歴史に学ぶ人事・経営論

横浜の社会保険労務士・行政書士関口英樹です。

発想力の件

2022-07-31 13:07:15 | 歴史に学ぶ人事経営論
時は、戦国乱世。
この頃、武士が鎌倉時代から持っていた価値観は、「一所懸命」という「土地至上主義」だ。
「一生懸命」という言葉の由来だ。

「一所」というのは土地のことである。
たった一坪の土地でも、これを侵す者とは、命を懸けて戦うという意味だ。
なぜか?当時の税金(年貢米)はもちろん、特産品のほとんどが、土地から生産されていたからだ。

しかし、豊臣秀吉の天下統一が目前となった頃、もはや、敵対する大名はなく、奪い取る土地も、日本国内にはなかった。
そこで、新たな領地を求めるべく、朝鮮へ出兵するも、思うような結果は得たれなかった。
武功を挙げた武士への恩賞問題は、まったなしであった。

権力と財力にものを言わせ、大名の名刀をコレクションしていた秀吉は、名案を思い付いた。
「光徳を呼べ。」
秀吉のもとに呼びつけられた本阿弥光徳は、代々、刀剣の鑑定・研磨を生業としてきた家柄だ。

天下統一を推し進めていた秀吉は、百姓から武器を取り上げる刀狩を行っており、城には、大量の刀が集められていた。
「元々、百姓の持ち物とは言え、隠れた名刀があるかもしれない。」
そう考えた秀吉は、光徳に名刀を探させ、土地の代わりに与えようと考えたのだ。
さらに、アイデアマンである秀吉は、単に刀を与えただけではない。
折紙と呼ばれる刀の鑑定書を作らせた。
ちなみに、秀吉が書式を定めた折紙は、後に「折り紙つき」という言葉の由来となった。

自身も刀剣マニアの秀吉だからこそ、刀の性能以外にも、そこにまつわるエピソードに魅せられることが予想できたのだ。
今も現存する「大坂長義」は、秀吉が重臣前田利家に与えた。
天下人が価値を認めた名刀は、その後、前田家の家宝となった。

秀吉亡き後、刀による人心掌握術は、天下の覇権を握った徳川家にも、受け継がれた。
かくして、天下太平の世になり、刀は、戦の武器から、名誉心をくすぐる人心掌握術の道具となった。

刀本来の役割を変え、新たな役割を持たせた秀吉の発想力は、現代のビジネスにも、活用できるのではないだろうか。


令和4年4月と令和4年10月に、育児介護休業法が改正されます。
・育休を取得しやすい雇用環境の義務化
・有期契約社員取得の緩和
・産後パパ育休の創設
・育休の分散取得
就業規則の改正が必要となります。
質問はご遠慮なく。


~中小企業の人事・法務担当~
関口総合法務事務所 社会保険労務士・行政書士
ALPHA FOLKS株式会社 代表取締役
関口 英樹

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