歴史に学ぶ人事・経営論

横浜の社会保険労務士・行政書士関口英樹です。

パワハラと指導の違いについて

2016-03-01 09:07:28 | 日記
近年、パワハラが増加しています。熱血指導とパワハラの違いは、非常に難しいのが現実です。

吉田松陰が主宰し、高杉晋作、伊藤博文、山形有朋など、明治維新に活躍した多くの逸材を育てた松下村塾。
階級や身分にとらわれず受け入れたため、ヤクザ出身者が数名いた。

松陰は、塾生から月謝はとらない。敷地の中で野菜を育て、塾生たちの食材にするのだ。
「共同作業により、学友としての絆を固くしよう」ということだ。

ところがヤクザ出身の市之進はこれを拒んだ。
その態度には、労働を卑しむ気持ちが露骨に表れていた。
松陰の表情は厳しくなった。
「市之進君、きみはなぜ農作業をしない」
「今の私の論文が、学友の討論を経て合格しました。この勢いで次の課題の勉強をしたいのです。葉っぱ作りなどしている暇はありません」
「葉っぱ作りなどではない!」
松陰は、他の塾生がビックリするほど大声で怒鳴った。

市之進は、強がっているが実際には臆病で、社会に対し劣等感を持っている。
猫のように周囲を伺い、周りの反応を敏感に受け止める。
松陰はそういった市之進の性格を知り、鬼のような表情で怒鳴った。
「これは共同精神を養う作業であり、塾生の義務である。どうしても加わらないなら、だたちにここから去りたまえ!」

松陰の悲痛な叫びに、塾生たちは皆うなだれた。
そんな中、先輩格の塾生が市之進に声をかけた。
「市之進、こっちへ来い。先生を悲しませるな」

市之進は泣き出した。
「先生を悲しませるな」の一言が効いたのだ。
市之進は机から離れると土の上に額をすりつけた。
「先生、申し訳ありません。
気持ちが揺らいでおりました。どうかお許しください」
松陰は微笑み、市之進の手をとった。
「僕こそ大声を出してすまない。さあ、土を耕そう」
「はい」

パワハラと熱血指導は、どこで線引きをすればいいのか。
これは非常に難しい問題ですが、松陰の事例には、両者の違いのヒントが隠されていると思うのです。

皆さんの会社のパワハラ対策を、ぜひ関口に教えて下さい。


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~中小企業の法務担当~
社会保険労務士・行政書士 関 口 英 樹
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