今、読むのに時間がかかってるのが、「村上さんのところ」。
村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト
期間限定17日間に寄せられた、村上主義(読者)からの質問、3万7,465通から選ばれた3,716通に返事を書き、そこから473通を本に収録したもの。
ふー、書き写すだけでも大変なのに、全てに目を通して、選び、返事を考えて書くというのは、本当に気が遠くなるような作業だと察する。
それぞれの質問は、軽いものから重いものまで様々。
いろんな人がいろんなことを思って生きているんだなぁ。
ちょっとした質問でも、マジメに、不真面目に!?返すだけでもかなりの作業。
役に立たなくても、不利益を与えたくない、人生少しでも楽になって欲しいという丁寧な村上さんを感じる。
このような面倒くさいのに利益は少なそうな作業や村上作品から、切々と感じるのは、
煩雑なルーティンワークをこなし、規則正しく節制された日常生活を丁寧に送ること。
村上流にはこれに適度な運動習慣をプラス。
これだけで、生きていく力が備わる。
多少の苦悩、悲しみ、不公平感、不合理、不幸せを解決するわけではないけど、
消えてなくならないそれを芯に、堅実な生活でぐるぐると包んで、ロールキャベツのような、鉄筋コンクリートのような、カタチになる。
まあなんとか生きていける。
あわよくば成長していくかも。
意識しようがしまいが、それぞれみんな好きなことや辛いこと、核になるようなマイテーマがあって、
それを自分に合った、でも面白みのない地道なルーティンワークを重ねていくことで、意味のある人生になる。
ルーティン!!
生活を大事にすると、人生も厚みが出るよ。
そんなことを村上作品から受け取るのでした。
小説なんてなくても困らないもの、だけど小説を読むことがボクは楽しい。
なにを受け取っても、受け取らなくても自由です、というスタンスが魅力なのだ。