「今日の一言」で連載中の、養生に役立ちそうな言葉を、週ごとにまとめておきました。
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雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラツテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジヨウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ陰ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ツテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ツテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ツテコハガラナクテモイイトイヒ
北ニケンクワヤソシヨウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボウトヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
(『宮沢賢治詩集』「手帳より 十一月三日」より)
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無病とも 心つかずに 無病なり
(平田篤胤『志都乃岩室(静の岩屋)』より)
江戸時代の川柳です。
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百病は気に於いて生ず。
(『黄帝内経素問』「挙痛論」より)
病は気から。
でも、その気とは、天地人の中にたくさんある、もう少し具体的な気、病の原因のこと。
どんな気で発病したか知るには、ふだんから心にアンテナを張っておきませんとね。
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惻隠の心は、人皆これ有り。
羞悪の心は、人皆これ有り。
恭敬の心は、人皆これ有り。
是非の心は、人皆これ有り。
惻隠の心は仁なり。
羞悪の心は義なり。
恭敬の心は礼なり。
是非の心は智なり。
仁義礼智は、外より我を飾るに非ざるなり。
我固より之を有するなり。
思わざるのみ。
(『孟子』「告子章句上」より)
人間が禽獣と異なるのは、これらの大切な心があるためです。
人はだれでも、もともとそれらを持っているのに、気が付いていないのです。
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少しお考えくだされば、あなたはきっと、今日の病気は明日の健康な状態なのであり、またその逆もありうるというあの考えが、もう一度あなたの心によみがえるのに気づかれるでしょう。
一見あれほどたくましく、呪わしいほど健康に見えるお金人間、機械人間がもう一世代のあいだ幸せに痴呆化を続けたならば、そのときには彼らはおそらく、彼らをふたたび美と秘密の世界へ案内してくれる医者や教師や芸術家や呪術師を雇って、高給を支払うことになるでしょう。
(ヘルマン・ヘッセ『庭仕事の愉しみ』「百日草」岡田朝雄訳より)
ヘッセの時代から一世代の後、現代はどのような状態なのでしょうか。
美と秘密の世界への入場料金はないのです。
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何事もあまりよくせんとしていそげば、必あしくなる。病を治するも亦しかり。
(貝原益軒『養生訓』「総論下」より)
種をまき、水をやったら、あとは待つ。
苗を抜き、手入れし過ぎは、毒となるべし。
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人間のほんとうの理性は、肉体と関係なく形成されるどころか、健全な肉体こそが、精神の働きを容易にし、確実にするのである。
(ルソー『エミール』戸部松実訳より)
障害を持っていても、健全な肉体であることはできます。
でも病気であるときに精神の働きを確実にするには努力が必要です。
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