ひーさんの散歩道

道には、様々な歴史や文化が息づいている。
歴史に触れ風景に感動し忘れていた何かを探したい。

昔ばなし・・・「半殺し」「皆殺し」

2008年01月30日 19時25分26秒 | みちのく昔話


昔々・・・山間にお爺さんとお婆さんが住んでいました。

ある日のことです・・・一人の青年が旅をしていましたが、日が暮れてしまい一夜の宿を求めて来ました。

「トントン・・・トントン」 

『あれ、今頃だれですかね~ お爺さん』

『どれどれ見て来よう』

お爺さんは、土間の戸を開けに立ち上がりました。

「こんばんは、日が暮れてしまい道に迷いました。

今夜泊めて頂くわけにはいかないでしょうか。?」

そこには青年が立ちすくんでいました。


『お~お~寒いだろう。 ほらほら入りなさい。』

『遠慮はいらないからゆっくりしていきなさい。』

『婆さん、暖かい味噌汁でも出してやってくれんかい』

『はい、わかりましたよ!』

親切な老夫婦に、青年はホッとした。

そして、風呂をいただき、寝床についたときだった。

居間の方からお爺さんとお婆さんの会話が聞こえてきた。


「爺さんや、明日は、《とって投げ》にでもしようかね~」

『婆さん婆さん、それなら《半殺》しにしたほうがいいだろ』

「爺さん爺さん、それなら《みな殺し》にしてしまいましょう。」

『それはいい、じゃー《みな殺し》にでもしようか。』

それを聞いていたいた青年は、寝るに寝れません。

青年は、一睡もしないで、夜明け前にその家を出て、麓の家に助けを求めました。

青年は老夫婦の話を、麓の家の人に説明したのです。

すると、その家の人は、腹を抱えて笑ったのです。

「ハハハハ・・・それは、あなたをもてなそうと御馳走の話をしていたのですよ。」

とって投げは・・・すいとんのこと・鍋に練った小麦粉をつまんで取って投げいれるからね。

半殺しは・・・・・・ぼた餅(おはぎ)のこと・米を半分潰すからね。

みな殺しは・・・・お餅のことだよ・米をしっかり潰すからね。

「さあさあ、帰ってご馳走になって来なさい。」

青年は、早がってんしたようですね。

土地が違うと呼び方も変りますよね。

実際に東北では、このように呼ぶところがあります。

その時は、怖がらないで、安心して休んで下さいね。










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