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ニギハヤヒ (2011.11 初版)
立花隆が週刊文春の書評でとりあげていたこの本は、やっぱりおもしろい。 天皇の初代は神武であり、これは記紀・古事記日本書紀に記述があるからで、ところが、 著者は記紀と同時代の古典「先代旧事本記」(クジホンキ)を解明して話しを起こす。 神武の東征で熊野から大和に入ったとき、すでに天つ御璽(みしるし)を持つ統治者ニギハヤヒがいた。 ふたりの統治者・天つ御璽をもつ「天神の子」(あまつかみのこ)がいたことになる。 しかも、初代の神武の以前から大和を統治していたとあれば、先代さんになるわけでややこしい。 この面白い本で、 著者はニギハヤヒは神とおき神話の時代の最後の話しとし、神武を「人」と考え歴史の時代とした。 祟りの神スサノオにならび、ニギハヤヒを出雲神話もからめ、縄文時代の見え隠れする景色が話しを面白くさせる。 この夏、一番の読み物であった。 |