月光の東
2017-01-18 | 本
宮本 輝 著
1ページ目か糸魚川から信濃大町までの切符…大糸線の根知、平岩、中土…という懐かしい名前。
いつも乗っていた大糸線。
ハワイまでの飛行機で読もうと去年借りました。
塔屋米花という女性をめぐり、カラチで自殺した夫の事を思い、精神状態が不安定になってしまった妻の日記形式での立ち直り。
それと並行しての同級生達の米花への思い。
「月光の東まで追いかけて」という米花の謎めいた言葉。
月光の東とは、米花が自分が心の中で空想して創りあげた国だったのではなかったか。
後半にこんなふうに書いてありました。
美貌に恵まれてはいたものの、不幸な幼少期、少女時代を過ごしてきた米花が心の拠り所にしていたのではないかと思わずにはいられません。
素敵な言葉ですけどね。
年末から年始と読むのに時間がかかってしまいましたが、読み終わったら何だか長旅から帰って来たようでした。