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*2017年5月15日撮影
ナガミヒナゲシがまだ咲いていました。
5月初めに咲き出してもうほとんど花は終わっていますが、日当たりの悪い場所などにはまだ咲いています。
ヨーロッパから来た外来種で1961年に東京で発見され、以後急速に全国に広がりました。
ヒナゲシといえば日本ではほとんど観賞用の栽培種ですが、ナガミヒナゲシはれっきとした野草です。
ナガミヒナゲシは実の形が長い円筒形をしているので、「長実雛罌粟」というわけです。
オレンジ色のかわいい花を咲かせますが、その繁殖力の旺盛さから、駆除すべき植物として憎まれてもいるのです。
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*2017年5月10日撮影
少し前に撮った、花盛りの頃のナガミヒナゲシです。
ヒナゲシ類はケシの仲間ですが、アルカロイドを含まないため阿片の原料にはならず、栽培の規制もありません。
ヨーロッパでは各種のヒナゲシ類が畑の雑草として、見渡す限り咲いている光景が見られるのだとか。
かつて与謝野晶子がフランスを旅した時の歌、「ああ皐月(さつき) 仏蘭西(フランス)の野は 火の色す 君も雛罌粟(コクリコ) 我も雛罌粟(コクリコ)」は有名です。
ここでいう「コクリコ」とはフランス語でいうヒナゲシのことで、雛罌粟と書いてコクリコと読ませる、言葉の響きが斬新な歌だと思います。
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*2017年5月10日撮影
花と一緒に実が写っています。
この実の中には、ごく細かな種がぎっしりつまっています。いわゆる芥子粒というわけです。
1つの実に約1600個の種子が入っていて、梅雨明け頃には熟して撒き散らされるのだとか。
その頃には本体は茎も葉も枯れてしまって、実だけが割れて種子をはきだします。
この細かな種子がトラックのタイヤに付着して運ばれたことが、急速に全国に広がった原因ではないかという説があって、なるほどと思う説得力があります。