謎の子守唄
昔、あったど。
あるところに、旅僧(たびそう)がいて人の家の門さ立っては、
「ニャーニャモニャ、カニャモニャ。 ニャーニャモニャ、カニャモニャ。
カランカラン。 ニャーニャモニャ、カニャモニャ。
ニャーニャモニャ、カニャモニャ。カランカラン。」って拝んで歩いてたんだと。
ある秋の日、拝んで歩いているうちにとっぷりと日が暮れてしまったんだと。
旅僧は、「ああ~日が暮れてしまった~・・・」
見るとある家の前、「そうだここに泊めでもらうべ」と思い、
そこのおどっつぁまさ、「これこれこういうわけで、今日は日が暮れてしまった、
泊めでいただけねべが?」ってお願いしたんだど。
すると、そのおどっつぁま、旅僧の頭のてっぺんから足の先までじろじろ見て・・・
「ああ、いがすいがす泊まらいん。 さあさあ、足洗ってきて、風呂も湧いでだがら、へいらいん」
旅僧は、あったけいご飯もごっつぉうになり
「さあさあ、疲れだべがらお休みないん」
旅僧は、たまげて親切な人もいるもんだなぁと思いながら、敷いてもらった床に寝たんだど。
旅僧は疲れていて、ぐっすり寝ていたんだけど、歌が聞こえて来て、夜中にふと目が覚めたんだと。
そしたら、そこの「がが様」が、「わらすこ」おぶって、そこの廊下を行ったり来たりしながら、
子守歌っこ歌っていたんだと。
旅僧は、どんな歌を歌っているのかと聴いたれば、なんべんもなんべんも歌っている。
よ~っく歌っこ聴けば。
りんがじんと、ががじんと、
だんずることをもんすれば、
旅僧(りょそう)をせっすとぐんだんす。
草にそうこうないときは、
やんまとやんまをかさねべし。
ねんねんころろ、ねんころろ。
って歌ってたんだと。
「たまげで不思議な子守歌もあるもんだなぁ?」と思って聴いていたら・・・
「はっ!!」としたんだど。
「りんがんじと、ががじんと」とは、隣の人と我が家の人ということで、
「だんずることをもんすれば」とは、語っていたことを聞いていたれば、
「旅僧(りょそう)をせっすとぐんだんす」とは、
たびの僧を殺そうということだ。
「草にそうこうないときは」とは、草という字に、くさかんむりが無いのは、
「早く」ということで、
「やんまとやんまを重ねべし」とは、山と山を重ねれば、出るという字だから、
つまりこの歌は、「ここの人と、となりの人が語っていたのを聞いたれば、旅僧を殺して、
金を取っぺと言ってたから早く出て行け」ってことか!
旅僧は飛び上がって起きて、枕を床の中に突っ込んで、帯もしねで裏の口から逃げていったんだと。
それを知らない、そこの家の「おやんつぁま」と隣りの家の「おやんつぁま」、
「旅僧は今頃疲れでぐっすり眠ってっぺがらそろそろいいな。
あの身なりからして、随分金を持っているようだから二人して山分けすっぺし。
と研ぎ澄ました刀を持って、抜き足、差し足、・・・・
そこっと旅僧の部屋さ来たんだど。
ガラッと戸を開けるとズックりと、布団の上から刺したんだと。
ところが、刺したのは枕で、旅僧は逃げたあと・・
「ああ~悔しい~」
じだんだ踏んで悔しがったげっとも、結局逃げられてしまったあとだったんだと。
そこの「ががさま」も、旅僧も普段から歌の意味が分かるほどの学問の力があったから、助けることも出来たし、助けられることも出来たんだどっしゃ。
どーびん。
話者:只野 とよ(旧遠田郡小牛田)
再話:佐藤 達夫
原作は、話したままを文字にしているため、文体も一部書き換えました。
再再話:ひーさん
勉強は無駄にならないのですね。
私にはもう遅いようです・・・この本を小学校の時に読んでれば、おいらの人生変わってたかな~ 後悔先に立たずとは、このことか????
昔、あったど。
あるところに、旅僧(たびそう)がいて人の家の門さ立っては、
「ニャーニャモニャ、カニャモニャ。 ニャーニャモニャ、カニャモニャ。
カランカラン。 ニャーニャモニャ、カニャモニャ。
ニャーニャモニャ、カニャモニャ。カランカラン。」って拝んで歩いてたんだと。
ある秋の日、拝んで歩いているうちにとっぷりと日が暮れてしまったんだと。
旅僧は、「ああ~日が暮れてしまった~・・・」
見るとある家の前、「そうだここに泊めでもらうべ」と思い、
そこのおどっつぁまさ、「これこれこういうわけで、今日は日が暮れてしまった、
泊めでいただけねべが?」ってお願いしたんだど。
すると、そのおどっつぁま、旅僧の頭のてっぺんから足の先までじろじろ見て・・・
「ああ、いがすいがす泊まらいん。 さあさあ、足洗ってきて、風呂も湧いでだがら、へいらいん」
旅僧は、あったけいご飯もごっつぉうになり
「さあさあ、疲れだべがらお休みないん」
旅僧は、たまげて親切な人もいるもんだなぁと思いながら、敷いてもらった床に寝たんだど。
旅僧は疲れていて、ぐっすり寝ていたんだけど、歌が聞こえて来て、夜中にふと目が覚めたんだと。
そしたら、そこの「がが様」が、「わらすこ」おぶって、そこの廊下を行ったり来たりしながら、
子守歌っこ歌っていたんだと。
旅僧は、どんな歌を歌っているのかと聴いたれば、なんべんもなんべんも歌っている。
よ~っく歌っこ聴けば。
りんがじんと、ががじんと、
だんずることをもんすれば、
旅僧(りょそう)をせっすとぐんだんす。
草にそうこうないときは、
やんまとやんまをかさねべし。
ねんねんころろ、ねんころろ。
って歌ってたんだと。
「たまげで不思議な子守歌もあるもんだなぁ?」と思って聴いていたら・・・
「はっ!!」としたんだど。
「りんがんじと、ががじんと」とは、隣の人と我が家の人ということで、
「だんずることをもんすれば」とは、語っていたことを聞いていたれば、
「旅僧(りょそう)をせっすとぐんだんす」とは、
たびの僧を殺そうということだ。
「草にそうこうないときは」とは、草という字に、くさかんむりが無いのは、
「早く」ということで、
「やんまとやんまを重ねべし」とは、山と山を重ねれば、出るという字だから、
つまりこの歌は、「ここの人と、となりの人が語っていたのを聞いたれば、旅僧を殺して、
金を取っぺと言ってたから早く出て行け」ってことか!
旅僧は飛び上がって起きて、枕を床の中に突っ込んで、帯もしねで裏の口から逃げていったんだと。
それを知らない、そこの家の「おやんつぁま」と隣りの家の「おやんつぁま」、
「旅僧は今頃疲れでぐっすり眠ってっぺがらそろそろいいな。
あの身なりからして、随分金を持っているようだから二人して山分けすっぺし。
と研ぎ澄ました刀を持って、抜き足、差し足、・・・・
そこっと旅僧の部屋さ来たんだど。
ガラッと戸を開けるとズックりと、布団の上から刺したんだと。
ところが、刺したのは枕で、旅僧は逃げたあと・・
「ああ~悔しい~」
じだんだ踏んで悔しがったげっとも、結局逃げられてしまったあとだったんだと。
そこの「ががさま」も、旅僧も普段から歌の意味が分かるほどの学問の力があったから、助けることも出来たし、助けられることも出来たんだどっしゃ。
どーびん。
話者:只野 とよ(旧遠田郡小牛田)
再話:佐藤 達夫
原作は、話したままを文字にしているため、文体も一部書き換えました。
再再話:ひーさん
勉強は無駄にならないのですね。
私にはもう遅いようです・・・この本を小学校の時に読んでれば、おいらの人生変わってたかな~ 後悔先に立たずとは、このことか????
可愛いアニメに昔話を読ませて頂きました。
やはり、ひーさんが訳しているから分かりやすく原文のままですと時間が掛かりそうな昔話でした。
いつ聞いても楽しい昔話や民話ですね(^^♪
学力は無駄にはならないですよね。やっぱり勉強させようかな~
ひー画伯、絵本出せそうですね。おやんつぁまの目つきが悪そぉ~!!
ありがとうございます。
両肩に山の如き後悔あり
されど気づきはじむるに
遅きはなしと気持ちだけは
若者とうそぶく私です。
遅くなんかないですよ。
後悔を後背にしちゃって
前進いたしましょう!!
でも、坊さんはともかく
ががさま、すごい教養人ですよね・・・
後悔先に立たず。まさに、私のこと。
耳が痛いです~(ToT)
今はもうありませんかね?
まぁ、勉強の良し悪しは、天の定め…
曲がったことをしなければ、それで良し!
正しく生きよ! ですかね。
上を見ても下を見てもきりがありませんが、こうしてPCから見ている人はまだいいのかも?
歌の意味が分からなかったらそのまま爆睡!
何でも勉強はしておくものなのですね。教訓!
学問は正に身を助けるということですね。
普通なら、あまり意味のない歌として考えずに寝入ってしまうかもしれないです。
知恵が自分の命を救ったと言うことですね。