「今日の一言」で連載中の、養生に役立ちそうな言葉を、週ごとにまとめておきました。
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皮膚という 薄い柔らかい
伸びちぢみ自由な 大小無数の穴によって
外界と通じ合っている
複雑きわまりない
ひとつの生きた袋の中に、
液体的なものがいっぱい入っていて、
その中に骨も内臓も浮かんでいる。
(野口三千三『原初生命体としての人間』より)
自分の身体に対するイメージ。
それが変わるだけで心身がいろいろと変化してきます。
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多く蔵すれば、必ず厚く亡う。
(『老子』「四十四章」より)
お金も、物も、たくさん蓄えようとすると、それ以上のものを失うことがあります。
食事も、水も、おやつも、ジュースも、お酒も・・・
摂り過ぎに気をつけましょう。
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自ら悪を作せば自ら穢れ、自ら悪を作さざれば自らが清し、
浄と不浄と共に己にあり、自ら他を清くすること能はず。
(『法句経』「自己品第十二」より)
自ら悪をなさば自ら汚れ、自ら悪をなさざれば自らが浄し、
浄きも浄からざるも自らのことなり、他者に依りて浄むることを得ず。
(「少林寺拳法、聖句」より)
武術には自己修養がたいせつです。
養生にもそれが言えますね。
どのように生きるか、自分で決めるべき時が必ずきます。
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人間はガイアの一部でガイアと切り離すことはできないので、われわれの知性はガイアにとって新たな能力と力である代わりに、新たな危険でもあるのだ。
(ジェームズ・ラブロック『ガイアの復讐』竹村健一訳より)
レオナルド・ダ・ヴィンチも人体を地球の縮図とみなして、地球を人体の拡大モデルとみなしました。
天人相応。天人相関。
東洋哲学も、それにもとづく鍼灸医学、東洋医学も、基本は同じです。
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人の身は父母を本とし、天地を初とす。
(貝原益軒『養生訓』より)
自分の身は、自分一人だけのものではない。
不養生して若死にでもすると、それは天地父母に対して不孝である、
と、益軒は言います。
長生きして、人倫の道を行い、喜び、楽しむことが大切です。
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凡、薬と鍼灸を用るは、やむ事を得ざる下策なり。
飲食、色欲を慎しみ、起臥を時にして、養生をよくすれば病なし。
(貝原益軒『養生訓』より)
薬も鍼灸だけでなく、導引も按摩も同様です。
病気でもないときに、みだりに治療をおこなうことは上策ではありません。
まずは、朝夕歩き、労働して、座り、寝てばかりいることを避けること。
その上で、具合の良くないときは、治療の当否をよく知って選ぶことが大切です。
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養気は医の至道なり。
(本居宣長「送藤文與還肥序」より)
気を養うこと、それが医療の至道である、
と宣長は言います。
どのように気を養うのか、
食べ過ぎない、
身体を動かして、でも、やり過ぎない。
思慮は常に少なく、
これが原則。
湯熨鍼灸(薬や鍼灸)は、あくまで真気を補助する治療法です。
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