮半島201Z年』(日本経済新聞出版社)など。2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

デイリー新潮編集部

 
 

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慢性化する中国不動産バブル崩壊の不安 田村秀男(産経新聞特別記者)

2021-12-28 14:37:13 | 日記
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2021.12.14 (火)

慢性化する中国不動産バブル崩壊の不安 田村秀男(産経新聞特別記者)

中国の習近平政権は不動産大手、恒大集団の巨額債務危機を封じ込めようと躍起になっている。米ウォール街を中心とする国際金融界も、中国債務バブル崩壊不安が世界に飛び火するのを恐れ、ことを荒立てないよう対中配慮が目立つ。平成バブル崩壊後の日本に容赦しなかったのとは大違いだ。

が、これで中国経済は軟着陸かというと、そうは問屋が卸さない。不動産を軸にした固定資産投資を土台とする中国式経済モデルの行き詰まりは明白だ。

不動産市場崩壊は経済の碇喪失

不動産業界は銀行借り入ればかりではなく、高利回りを売り物にする理財商品や外債発行で巨額の資金を集め、不動産開発を行ってきた。習近平共産党総書記・国家主席はと言えば、手っ取り早い経済成長底上げ手段として不動産開発を中心とする上物(固定資産)投資に依存し、住宅ブームを演出してきた。

上記グラフは不動産を代表する住宅投資と国内総生産(GDP)の前年同期比増減率の推移である。住宅投資は年によって凸凹が激しいが、長期的な趨勢は右肩下がりであり、GDPの減速傾向に沿っている。統計学でいう相関係数(完全相関値は1)で0.8と極めて高い。住宅投資はGDPの5割以上を占める固定資産投資の芯である。新型コロナ不況の2020年の同比率は約5割、その多くが不動産開発でGDP増加額の31%を占めた。不動産市場の崩壊は中国経済のアンカー(碇)の喪失を意味する。

住宅価格上昇は、2件目、3件目というふうにマンション投資に殺到して値上がり益を享受する中間層以上の富裕層を喜ばせる。住宅値上がりと高利回り理財商品など不動産市場を舞台に党・政府要人、企業幹部、そして夥しい数の市民が踊り狂う。個人消費も活発になるので、GDPも増える。中国の高成長と貧富の格差拡大は以上のような住宅相場値上昇のビジネスモデルに起因するわけだ。ことし前半、上海などでは住宅価格が標準世帯の年収の30倍以上に達し、一般の勤労者には手が届かない。日本の平成バブル時では、東京都で年収の10倍程度だったが、上海など中国ではその比どころではない。

「共同富裕」が招いた債務危機

不動産主導型経済をあわててぶち壊しにかかったのが他ならぬ習氏である。住宅高騰が若い世代のマイホームの夢を壊すに及んでは、万人平等の毛沢東式共産主義の教義に反する。来秋の共産党大会であわよくば毛以来の党主席の座を狙う習氏は、この8月に突如「共同富裕」を唱え始めた。党の指令によって不動産開発へのカネの流れを細らせて、住宅価格を下落させる。たちまちのうちに不動産バブル崩壊不安が起き、恒大集団の債務危機を招いたのだが、危機は経済全般に及ぶ。

中国各地に林立する高層マンションに象徴される固定資産投資の結果、生産されたコンクリートの総量は15年から20年までの6年間で127億トン、20世紀を通じた米国の約3倍である。だが、コンクリート自体は新たな価値を生まず、債務の塊と化しかねない。しかも、債務膨張に経済成長が追いつかない。ことし前半の統計値を年間に置き換えたGDPを2015年に比較すると1.5倍だが、総債務は2.2倍、対外債務は1.9倍である。恒大集団の負債は総額で約4300兆円に上る中国の民間(家計・企業合計)負債総額の0.75%に過ぎないが、恒大に限らず中国の不動産大手が海外向けを含め巨額の外貨建て債務を抱えている。

脱中国に本腰入れるべきとき

ビビったのが国際金融界である。恒大の外債利払い延期は9月以来で、期限が到来するたびに遅延してきたのだが、米国の格付け機関「フィッチ」が債務不履行(デフォルト)を宣言したのは今月9日であり、しかも「部分的デフォルト」だと表現をぼかした。その間に、習政権は「中国恒大集団が広東省政府や中国人民銀行(中央銀行)など政府の全面的な監督・指導のもとで、外貨建て債務の再編を目指す」(12月5日付け日本経済新聞朝刊)などと、外国メディアに報じさせ、国際金融市場を落ち着かせてきた。

だが、だまされてはいけない。バブルの一挙崩壊は避けられたとしても、危機的状況終結の見通しは立たない。わが国の金融機関も企業も巨大化、慢性化するチャイナリスクを直視して、脱中国に本腰を入れるべきだ。